公開日:2019年09月06日
最終更新日:2024年04月08日
税理士というと、会社を経営している人や多額の相続税を支払う一部の人が相談・依頼する専門家というイメージを持っている人が多いようです。
しかし、税金は私たちの生活に常に関わってくるものです。
平成27年(2015年)には相続税の基礎控除額が引き下げられ、相続税の課税対象者が大幅に増加しました。平成30年(2018年)の税制改正では法人税の賃上げ税制が拡充しましたし、配偶者控除についても見直しがされました。
令和2年(2020年)には基礎控除、給与所得控除、公的年金等所得控除も見直されました。
令和3年(2021年)には、税制上の手続きにおけるデジタル化が推進されることになりましたし、ウィズコロナ・ポストコロナの経済再生を目指し、主に中小企業に向けて多くの税制が見直されています。
このように頻繁に行われる税制改正に対応しながら賢く税金と付き合っていくためには、税理士に相談・依頼した方がよいケースが非常に多いのです。
税務調査の豆知識
税務調査は、担当調査官によって調査内容や調査結果が大きく異なると言われますが、税理士によっても調査内容や調査結果は大きく変わります。
税務調査においては冷静に反応し、反論すべき時には根拠を示して論理的に反論する必要があります。たとえば「本件については、○○という事情があることから、○○のケースには該当せず、○○と判断すべきえはないでしょうか」という具合です。
調査官は、税務調査のプロですが、調査官の主張が常に正しいとは限りません。なかには事実認定が誤っている場合もあります。調査官はどうしても課税の方向から調査をしがちですが、本質的な部分を見失う可能性もあるのです。そして、そこを質してもらうことこそが、税理士に立ち会ってもらうメリットです。
また、申告書に「税理士法第33条の2第1項に規定する添付書面」が添付されていると、そもそも税務調査の対象とはなりにくいというメリットがあります。
この書面は、「提出された申告書は、税理士によって作成されたもの」であることを示すもので、添付されていると申告内容の信頼性が高まります。また、この書面が添付されていると、原則として税務署は調査に着手する前に税理士に質問をする機会を与えないといけないことになっています。
そして、その場で調査官の疑問点が解消して税務調査が必要ないとされれば、実地調査を実施しません。
つまり、実地調査をしない可能性があるケースに時間もマンパワーもかけたくないので、この書面が添付されている段階で、税務調査の対象とはなりにくいというわけです。
もっとも、税理士に意見聴取をしても疑問が解消されなければ、実地調査が行われるケースはありますが、この書面があるかないかは、大きな違いがあるといえます。
私たちが生活を送るうえでは、実にさまざまなところで税金がかかっています。
サラリーマンは、給与所得から毎月所得税が徴収されていますし、会社を経営している場合には法人税や消費税などを納める必要もあります。
また、株や投資信託、不動産の購入などを行う際にも税金がかかり、自動車を持っていれば、自動車所得税、自動車税、ガソリン税を支払う必要があります。
このように、私達は、想像以上にたくさんの税金をさまざまな場面で支払っています。
そして、どのような税金がありどのような節税対策があるのか、今後どのように税制が変わっていくのかを理解することで、納税額を減らし税金と上手に付き合っていくことが可能となります。そして、そのために必要不可欠なのが税理士という存在なのです。
最近では不動産所得や配当所得での確定申告だけでなく、さまざまな個人事業を営む方が増えています。
自宅開業されている場合や、ネットショップやアフィリエイト等のインターネット関連の収入がある場合にも確定申告が必要です。
税理士に相談すれば、確定申告手続きはもちろん、有効な節税対策についてもアドバイスを受けることができます。
また、サラリーマンなどの給与所得者で副業している場合には、還付申告ができて税金が戻ってくるケースがありますし、年金受給者も煩雑な確定申告などについての相談することができます。
個人事業主の方は、令和2年分の確定申告から、65万円の青色申告特別控除を受けるためには、e-Taxによる申告(電子申告)または電子帳簿保存が適用要件に加えられています。
今後も税制改正は頻繁に行うことが予想されますから、日頃すぐに相談できる税理士がいれば、個人の節税対策についても必要なアドバイスを受けることができます。
決算は、ただ決算申告書を作成すればよいというものではありません。決算書を分析して、事業の成果を確認することが大切です。
決算書を分析すれば、会社は順調に成長しているか、借入金の支払い能力は十分かなどを把握することができます。
税理士に早めに依頼することで、さまざまな節税対策が可能となるだけでなく、自社の事情に合った決算対策や資金繰りなどを提案してもらうことができます。
具体的には、損益と資金の振り返りを行い、今経営はどのような状態か、資金は円滑に回っているか、是正すべき点はないかを検討し対策を提案してもらいます。
事業を行っている場合には、現金出納帳や会計日記帳などの資料を「freee会計」に入力し、試算表、総勘定元帳、貸借対照表、損益計算書などの財務書類を作成する必要があります。これらの作業は「会計ソフト」を活用することでほぼ自動化することができますが、正しく勘定科目が使われているのか、適切な会計処理が行われているのか、そして有効な節税対策はないかなどを検討するためには、やはり税理士のサポートが欠かせません。
「会計ソフト」に精通している税理士に依頼すれば、「会計ソフト」の導入から、勘定科目の設定、仕訳ルールの設定までサポートしてもらうことができ、さらに経理システムの効率化までサポートしてもらうことができます。
税理士には、会社設立時の諸手続きからアドバイス及びサポートを受けることができます。
実は、会社設立時にしかできない節税対策があり、たとえば資本金の額をいくらに設定するかによっては設立後の税務の取扱いが異なることもあります。
また、資金調達に強い税理士に相談すれば、創業助成金や各種補助金の申請など、起業時に必要な資金調達や融資を引き出すための支援を受けることもできます。
節税というと、決算前に経費を捻出することだというイメージをもっている人もいますが、適切な節税対策とは、中長期で実施しないと意味がありません。あわてて決算前に節税対策をしようとしても、せいぜい生命保険の加入、オペレーティングのリース、役員退職金の計上などしか方法はありません。しかし、これらの節税対策は、経費が発生し一時的に納税額は減少するものの、同時に多額の資金が社外に流出してしまうことを意味します。
したがって、決算前に慌てて経費を計上するのではなく、月次決算からていねいに検証していくことで、より効率的に大きな節税効果を生み出すことができるのです。
また、最近は、事業や構造を変革するためにさまざまな税制が見直されていますし、繰越欠損金の控除上限の特例が創設されたりしています。
ただし、これらの税制や特例を利用するには、その適用となる要件を満たす必要があります。そしてこの要件を短期間で満たすのは困難なケースもあります。
税理士に相談・依頼すれば、自社に有効な税制や特例について、いち早く情報を提供してもらうことができ、スムーズに適用要件を満たし適切な節税対策を行うことが可能となります。
節税対策は、決まったマニュアルがあるわけではなく、個々の財務状況に応じて適切な節税プランは異なります。適切な節税対策を行いながら、有効な税制や特例を活用し事業を成長させていくために、顧問税理士を経営のパートナーとして活用することをおすすめします。
税務調査の連絡がきたら、最初にすべきことが顧問税理士への連絡です。
税務調査では、領収書や契約書など、さまざまな書類について細かくチェックされることになります。このような時に自社の事業を熟知している顧問税理士がいれば、すぐに必要な準備を行い、依頼者の味方となって税務署に主張してもらうことができます。
税務調査は、税理士の立会いがあるか否かで結果に大きな影響を及ぼすこともあります。
したがって、顧問税理士がいない場合でも、税務調査だけ対応してくれる税理士を探し出し、早めに連絡し打ち合わせをすることが大切です。
平成27年(2015年)には相続税の基礎控除額が引き下げられ、相続税の課税対象者が大幅に増加しました。この相続税を節税するためには、生前に適切な相続税対策を行うことが必要です。早めに対策を始めれば始めるほど、納税額を大幅に減らすことができます。
また、事業承継やM&Aは中小企業だけが利用できる「事業承継税制」があり、平成30年(2018年)の改正で、利用できる中小企業の範囲が拡大しました。
しかし、この特例を利用するためには「経営革新等支援機関」のサポートを受けることが必要です。経営革新等支援機関とは、中小企業・小規模事業者の経営課題を解決するための制度で、弁護士や税理士などの専門家が認定を受けています。
つまり、特例を利用して節税するためには、弁護士や税理士などの専門家によるサポートが要件となっているのです。
ここ数年、中小企業の海外進出が相次いでおり、海外進出はもはや特定の企業だけのものではなく、どの企業にとっても選択肢のひとつとして考えるべきものとなっています。
税制は各国ごとに異なりますから、海外進出をする際には地理的な条件や雇用環境だけでなく、その国の税制についても検討する必要があります。
さらに、各企業の積極的なタックスプランニングによる国際的な節税行為が批判を浴びていることから、新しい国際税務の考え方も登場してきています。
海外進出をする際には、これらの国際税務に精通した税理士によるグローバルタックスプランニングが避けては通れない時代となっているのです。
税理士や社会保険労務士には、毎月の煩雑な給与計算業務や年に一度の年末調整などの業務を依頼することができます。
給与計算業務を一括でアウトソーシングすることで、年末調整処理まで一括で行うことができ、ミスなく業務を行うことができます。
また、各従業員の居住地の市区町村に送付しなければならない各従業員の支払報告書と支払総括表についても電子申請で行うことができるので、手続きをさらに効率化させることができます。
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以上、税理士に相談・依頼した方がよいケースについてご紹介しました。
ここでご紹介したように、税理士は、特別な時に相談する専門家ではなく、身近な税金の問題について、どんなことでも相談することができる存在です。
自分に最適な税理士をしっかり選んで、賢く節税し、税金と付き合っていくためにも、まずは信頼できる税理士をお探しになってはいかがでしょうか。
freee税理士検索では数多くの事務所の中から所得税、法人税、相続税、贈与税について相談できる税理士を検索することができます。
また、コーディネーターによる「税理士紹介サービス」もあるので併せてご利用ください。
税理士の報酬は事務所によって違いますので、「税理士の費用・報酬相場と顧問料まとめ」で、税理士選びの金額の参考にしていただければと思います。
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監修:「クラウド会計ソフト freee会計」
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