軽減税率制度とは|対象品目ごとの対応方法まとめ

公開日:2019年12月07日
最終更新日:2019年12月07日

目次

  1. 軽減税率制度とは
    • 10%と8%の複数税率となる
  2. 軽減税率制度の対象品目ごとの取扱い
    • (1)飲食料品
    • (2)酒類、医薬品
    • (3)一体資産
    • (4)外食
    • (5)ケータリングや出前
    • (6)新聞
  3. 軽減税率導入のための補助制度
    • クラウド会計ソフトの活用
  4. まとめ
    • 税理士をお探しの方

この記事のポイント

  • 令和元年(2019年)10月1日から、消費税は8%と10%の複数税率制度となった。
  • 飲食料品や新聞については消費税の軽減措置が実施される。
  • 軽減税率の対象となる飲食料品には、外食は含まれないがテイクアウトや有料老人ホームで提供される飲食料品などは対象。

 

令和元年(2019年)10月1日から消費税率が10%にアップします。
それに合わせて導入されるのが、「軽減税率制度」です。
この制度は、低所得者層への配慮として、食品を中心とした商品については消費税8%が適用されるというものです。つまり、これまでは消費税は税率が8%と単一税率制度だったのが、8%と10%の複数税率制度となることになります。

▶ 法人決算に強い税理士を探す

軽減税率制度とは

令和元年(2019年)10月1日から、消費税は8%と10%の複数税率制度となり、食品を中心とした特定の品目の課税率については、消費税が8%となりました。
これは、低所得者層に配慮した制度で、飲食料品や新聞については消費税の軽減措置が実施されることになりました。

また、消費税率が複数税率となることから、税率ごとに区分して請求書(区分記載請求書等保存方式)を作成・発行することが必要となりますし、日々の経理において帳簿に軽減対象資産であることが分かるように明記しなければならなくなります。

「2019年10月の消費税改正で必要な「区分記載請求書等保存方式」とは」を読む

「インボイス制度(適格請求書等保存方式)|注意すべき10個のポイント」を読む

10%と8%の複数税率となる

消費税は8%と10%の複数税率になりますが、ここで注意しなければならないのが、これまでの消費税の税率「8%」と、軽減税率の「8%」は同じ税率でも、その内訳である消費税率と地方消費税率の税率が異なりますし、申告する時にも全く異なる扱いをされるという点です。

これまでの消費税は、消費税6.3%と地方消費税1.7%(消費税額の63分の17)ですが、軽減税率8%の内訳は、消費税6.24%と地方消費税1.76%(消費税額の78分の22)です。

つまり、請求書では8%、10%と記載することになりますが、税額計算をする場合には、まず国税である消費税を計算して、次に地方消費税額を計算することになります。

①消費税の計算
消費税額=課税売上にかかる消費税額-課税仕入等にかかる消費税額

②地方消費税の計算
地方消費税額=消費税額×78分の22

③納付税額の計算
納税額=消費税額+地方消費税

▶ 法人決算に強い税理士を探す

軽減税率制度の対象品目ごとの取扱い

軽減税率制度の導入に伴い、酒類・外食を除く飲食料品と定期購読契約が結ばれた週2回以上発行される新聞については、軽減税率である8%が適用されます。
ただし、前述したとおり、同じ8%でも改正前の8%とは国税である消費税と地方消費税の割合が異なりますので、これまでの取扱いとは区別する必要があります。

また、軽減税率の対象となる飲食料品は、外食は含まれませんが、テイクアウトや有料老人ホームで提供される飲食料品などは、軽減税率の対象となります。

区分 内容
軽減税率
(8%)
テイクアウト
有料老人ホームや学校で行う飲食料品の提供
一体商品
牛丼屋・ハンバーガー店のテイクアウト
そば屋の出前
ピザ屋の宅配
屋台での軽食
(テーブル、椅子等の飲食設備がない場合)
寿司屋の「お土産」
コンビニ等の弁当・惣菜
標準税率
(10%)
酒類(酒税法第2条第1項に規定する種類)
外食
ケータリング
出張料理
外食牛丼屋・ハンバーガー店での「店内飲食」
そば屋の「店内飲食」
ピザ屋の「店内飲食」
フードコートでの飲食寿司屋での「店内飲食」
コンビニ等のイートインコーナーでの飲食

参照:財務省「軽減税率制度の対象品目」

(1)飲食料品

飲食料品とは、酒類を除く食品表示法に規定する食品をいい、一定の一体資産を含みます。ちなみに、一体資産とは、食品と他の商品がセットになっているものといい、一定の要件を満たす必要があります(※後述)。

軽減税率の対象となる「飲食料品」について、消費税法では、以下のように規定しています。

飲食料品(食品表示法(平成25年法律第70号)第2条第1項(定義)に規定する食品(酒税法(昭和28年法律第6号)第2条第1項(酒類の定義及び種類)に規定する酒類を除く。以下この号において単に「食品」という。)をいい、食品と食品以外の資産が一の資産を形成し、又は構成しているもののうち政令で定める資産を含む。以下この号及び別表第1の2において同じ。)の譲渡(次に掲げる課税資産の譲渡等は、含まないものとする。)

イ 飲食店業その他の政令で定める事業を営む者が行う食事の提供(テーブル、椅子、カウンターその他の飲食に用いられる設備のある場所において飲食料品を飲食させる役務の提供をいい、当該飲食料品を持帰りのための容器に入れ、又は包装を施して行う譲渡は、含まないものとする。)

ロ 課税資産の譲渡等の相手方が指定した場所において行う加熱、調理又は給仕等の役務を伴う飲食料品の提供(老人福祉法(昭和38年法律第133号)第29条第1項(届出等)に規定する有料老人ホームその他の人が生活を営む場所として政令で定める施設において行う政令で定める飲食料品の提供を除く。)

つまり、まとめるとテイクアウトや有料老人ホーム等で行う飲食料品の提供、一体商品については軽減税率の対象となり、酒類、外食、ケータリング、出張料理などは軽減税率の対象とならないということになります。

(2)酒類、医薬品

酒税法では、「アルコール分1度以上の飲料」を酒類といいます。
もっと具体的にいうと「薄めてアルコール分1度以上の飲料とすることができるもの」または「溶解してアルコール分1度以上の飲料とすることができる粉末状のものも含む」ものが酒類に当たります。

「薄めて」とは、カクテルをつくる時のリキュール類などのことで、「粉末上のもの」とは、粉末酒のことをいいます。

したがって、みりんや料理酒は、酒税法に規定するものであれば軽減税率の対象にはなりませんが、アルコール分1度未満のものであれば飲食料品に該当するので、軽減税率の対象となります。

また、ノンアルコールビールや甘酒、ウイスキーボンボンなどの菓子類は、酒税法に規定する酒類ではないので、軽減税率の対象になります。

医薬品、医薬部外品、再生医療等製品は、食品ではありませんので軽減税率の対象にはなりませんが、栄養ドリンクや特定保健用食品(トクホ)などで医薬品に該当しないものであれば、食品として扱われ軽減税率の対象となります。

(3)一体資産

一体資産とは、おもちゃ付のお菓子や紅茶とティーカップの詰め合わせ等、軽減税率の対象である食品が、あらかじめ他の資産と一体として販売される場合で、セット組みの価格のみが提示されているものをいいます。

軽減税率の対象となる一体資産については、以下の2つの要件を満たす必要があります。

①一体資産の価額が税額価格1万円以下であること
②一体資産のうち、食品の価額の占める割合が2/3以上であること

なお、卸売業や小売業が一体資産に該当する商品を仕入れて販売する場合には、税抜販売価格が1万円以下であれば、仕入先が適用した税率をそのまま適用してよいということになっています。

(4)外食

外食は、軽減税率の対象とはなりませんが、飲食店からのテイクアウトについては、軽減税率の対象となります。

ここでいう外食とは、以下の2つの要件のいずれも満たすものをいいます。

①テーブル、椅子、カウンターその他の飲食に用いられる設備のある場所でのサービスの提供であること
②飲食料品を飲食させるサービスの提供であること

つまり、具体的には、レストランなどの飲食店やフードコートでの食事の提供が「外食」となり、テイクアウトや飲食料品を包装して販売する時には、飲食料品の販売となり、軽減税率の対象となります。

(5)ケータリングや出前

ケータリングや出張料理とは、調理済みの飲食料品を指定された場所で提供したり、食材を持参して調理したりすることをいいます。ケータリングや出張料理は、指定された場所で役務を伴う飲食料品の提供となりますので、軽減税率の対象とはなりません。

これに対して、そばの出前やピザの出前は、指定された場所で加熱や調理などを行わず、単に飲食料品を配達するだけなので、軽減税率の対象となります。

また、有料老人ホームや学校の給食については、一定の要件のもとに軽減税率の対象となります。

施設 飲食料品の提供の範囲
有料老人ホーム 有料老人ホームの設置者または運営者が入居者に対して行う飲食料品の提供
サービス付き高齢者向け住宅 サービス付き高齢者向け住宅の設置者または運営者が入居者に対して行う飲食料品の提供
義務教育学校 義務教育諸学校の設置者が、その児童または生徒のすべてに対して学校給食として行う飲食料品の提供
夜間課程を置く高等学校 高等学校の設置者が、夜間課程において教育を受ける生徒のすべてに対して、夜間学校給食として行う飲食料品の提供
特別支援学校の幼稚部または高等部 特別支援学校の設置者が、幼児または生徒のすべてに対して学校給食に準じて行う飲食料品の提供
幼稚園 幼稚園の設置者が、その施設で教育を受ける幼児のすべてに対して学校給食に準じて行う飲食料品の提供
特別支援学校の寄宿舎 寄宿舎の設置者が、寄宿舎に寄宿する幼児、児童または生徒に対して行う飲食料品の提供

また、食費について基準があり、一食につき税抜「640円以下」であるもののうち、1日の類型額が「1920円以下」の場合に軽減税率の対象となります。

参照:厚生労働省「有料老人ホーム等における軽減税率制度の導入に向けた取り組み支援のための調査研究事業」

(6)新聞

軽減税率の対象となる新聞は、○○新聞など一定の題号がある新聞で、政治、経済、社会、文化などに関する一般社会的な事実を掲載する週2回以上発行される新聞を定期購読契約しているものに限ります。
スポーツ紙や業界紙、日本語以外の新聞についても、週2回以上発行される新聞を定期購読契約している場合には、軽減税率の対象となります。

したがって、コンビニや駅の売店などで販売されている新聞は、軽減税率の対象となりません。

▶ 法人決算に強い税理士を探す

軽減税率導入のための補助制度

軽減税率が導入されると、レジの改修やシステム改修が必要になります。
また、帳簿をつける際にも、税率ごとに区分して記入しなければならなくなります。
これらの改修に対応するためには、補助金やクラウド会計ソフトの活用がおすすめです。
軽減税率導入に伴い、中小企業を対象とした補助金制度が用意されています。
補助金の対象となるのは、中小企業基本法第2条で規定されている、卸売業、サービス業、小売業、製造・建設・運輸業などを行っている事業者で、資本金の額などで以下のような要件を満たす必要があります。

参照:中小機構「軽減税率対策補助金」

補助金にはA型「複数税率対応レジ導入等支援」とB型「受発注システムの改修等支援」to
C型「請求書システムの改修等支援」の3タイプがあり、中小企業基盤整備機構に申請する必要があります。

A型は、複数税率に対応できるレジを新しく導入したり、既存のレジを複数税率に対応できるように改修したりした場合に使用することができます。1台あたり20万円、1事業者あたり200万円が補助の上限となります。

B型は、受発注システムを利用する事業者が、複数税率に対応するために受発注システムを改修する場合に使用することができます。

C型は、C型は、請求書管理システムの改修を行う事業者を対象とした補助金制度です。

参照:中小機構「軽減税率対策補助金」

クラウド会計ソフトの活用

クラウド会計ソフトfreeeは、クラウドサービスなので、消費税の税率改正に伴うアップデート等はすべてfreee側で、自動かつ無償で対応します。
2019年10月1日以降の取引については、消費税率10%または軽減税率8%の適用の機能対応を行い、区分記載請求書等保存方式を満たすよう、帳票機能において税率種別ごとの自動表記を行うので、消費税改正後の経理作業についてもスムーズに対応することができます

クラウド会計ソフトfreee「消費税増税(10%)・軽減税率への対応方針について」

▶ 法人決算に強い税理士を探す

まとめ

以上、軽減税率制度についてご紹介しました。
軽減税率制度は、対象となる品目が細かく規定されているうえ、消費税の税率が8%と10%となるので、対処が煩雑になりがちです。
自社で取り扱っている商品のうち、軽減税率の対象となっているものがある場合には、納税額の計算などの経理作業にスムーズに対応できるようにするためにも、早目に税理士に相談し、サポートを求めるのがおすすめです。

税理士をお探しの方

税理士検索freeeでは2,000以上の事務所の中から軽減税率制度について相談できる税理士を検索することができます。
また、コーディネーターによる「税理士紹介サービス」もあるので併せてご利用ください。

税理士の報酬は事務所によって違いますので、「税理士の費用・報酬相場と顧問料まとめ」で、税理士選びの金額の参考にしていただければと思います。
法人決算に強い税理士を探す

月次で面談・監査にノウハウを持つ税理士を探す

地域から月次で面談・監査に実績がある税理士を探す

より細かいカテゴリから税理士を探す

人気記事

タグ一覧

業種

その他

PageTop