公開日:2022年06月09日
最終更新日:2022年12月20日
受発注システムとは、見積・発注・納品など受発注に関する一連の業務を効率化するシステムのことです。販売管理システムと呼ばれることもあります。
BtoBの受発注業務では、未だに電話やFAXで見積書や納品書のやり取りがされることがあります。
しかし、口頭でのやり取りや手書きの書類では、入力ミスや誤発注を招く恐れがあるだけでなく、在庫確認に時間がかかり「短期間での納品ができない」「担当者のリソースがかかる」といったデメリットがあります。
受発注システムでは、これらの受発注業務をWeb・システム上で一元管理することで、ミスなく素早く納品することや担当者の管理コストの削減を期待することができます。
本記事では、「受発注システムとは何か」といった基礎知識から、導入するメリット・デメリット、基本的な機能、おすすめの受発注システム、そして具体的な導入事例について解説していきます。
受発注システム(英:Web Ordering System)とは、販売管理システムなどとも呼ばれ、BtoBの受発注に関する業務をWeb・システム上で行えるようにするものです。
BtoBの受発注業務において、電話やFAX、営業マンの対面など、アナログな手法で対応している企業はまだまだ多く存在します。
しかし、受発注システムを導入することで、アナログで行っていた受発注業務を、システム上で行うことが可能になり、請求時の仕入れ金額の確認や棚卸などの管理業務の入力作業を効率化することができます。
また、受発注システムの種類には業界特化型のシステムもあり、発注側である卸業者などが同じシステムを利用することで、業界特有の情報なども取引先と共有できます。
さらに、納品書や請求書のやり取りもシステム上で完結するので、紙や電話で処理していた受注伝票の処理が不要になります。紙をシステムに置き換えペーパーレス化できるだけでなく、伝票の紛失リスク軽減にもつながり、その利便性から決算の早期化を実現し接客時間の増加による売上アップも期待できます。
受発注システムは、自社にとっても取引先にとっても大きなメリットが見込まれますので、双方にとって使いやすいサービスを選ぶとよいでしょう。
受発注システムの主な機能を紹介します。受発注システムに搭載されている主な機能は、以下の7つです。
受発注システムの中核となる機能で、さまざまな顧客(発注先)企業から受注した注文を一元管理することが可能です。受注データはシステム上で管理し、CSV形式で出力できるほか、受注伝票もシステム上で検索・編集できるため、ペーパーレス化を実現します。
商品在庫の入出荷情報や在庫数などをデータで管理することが可能です。これにより、人の手による管理で起こりがちな入力ミスや確認ミスを防ぎ、適切な在庫管理をおこなうことができます。
商品の出荷処理やピッキングを行い、納期に合わせて適切なタイミングで出荷指示書を発行することができます。また、ハンディターミナルを使ったスキャンだけでなく、スマートフォンを使って商品のスキャンができる機能などもあります。
納品書などのデータから納品書を作成できる機能です。人為的なミスをなくし、データの履歴を残すことができるため、万が一の際にもすぐに確認することができます。
Web上で受注した際に、確認メールやお礼のメールを自動送信することが可能です。メールの履歴が残るため、誤発注を防ぐことができ、丁寧なお礼メールを設定することで、顧客満足度の向上につながります。
受発注システムでは、発注者専用の画面が用意されており、再発注や配送状況の確認が簡単に行えます。
受発注システム導入以前から利用している外部システムと連携することができます。さまざまな外部システムと連携することで、さらなる業務の効率化を図ることが可能です。
例えば、AIチャットボットと連携した場合、チャット画面の会話内のキーワードをもとに、商品内容に沿った質問や回答を自動で類推します。
また、倉庫管理システムと連携した場合には、実際に倉庫に行って確認しなくても正確な在庫数の把握が可能になり、販売データもリアルタイムに反映させることが可能になります。
受発注システムの受注側、発注側、双方の導入メリットを紹介します。
【受注側メリット】 | 【発注側メリット】 |
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受発注システムの導入は、受注側・発注側双方の業務効率化による工数削減だけでなく、誤発注やご受注、誤納品などのヒューマンエラーの低減、管理工数の削減も期待できます。
受発注システムの導入には様々なメリットがありますが、必要以上の機能を選択した場合などは、現場レベルで使いこなせない・教育に時間やコストがかかるといったデメリットが発生することもあります。
デメリットは「選択するシステム」によって解消されることが多いため、受発注システムの導入前にデメリットを確認することが重要です。
【受注側デメリット】 | 【発注側デメリット】 |
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業務範囲や顧客との関係などを考慮し、自社の事業に合った受発注システムを選ぶようにしましょう。
受発注システムには、提供形態の種類やタイプ、機能、サポート体制などによって、さまざまな違いがあります。自社に必要な機能を事前に把握した上で、受発注システムを選びましょう。
受発注システムの提供形態には、主にオンプレミス、パッケージソフト、クラウドの3種類があります。提供形態にはそれぞれ特徴がありますので、自社に合った提供形態を選択するようにしましょう。
オンプレミス型は、自社サーバー上にシステムを構築するため、拡張性が広く、自社のニーズに合わせたカスタマイズが可能です。また、自社サーバーでデータを管理するため、セキュリティ対策を外部に任せたくない企業におすすめです。
その一方で、システムを一から構築する必要があるので、導入に時間やコストがかかる・自社で保守運用が必要といった面も考慮する必要があります。
パッケージソフト型は、既製品や市販品ソフトとも呼ばれ、汎用的に使えるように量産されたソフトのことです。ERPパッケージなどの企業向けソフトの場合、店頭では販売されていないものも多く、箱にも入っていない場合もあります。比較的拡張性を求めず、月額管理コストを抑えたい企業におすすめです。
クラウド型とは、広義にはインターネット上にデータを保管し、IDとパスワードがあればどのパソコンやスマホ、タブレット端末からでもデータにアクセスできるクラウドサービスのことです。
クラウドでは、リアルタイムで最新の状態をデータを同期し共有できるメリットがあります。離れた場所から複数人で利用できるシステムが多いので、在宅勤務にもおすすめです。また、クラウド型の受発注システムは短期間で導入できる傾向があり、比較的低コストで導入できるものが多いことが特徴です。
受発注システムの主な種類には、汎用型と特化型があります。さまざまな業種や受発注業務に対応した「汎用型」と、業界特有の商習慣に対応するため、業界ごとに専門性の高い機能を持つ「業界特化型」があります。
自社の業種・業務に合ったタイプを選択することで、導入後の機能追加や自社開発などの費用やシステム導入時の費用も削減することができます。業種に特化した業務がない場合や、自社の業種が他業種にわたる場合は、業種を問わず利用できる汎用型の受発注システムを選択するとよいでしょう。
受発注システムに必要な機能は、業種や業務内容によって異なります。受発注業務に基本的に必要な受注管理、在庫管理、出荷管理、請求管理、メール機能の他、カスタマイズ機能や外部連携にもさまざまな種類と違いがあります。
受発注システムは、自社の業種や業務内容に合った機能を備えているかどうかを確認して選ぶとよいでしょう。
受発注システムを検討する場合、導入前後のサポート体制が充実していることが重要です。受発注システムを提供する企業の中には、導入前に相談に乗ってくれるサービスや、無料の試用期間を設けているサービスもあります。導入後は、公式サイトの専用フォームのみで問い合わせに対応するサービスもあれば、電話やチャット、出張サービス、平日の日中だけでなく24時間お問い合わせに対応するサービスなど、さまざまなサポート体制があります。
社内に受発注システムに詳しい人がいない場合や、システムに不安がある場合は、サポート体制が充実している企業を選ぶとよいでしょう。
弥生販売のおすすめポイント |
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提供形態 | インストール型 (ネットワーク型あり*1) | 主な機能 |
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対象企業の規模 |
スタンダート 小規模法人・個人事業主向け プロフェッショナル/プロフェッショナル2ユーザー 中小規模法人向け |
タイプ | 汎用型 |
価格 |
「あんしん保守サポート」付き初年度優待価格 ■スタンダード セルフプラン付き 販売価格:44,000円(税抜) ベーシックプラン付き 販売価格:44,000円(税抜) トータルプラン付き 販売価格:66,000円(税抜) ■プロフェッショナル セルフプラン付き 販売価格:80,000円(税抜) ベーシックプラン付き 販売価格:80,000円(税抜) トータルプラン付き 販売価格:110,000円(税抜) ■プロフェッショナル2ユーザー セルフプラン付き 販売価格:105,000円(税抜) ベーシックプラン付き 販売価格:105,000円(税抜) トータルプラン付き 販売価格:140,000円(税抜 |
無料トライアル期間 | セルフプラン、ベーシックプラン1年間無料 |
サポート体制 |
あんしん保守サポート
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外部連携機能 |
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導入企業数 | 要問い合わせ | 導入実績 | 株式会社ミフジ、サウンドボックス株式会社、株式会社セイエンタプライズ、パートナー産業株式会社ほか |
※1. ネットワーク型とは、サーバー(オンプレミスまたはクラウドで用意)とクライアントを自社で構築するタイプの提供形態をいいます。
商蔵奉行クラウドのおすすめポイント |
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提供形態 | クラウド型 | 主な機能 |
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対象企業の規模 | 全ての規模に対応 | タイプ | 汎用型 |
価格 |
標準では奉行クラウドiA、iB、iSの3プランあり利用できる機能数に違いあり 利用料:300,000円、350,000円、400,000円/年(税抜) ※1ユーザあたりの年額で、初期費、保守費用別途 ※API利用で追加費用発生 |
無料トライアル期間 | 30日間無料 |
サポート体制 |
電話(ナビダイヤル、IP電話)でのサポートに加え、Web、FAXでのお問合せを24時間365日受け付け ※ 17:00以降および休業日の問い合わせは翌営業日以降の対応 |
外部連携機能 |
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導入企業数 | 要問い合わせ | 導入実績 | 要問い合わせ |
出典:商蔵奉行クラウド
アラジンオフィスのおすすめポイント |
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提供形態 | パッケージソフト、オンプレミス、クラウド型 | 主な機能 |
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対象企業の規模 | 全ての規模に対応 | タイプ | 汎用型、特化型 |
価格 | 要問い合わせ | 無料トライアル期間 | 30日間無料 |
サポート体制 | 要問い合わせ | 外部連携機能 | ・オプションでPOSレジシステム、EC・ネットショップ管理ソフト、Web受注システムなどの他システムと連携可能 |
導入企業数 | 5000社以上 | 導入実績 | 株式会社ヤナギダ、株式会社ティーアンドエス、株式会社剣プロダクションサービス、株式会社ヤナセウェルサービス、末広金具株式会社ほか |
出典:アラジンオフィス
楽商のおすすめポイント |
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提供形態 | パッケージソフト※AWSを活用したクラウドサービスの提案も可能 | 主な機能 |
※その他便利な標準機能やオプション機能に関しては詳細WEB参照 |
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対象企業の規模 |
10名以上1,000名未満 1億円以上500億円未満 |
タイプ | 汎用型、特化型 |
価格 |
要問い合わせ。ネットワーク対応版:330万円~。 ※業務別シリーズの各価格はWEB参照 ※他社ソフトとの連携時、別途費用が発生する場合もあり ※自社に合わせたカスタマイズを行う場合、費用は要問い合わせ |
無料トライアル期間 | 30日間無料 |
サポート体制 |
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外部連携機能 | FAX・会計・情報分析などの他システムとの連携 |
導入企業数 | 「楽商」シリーズ全体で1,000社以上 | 導入実績 | 株式会社ミスズユニム、株式会社アールエスエス、株式会社キジマ、株式会社ホリウチ、エヌエスユニ株式会社ほか |
出典:楽商
boardのおすすめポイント |
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提供形態 | クラウド型 | 主な機能 |
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対象企業の規模 | 個人や中小企業 | タイプ | 汎用型 |
価格 |
Personal 980円(税抜) / 月 Basic Standard Premium |
無料トライアル期間 | 30日間無料 |
サポート体制 | Webサポート | 外部連携機能 | 請求や支払いのデータを、freee、マネーフォワードクラウド会計、弥生会計、弥生会計オンライン、勘定奉行へ連携し、入力の手間を低減 |
導入企業数 | 有料導入4,000社以上 | 導入実績 | 株式会社昭和製作所、株式会社ナラティブベース、株式会社リベロ・コンサルティング、株式会社ビープラウド、株式会社ビヨンドほか |
出典:board
flamのおすすめポイント |
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提供形態 | クラウド型 | 主な機能 |
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対象企業の規模 | 要問い合わせ | タイプ | 汎用型 |
価格 |
■スタンダード:月額9,300円(税抜) ■プロフェッショナル:月額19,800円(税抜) ■プレミアム:月額49,800円(税抜) ※プロフェッショナルプランのみ、2022年8月31日末までの申込で月額14,800円が継続 ※有料オプション各種あり。詳細はWEB参照 |
無料トライアル期間 | 30日間無料 |
サポート体制 |
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外部連携機能 | Money Forwardクラウド会計との連携 |
導入企業数 | 要問い合わせ | 導入実績 | 株式会社東急ハンズ、カメマンネン株式会社、丸紅エネブル株式会社、株式会社松本ブルワリー、御殿場高原ワイン株式会社ほか |
出典:flam
クラウド型ERP GENのおすすめポイント |
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提供形態 | クラウド型 | 主な機能 |
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対象企業の規模 | 要問い合わせ | タイプ | 汎用型、特化型 |
価格 | ユーザー数単位課金 | 無料トライアル期間 | 30日間無料 |
サポート体制 | 導入時トレーニングとチャット/メール/Web通話/画面共有 | 外部連携機能 | 会計ソフトとの連携やEDIデータ/ECサイト受注データの取り込みや外部倉庫や配送業者への出荷データ出力。 |
導入企業数 | 要問い合わせ | 導入実績 | 要問い合わせ |
出典:GEN
楽楽販売のおすすめポイント |
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提供形態 | クラウド型 | 主な機能 |
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対象企業の規模 | 要問い合わせ | タイプ | 汎用型 |
価格 |
初期費用:150,000円(税抜き) 料金プラン:60,000円/月? 月額費用は、ご利用ユーザ数やデータベース作成数等に応じて変動 |
無料トライアル期間 | 1週間無料 |
サポート体制 |
サポートスタッフが、お電話・メールにてサポートいたします。 セミナーやFAQサイトも活用でき、お客様のスムーズな運用開始をご支援いたします。 システムの導入前から運用まで一貫してサポート致します。 |
外部連携機能 |
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導入企業数 | 2,500社以上 | 導入実績 | 株式会社アークコミュニケーションズ、株式会社ベーシック、株式会社識学、株式会社ドミノ・ピザ ジャパン、株式会社オーレほか |
出典:楽楽販売
WorkVision販売管理のおすすめポイント |
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提供形態 | クラウド型、オンプレミス | 主な機能 |
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対象企業の規模 | 要問い合わせ | タイプ | 建築系特化型 |
価格 | 販売管理クラウドは、初期費用70,000円、月額15,000円からのサブスクリプション方式の料金体系 | 無料トライアル期間 | – |
サポート体制 | 導入前のご相談、初期導入時技術メンバーによるサポート、導入後のご質問や障害のお問合せ(Doコンタクトセンター) | 外部連携機能 |
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導入企業数 | 要問い合わせ | 導入実績 | グラフテック株式会社、株式会社日本ロックサービス、大黒工業株式会社、イチコーエンジニアリング株式会社ほか |
懐刀のおすすめポイント |
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提供形態 | クラウド型 | 主な機能 |
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対象企業の規模 | 要問い合わせ | タイプ | 食品系特化型 |
価格 | 要問い合わせ | 無料トライアル期間 | – |
サポート体制 | 保守継続加入ユーザーは電話やメール、リモート接続などでサポート | 外部連携機能 |
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導入企業数 | 全国約200社の食品製造業・卸売業様 | 導入実績 | 株式会社 杉本利兵衛本店、株式会社 マルヒガシ海苔、株式会社 日高食品ほか |
出典:懐刀
ApaRevoのおすすめポイント |
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提供形態 | クラウド型、オンプレミス | 主な機能 |
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対象企業の規模 | 要問い合わせ | タイプ | アパレル系特化型 |
価格 |
PC1台で「ApaRevo」を利用 初期費用:347万円~/保守費用:3.3万円~(月額) PC5台で「ApaRevo」を利用 初期費用に含まれるもの 保守費用に含まれるもの |
無料トライアル期間 | – |
サポート体制 | SEが伴走 | 外部連携機能 |
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導入企業数 | 要問い合わせ | 導入実績 | 株式会社シンティトロ、株式会社ハルタ、株式会社アールケイエンタープライズ、株式会社ダブルエー、株式会社ミューラーンほか |
出典:ApaRevo
DeskAssistのおすすめポイント |
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提供形態 | パッケージソフト、ネットワーク型 | 主な機能 |
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対象企業の規模 | 小規模向け | タイプ | 汎用型 |
価格 | 要問い合わせ | 無料トライアル期間 | – |
サポート体制 | 要問い合わせ | 外部連携機能 | – |
導入企業数 | 要問い合わせ | 導入実績 | 要問い合わせ |
出典:DeskAssist
受発注システムの導入事例をご紹介します。システム導入前の課題に対して、どのような効果があったかを具体的な例を元に紹介します。
システム同士が連動していないため、複数のシステムにそれぞれ入力する必要があり、運用コストやシステム間の在庫数の不一致など、人為的ミスや不便な点がありました。
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事業を継続する中で、従業員数を維持しながら、いかに売上を伸ばすかを考え、現状の課題を打開する目的でシステム導入の決定をしました。
他のシステムとスムーズに連携し、運用しやすいシステムを探したところ、販売管理からWeb受注処理までを1社でサポートする体制が決め手になりました。
また、導入効果を社内にプレゼンして承認を得る必要がありましたが、その際、担当者が作成してくれた、導入後の各業務に期待できる効果を数値化し、わかりやすくまとめてくれた資料が役立ちました。
実際に各社の受発注システムをコスト以外の面で比較することは、システムを熟知している人でなければ難しいことだと思います。商談を進めていく中、経営陣でシステム選びに悩んでいた際にも、各社の比較ポイントをリストアップしてくれたので、調べる時間が大幅に短縮できました。
顧客の立場に立った丁寧な対応と提案が決め手になりました。
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導入以前のシステムでは、長年のデータが蓄積されており、新システムへのデータ移行や、業務フローの変更に伴う各業務間の調整などに時間がかかりました。しかし、運用開始前の入念な打ち合わせのおかげで、導入後はほぼ問題なく、エラーもなく使用できています。
システム移行後は担当者の作業量は明らかに減少し、ECサイトに届いた受注データが自動的に受発注システムに取り込まれるため、システムをまたいだデータの二重入力が不要になりました。また、手入力による作業負荷が軽減されたことで、入力ミスが減少しました。受発注システムの導入により、詳細な受注残管理が可能になり、注文数や傾向がデータとして閲覧できるようになり、生産量や生産時期、商品ごとの在庫の差配が大きく変化しました。その結果、適正な在庫水準を維持し、機会損失を防ぐという効果を実感しています。
従来、商品出荷後の送り状番号の問い合わせは、電話やFAXで対応していましたが、受発注システムの導入後は、注文履歴から発注担当者が番号を確認できるようになり、取引先の利便性向上につながっています。
また、受発注システムの売上・受注データを抽出して、自社の商品開発・マーケティングなどをはじめ、データを自身の仕事にどう活用するかという考え方も生まれてきており、社員の意識にも変化が生じています。
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受発注システム導入以前は、別の販売管理・在庫管理システムを使用していましたが、以前のシステムでは自社の業種に対応していませんでした。そのため、一度Excel上で仕入費用を円換算して価格を算出し、システムに再入力する必要がありました。
一度に複数の商品を大きな箱単位で仕入れるのですが、価格帯も商品ごとに大きく異なります。以前までは、エクセルの入力だけで3日かかっていました。
旧システム導入時から在籍している担当者に知識が集中し、トラブル発生時の対応者が限定されていました。そこで、誰もが同じように理解し、使えるようにしようという考え方のもと、新しいシステムを検討することにしました。
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決め手は、自社の業界に特化した機能を持ち、要望と一致していたことです。業界的に変動が激しい業界ですので、数年後の状況を予測するのは難しいという懸念がありました。しかし、カスタマイズをしなくても、オプション機能を利用してコストを抑えて導入できることを提案していただいたので、安心して進めることができました。
また、導入前に丁寧にヒアリングを行い、業務内容を把握した上でプロジェクトを進めてくれたので、相談しやすかったことも受発注システム導入の後押しになりました。
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受発注システムの機能により、経費の按分計算をした商品ごとの原価計算作業が可能になりました。複数のシステムをまとめて1つのシステム上で行えるのがとても便利です。作業量は導入前と比べて10分の1になり、これまで5人で行っていた作業が3人でできるようになりました。
また、システム上で原価計算ができるようになったことで、Excelからシステムに手入力する際の入力ミスがなくなり、管理の精度が向上しました。以前は品目ごとに入力する必要があり、50品目あれば50行入力しなければなりませんでしたが、受発注システムの導入後は、あらかじめ設定した注文番号を3行ほど入力するだけでよく、作業が簡単になりました。
以前のシステムでは、帳票の作成を1人で3日ほどかけて作成していました。在庫に差異があった場合は、一定期間の履歴をもとに1人で原因を突き止める必要がありました。受発注システム導入後は、各自が担当する商品について帳票を作成・閲覧できるため、在庫の把握が容易になり、担当者の負担もなくなりました。
サポート面では、問い合わせに対して予約が必要な会社もありますが、電話をするとその場ですぐに対応してもらえるのはありがたいです。
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今回は12種類の受発注システムを紹介しました。受発注システムを導入を検討する際には、業種や業務内容に合わせた機能、導入にかかる費用、サポート体制などを比較することをおすすめします。
自社の事業内容に合った費用対効果の高いサービスや使い勝手の合ったものを選びましょう。
監修:「クラウド会計ソフト freee会計」
クラウド会計ソフトの「クラウド会計ソフト freee会計」が、税務や経理などで使えるお役立ち情報をご提供します。
「クラウド会計ソフト freee会計」は、毎日の経理作業を最小限で終わらせることができるクラウド型会計ソフトです。疑問点や不明点は、freee税理士検索で税理士を検索し、「クラウド会計ソフト freee会計」の導入や活用方法などについて相談することができます。
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