公開日:2021年12月05日
最終更新日:2024年06月18日
前受収益とは、継続的にサービスの提供を行うために受け取った代金のうち、まだ提供をしていない期間に対応する部分がある時に使う勘定科目です。
前受収益の豆知識
前受収益とは、継続的にサービスの提供を行うために受け取った代金のうち、まだ提供していない期間に対応するものです。たとえば、家賃、地代、利息などの前受分が該当します。
混同しがちな勘定科目として「前受金」がありますが、前受金は、商品などの引渡しや外注加工のための第Kンを先に受け取ったものであり、前受収益は、継続して役務サービスの提供を行うための代金を先に受け取ったものという違いがありますので、注意が必要です。
前受分として受取った金額は、役務の提供をしていないうちに受けた支払ですから、当期の収益にはなりません。したがって、当期の損益計算から外して貸借対照表の負債の部に計上する必要があります。
なお、前受収益のうち、資産の譲渡、役務の提供を伴うものは消費税の課税対象となりますが、伴わないものは消費税の課税対象外となります。
「前受収益(まえうけしゅうえき)」とは、経過勘定のひとつです。
一定の契約に従って、継続してサービスの提供を行う場合、またはまだ提供をしていないサービスについて支払いを受けた時に使う勘定科目です。
たとえば、以下のような収益の前受の時に使用します。
・受取利息 ・地代 ・手数料 ・賃貸料 ・家賃 |
その他、下請業者等の求めに応じて手形を割り引いた場合の受取手形割引料も、翌期(翌月)以降の期間に対応する部分を前受利息として繰り延べます。
前受収益は、土地等を他社に賃貸している場合など、一定の契約に従って継続的にサービスを提供している時、またはまだ提供していないサービスに対して前もって受け取った収益を処理する時に使います。
たとえば、9か月分の収益をまとめて受け取ったが、当期分にあたるのは4カ月で、5か月分は翌期分であった場合には、翌期の分を前受けしているので振替処理を行います。
貸付において利息を前受した場合には、翌期以降に対応する部分を計算して、前受利息として翌期以降に繰り延べます。 |
前受収益と混同しがちな勘定科目として「前受金(まえうけきん)」がありますが、前受金は、商品や製品などの引き渡しや外注加工のために代金を先に受け取った時に使うものです。
一方、前受収益は継続して役務サービスの提供を行うために先に代金を受け取った時に使うものです。
なお、金融業における貸付金利息、手形割引料については営業収益に該当するものなので、前受部分は「前受金」として処理をします。
前受収益は、次期以降の収益に計上するべきものです。
このようなサービスに対する対価は、時の経過とともに翌期以降の収益となるものであり、これを当期の損益計算から除外するとともに、貸借対照表の負債の部(流動負債)に計上しなければなりません。
一定の契約に従って受け取った賃貸料のうち、前受額については当期の損益計算書から除外し、貸借対照表の負債の部に計上します。
ここでは、前受収益のよくある仕訳例についてご紹介します。
①「決算にあたって、雑収入として計上していた収入(副業)のうち、翌期以降対応分10万円を『前受収益』として振替処理をした。」
②「決算にあたって、前期末に『前受収益』に計上した10万円を『雑収入』に振り替えた。」
※売上の場合には「売上高」、受取利息の場合には「受取利息」に振り替えます。 |
①「2月1日、自社ビルの一部を他社に賃貸して向こう3カ月分の賃貸料として120万円を受け取った。」 【2月1日】
②「3月31日の決算において決算修正を行った。」
※翌期分を前受収益に振り替えます。 |
①「令和3年7月1日、従業員に200万円を貸し付け、1年分の利息として4万円を控除して残額を普通預金口座より従業員に支払った(12月決算の法人)。」
【令和3年7月1日】
②「令和3年12月31日、「前受収益」のうち当期対応分を「受取利息※①」に振り替えた。」 【令和3年12月31日】
③「令和4年6月30日、従業員から貸付金100万円が普通預金口座に振り込まれたため、「前受収益」の残額2万円を受取利息※②に振り替えた。」 【令和4年6月30日】
※①4万円×6カ月/12カ月=2万円 |
前受収益は、継続的にサービスの提供を行うために受け取った代金のうち、まだ提供していない期間に対応するものを処理する時の勘定科目です。
前受収益は、前受金と混同しがちな勘定科目ですが、「前受金」は商品や製品などの引き渡しや外注加工のための代金を先に受け取ったものであり、「前受収益」は継続して役務サービスの提供を行うために受け取ったものです。両者を混同しないように注意しましょう。
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監修:「クラウド会計ソフト freee会計」
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