公開日:2019年12月28日
最終更新日:2024年04月06日
クラウド会計ソフトの普及により、自社で経理を行う「自計化」が進んでいます。これまでは、領収書の束を税理士に渡し、経理業務のほとんどを丸投げしていたような企業においても、最近はクラウド会計ソフトを導入してクラウド上で税理士と連携しながら、データを見える化し、経営分析に役立てるケースにシフトしています。
日常の経理業務だけでなく税務申告のことを考えれば、引き続き税理士のサポートは必要ですが、クラウド会計ソフトの登場によって、従来と比較すると税理士との関わり方が大きく変化しています。
この記事では、クラウド会計ソフトを導入し経理を自計化したり、税理士と連携してクラウド会計ソフトを活用するメリットについてご紹介します。
クラウド会計の豆知識
クラウド会計を利用すれば、社内の会計システムを簡単にネットワーク化することができ、経理事務を大きく改善することができます。
さらに、会計データをクラウド上で管理するクラウド会計なら、税理士にもリアルタイムでチェックしてもらうことができるので、会計データの適正性や税務上のリスク回避も期待できます。
これまでは、会計データを税理士とやり取りしなければならず、さらにやり取りしている間は、会計データの入力作業をストップしなければならなかったため、タイムロスを生じるというデメリットがありました。
しかしクラウド会計であれば、税理士に随時設定の見直しや追加を行ってもらうことができますし、その間も入力作業をストップする必要はありません。
また、税理士にリアルタイムでデータを共有してもらうことで、税理士に迅速にアドバイスをもらえるというメリットもあります。
「このままいくと、今期は○○円ほどの利益が上がりますが、キャッシュは大丈夫ですか」とアドバイスをもらえれば、早めに資金繰りについて打つべき手を税理士に相談することができます。決算直前になって多額の納税額を初めて知り、資金繰りについて焦ることもなくなります。
決算対策の方法はいろいろと考えられますが、小さな対策の積み重ねが大きな効果につながりますので、クラウド会計を活用して、税理士と連携するメリットは見逃せないといえるでしょう。
クラウド会計ソフトとは、インターネット上のサーバーにデータを保存する形式の会計ソフトです。
パソコンにインストールする形式の会計ソフトより、導入手順やメンテナンスが簡単であるということで、注目を集めています。さらに「freee会計」は、銀行やクレジットカードの明細が自動で反映されて仕訳作業を自動化できるうえに学習能力を備えているので、経理作業が効率化できるというメリットがあります。
またクラウド会計ソフトは、インターネットに接続できる環境があればパソコンでもスマートフォンでも利用できるため、移動中に経理作業を行ったり、離れた拠点にいる者同士でタイムリーにデータを共有したりすることができます。
経営者と顧問税理士が同じデータを見ながら、離れた拠点で打ち合わせを行うことができ、資金繰りや節税対策が必要な場面で迅速にアドバイスを受けることも可能になるというわけです。
「freee会計」は、金融機関などと連携して預金やクレジットカードの取引内容を会計帳簿に取り込むことができるため、自動仕訳が可能です。これまでのように、取引ごとに手動で入力する手間がかからず、入力ミスやケアレスミスが削減されます。
取り込んだデータについては、クラウド会計ソフトのAI(人工知能)が適切な勘定科目を選択して仕訳を起票します。もしこの時、AIが誤った勘定科目を選択したとしても、修正は可能です。税理士の修正指導を受ければこの指導についてもAIが学習しますので、以後は正しい勘定科目を選択するようになります。
電子帳簿保存法とは、簡単にいうと、これまで紙での保存が義務づけられていた帳簿や書類について、電子での保存してもOKですよ、とする法律です。「freee会計」では、一定の要件のもと対応スキャナとファイルボックス機能をご利用いただくことで、「紙で受領した」「請求書・領収書を」「スキャナやカメラ(スマートフォンやデジカメでも可能)で電子データにして保存する場合(スキャナ保存)」に対応しています。
▶ クラウド会計ソフト freee会計「電子帳簿保存法の概要・手続について」
電子帳簿保存法によって、領収書などもスキャンによる自動読み取りで電子保存することができるようになったことから、従業員はスマートフォンで領収書を撮影して経費精算の申請を行うことができます。その際には、領収書等に総勘定元帳の経理仕訳と突き合わせができるよう付番しなければなりませんが、この自動経理アプリの機能を活用すれば領収書を読み取った際に自動で付番をしてくれるので、撮影した画像がそのまま税法上の保存書類になり、紙ベースの書類の保管は必要なくなります。
「freee会計」を導入すれば、決算・電子申告もスムーズに行うことができます。まず「電子申告開始ナビ」の手続きが済んでいるか確認し、利用者識別番号とマイナンバーカードの番号を入力します。そして、電子申告アプリ起動を選択して必要情報を入力し、申告ボタンをクリックすると、完了です。
ただし、適切な節税対策については、税理士の指導が必要となりますので、申告の前には事前に税理士のアドバイスを受けることをおすすめします。
「freee会計」で会計処理を省力化できれば、専属の経理担当を雇用する必要がなくなる可能性があります。少なくとも残業代など人件費が削減することは十分可能になります。
また、「freee会計」は、どの端末からでもアクセスすることができ、会社の外など離れた場所同士でも同じデータを共有することができるので、経理担当者に在宅勤務を導入することもできます。
「freee会計」は、給与計算や在庫管理システムなど、さまざまなシステムと連携することが可能です。
「freee人事労務」を連携させれば、給与計算をしたらそれが「freee会計」に取り込まれ、仕訳処理を行います。
これらの連携機能を使う場合は設定も必要ですが、認定アドバイザーである税理士に支援してもらえばスムーズに作業を開始することができます。
ここまでご紹介してきたように、「freee会計」を活用することで経理事務作業は大幅に削減することが可能となり、クラウド上のデータを税理士と共有することで、経理検査・決算監査・税務申告もスムーズに行うことができるようになります。
「freee会計」を導入するときは、税理士らの設定指導を受けると後々作業がスムーズになります。
前述したとおり、「freee会計」を活用すれば、自動仕訳機能や仕訳学習能力によって、経理事務の作業はほぼ自動化することができますが、導入した際には仕訳の可否の判断について自分で判断することができないので、税理士の指導や導入支援を受けることをおすすめします。
また、手書き伝票から新たに会計ソフトを導入する場合やソフトを乗り換える場合は、従来の会計処理に合わせるように勘定科目を設定する必要がありますので、その際の設定についても税理士のアドバイスを受けることをおすすめします。
「freee会計」では、仕訳の大半を自動で入力できるようになります。仕訳の自動作成機能ではAIによって勘定科目が適切に選択されますが、導入当初は資産計上すべきものが費用計上されたり仕訳を手入力した取引について勘定科目や借方・貸方、金額を誤るケアレスミスが起こりがちです。
このようなケースでも、税理士に定期的なサポートを依頼しておけば、通常の経理処理で発生する仕訳のチェックを受けることができますし、クラウド上で同じデータを共有できるため、税理士とタイムリーに情報交換を行うこともできます。
遠方の税理士とデータを見ながらスカイプやハングアウト、zoomなどでやり取りすることができるようになるため、遠隔地にいる税理士にも安心してサポートを受けることができます。
法人税などの税制は、非常に頻繁に改正が行われます。
たとえば、法人税の税率は断続的に引き下げが行われています。また、中小企業投資促進税制など中小企業に向けた税制上の特例については、期限が定められているものが多いため注意が必要です。これらの税制改正や特例は、申告の際に税務署が親切に指導してくれるものではありませんし、専門家である税理士のアドバイスがなければ適切に対応することは困難です。
顧問税理士がいれば、税制改正や特例の創設があった時に会社の実情に見合った対応策について、適切なタイミングで提案を受けることができます。
「freee会計」は、金融機関との連携機能やAIによる勘定科目選定機能などで、経理業務を省力化できる点が特長です。しかし、経理処理が正しくできているかどうかについては、やはり税理士によるチェックしてもらう方が安心です。
たとえば、どの飲食代を交際費にするか会議費にするか、備品の購入費を資産計上するか経費で計上するかについては、最初のうちは税法の知識に基づく判断が必要です。
税理士とデータを共有していれば、仕訳が間違っていたり違法な処理になっていた時に修正してもらうことができますし、有効な節税対策があるのに手続きが行われていない場合には、適切な節税対策や必要な手続きについてアドバイスをしてもらうことができます。
顧問税理士がいると、税務調査の対象となった時にも安心して対応することができます。
税務調査は原則として調査官と納税者の間でやり取りが行われますが、税理士がいれば、間に入ってもらったうえに、納税者の代弁者として対応してもらうことができます。
また、そもそも申告書の作成に税理士が関与していれば、税務調査の対象になりにくいというメリットもあります。税務署は、申告書に顧問税理士の署名押印があれば、「顧問税理士のいる会社であれば、申告書の内容が誤っていることも少ないだろう」と判断するものだからです。
▶ クラウド会計の導入・活用について相談できる税理士をさがす
以上、クラウド会計を活用するメリットや、税理士と連携する方法についてご紹介してきました。
クラウド会計を導入すると経理処理の多くは自動化され、中小企業でも自計化ができるようになります。事前に税務署に申請すれば帳簿や領収書の保存が電子化できる他、作業の効率化で経理担当者の人件費が削減できるといったメリットもあります。
クラウド会計の導入で日々の経理業務を自計化しながら税理士と連携し、必要に応じて質問したり、支援を受けたりすることで、これまでの顧問料よりコストを抑えることができますし、データが「見える化」されるので、会社の状況についてすぐに相談をすることができます。
freee税理士検索では数多くの事務所の中から、クラウド会計ソフトの導入や活用方法について相談できる税理士を検索することができます。
また、コーディネーターによる「税理士紹介サービス」もあるので併せてご利用ください。
税理士の報酬は事務所によって違いますので、「税理士の費用・報酬相場と顧問料まとめ」で、税理士選びの金額の参考にしていただければと思います。
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監修:「クラウド会計ソフト freee会計」
クラウド会計ソフトの「クラウド会計ソフト freee会計」が、税務や経理などで使えるお役立ち情報をご提供します。
「クラウド会計ソフト freee会計」は、毎日の経理作業を最小限で終わらせることができるクラウド型会計ソフトです。疑問点や不明点は、freee税理士検索で税理士を検索し、クラウド会計ソフトの活用方法について相談することができます。