ROAとは|ROEとの違い・計算式・分析方法

公開日:2019年07月09日
最終更新日:2019年07月09日

目次

  1. ROAとは
    • ROAで使う「利益」はケースバイケース
    • ROAの分析ポイント
    • ROAとROEの関係
    • ROAだけでなくROEも見ることが大切
  2. ROAを改善するためには
    • 売上高利益率を高める
    • 総資本回転率を高める
  3. まとめ
    • 経営分析を税理士に相談

この記事のポイント

  • ROAは「いかに効率よく利益を獲得したか」を示す指標である。
  • ROAで使われる「利益」は、目的によってケースバイケース。
  • ROAで収益性を見る際には、総資本と利益のバランスを見ることが大切。

 

ROAとは、「Return on Asstts」の略で、総資産利益率を示す指標です。
ROAを算出することで、資産を利用してどれだけ利益を上げているか、ということが分かります。ROAで使われる利益はケースバイケースでさまざまですが、経営分析を行う際には、「営業利益+受取利息・配当金」÷総資産で計算します。

ROAとは

ROAとは、ROA(Return on Asstts)の頭文字をとった略語で、「アール・オー・エー」と発音します。ROAを株式投資の指標とする際には、「当期純利益/総資産」の計算式で求めます。ROAを算出することで、会社の総資本を使ってどれだけの収益を上げたかを見ることができます。
つまりROAは「いかに効率よく利益を獲得したかを示す指標」ということができます。

ROA=当期純利益/総資産

ROAで使う「利益」はケースバイケース

先程、ROAは「総資産÷当期純利益」で計算すると紹介しましたが、実は厳密にはROAの利益はケースバイケースで使い分けます。

株式投資の指標としてのROAは「当期純利益÷総資産」で見ます。
これは、利息や税金の支払い後に最終的に残ったお金である「当期純利益」が、株主の取り分となるからです。つまり、「株式投資を行うか否か」の指標でROAを見る時は、経営を見る株主の立場からすれば経常利益の方が重要だからです。

一方、経営分析を行ううえで会社が調達した資本をどのように活用し、どれだけ利益を獲得したかという「本業の力」を見る時には「営業利益」に受取利息と受取配当金を加算したものが使われます。つまり、「(営業利益+受取利息・受取配当金)÷総資産」で見ることになります。
これは、経営分析をするうえで利益の獲得力を見る際には、営業利益の方が重要だからです。

ROA=営業利益+受取利息・受取配当金/総資産

「資産に対する利益」という意味で、貸借対照表では「総資本に対する利益」ということになります。この意味でROAは総資本利益率ということもでき、これも広い意味でのROAです。

ROAの分析ポイント

ROAで収益性を見るうえで大切なのは、総資本と利益のバランスで判断することです。
収益が高い会社は、資本を効率よく活用して大きな利益を上げる会社ということができます。経営分析をする際には、利益がいかに出ているかだけでなく、総資本と利益のバランスで判断することが重要です。

たとえば、同じように利益が500万円出ているA社とB社を比較した場合、A社の方がROAが高ければ、より少ない資産で多くの利益を生み出しているということができます。

ROAとROEの関係

上場会社の決算発表資料などで、ROAとともによく見かける用語として「ROE」があります。ROAは「総資産利益率」で、ROEは「株主資本利益率」を意味する指標です。
ROAを計算する際の分母が「総資産」であるのに対して、ROEを計算する際の分母は「株主の自己資本」となります。

ROA=総資産÷当期純利益(もしくは「営業利益+受取利息・受取配当金」)
ROE=株主の自己資本÷当期純利益

ROAは、資産に対してどれだけ売上が出ているか、資産の有効活用度をあらわす指標でありROEは株主が出した資本がどれだけ効率的に使われているかをあらわす指標ですが、ROAとROEは、以下のように密接な関係があります。

「ROEとは|ROAとの違い、計算式・改善方法を図入りで分かりやすく解説!」を読む

①ROAの計算式を分解
まず、ROAの利益を純利益とすると、ROAの式は以下のように分解することができます。

ROA=(売上高÷資産)×(純利益÷売上高)

・(売上高÷資産)は、資産回転率をあらわします。つまり資産に対してどれだけ売上が出ているのかといった資産の有効活用度合いを示す指標となります。
・(純利益÷売上高)は、売上高利益率をあらわします。

つまり、ROAは、資産回転率と売上高利益率を掛けたものということができます。

②計算式を分解
次に同じようにROEの式も分解してみましょう。

ROE=(売上高÷資産)×(純利益÷売上高)×(資産÷自己資本)

・(売上高÷資産)×(純利益÷売上高)は、ROAです。
・(資産÷自己資本)は財務レバレッジをあらわし、「負債」を意味します。
つまり、負債を降らせば、それだけ財務レバレッジを高めることができることになります。

③ROAとROEの関係
上記の①と②の計算式をまとめると、ROEとROAの関係は以下のようになります。

ROE=ROA×財務レバレッジ

つまり、ROEを高めようとする時にはROAもしくは財務レバレッジを高める、つまり「自己資本比率を下げればよい」ということになります。

ROAだけでなくROEも見ることが大切

ROAを見る時にはROEもあわせてみることが大切です。
例えば、前述したとおり、「ROE=ROA×財務レバレッジ」なので、簡単にいうと自己資本比率を下げればROEは簡単に上がることになります。しかし、だからといって借入をして自己資本比率を下げたとしても、それが会社のリスクを高めていることになれば、本末転倒というしかありません。

ROAを上げればROEも上がるのですから、正しい経営を行うためにはROEを上げる施策を行うのではなく、ROAもきちんと見ることが大切です。
まして上場企業であれば、株主に対しても責任があるのですから、やみくもに負債を増やしてROEを上げることは得策ではないということになります。

「ROEとは|ROAとの違い、計算式・改善方法を図入りで分かりやすく解説!」を読む

ROAを改善するためには

ROAが高いということは、「より少ない資産でより多くの利益を稼げるようになること」を意味します。それでは、ROAを改善するためにはどのような施策を行うべきでしょうか。

売上高利益率を高める

ROAを高めるための1つの方法が「売上高利益率を高める」という方法です。
つまり、売上に対する利益額を増やし、総資本を小さくして、少ない投下資本で大きな利益をいかに生み出すかと考えることが必要となります。
具体的には、商品力をつけて粗利を確保したり、無駄な経費を見直したりして営業利益を増加させるなどの工夫が必要です。

総資本回転率を高める

総資本回転率を高めるには、総資本を小さくすることが必要です。
そのためには運転資金を圧縮して、不良在庫や遊休資産を見直し、無駄な資産があれば処分して総資本を圧縮するなどの工夫が必要です。

まとめ

以上、ROAの意味や計算式、ROEとの関係やROAの改善方法などについてご紹介しました。
経営分析をするうえでは、ROAやROE以外にもさまざまな指標が用いられます。
また、経営分析を行ううえでは、ここでご紹介したような「数字の分解」という発想がとても大切です。
たとえば、「売上が増えた」という時に「販売数量が増えたのか」「販売単価が上昇したためか」という発想を持つことができれば、数字と事業がうまくつながってくるのです。
決算書を正しく読み解き経営分析を事業に生かすためには、顧問税理士のサポートが欠かせません。
事業を成長させるためにも、早めに経営のパートナーとなってくれる顧問税理士を見つけることをおすすめします。

経営分析を税理士に相談

決算書は会社の財政状態や経営成績を数字で表したものであり、この決算書を分析することは事業を行っていくうえで非常に大切となります。
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