タックスヘイブン対策税制(外国子会社合算税制)とは

公開日:2018年11月09日
最終更新日:2018年12月25日

目次

  1. タックスヘイブン
    • タックスヘイブン対策税制
    • 外国会社合算税制
    • タックスヘイブン対策税制の対象か否かの基準
  2. タックスヘイブン対策税制の適用除外となるのは
    • 特定外国関係会社とは
    • 経済活動基準(※旧『適用除外条件』)とは
    • まとめ
    • 税理士検索freee

タックスヘイブン

タックスヘイブンとはいわゆる「軽課税国」のことで、課税がないか、もしくはかなり税負担が軽い国または地域のことをいいます。日本語では「租税回避地」と表現しています。ケイマン諸島、バミューダ、アメリカ合衆国デラウェア州などが有名です。

タックスヘイブン対策税制

資源がなく産業の発展が難しい島国や地域が、物流企業や金融企業を集めるために、意図的に税負担を少なくする政策をとっているような、いわゆる「タックスヘイブン」に利益が集まると、それに伴い企業が実質的に活動している国の税収が減ってしまいます。
そこで、このようなタックスヘイブン(軽課税国)を利用して国際的な租税回避行為を行うことを規制するために創設された制度を「タックスヘイブン対策税制」といいます。
正式名称は「外国子会社合算税制」と日本では呼ばれています。

近年はOECD(経済協力開発機構)の加盟国を中心に、タックスヘイブンの情報開示を求める動きも活発になってきています。
日本も、ケイマン諸島やバミューダなどのタックスヘイブンと情報交換協定を締結しています。

参照:外務省「日・ケイマン租税協定」

参照:外務省「日・マン島租税情報交換協定の発効」

外国会社合算税制

日本の「外国会社合算税制」は、タックスヘイブンにある子会社の利益を、日本の親会社に配当されたものとみなして、日本で課税するという内容の制度です。

具体的には、特定外国関係会社等(ペーパーカンパニー、キャッシュボックス、ブラックリストカンパニー)や、対象外国関係会社(※後述)などについて、その適用金額のうち株主である内国法人の保有する株式などに対応する部分の金額(課税対象金額)を、その内国法人の収益の額とみなすことで、その内国法人の所得金額に合算して課税するものです。

ただし、この制度は租税回避行為を規制することを目標としているので、タックスヘイブンにある子会社の所得であれば、それらをすべて合算して課税するというものではありません。
タックスヘイブンで実体のあるビジネスを行っている場合には、経済活動基準(※後述)に該当するとして、合算課税は行われません。

したがって、海外に子会社を設置した場合には、その海外の子会社が、タックスヘイブン対策税制の対象となるか、具体的には経済活動基準に該当するかどうかを確認する必要があります。

タックスヘイブン対策税制の対象か否かの基準

前述したとおり、タックスヘイブン対策税制の対象となるのは、特定外国関係会社等(ペーパーカンパニー、キャッシュボックス、ブラックリストカンパニー)や、対象外国関係会社などに該当する場合です。

①特定外国関係会社等(ペーパーカンパニー・キャッシュボックス、ブラックリストカンパニー)で税負担割合が30%未満の場合…会社単位の合算課税の対象となります。

②上記①の「特定外国関係会社」に該当しない場合で経済活動基準(※改正前『適用除外条件』)のいずれかを満たさない場合で、租税負担割合が20%未満の場合…会社単位の合算課税の対象となります。

③上記①の「特定外国関係会社」に該当しない場合で経済活動基準(※改正前『適用除外条件』)のすべてを満たす場合には、租税負担割合20%未満でも、…会社単位の合算課税の対象とはなりません。

※注意点
・2017年度の税制改正で、「特定外国関係会社」という概念が新たに導入されました。
特定外国関係会社(ペーパーカンパニー、キャッシュボックス、ブラックリストカンパニー ※後述)に該当する場合には、その法人の税負担が20%未満でも、会社単位の合算課税の対象となります(ただし、税負担割合が30%以上の場合は対象外)。

・これまでの「適用除外基準」が「経済活動基準」に変更されました(※後述)。

タックスヘイブン対策税制の適用除外となるのは

タックス対策税制は、租税回避を目的としてタックスヘイブンに利益が留められることを制限することを目的とした制度なので、実際にその場所で実体のある事業が行われている場合には、タックス対策税制の対象とはなりません。つまり、適用除外要件に該当するとして、合算課税は行われません。

特定外国関係会社とは

特定外国関係会社とは、2017年税制改正で新たに導入された概念で、ペーパーカンパニー・キャッシュボックス、ブラックリストカンパニーに分類されます。

①ペーパーカンパニー
主な事業を行うために必要な事務所、店舗、工場などの施設を有しておらず、本店所在地国で、事業の管理、支配、運営を自ら行っている会社のこと。

②キャッシュボックス
以下の「受動的所得基準」と「資産基準」の両方に該当する外国関係会社のことをいいます。

・受動的所得基準
「総資産の帳簿価額」÷「受動的所得(部分対象外国関係会社の合算課税となる所得で、配当、利子、有価証券の貸付による対価など)に相当する金額の合計額」が30%以上なること

・資産基準
「総資産の帳簿価額」÷「有価証券、貸付金、貸付用の有形固定資産および無形資産等の帳簿価額の合計額」が50%以上になること

③ブラックリストカンパニー
租税に関する情報の交換に関する国際的な取り組みに、非協力的な国、地域に本店または主な事業所を有する外国関係会社をいいます。

経済活動基準(※旧『適用除外条件』)とは

タックスヘイブン対策税制の適用除外となるためには、次の4つの経済活動基準を満たす必要があります。
※適用除外条件は、改正によって「経済活動基準」となりました。

①事業基準
主な事業が、次に該当しないこと
・株式、債券の保有
・無形資産等(工業所有権、著作権など)の権利の提供
・船舶、航空機の貸付

②実体基準
タックスヘイブンに所在する子会社が、その本店所在地国において、主な事業を行うことに必要と認められるような事務所、店舗、工場などの施設を持っていること

③管理支配基準
本店所在地国で、事業の管理、支配、運営を自ら行っていること
・株主総会、取締役会などの開催
・役員の職務執行
・会計帳簿の作成および保管など
・現地に駐在する従業員がいること

④非関連者および所在地国基準
・主な事業が、卸売業、信託業、銀行業、金融商品取引業、保険業、水運業、航空運送業である場合には、非関連者との取引が、売上高または仕入れのうちいずれかが50%超となっていること。

・上記の業種以外の業種(製造業、小売業など)の場合には、事業を主にその所在地国で行っていること

まとめ

以上、タックスヘイブン対策税制(外国子会社合算税制)についてご紹介しました。海外進出する際は、海外税務に詳しい税理士に相談してみましょう。また、下記の記事は海外進出する際におすすめです。併せてご覧ください。

「海外進出する時に知っておきたい国際税務・租税条約」を読む

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