NISAとは|メリット・デメリットは?2024年からどう変わる?

公開日:2019年04月05日
最終更新日:2022年06月15日

この記事のポイント

  • NISAとは、「少額投資非課税制度」のこと。
  • NISAは少額から投資可能。資金が準備できない人も利用できる。
  • NISAは、投資で得た利益や配当金がすべて非課税となる。

 

「少額投資非課税制度(通称NISA)」とは、投資で得た利益や配当金が非課税になる制度です。
通常、株取引など金融商品を運用して利益が出れば、税金がかかります。しかし、NISAを使えば、その投資による売却益に対する税金が一定期間非課税になるのです。
2024年からは、新NISAがスタートします。
ここでは、NISAの概要やメリット、デメリットなどについてご紹介します。

NISAとは

通常、株取引を行って利益が出れば20.315%(所得税+住民税+復興特別所得税)の税金が課されます。

しかしNISA(少額投資非課税制度)を使えば、この株取引で出た売却益に対する税金を非課税、つまり0(ゼロ)円にすることができます。

(1)一般NISA

一般NISAとは、年間投資額120万円までが非課税で、非課税期間は最長5年という制度です。取扱金融機関でNISA専用の口座を開設して、運用を行います。1年間に投資総額120万円、5年間で600万円まで利益に対して税金がかかりません。
仮に夫婦2人で活用すれば、非課税となる投資総額は、1,200万円にもなります。

この一般NISAは2023年で終了し、2024年からは「新NISA」がスタートします。

(2)つみたてNISA

つみたてNISAは、1年間の非課税枠は40万円と通常のNISAより少ない代わりに、最長20年(800万円)という長期運用ができ、払出などに制限がありません。
ただし、NISAと併用はできないのでいずれかを選択することになります。

(3)ジュニアNISA(2023年まで)

ジュニアNISAとは、日本に居住する0歳~19歳の未成年が対象(成年年齢の引き下げに伴い、2023年は、0歳~17歳)です。
未成年本人の名義による専門口座で、1年間に投資総額80万円までの資金を5年間非課税で運用できます。

運用は、本人ではなく親権者などが代理で行います。
なお、本人が18歳までは払出し制限があります。

(4)2024年からNISAはどう変わるか

一般NISA
2024年から一般NISAが終了し「新NISA」に移行するということでしょう。
新NISAは、2023年で終了する一般NISAを引き継ぐ形で、2024年から始まります。
現時点では、これは2028年まで5年間の時限的な制度で、2028年に投資した分は、5年後の2032年末まで非課税で運用することができます。
新NISAのもっとも大きなポイントは、非課税枠が2階建てになったということです。

これまでの一般NISAでは、投資上限額120万円という枠の中で、金融商品を取引してきました。新NISAでは、その枠が「2階建て」になります。1階は「積立枠」で金融庁が認めた優良投資信託に限られます。
2階は「投資枠」で、投資信託、ETF、REITなどが購入できます。

2階部分の年間の非課税投資枠は102万円で、5年間で最大510万円の投資が可能です。1階「積立枠」2階「投資枠」を合わせて、1年間で最大122万円の投資ができるようになりました。

一般NISA 新NISA
非課税保有期間 5年間 5年間
年間非課税枠 120万円 2階部分:
102万円
1階部分:
20万円
投資可能商品 上場株式、ETF、
公募株式投信・REIT等
2階分:
上場株式、ETF、
公募株式投信・REIT等
1階部分:
つみたてNISAと同様
買付方法 通常の買付け、積立投資 2階部分:
通常の買付け、積立投資
1階部分:
つみたてNISAと同様
払出し制限 なし なし

つみたてNISA
つみたてNISAは、従来は非課税で運用できる新規の買い付けは2038年まででしたが、これが5年間延長され、2042年までとなりました。
20年後の2061年末まで非課税で運用することができます。
非課税期間が20年間であることや運用方法に大きな変更はありません。

つみたてNISA つみたてNISA
2024年以降
非課税保有期間 20年間 20年間
年間非課税枠 40万円 40万円
投資可能商品 長期・積立・分散投資に適した
一定の投資信託
(金融庁へ届出が必要)
長期・積立・分散投資に適した
一定の投資信託
(金融庁へ届出が必要)
買付方法 積立投資のみ 積立投資のみ
払出し制限 なし なし

 

ジュニアNISA
ジュニアNISAの投資可能期間は、2023年12月31までで、以降は廃止予定です。
2024年以降は、ジュニアNISAで新規購入ができなくなります。非課税期間を終えた商品は、自動的に「継続管理勘定」へ移管されます。そしてそのまま18歳になるまで(1月1日時点で18歳である年の前年12月31日まで)非課税で保有し続けることができます。

NISAのメリット

NISAは、何よりも「非課税である」という大きなメリットがありますが、その他にも見逃せないさまざまなメリットがあります。
ここでは、NISAの主なメリットについてご紹介します。

(1)NISAは利益が非課税

NISAは、株取引の税金がかかりません。
非課税となる期間は、一般NISAは5年間、つみたてNISAが20年です。

NISAは非課税のため、NISA口座内の売却益については、原則として確定申告を行なう必要もありません。
ただし、他に収入がない人で利益が48万円以下なら、確定申告をすることで還付が受けられる場合があります。

(2)NISAは配当も非課税

上場会社の株式配当には、20.315%の税金がかかります。
しかし、NISAでは株式の配当も非課税になります。
安定して高配当が見込まれる企業の株式に、NISAで投資を行えば、配当金を非課税で受け取ることができます。

(3)NISAを預金代わりに利用できる

NISAは、定期預金の代わりに利用することもできます。
銀行の預金利息からは20,315%の税金が差し引かれます。
つまり、定期預金を5年間していても、ただでさえ少ない利息のなかから1年分の利息に相当する金額が、税金として持っていかれてしまうのです。

確かにNISAでは、預金や国債など元本保証の金融商品に投資することはできません。
しかし、公社債など元本割れのリスクが比較的少なく、安定的に分配金を得られるものを選んでNISAを利用すれば、定期預金の代わりにもなりますし利息にかかる税金を節税することができます。

NISAのデメリット

これまでNISAのメリットをご紹介してきましたが、NISAにもデメリットがあります。
NISAを始める場合には、これからご紹介するデメリットも十分理解してから始めるようにしましょう。

(1)NISAは投資できる商品が限定される

NISA口座で運用できるのは、株式や株式投資信託で、債券や公社債投資信託、FXなどは対象外です。また、金融機関の変更は1年単位でしかできないため、商品を選択する際には慎重に検討する必要があります。
また、すでにほかの口座で運用している金融商品は、NISA口座に移すことができません。

(2)NISAは損益通算ができない

NISAのメリットは、売却益に税金がかからないことです。
しかし、損失が出ても他の口座と損益通算や繰越控除ができず、いったん売却した後の非課税枠の再活用や翌年への繰越はできません。
一方、NISA口座以外で保有している上場株式や株式投信は、確定申告をすれば翌年以降3年間、売却による損失を繰越すことができます。

(3)NISAはデイトレに向いていない

一般NISAの年間の非課税は120万円ですが、1度利用した非課税枠は元に戻すことができません。たとえば非課税枠120万円の投資を行い、そのすぐ後に150万円で売却したとします。
その際、30万円の利益は当然非課税扱いとなりますが、短期間に何度も取引を行って利益を出そうと思うと、すぐに投資限度額に達してしまい、その後は取引することができなくなり、その後は年明けまで待つしかありません。したがって、いわゆる「デイトレ」といった短期投資には向いていないといえるでしょう。

まとめ

以上、NISAの基礎知識や始め方などについてご紹介しました。
預金をしているだけでは財産がほとんど増えない超低金利時代にあっては、株のような金融商品で財産の一部を運用することは、大変重要です。
さらにNISAでは、非課税期間があり原則として確定申告が不要であるというメリットもあります。

ただし、個々の状況に応じてNISAではなく特定口座や一般口座での株取引の方がメリットは大きい場合もありますので、慎重に検討しましょう。

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監修:「クラウド会計ソフト freee会計」

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