人材育成を行うためには|計画の立て方から実施まで

公開日:2019年11月19日
最終更新日:2019年11月19日

目次

  1. 人材育成とは
    • 能力開発とは
    • キャリア開発とは
    • 組織開発とは
  2. 社員教育・社員研修の計画の立て方
    • (1)研修の位置づけ、目標を設定する
    • (2)研修方法と内容・講師を決める
    • (3)研修の年間スケジュールの作成
    • (4)準備し実施する
    • (5)実施後はアフターフォローする
  3. まとめ
    • 税理士・社会保険労務士をお探しの方

この記事のポイント

  • 経営資源のなかで特に重要なのが「人材」である。
  • 優秀な人材を採用し、育成し、活用していくことは、会社を発展させるために不可欠。
  • 優秀な人材を活用するためには社員にとって必要なキャリア開発や、能力開発を行うことが重要。

 

会社が将来に向かって発展していくためには、事業の将来性や変化を読み取り、ニーズを先取りし、自社の経営資源を最大限に活用することが重要です。
そして、経営資源のなかで特に重要なのが「人材」です。優秀な人材を採用し、育成し、活用していくことは、会社を発展させるために不可欠なのです。

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人材育成とは

会社は、一般的に経営理念や経営方針をもとにして、中長期的な目標と計画を立てます。そして、そのために何をすればよいかを「経営計画」として具体化します。
多くの会社は、この経営計画で掲げられた目標を達成するために活動することになります。
社員教育・社員研修は、この経営計画で掲げられた目標を達成するために必要な知識・能力・技術・態度などを労働者に身につけさせ、キャリア・能力・組織の3つを開発することを目的として行います。

・キャリア開発
社員一人ひとりに自分のキャリアの方向性を考えさせたり、さまざまな職務経験を積ませたりすることをいいます。

・能力開発
教育研修や業務指導を通じて従業員に知識や技術を習得させることをいいます。

・組織開発
コミュニケーションの活性化などを通じて、組織の体質改善を図ることをいいます。

能力開発とは

能力開発とは、研修などを通じて従業員一人ひとりに必要な知識や技術を習得させることをいいます。
代表的なものにOJT(On the Job Training)と、Off-JT(Off The Job Training)があります。

OJT(On the Job Training)とは、仕事を通じてトレーニングする職場内研修をいいます。
上司や先輩社員が日常の仕事を通じて、部下や後輩に職務を遂行するために必要な能力を計画的に身につけさせるために実施します。実務のなかで行われるため、実践的な内容を教えることができ、効率的で継続的な育成方法といえます。

一方、Off-JT(Off The Job Training)とは、日常業務から離れて行う社内の集合研修や外部検収、通信教育やインターネットを利用したeラーニングなどの職場外研修のことをいいます。業務から離れて集中して学習することで知識やスキルだけでなく、ふだんの業務からは修得できないようなことを学ぶことができます。
ただし、研修は短期間で終了することが多いため、効果の確認や職場で身につけた知識をどう展開していくかは、実施後のフォローが大切ということになります。

OJTとOff-JTのメリット・デメリット

OJT Off-JT
メリット ・職場で手軽に実施できる
・費用がかからない
・実践的な内容を教えることができる
・専門的・理論的な内容を教えることができる
・職場を離れることによって、新たな気づきを与えたり社内外の人脈を広げることができる
・集中して学習できる
・期間を設計できる
・テストやアンケートを実施することで、効果を測定できる
デメリット ・職場によっては、頻度・内容にバラつきがある
・専門的・理論的な内容を教えることができないケースがある
・計画的に実施することができない
・効果測定がしにくい
・時間や費用がかかる
・仕事にすぐに役立たないこともある

キャリア開発とは

キャリア開発とは、社員一人ひとりに自分のキャリアの方向性を考えさせたり、さまざまな職務経験を積ませたりすることで、長期的な計画に基づいて社員の能力を開発することをいいます。これをCDP(Career Development Program)といいます。
社員が職務レベルを高めていく道筋(キャリアパス)を示し、適性や希望を反映しながら教育と配属の機会を与えることがポイントです。

社員が能力を向上させていく職務経験の道筋や会社が実施する教育研修を示し、これに基づいて配属や教育研修を実施することで、会社は求める人材を効率的に育成することができます。

CDPを運営するポイント

CDPを運営するポイント
①社員が職務レベルを高めていく道筋を示したキャリアパスとなっているか
②社員の適性や希望を反映しながら、教育や配属の機会があるか
③キャリア情報が管理され、定期的なフォローアップのなかでキャリアを考えていけるよう配慮されているか

組織開発とは

組織開発(OD:organization development)とは、社員一人ひとりの能力を向上させ、組織力を向上させることをいいます。経営計画で掲げた目標に沿う形で社員の力量や組み合わせを考え、社員を教育し、組織を構築・改善して、組織力を向上させることは、他社との差別化にもつながります。

具体的には、ナレッジ・マネジメント力の向上リーダーの継続的な輩出などを行うための施策を実行します。

組織開発(OD)組織開発(OD)を行うための施策

目標とするもの 施策事例
ナレッジ・マネジメント力 ・優秀な社員のノウハウを取り入れ、業務マニュアル研修を行なう
リーダーの継続的な輩出 ・リーダーシップ研修を行い、リーダーとしてなすべきことを知る
交流分析 ・多様な人材を育成して、アイディアや方策を見出すためのセッションをおこなう

外国人従業員や高齢者など雇用の多様化が進んでいるなかで、職場内のコミュニケーションを活発化させ、組織としてまとまりを持たせる必要性が高まったことから、組織開発はますます重要視されています。

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社員教育・社員研修の計画の立て方

社員教育・研修には、新人研修、テーマ別研修などいろいろありますが、いずれの場合にもまずは研修の位置づけ、目標、研修方法などを決めておく必要があります。
また、会社の事業計画や昨年度の研修費用などを参考にして、研修予算を決定する必要があります。

(1)研修の位置づけ、目標を設定する

研修や教育を行う際には、まずゴールの設定から始め、研修や教育のねらい、対象者を決め、研修後にどうなってほしいのか、何を学んでほしいのかを設定します。

(2)研修方法と内容・講師を決める

研修の位置づけ、目標を設定したら、研修の内容を決めます。
経営者や責任者から聴取したニーズ、他社事例などを参考にして、今年度実施すべき研修メニューを作成します。そして、メニューのなかから、研修予算などをふまえ実施可能なものを選択し、研修方法(個人ワーク、グループワークなど)を決めます。
さらに、研修の流れを決めたら講師を選定します。講師は研修目標の達成に大きく関わるので、場合によっては講師を先に決めてから研修方法や流れを決定することもあります。

(3)研修の年間スケジュールの作成

研修の実施日を以下の順序で決定し、年間スケジュールを作成します。

①実施時期が決まっている研修(新入社員研修、新任管理職研修など)
②重要度が高い研修(多くの従業員が参加できるように、繁忙期を避ける)
③その他の検収(研修の実施時期が、一時期に集中しないよう配慮する)

(4)準備し実施する

年間の研修計画は、決定次第社内に告知します。
研修会場を決めたら、会場内のレイアウトの設定、当日のアテンド内容(お世話)の決定、研修後のアンケートの作成、参加者への資料を作成します。

告知の方法は、参加予定者に直接知らせ、掲示板などで掲示したり、上司を通じて伝えたりするなどの方法で行います。
実施日が複数ある場合には、参加者と調整して決めます。参加者と調整する際には「聞いていない」などの行き違いがないよう、注意しましょう。

社外の研修に参加させる場合には、研修パンフレットを入手し社内に案内し、参加者を取りまとめたら研修実施期間に申し込みをします。

研修は、連絡事項が多いので、あらかじめチェックリストを用意しておくとよいでしょう。

(5)実施後はアフターフォローする

研修後は、必ずアンケートを実施します。
アンケートは、研究の効果を測定する資料となりますし、次回以降の研修を行う際の指針にもなります。質問内容は、研修の内容や教材、講師に関するもの以外にも、会場の大きさ、空調設備、事務局の対応といった点について聞くとよいでしょう。

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まとめ

以上、社員教育・社員研修の必要性や種類、実施方法などについてご紹介しました。
社員教育・社員研修を行いたいと思いながら、なかなか着手できないという場合には、社会保険労務士に相談するのがおすすめです。
人材活用に精通している社会保険労務士には、経営計画に沿ってどのような研修が必要なのか、その研修を行うためにはどのような準備が必要なのか、アドバイスをしてもらうことができますし、一定の要件に該当すると雇用保険から教育訓練給付金が受けられることもあります。
また、外部から講師又は指導員を招いて、講義・指導等の教育訓練等を行った場合には、所得拡大促進税制の対象となり、税負担を軽くできる可能性があります。

参照:経済産業省「中小企業向け所得拡大促進税制ご利用ガイドブック」

どのような研修を行えば、所得拡大促進税制の対象となるためには一定の要件を満たす必要があるので、要件や手続きについて税理士に相談するとよいでしょう。

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