公開日:2019年04月17日
最終更新日:2023年05月04日
不動産を購入したり新築したりした場合には、通常はその権利関係を明確にするために所有権移転登記や保存登記を行います。また、住宅ローンを組む時には抵当権の設定を行います。そして、これらの登記をする場合にかかるのが登録免許税です。
登録免許税の税率は、登記の原因や建物の種類などによって異なります。また、一定の条件を満たしている場合には、軽減措置等があります。
登録免許税とは、所有権移転登記や所有権保存登記、住宅ローンを組む時の抵当権選定登記などをする時に課税される税金です。
新築などで最初の所有者が行うのが、所有権保存登記、所有者を変更するのが所有権移転登記です。また、ローンを組んだ時に不動産を担保にする場合には、抵当権設定登記を行います。
登録免許税とは、このような不動産の登記のほか航空機や会社などの登記、登録に対して課税される税金です。
不動産登記は、登記簿という帳簿にその土地や建物の所在地、面積、所有者の住所・氏名、抵当権などの権利関係などを明示することをいいます。登記をすることで、その不動産に関する権利が公的なものであることを明らかにできます。
登録免許税を納めなければならないのは、登記等を受ける人です。
たとえば、何人かで共同で登記をする時には、その人たち全員が連帯して登録免許税を納付する義務を負います。
共有の建物に所有権保存登記をする場合には、共有する人全員が義務を負い、登記義務者と複数の登記権利者とが、それぞれ連帯義務者となります。
登録免許税は、その不動産の固定資産税評価額に一定の税率を掛けて計算します。
新築の建物で登録された価格がない不動産については、類似した不動産の登録価格を考慮し、登記官が認定された価格となります。
固定資産税評価額 × 税率 |
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税率は、建物の所有権保存登記(新築住宅)で0.4%、所有権移転登記(中古住宅など)で0.2%ですが、マイホームの場合には軽減税率が適用されます。また相続による移転登記の場合には、登録免許税は免税されます(※後述)。
登録免許税については、さまざまな軽減措置が設けられています。
令和5年度の税制改正では、各種軽減措置の適用期限が3年間延長され、令和8年3月31日までとなりました。
土地等の所有権移転登記および所有権信託登記の登録免許税
本則税率 | 軽減税率 | |
土地の所有権移転登記 | 2% | 1.5% |
土地所有権の信託登記 | 0.4% | 0.3% |
特定目的会社が、資産流動化計画に基づき特定不動産を取得した場合等の所有権移転登記
本則税率 | 軽減税率 | |
宅地または建物の所有権移転登記 | 2% | 1.3% |
特例事業者等が不動産特定共同事業契約により、不動産を取得した場合の所有権の移転登記等
本則税率 | 軽減税率 | |
不動産の所有権移転登記 | 2% | 1.3% |
不動産の所有権保存登記 | 0.4% | 0.3% |
建物の所有権移転登記等
建物の所有権移転登記等に関する登録免許税の軽減措置は、令和4年度の改正によって令和6年3月31日までの適用です。
つまり、土地と建物で適用期限が異なることになりますので、注意が必要です。
本則税率 | 軽減税率 | ||
一般の建物 | 所有権保存登記 | 0.40% | 0.15% |
所有権移転登記 | 2% | 0.30% | |
特定認定長期優良住宅、認定低炭素住宅 | 所有権保存登記 | 0.40% | 0.10% |
所有権移転登記 | 一戸建て、その他 2.00% |
一戸建て:0.20% その他:0.10% |
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住宅ローンの抵当権設定登記 | 0.40% | 0.10% |
令和3年度の税制改正により、一定の相続については登録免許税の免税措置が適用されます。
個人が平成30年11月15日から令和4年3月31日までの間に、土地について所有権保存登記または相続による所有権の移転登記を受ける場合で、その土地が相続登記の促進を特に図る必要がある一定の土地であり、かつその土地の登録免許税の課税標準となる不動産の価額が10万円以下である時には、登録免許税は課されません。
この免税措置の適用期限は令和7年3月31日までまで延長されました。
参照:国税庁「相続による土地の所有権の移転登記等に対する登録免許税の免税措置について」
登録免許税の納付は、事前に金融機関で支払って登記の際に領収証を添付する方法と、税額分の収入印紙を購入して手続き書類に貼付する方法があります。
以上、登録免許税の税率や計算方法、軽減税率について、ご紹介しました。
これまでご紹介してきたように、登録免許税は所有権の登記手続きを行った時に課税される税金です。この登記手続きを自分で行うことは難しいため、通常は司法書士に依頼することになります。税理士に軽減税率について相談すれば、司法書士と連携しスムーズに登録手続きや登録免許税の納付を行うことができます。
登録免許税は、各種登記、登録を受ける時に課される国税ですが、マイホームを取得した時には軽減措置が設けられています。また、一定の相続については登録免許税が免税されます。
これらの軽減措置や免税措置は期限がありますので、該当する人は期限までに登記等を受けるようにしましょう。
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監修:「クラウド会計ソフト freee会計」
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