交際費の仕訳方法は?節税対策についても解説

公開日:2019年07月04日
最終更新日:2019年10月01日

目次

  1. 交際費とは
    • 会議費・福利厚生費との違い
    • 交際費の仕訳
  2. 交際費の限度額
    • 交際費の範囲は大企業と中小企業で違う
    • 交際費の限度額は繰越せない
  3. 除外される交際費
    • 社内飲食費は対象にならない
    • 2次会はお店を変える
  4. 交際費を利用した節税対策
    • 取引先との旅行は「研修費」とする
    • 顧客紹介の謝礼は「支払手数料」とする
    • 「広告宣伝費」にできないか検討する
  5. まとめ

会社を経営していれば、多かれ少なかれ取引先や営業先とのお付き合いがあるものです。その際には、会社のお金で食事やゴルフ、贈り物のなどの接待の費用を支出することになります。これが「交際費」です。
しかし、実際に支出していても、交際費が経費として認められないケースもあります。会社の交際費には、年間800万円までに制限されているからです(資本金1億円以下の場合)。そこで節税をするためには、この交際費の限度額を有効に活用する必要があります。

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交際費とは

交際費とは、取引先や営業先とのお付き合いを円滑に行うために飲食店で接待する費用や、お中元やお歳暮、お土産などの贈答品等の購入のために支出した費用です。
取引先との接待とは無関係の、個人的なレジャー代や飲食代は「交際費」として処理することはできません。

会議費・福利厚生費との違い

「交際費」と紛らわしい経費として、「会議費」「福利厚生費」があります。

「会議費」
会議費として計上するためには、その内容が会議としての実態を備えていることと、その金額が常識の範囲内であることが必要です。
会議の時にお茶菓子を出したりランチを用意したりした程度の支出を行った場合であれば、打ち合わせ会議費として処理できることがあります。
議事録や会議費規定等を作成しておくとよいでしょう。

「福利厚生費」
福利厚生費は、社内忘年会の飲食費や健康診断費用、従業員に対する慶弔費等が支払われた場合に計上します。
従業員との会食は、交際費ではなく「福利厚生費」となります。
従業員が全員参加する旅行に取引先を招いたという場合には、従業員の分は「福利厚生費」、取引先の分は「交際費」で処理することになります。

交際費の仕訳

交際費を経費として計上する場合で、よくある仕訳例についてご紹介します。

「取引先の接待を居酒屋で行った。10万円と送迎時のタクシー代2万円を現金で支払った。」

「取引先へのお歳暮として、ギフトセットを購入し代金5万円を現金で支払った」

「取引先を招いて従業員全員で慰安旅行に行った。従業員分は50万円、取引先分は20万円で、普通預金から支払った。」

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交際費の限度額

個人事業主の場合には、接待にかかる飲食代や贈答品などの支出は、無制限に必要経費として認めてもらえますが、会社の交際費には総額に上限が設けられています。

交際費の範囲は大企業と中小企業で違う

交際費を損金算入できる額は大企業と中小企業で異なります。
※損金:費用の一部と認められるもの。費用のうち、法人税を計算するときに税制上、掛かる税金を減らせるもの。

(1)資本金の額または出資金の額が1億円を超える会社
交際費等の金額が損金不算入となります。また、資本金の額が5億円以上の会社の100%子会社である場合にも全額損金不算入となります。

(2)資本金の額または出資金の額が1億円以下の会社について
交際費等の額のうち、800万円以下の全額に対する全額が損金算入され、800万円を超えた部分の金額は損金不参入となります。

交際費の限度額は繰越せない

800万円の損金算入限度額を、当期に使いきれなかったという場合でも、翌期にその使いきれなかった分を繰越すことはできません。
限度額が余っている場合で、いずれ支出する予定の交際費がある場合には、なるべく当期中に交際費を使うようにすると良いでしょう。交際費は支出時ではなく、接待等を行った事業年度の経費となるので、たとえ未払いであっても交際費に含めることができるからです。

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除外される交際費

平成26年(2014年)の税制改正によって、「1人あたり5,000円までの飲食代」については、交際費の損金算入の制限の枠から除外していいとされました。
社外の人を飲食店で接待した場合、その飲食代を参加者の人数で割った金額が5,000円以下であれば、全額損金に算入することができるのです。これは大企業でも中小企業でも同じです。
なお、中小企業については、接待飲食費の50%相当額の損金算入と従前どおりの定額控除限度額までの損金算入のいずれかを選択適用することができます。
消費税については、税込経費している場合は税込5,000円以下、税抜経理をしている場合は税込5,400円以下であれば、損金に算入することができます(※消費税8%で計算)。

参照:国税庁「接待飲食費に関するFAQ」

社内飲食費は対象にならない

損金に算入できるのは「1人あたり5,000円までの飲食代」なので、社内の従業員との飲食代は含まれません。またゴルフ代や観劇、旅行時の飲食代や、得意先を送迎するために支出する送迎費用は、「1人あたり5,000円まで」のなかには含まれません。

2次会はお店を変える

「1人あたり5,000円までの飲食代」には、1次会と2次会の合計ではありません。
ただし、同じ店でいったん会計を締めて、そのままそのお店で飲食を続けても、合算した金額で判定されてしまいます。したがって、1次会と2次会はお店を代えて行なうようにしましょう。
なお、1次会と2次会を別々のお店で行う場合には、それぞれのお店での飲食費ごとに1人あたり5,000円以下であるかを判定されるので、それぞれのお店ごとに書類を保存する必要があります。
書類の記載にあたっては、原則として相手の名称や氏名がすべて必要となります。一部の人の名前が不明である場合には、「○○会社・○○部・○田○男部長他10名」という記載でも問題ありません。また、当然ですが単価を下げるために人数を水増しする行為は、厳禁です。

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交際費を利用した節税対策

これまで述べてきたように、中小企業の交際費は年間800万円という上限が決められていることから、交際費ではなく別の勘定科目で経費を計上できないか支出形態を見直して、交際費の限度額を有効に使うことが、節税につながります。

取引先との旅行は「研修費」とする

取引先との旅行を交際費として処理しているケースも「研修費」とできないか、検討してみましょう。税法では、次のような場合には、交際費に含めなくて良いこととされています。

「製造業者又は卸売業者が特約店その他の販売業者を旅行、観劇等に招待し、併せて新製品の説明、販売技術の研究等の会議を開催した場合において、その会議が会議としての実体を備えていると認められるときは、会議に通常要すると認められる費用の金額は、交際費等の金額に含めないことに取り扱う。」(平6年課法2-5「三十一」、平19年課法2-3「三十七」により改正)

参照:国税庁「第1款 交際費等の範囲」

取引先との旅行を「研修費」として損金算入するためには、研修を実施したという実態が立証できるようにしておく必要があります。議事録やプレゼンテーション資料などはしっかり保存しておくようにしましょう。

顧客紹介の謝礼は「支払手数料」とする

顧客を紹介してくれたお礼に、紹介料を支払う場合、この支出は原則として交際費となります。しかいし、例外として以下の要件を満たしている場合には、交際費ではなく「支払手数料」として、損金に算入することができます。

(1)その金品の交付が、あらかじめ締結された契約に基づくものであること。
(2)提供を受ける役務の内容が、当該契約において具体的に明らかにされていて、かつこれに基づいて実際に役務の提供を受けていること
(3)その交付した金品の価額が、その提供を受けた役務の内容に照らして相当と認められること

(1)については、必ずしも契約書を締結している必要はなく、書面の通知などでもOKです。ただし、支払う相手によって契約の金額を変えることはできません。そうすると、交際費として認定される可能性が高くなりますので、注意しましょう。

「広告宣伝費」にできないか検討する

広告宣伝費とは、ホームページやパンフレットを作成して配ったり、雑誌に広告を載せたりするなど、事業の宣伝のために使った費用のことをいいます。
広告宣伝費と交際費を区分するポイントは「不特定多数の者に対する支出か否か」です。
したがって、社名入りのカレンダーや手帳、タオルなどの費用は交際費ではなく「広告宣伝費」とすることができます。
また、お試しセットとして配布する費用も広告宣伝費ですし、モニター・アンケートの回答者に対する謝礼なども、広告宣伝費となります。

一見すると交際費と混同しがちですが、広告宣伝費と交際費を明確に区分することで、交際費に使える額が増えて上限額を活用することができるので、支出形態を見直してみましょう。

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まとめ

以上、交際費の概要と、交際費の上限額を有効に活用するための支出形態の見直しについてご紹介しました。交際費と混同しやすい広告宣伝費や会議費、福利厚生費などの支出形態を見直すことで、交際費の上限額を有効に活用することができます。

なお、交際費は、税務調査で最も厳しくチェックされる費用の1つです。
飲食代や贈答品という名目で、業務の遂行に本当に必要かどうかは、グレーゾーンの支出も多く混在するケースが多々あるからです。「本当にこれは事業に必要な適正な支出ですか」と言われた際に困ることがないよう注意しましょう。

交際費の上限額をいかに活用するかは、税理士によるチェックとサポートが欠かせません。税理士検索freeeでは、エリアや業種別に日本全国の税理士を検索することができます。有効な節税対策を行うためにも、日頃からどんなことでも気軽に質問できる税理士を見つけることが大切です。

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