労働条件通知書|記載事項と2019年の改正点(サンプル付)

公開日:2019年12月13日
最終更新日:2019年12月13日

目次

  1. 労働条件通知書とは
    • 労働条件は原則書面で通知
    • 2019年の改正ポイント
  2. 労働条件に記載すべきこと
    • 必ず明示が必要な事項
    • ポイントは「契約期間」
    • 労働条件通知書のサンプル
  3. まとめ
    • 社会保険労務士をお探しの方

この記事のポイント

  • 労働条件通知書とは、賃金、労働契約の期間や、就業の場所、従事する業務の内容などの労働条件を書面にしたもの。
  • 労働条件通知書は、「労働契約書」「雇用契約書」と呼ばれることもある。
  • 明示をしなければならない事項と、規定がある場合には明示が必要な事項とがある。

 

労働条件通知書とは、従業員を採用する時に会社と採用者の間で交わす契約書で、労働条件を明示したものです。労働契約書、雇用契約書と呼ばれることもあります。

労働条件通知書は、採用後のトラブルを防止するためにも、口頭ではなくきちんと書面で結びましょう。
ただし、労働条件の明示方法については、労働者が希望する場合には、FAXやメールで送信してもよいということになりました。

▶ 人事・労務コンサルに強い社会保険労務士を探す

労働条件通知書とは

労働条件通知書とは、賃金、労働契約の期間や、就業の場所、従事する業務の内容などの労働条件を書面にしたものです。
労働条件通知書は、正社員として採用する場合だけでなくアルバイトやパートに対しても書面で行う必要があります。

労働条件通知書は、労働契約の期間や就業の場所など、必ず明示をしなければならない事項と、臨時的に支払われる賃金や賞与など、規定がある場合には明示が必要な事項とがあります。

労働条件は原則書面で通知

労働条件は、原則として書面で通知しなければなりません。/span>
就業規則で適用される条件が具体的に記載されていて、どの部分が適用になるかを明らかにしてその就業規則を採用者に渡す場合には、労働条件通知書を省略することもできますが、後々のトラブルを防止するためにも、やはり書面で締結する方がよいでしょう。

2019年の改正ポイント

労働条件通知書は、原則として書面で行わなければなりませんが、平成31年(2019年)に、労働基準法第15条の規定に基づく労働条件の明示の方法について、下記のように改正されました。/span>

改正前
書面の交付
改正後
書面の交付

労働者が希望する場合の次のいずれかの方法
・ファクシミリを利用してする送信の方法
・電子メール等(※)の送信の方法
(電子メール等の記録を出力することにより書面を作成することができるものに限る。)
(※)「電子メール等」とは、電子メールの他、SNS(ソーシャル・ネットワーク・サービス)のメッセージ機能等を利用した電気通信をいう。

参照:厚生労働省「過半数代表者の選出手続等及び労働条件等の明示等の方法の見直しについて」

▶ 人事・労務コンサルに強い社会保険労務士を探す

労働条件に記載すべきこと

労働条件通知書は、採用する時に明示しなければならない労働条件に付いて記載したもので、契約期間や就業場所、業務内容などについて記載をする必要があります。

労働条件通知書には、必ず明示しなければならない事項と、会社で制度を設けている場合には、明示しなければならない事項があります。

必ず明示が必要な事項

労働条件通知書で、必ず明示しなければならない事項は、以下のとおりです。


①雇用契約期間

①退職手当の定めが適用される労働者の範囲、退職手当の決定、計算、支払の方法、支払の時期に関する事項

②臨時に支払われる賃金や賞与などに関する事項

③安全衛生に関する事項

④職業訓練に関する事項

⑤災害補償、業務外の疫病扶助に関する事項

⑥表彰・制裁に関する事項

⑦休職に関する事項

ポイントは「契約期間」

契約期間は、正社員の場合には、「期間の定めなし」としますが、「期間の定めあり」として雇用期間を定める場合には、原則として3年を超えることはできません。
雇用期間を定める場合には、定めていた期間をもって雇用終了となり、解雇することと比べると会社にとってリスクがありません。
ただし、期間を定めた場合に機関の途中で解雇する場合には、相当な理由が必要となります。

なお、以下の職種については、雇用期間を定める場合に例外的に5年以内まで可能とされています。

①高度な専門的知識、技術、経験を有する労働者として認められたもの

・博士の学位を有するもの
・公認会計士
・医師
・歯科医師
・獣医師
・一級建築士
・税理士
・薬剤師
・社会保険労務士
・不動産鑑定士
・技術士
・弁理士
・システムアナリスト
・アクチュアリーなど

②満60歳以上の労働者

労働条件通知書のサンプル

以下は、厚生労働省東京労働局のホームページで推奨されている、労働条件通知書のサンプルです。注意すべき点などをご紹介しますので、参考にしながら自社の状況に応じて作成してください。

①労働契約期間
労働基準法に定める範囲内とする必要があります。
「契約期間」について「期間の定めあり」とした場合には、契約の更新の有無及び更新する場合又はしない場合の判断の基準(複数可)を明示します。
自動更新ではないとわかるように記載しましょう。

記載例:
期間の定めあり(令和2年4月1日~令和○年9月30日)更新する場合がある。

②就業場所
就業場所、入社直後に働く場所、入社直後に行う業務内容を明記します。

記載例:
本社その他会社が指定する場所」

③従事すべき業務の内容
業務の内容は、幅を持たせるようにしましょう。

記載例:
一般事務その他の雑務

④始業・終業の時刻、休憩時間、就業時転換
具体的な条件を明示します。
変形労働時間制、フレックスタイム制、裁量労働制等の適用がある場合には、次の点に注意が必要です。

・変形労働時間制:
適用する変形労働時間制の種類(1年単位、1か月単位等)を記載します。
その際、交替制でない場合、「・交替制」を=で抹消します。

・フレックスタイム制:
コアタイム又はフレキシブルタイムがある場合はその時間帯の開始及び終了の時刻を記載します。コアタイム及びフレキシブルタイムがない場合、かっこ書きを=で抹消します。
・事業場外みなし労働時間制:
所定の始業及び終業の時刻を記載します。

・裁量労働制:
基本とする始業・終業時刻がない場合、「始業··を基本とし、」の部分を=で抹消します。

・交替制:
シフト毎の始業・終業の時刻を記載します。また、変形労働時間制でない場合、「()単位の変形労働時間制・」を=で抹消します。

⑤休日
所定休日について曜日又は日を特定して記載します。

記載例:土曜日、日曜日、国民の祝日、その他会社が定める日。 ※詳細は就業規則○条」

⑥休暇
年次有給休暇は6か月間勤続勤務し、その間の出勤率が8割以上であるときに与える休暇です。したがって、その付与日数を記載します。
時間単位年休は、労使協定を締結し、時間単位の年次有給休暇を付与するものですが、祖の制度の有無を記載します。
代替休暇は、労使協定を締結し、法定超えとなる所定時間外労働が1箇月60時間を超える場合に、法定割増賃金率の引上げ分の割増賃金の支払に代えて有給の休暇を与えるものです。その制度の有無について記載します。その他の休暇については、制度がある場合に有給、無給別に休暇の種類、日数(期間等)を記載します。

記載例:
年次有給休暇6カ月継続勤務の場合10日 ※詳細は就業規則○条」

⑦賃金
基本給等については、具体的な額を明記します。
ただし、就業規則に規定されている賃金等級等により賃金額を確定し得る場合、当該等級等を明確に示せばよいとされています。
なお、基本賃金や所定労働時間は、法律を下回ることはできませんので、注意しましょう。

記載例:
基本賃金:時間給1050円
交通費は1カ月の定期代を実費で支給する。
所定労働時間外、休日または新太郎堂に対して支払われる割増賃金率
イ 所定時間外 法定超125%、所定超100%
ロ 休日 法定休日 135%、法定外休日125%
ハ 深夜 25%
賃金締切日 毎月20日
賃金支払い日 毎月25日
※詳細は就業規則○条

賃金の改定;会社の業績、従業員の勤務成績・貢献度に応じて改定する。
賞与 会社の業績、従業員の勤務成績・貢献度に応じて支給することがある。

⑧退職
定年制を設ける場合は、60歳を下回ってはなりません。また、65歳未満の定年の定めをしている場合は、高年齢者の65歳までの安定した雇用を確保するため、次の①から③のいずれかの措置(高年齢者雇用確保措置)を講じる必要があります。

・定年の引上げ
・継続雇用制度の導入
・定年の定めの廃止

記載例:
定年制度有(60歳)再雇用あり
自己都合退職の手続き:退職する60日以上前に届け出ること
解雇の事由
 ・業績不振により剰員が生じた時
 ・勤務成績が不良の時
 ・その他前各号に準ずるやむを得ない事由がある時
※詳細は就業規則○条

⑨その他
社会保険の加入状況、雇用保険の適用の有無のほか、労働者に負担させるべきものに関する事項、安全及び衛生に関する事項、職業訓練に関する事項、災害補償及び業務外の傷病扶助に関する事項、表彰及び制裁に関する事項、休職に関する事項等を制度として設けている場合に記入します。

記載例:
雇用保険(有)健康保険、厚生年金(有)
試用期間は3カ月とし、能力、勤務態度について不適格と認めた場合には、採用を取り消す。
懲戒解雇の事由
 ・無断欠勤14日を超えた時
 ・職場の秩序を著しく乱す行為があった時
 ・会社の信用を傷つける行為があった時
 ・会社の金品を持ち出そうとした時
 ・会社の人事上の命令に従わない時
 ・会社や顧客等の機密や個人情報を漏らした時
 ・その他前各号に準ずる不都合な行為があった時

更新時は、従業員の充足状態、本人の能力、勤務態度、健康状態、その他会社の経営状態や業務の都合等を勘案して更新するかどうか決定する。

退職金(無)

相談窓口
総務課 ○田

▶ 人事・労務コンサルに強い社会保険労務士を探す

まとめ

労働条件通知書は、会社と従業員がお互いに確認するための書類です。
従業員とトラブルになる原因は、労働条件通知書や就業規則を雇用時に明示していないケースです。
後々のトラブルを防ぐためにも、労働条件通知書や就業規則によって、労働条件や従業員としてのあるべき行動を明示することで、多くのトラブルを防ぐことができます。

労働条件通知書は、自社の事情に沿って独自に作成することができますが、法律の規定に従った内容とするためにも、社会保険労務士や弁護士などの専門家のアドバイスを受けるようにしましょう。

社会保険労務士をお探しの方

税理士検索freeeでは2,000以上の事務所の中から、労働条件通知書について相談できる社会保険労務士を検索することができます。
人事・労務コンサルに強い社会保険労務士を探す

労務コンサル(給与規定/就業規則作成など)にノウハウを持つ税理士を探す

地域から人事コンサル(評価制度策定など)に実績がある税理士・社労士を探す

より細かいカテゴリから税理士・社労士を探す

人気記事

タグ一覧

業種

その他

PageTop