公開日:2019年04月09日
最終更新日:2022年07月06日
個人事業主として事業をスタートする場合には、税務署に「個人事業の開業・廃業等届出書」を提出する必要がありますが、その他にも都道府県税事務所に「事業開始等申告書」を提出する必要があります。
この他にも個人事業主が事業を行う時には、さまざまな手続きが必要です。また、節税効果の高い青色申告で確定申告を行なうためには、さらに別途手続きが必要となります。
「事業開始等申告書」を提出する際には、これらの書類についても提出漏れのないように、一緒に確認するようにしましょう。
「事業開始等申告書」とは、個人事業主として事業をスタートする際に、都道府県税事務所に提出する申告書です。地域によっては、都道府県税事務所だけでなく区市役所にも提出しなければならないところもあります。
個人事業をスタートした場合、個人事業税などを支払う必要があるため、個人事業を開始したことを自治体(都道府県、市区町村)に申告します。
これは、地方税(事業税、住民税)を納付するために必要な届出です。
また、自治体によって異なりますが、マイナンバーの記入欄がある場合がありますので、その際にはマイナンバーカードを準備するようにしましょう。
提出期限は自治体によって異なりますが、東京都の場合には、事業所を設けた日から15日以内に、都税事務所に「事業開始等申告書」を提出します。
事業開始等申告書の様式は、自治体によって異なります。
ここでは、東京都を例にして記入例をご紹介します。
①事業所の住所・電話番号を記入 「事務所(事業所)」の「所在地」の欄に、事業所の住所、電話番号を記入します。 ②名称・屋号を記入 ③事業の種類を記入 ④事業主の住所・氏名を記入 ⑤事由等 ⑥開業日を記入 ⑦提出日を記入 ⑧事業主名を記入 |
個人事業をスタートする際には、自治体に事業開始等申告書を提出するほか、税務署へ「個人事業の開業・廃業等届出書」を提出する必要があります。また、自宅と事業所(事務所または店舗)が異なり、事業所を納税地とする場合には、「所得税の納税地の変更に関する届出書」を一緒に提出する必要があります。
提出すべき書類は個々のケースによって異なりますが、主な届出についてはここであわせて確認しておきましょう。
・個人事業の開廃業等届出書
・青色事業専従者給与に関する届出書
・所得税の青色申告承認申請書
・事業開始等申告書
・所得税のたな卸資産の評価方法・減価償却資産の償却方法の届出書
・給与支払い事務所等の開設届出書(従業員を雇う場合)
・所得税の納税地の変更に関する届出書(自宅と事業所が異なる場合)
「所得税の納税地の変更に関する届出書|提出先・記入例など」を読む
新たに事業を開始することを知らせるために、管轄の税務署に提出するものです。提出期限は、事業を開始した日から1カ月以内です。
個人事業主として事業所得がある人たちは、青色申告という方法で確定申告を行なうことができます。
確定申告には、青色申告と白色申告の2種類がありますが、青色申告の方が税制的に優遇されており得られるメリットが大きいので、ぜひ青色申告で確定申告を行なうことをおすすめします。
この青色申告を行なうためには、事前に税務署に「所得税の青色申告承認申請書」を提出し、承認を得ておく必要があります。
最初に青色申告をしようとする年の3月15日までに管轄の税務署に提出します。
ただし、1月16日以降に開業した場合には、開業した日から2カ月以内に提出することになっています。
所得税の青色申告承認申請書とは?書き方・提出先・期限【まとめ】
青色申告の承認を受けると、家族従業員(専従者)に給与を支払う際に、その給与を丸ごと必要経費とすることができます。
その場合には、経費に算入しようとする年の3月15日までに「青色事業専従者給与に関する届出書」を税務署に提出します。
ただし、1月16日以降に開業した場合には、開業した日から2カ月以内に提出することになっています。
「青色事業専従者給与」とは|メリット・要件・届出書の書き方・仕訳例【まとめ】
新たに従業員を雇用して給料を支払う場合には、「給与支払事務所等の開設届出書」を所轄税務署に提出します。
個人事業主の場合には、開排業届出書に従業員に関する記入欄が設けられているので、この届出書の提出は通常は不要ですが、開業後に従業員を雇用することになった場合には、その時に「給与支払事務所等の開設届出書」が必要となります。
棚卸資産の評価額の計算や減価償却の計算については、特に届出をしなかった場合には、税法で定められた計算方法を採用することになります。
計算方法を変えたい場合には、届け出た計算方法を採用する年の確定申告の期限までに提出する必要があります。
業種によっては、免許や資格がないと開業できない業種があります。
たとえば、飲食業は「食品衛生責任者」の資格と保健所から発行される「営業許可書」が必要です。
また、宿泊施設は「食品衛生責任者」の資格の他、市区町村に「建築確認」を行い、地域の消防署から「消防設備の設置確認」をとらなければなりません。この他、業種ごとに適用される法律もあります。
これらの未取得のまま営業した場合には、営業停止処分や罰金など厳しい処分が課せられますので、自分が行う業種についてどんな許可や免許が必要なのか確認し、あらかじめ事前に取得しておきましょう。
個人事業を開業する際には、これまでご紹介したようにさまざまな届出が必要ですが、そんな時に活用したいのが「freee開業」です。
「freee開業」は、開業書類を税務署に行かずにオンラインで作成できる無料のサービスです。項目を埋めていくだけで関係書類が自動で作成することができ、Webで提出することもできます。
「freee開業」で作成可能な5つの届出 ①個人事業の開業・廃業等届出書 ②所得税の青色申告承認申請書 ③給与支払事務所等の開設・移転・廃止届出書 ④源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書 ⑤青色事業専従者給与に関する届出・変更届出書 |
個人事業主は、自分で1年間の利益を確定して税額を決定し納税を行う「確定申告」をしなければなりません。
確定申告を行うためには、帳簿作成や証憑類の管理・保存が必要ですが、そんな時にぜひ活用したいのが▶ 会計ソフトfreee会計です。
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スマホからも作業することができるので、スキマ時間を利用して作業することができ、確定申告書の作成までスマホで行うことができます。
以上、「事業開始等申告書」の記入例や、その他個人事業主が開業する際に提出しなければならない書類についてご紹介しました。
「事業開始等申告書」は、事業を開始したことを自治体に知らせるための手続きで、様式や提出期限は自治体によって異なりますが、東京都の場合には開業から15日以内です。
また、個人事業主が開業した際には、「個人事業の開廃業等届出書」が、青色申告を行う際には、「所得税の青色申告承認申請書」が、家族に給与を支払う際には、「青色事業専従者給与に関する届出書」が必要です。
「自分のケースでは、どの書類を提出すればいいか分からない」という場合には、確定申告に強い税理士に相談するのがおすすめです。
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