海外進出する時に必要な情報収集の方法

公開日:2018年08月25日
最終更新日:2019年06月06日

目次

  1. 企業の海外進出
    • 海外進出が進む背景
  2. 進出国の検討
    • カントリーリスク
    • 宗教、民族
    • 外貨規制
    • タックス・プランニング
  3. 情報収集の方法
    • 国内でできる収集方法
    • 現地で確認すべき事項
  4. まとめ
    • 国際税務に強い税理士をお探しの方

国内の人口減少や市場縮小を見据え、海外進出を検討する中小企業は増えていますが、一方で「どのような情報を収集すればいいのか」「どのような準備をすべきか」を正しく決められる企業は少ないのが実情です。

そのため、進出国の情報をほとんど収集せず、代理店に手続きを丸投げしてしまうこともあります。

しかし、そうして海外進出を果たしても、現地でさまざまな課題を解決できず数年もせずに撤退するケースもまた多いのです。

それでは、海外進出で失敗しないためには、どのような課題を検討すべきなのでしょうか。また、どのような情報を収集すべきなのでしょうか。

ここでは、海外進出を視野に入れた時に収集したい情報や、情報収集の方法についてご紹介します。

企業の海外進出

ひとくちに海外進出といっても、進出国の政治、経済、社会情勢などを調査する必要がありますし、現地法人の人件費から経常費用の算出まで、検討すべき課題はさまざまです
また、進出国のカントリーリスク、治安、居住環境など、収集すべき情報も多々あります。

海外進出が進む背景

海外進出が進む背景としては、国内市場の成熟化、人口減少などさまざまです。
海外における経営資源を活用しようとする動きもあります。

中小企業の海外進出も増えていて、中小企業庁の「中小企業のグローバル化への対応」によると、海外拠点は多様ながら進出例が増加傾向にあることを示しています。

参照:中小企業庁「中小企業のグローバル化への対応」
第2-4-19図 「海外展開する中小企業数の推移」

ただし、欧米などと比較すると、日本の中小企業の海外進出の割合はまだまだ低いという現状もあります。

進出国の検討

進出国の検討は、海外進出するうえで、最重要課題といえるでしょう。
進出国を選定する際には、インフラが整っていること、労働の供給力が安定していること、政治情勢、社会情勢が安定しているかなどが条件となります。

ただし、現在経済成長率が高く、すでに注目を集めているような国なら、今度ますます高度経済成長が見込まれるので、土地や現地従業員の給与が上がり、それが経営を圧迫する結果につながる可能性もあります。
したがって、進出国を検討する際には、現在はまだ注目を集めていない国の情報を集める必要があります。

カントリーリスク

カントリーリスクとは、政治が安定しているか、経済が健全であるかなど、その国特有のリスクのことをいいます。
進出した国の政治や経済状況が不安定になった場合には、その企業やプロジェクトに問題がなくても、資金が回収できなくなることがあるからです。

①経済指標の確認
カントリーリスクを検討する際には、まず主要経済指標を見ることになります。
前年やそれ以前の水準から、時系列で推移している数値から判断し、その後の伸び代を予測します。

②経済政策の内容
その国の政府の経済政策の内容もしっかり確認する必要があります。
外資政策は安定して継続されているか、市場にとって影響のある政策をとっていないか、規制緩和は進捗しているかなどは、経済指標の数字だけでは判断できないこともありますので、注意が必要です。

③政治状況
進出国の政治体制が安定しているかも、チェックポイントです。
単に安定しているというだけではなく、民主主義なのか独裁体制なのかといった点も確認する必要があります。
なお、進出国の政府の外交体制も重要です。テロ問題はないか、周辺国との紛争などが起きないかなども入念に調査しましょう。

宗教、民族

イスラム教、ヒンズー教、仏教、キリスト教など宗教は多岐にわたりますが、それらの宗教観は、日本の感覚と異なり、社会の慣習、仕事に大きな影響を与えることがあります。
また、宗教の違いは民族の違いを反映していることが多く、暖色機関があったり旧正月の休暇があったりと、民族によって休暇を取る時期が異なることもありますので、これらが工場のラインなどに影響することがありますので注意が必要です。

外貨規制

自社が進出国で目指している商品やサービスが、外貨規制上問題がないのか、認可が必要となっていないか、認可が必要な場合には、申請したところでそもそも認可が取れるのかなどについて確認しておく必要があります。

出版、教育などの業種の場合には、規制されているケースも多いので、確認を怠らないようにしましょう。

タックス・プランニング

海外進出をする場合には、税務問題に関する検討も欠かせません。
税務問題は、時に企業利益に大きな影響を与える可能性もあるため、タックス・プランニングを立てることは、特に中小企業にとって重要な課題になります。

海外進出する際には、日本国内の税制だけでなく相手国の税制も加わり、どちらにどこまで課税されるかといった問題も加わります。
また、日本と進出国の間で租税条約が締結されているか、タックスヘイブン対策税制の対象とならないかなども確認する必要がありますので、国際税務の専門家への相談は必須といえるでしょう。

・「海外進出する時に知っておきたい国際税務・租税条約」を読む

「タックスヘイブン対策税制(外国子会社合算税制)とは」を読む

情報収集の方法

前述したような情報を収集するためには、日本国内での調査と現地での調査の2つの方法があります。

国内でできる収集方法

中小機構では、海外展開を目指す中小企業を、初期の計画段階から進出後のフォローアップまで行う支援体制を整えていますし、海外での販路開拓や海外拠点設立のために補助金が支給されることもありますので、これらの情報もこまめに収集するようにしましょう。

参照:中小機構「海外ビジネス戦略推進支援」

また、日本貿易振興機構(ジェトロ)では、海外進出に関して押さえておきたいさまざまなニュースを公開しています。

参照:日本貿易振興機構(ジェトロ)「海外ビジネス情報 」

現地で確認すべき事項

日本で十分な情報を得て、進出国の候補を絞ったら、次に実際の現地出張を行います。現地で情報を集める場合には、日本で収集した情報の確認作業が主となります。
つまり、それくらい日本での情報収集は重要だということでもあります。

現地で調査を行う場合には、進出国の政府機関との面談、金融機関との面談、先に進出している企業との面談などもセッティングします。

工場の候補地をチェックする際には、電気と水の供給(断水などはないか、自家発電は必要か、供給源は井戸水か河川水か)、従業員の交通手段や何か、寮を完備する必要はあるかなども、確認するようにしましょう。

まとめ

海外進出する時に必要な情報収集の方法についてご紹介いたしました。
海外進出をする際には、拠点の設立、進出国の検討、税務戦略など、さまざまな課題があります。国内の人口減少や市場縮小をにらみ、中小企業の海外進出も増えていますが、ノウハウや人材が散逸し、時間がかかるケースもあるので、国際税務に強い税理士に相談してみることをおすすめします。
下記の記事も海外進出をお考えの際におすすめです。あわせてご覧ください。

・「海外進出する時に知っておきたい国際税務・租税条約」を読む

国際税務に強い税理士をお探しの方

無料で使える税理士検索freeeでは2000以上の事務所の中から国際税務に強い税理士を探すことができます。さらに様々な条件で絞ることにより希望に合う税理士・会計士・社労士の認定アドバイザーに出会うことができます。
また、コーディネーターによる「税理士紹介サービス」もあるので併せてご利用ください。

税理士の報酬は事務所によって違いますので、「税理士の費用・報酬相場と顧問料まとめ」で、税理士選びの金額の参考にしていただければと思います。

国際税務・海外税務に強い税理士を探す

法人の税務調査にノウハウを持つ税理士を探す

地域から法人の税務調査に実績がある税理士を探す

より細かいカテゴリから税理士を探す

人気記事

タグ一覧

業種

その他

PageTop