公開日:2019年04月13日
最終更新日:2022年07月04日
ジュニアNISAとは、平成28年(2016年)に新たに導入された、未成年者向けのNISAです。毎年80万円までの上場株式・公募株式投資信託等への投資に対する配当・分配及び譲渡益を非課税とする税制優遇措置で、非課税期間は5年間です。
ジュニアNISAは多くのメリットがある制度ですが、未成年者本人が18歳になるまで払出しができないなど、いくつかの注意点もあります。
また、「ジュニアNISA」は、2023年で終了し2024年からは新NISAがスタートします。
ジュニアNISAとは、平成28年(2016年)に新たに導入された税制優遇措置で正式名称を「未成年者少額投資非課税制度」といいます。
日本に居住する未成年が対象で、1人1口座開設できます。
ジュニアNISAは税制優遇措置としてだけでなく、親や祖父母が、子や孫の将来に向けた長期投資をサポートする制度として、注目されています。
NISAは大きく「一般NISA」「ジュニアNISA」「つみたてNISA」の3種類に分かれます。
「一般NISA」は未成年ではなく20歳以上の成人が対象で、非課税期間はジュニアNISAと同じく最長5年ですが、年間投資額120万円(ジュニアNISAは年間投資額80万円)までです。
「定期預金はただでさえ低い利息なのに、税金が課されてしまう」という不満はあるけれども、だからと言って「いきなり投資にお金を回すのは少し不安」という人向きのNISAです。
「つみたてNISA」は、平成30年(2018年)からスタートした新たなNISAで、未成年が対象ではなく「20歳以上の成人を対象としている」という点でジュニアNISAと異なります。非課税となる金額は年間投資額40万円までと、一般NISAやジュニアと比較すると低くなりますが、非課税期間が最長20年と長いのが特徴です。
つみたてNISAは、「コツコツと無理なく自分の老後資金を蓄えたい」という人向きのNISAであるといえるでしょう。
ジュニアNISA口座の投資可能期間は、2023年で終了します。
ジュニアNISA口座にあった商品は、一般NISA口座で保有されます。
つまり、2023年の制度終了時点で18歳になっていない場合には、2024年以降の各年において非課税期間(5年間)の終了した金融商品を継続管理勘定に移管(ロールオーバー)することができます。
ジュニアNISAは未成年者向けの税制優遇措置で、最長80万円までの上場株式・公募株式投資信託等への投資に対する配当・分配金及び譲渡益を、最長5年非課税で受け取れるなど、さまざまなメリットがあります。
ジュニアNISAの非課税枠は、毎年80万円までであり、ジュニアNISAで非課税の対象となるのは、ジュニアNISA口座内で管理している上場株式等に係る配当所得及び譲渡所得です。
ジュニアNISA口座内で管理されるのは、ジュニアNISA口座内で新たに買い付けた上場株式等に限られ、すでに特定口座などで保有している上場株式等をジュニアNISAに移管することはできません。
なお、毎年80万円の上限には、購入手数料や消費税は含みません。また、その年の非課税投資枠の未使用分があっても、その未使用部分を翌年以降に繰越すことはできません。
ジュニアNISAは、上場株式や公募株式投資信託等への投資に対する配当・分配金および譲渡益を、毎年80万円を上限として、最長5年間非課税(ジュニアNISA口座に上場株式等を受け入れた日が属する年の1月1日から5年間を経過するまで)となる制度です。
非課税期間内の途中譲渡は自由に行うことができますが、譲渡部分の非課税枠を再利用することはできません。なお、譲渡した代金等についても払い出すことはできずジュニアNISA口座内で管理されることになります。
口座開設者が18歳になる前に払出しを行う場合は、過去の利益に対して課税されることになりますので、注意が必要です(※後述)。
ジュニアNISAでは、1年間で上限80万円、5年間が非課税となる制度なので、5年間で400万円もの資金を非課税で運用することができます。
400万円を単に子・孫に贈与したところで贈与税がかかりますし、相続をするにしても相続税がかかります。
ジュニアNISAなら、未成年者名義の専用口座で親権者などが代理で運用しながら、計画的に子や孫の教育資金を準備することができます。
ジュニアNISAは、5年経過した後は新たなNISA口座に引継ぐことができます。
すなわち、非課税期間である5年間を経過後は、新たなNISAに引き継ぎ、非課税期間をさらに最長5年間継続することが可能です。
このように口座を移し替えることを「ロールオーバー」といいます。
この際、一般NISAにするか、つみたてNISAにするか選択することが可能です。
なお、2024年以降はジュニアNISAでは、新規購入ができませんが、2024年以降、当初の非課税期間(5年間)の満了を迎えても、18歳になるまで引き続き非課税で保有できます。
非課税期間終了後にロールオーバーを行う場合には、年間投資上限額80万円を超過した分も含めてロールオーバー(口座の移し替え)することができます。
ジュニアNISAは、平成29年(2017年)までは、このロールオーバーができる金額に上限が定められていて、80万までしかロールオーバーができず80万を超えた分には課税されていました。しかし、税制改正によりこの上限が撤廃され、ロールオーバーの可能な金額に上限がなくなり、時価が80万円を超過している場合も、翌年の非課税投資枠にロールオーバーすることができるようになりました。
つまり、ロールオーバー可能な金額に上限はなく、時価が80万円を超過している場合も、そのすべてを継続管理勘定に移すことができるようになりました。
メリットの多いジュニアNISAではありますが、18歳まで払い出しできないなど、注意すべき点もあります。
ジュニアNISAを申し込むと「ジュニアNISA口座(未成年者口座)」と「課税未成年者口座」が開設されます。
課税未成年者口座では、金額の制限なく上場株式や株式投資信託等が購入できますが、ジュニアNISA口座と同様に本人が18歳になるまで払い出しすることができません。
18歳前に災害などの理由以外で払い出す場合には、ジュニアNISA口座は廃止されます。そして、払出日に譲渡・配当等の支払いがあったものとして、過去の非課税とされた配当金や譲渡益に対して遡及課税(20.315%)されることになります。
18歳になる前に2023年が終了しジュニアNISA制度が終了してしまう場合には、継続管理勘定で18歳になるまで非課税で保有することができます。
また、ジュニアNISAは「日本国内に居住する0歳から19歳(2023年から17歳)」が対象なので、未成年者が出国する場合には、ジュニアNISA口座で保有しているすべての上場株式等を課税未成年者口座に移し替えなければなりません(払い出しはできません)。
株の取引で損失が出た場合には、確定申告をすれば損益通算ができ、譲渡損失の繰越控除の適用を受けられ、翌年以降の税負担を軽くすることができます。
これは、損失額を翌年以降へ3年間持越し、株の売却益や配当所得と相殺できるしくみです。
しかし、ジュニアNISA口座内で生じた譲渡損失は税務上なかったものとされるため、その損失は特定口座や一般口座の譲渡益や配当などと損益通算することはできませんし、3年間の繰越控除の適用もありません。
以上、ジュニアNISAの概要やメリット、デメリット、開設のために必要な書類などについてご紹介しました。
ジュニアNISAは、親や祖父母が、子や孫の大学進学資金のために、資金を有利に活用したいという時におすすめのNISAですが。ジュニアNISAが開設できるのは、2023年までで、開設できるのは1人1口座です。
必要な書類や手続きは、金融機関ごとに異なりますので、問合せてみましょう。
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