交際費|会議費との違いは?損金算入額は?

公開日:2019年07月04日
最終更新日:2022年08月04日

この記事のポイント

  • 交際費とは、事業を円滑に行うための取引先に対する接待などの支払い。
  • 資本金が1億円以下の法人は、年間800万円まで経費として認められる。
  • 上記と選択で「接待飲食費」の50%を経費とすることも認められる。

 

会社を経営していれば、多かれ少なかれ取引先や営業先とのお付き合いがあるものです。その際には、会社のお金で食事やゴルフ、贈り物のなどの接待の費用を支出することになります。これが「交際費」です。
しかし、実際に支出していても、一定の飲食費を除いて交際費は会社の経費(損金)にはなりません。
しかし、中小企業には一定の配慮がされており、資本金1億円以下の会社には1年間に一定金額の交際費が認められます。

交際費とは

交際費とは、事業を円滑に行うための取引先や営業先とのお付き合いを円滑に行うために支出する飲食店で接待する費用や、お中元やお歳暮、お土産などの贈答品等の購入のために支出した費用です。
取引先との接待とは無関係の、個人的なレジャー代や飲食代は「交際費」として処理することはできません。

(1)交際費として処理するもの

交際費に該当する支払い例は、以下のとおりです。

取引先接待費用
お土産代(取引先)
送迎交通費(接待)
ゴルフ場利用税
事務所移転祝い
祝い金(取引先)
出産祝い(取引先)
結婚祝い祝儀(取引先)
新築祝い(取引先)
香典(取引先)
せんべつ代(取引先)
親睦旅行代(取引先)
商品券・ビール券(贈答用)
観劇招待
レジャークラブ会費
お中元
お歳暮
謝礼金(接待)

(2)交際費から除かれるもの

「交際費」と紛らわしい経費として、「会議費」「福利厚生費」があります。

会議費
会議費として計上するためには、その内容が会議としての実態を備えていることと、その金額が常識の範囲内であることが必要です。
会議の時にお茶菓子を出したりランチを用意したりした程度の支出を行った場合であれば、打ち合わせ会議費として処理できることがあります。
議事録や会議費規定等を作成しておくとよいでしょう。

取引先など社外の人が参加していて、1人あたり5,000円以下で一定の記載がされた書類を保存していれば、「交際費」ではなく「会議費」として処理をします。

一定の記載の記載とは以下のとおりです。

①飲食のあった年月日
②飲食にかかった金額、飲食店の名称および住所
③参加した取引先名およびその関係(○○会社営業部 ○田○子 卸売先 など)
④自社を含めた全体の参加者の人数

上記のうち、①と②は領収書に記載があるので、③と④を領収書の余白に記載しておけば、上記書類とすることができます。この取り扱いはあくまで飲食代にかぎり、飲食の帰りに渡したお車代、贈答品は金額が5,000円以下であっても「交際費」として処理をします。また、5,000円を1円でも超えた場合に5,000円までを「会議費」として5,000円を超える部分を「交際費」として処理をすることはできません。その場合には、実態に応じてその全額を「交際費」または「会議費」として処理をします。

福利厚生費
福利厚生費は、社内忘年会の飲食費や健康診断費用、従業員に対する慶弔費等が支払われた場合に計上します。
従業員との会食は、交際費ではなく「福利厚生費」となります。
従業員が全員参加する旅行に取引先を招いたという場合には、従業員の分は「福利厚生費」、取引先の分は「交際費」と分けて処理することになります。

広告宣伝費
広告宣伝費とは、ホームページやパンフレットを作成して配ったり、雑誌に広告を載せたりするなど、事業の宣伝のために使った費用のことをいいます。
広告宣伝費と交際費を区分するポイントは「不特定多数の者に対する支出か否か」です。
したがって、社名入りのカレンダーや手帳、タオルなどの費用は交際費ではなく「広告宣伝費」とすることができます。
また、お試しセットとして配布する費用も広告宣伝費ですし、モニター・アンケートの回答者に対する謝礼なども、広告宣伝費となります。

一見すると交際費と混同しがちですが、広告宣伝費と交際費を明確に区分することで、交際費に使える額が増えて上限額を活用することができるので、支出形態を見直してみましょう。

支払手数料
顧客を紹介してくれたお礼に、紹介料を支払う場合、この支出は原則として交際費となります。しかし、例外として以下の要件を満たしている場合には、交際費ではなく「支払手数料」として、損金に算入することができます。

①その金品の交付が、あらかじめ締結された契約に基づくものであること。
②提供を受ける役務の内容が、当該契約において具体的に明らかにされていて、かつこれに基づいて実際に役務の提供を受けていること
③その交付した金品の価額が、その提供を受けた役務の内容に照らして相当と認められること

①については、必ずしも契約書を締結している必要はなく、書面の通知などでもOKです。ただし、支払う相手によって契約の金額を変えることはできません。そうすると、交際費として認定される可能性が高くなりますので、注意しましょう。

(3)交際費は原則損金とならない

交際費は、仕事を行ううえで欠かすことができない潤滑油のような役目を果たすことも少なくありませんが、税務署では交際費を損金とは認めてくれません。ただし、厳しい経済状況に鑑みて、中小企業には一定の配慮がされており、資本金1億円以下の会社については、一定の金額の損金算入を認めています。

(4)資本金1億円以下の会社の交際費

資本金の額等が、1億円以下の会社が支出する交際費等の額は、飲食のための支出(社内の接待費は除く)の50%と定額控除限度額(年800万円)を選択して適用され、それを超える部分の金額は損金とすることができません。

800万円の損金算入限度額を、当期に使いきれなかったという場合でも、翌期にその使いきれなかった分を繰越すことはできません。
限度額が余っている場合で、いずれ支出する予定の交際費がある場合には、当期中に交際費を使うようにすると良いでしょう。

なお、たとえ資本金が1億円以下の会社であっても、資本金が5億円以上の会社に100%株式を所有されている場合、資本金が5億円以上の複数の会社に100%株式を所有されている場合には、この特例の適用はありません。

(5)資本金1億円超100億円以下の会社の交際費

資本金の額等が、1億円超100億円以下の会社が支出する交際費等の額については、飲食のための支出(社内の接待費は除く)の50%を超える部分の金額については、損金とすることができません。
なお、資本金100億円超の会社が支出する交際費等の額は、損金には算入できません。

(6)交際費が「給与」となる場合

交際費として処理をしても、実質的に役員や従業員に対する給与となっていないかについては、税務調査でチェックされやすいポイントなので、注意が必要です。
たとえば、個人的に負担すべきロータリークラブの会費や個人的なスポーツジムの会費は、給与として扱われます。
給与として認定された場合には、源泉徴収が必要となります。また、役員であれば、役員賞与となり全額が損金不算入となります。

交際費のよくある仕訳

交際費は、近隣費用(会議費、福利厚生費など)との区分に注意が必要です。
取引先や仕入れ先などを接待する費用は、当然に交際費となります。また、事業に関わりのある人を接待する場合も、交際費となります。
ただし、前述のとおり資本金が1億円以下の中小法人については、800万円以下の交際費については損金算入することができますので、それほど神経質になる必要はないでしょう。
ここでは、交際費のよくある仕訳についてご紹介します。

(1)飲食費とタクシー代を支払った

取引先の接待のために、飲食代やタクシー代を支払った際には、交際費として処理します。
「取引先の接待を居酒屋で行った。33万円と送迎時のタクシー代2,200円を現金で支払った。」

借方 貸方
交際費 302,000 現金 332,200
仮払消費税等 30,200

(2)記念式典費用を振り込んだ

創立記念式典の費用は、交際費として処理をします。
「創立式典の費用10万円を、振り込みで支払った。振込手数料は440円であった。」

借方 貸方
交際費 90,910 普通預金 100,400
雑費 400
仮払消費税等 9,130

(3)ゴルフコンペ費用を支払った

ゴルフコンペについては、交際費として処理します。
「ゴルフコンペの費用を、33万円支出した。」

借方 貸方
交際費 300,000 現金 330,000
仮払消費税等 30,000

(4)騒音解決費用を支払った

近隣への騒音解決のための費用は、交際費として処理をします。
「工事に伴う騒音問題の解決のために、近隣に10万円を支払った。」

借方 貸方
交際費 100,000 現金 100,000

(5)災害見舞金を支払った

災害によって、通常の営業ができなくなってしまった取引先に対して支出した災害見舞金は、交際費等には該当しません。
被災前の取引関係の維持や回復を目的として、災害発生後相当期間内に被災した取引先に対して行った災害見舞金の支出、事業用資産の供与、役務の提供のために要した費用については、交際費から除かれます。

「災害によって通常の営業ができなくなった取引先に、災害見舞金として20万円を現金で支払った。」

借方 貸方
雑費 200,000 現金 200,000

まとめ

以上、交際費の概要と、交際費の上限額を有効に活用するための支出形態の見直しについてご紹介しました。交際費と混同しやすい広告宣伝費や会議費、福利厚生費などの支出形態を見直すことで、交際費の上限額を有効に活用することができます。

なお、交際費は、税務調査で最も厳しくチェックされる費用の1つです。
飲食代や贈答品という名目で、業務の遂行に本当に必要かどうかは、グレーゾーンの支出も多く混在するケースが多々あるからです。「本当にこれは事業に必要な適正な支出ですか」と言われた際に、困ることがないようしっかりと準備しておくようにしましょう。

交際費について税理士に相談する

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また、コーディネーターによる「税理士紹介サービス」もあるので併せてご利用ください。

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監修:「クラウド会計ソフト freee会計」

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