新聞図書費|仕訳・該当する費用

公開日:2021年12月08日
最終更新日:2022年03月10日

新聞図書費とは、業務上必要とされる書籍、雑誌、新聞、業界紙などの購入費用です。
専門書や全集などの1セットで10万円以上の書籍を購入した場合には、「工具器具備品」として資産計上する必要があります。

新聞図書費とは

新聞図書費とは、業務上必要な情報を入手するために購入している新聞、雑誌、書籍やインターネットのメルマガ購読料などの費用です。
1セットで10万円以上の書籍を購入した場合には、「工具器具備品」として資産計上します。また、図書券をプレゼントする場合には「販売促進費」や「交際費」で処理します。

(1)新聞図書費に該当する費用

新聞図書費に該当する費用としては、以下のようなものがあります。

新聞購読料
雑誌購入代
書籍購入代
専門書購入代
業界紙購入代
情報誌購入代
官報購入代
地図購入代
統計資料購入代
メールマガジン購読料
定期刊行物購読料
有料サイト購読料

(2)新聞図書費を「前払費用」「前払金」で処理する事例

雑誌等を定期購読する場合には、1年分から数年分をまとめて先に支払う場合があります。この場合には、当期に受領する部分は「新聞図書費」で処理をして、決算時に翌期以降の分があれば、未経過分は当期の「前払金」で処理します。これは、定期購読がサービスではなくあくまで雑誌などの物の購入であるからです。
一方、データベースの利用料など役務サービスの支払いの場合には、当期の部分を「新聞図書費」で処理をして、翌期の部分を「前払費用」で処理します。

ただし、税法では1年以内の「前払費用」については継続適用を条件として、全額を当期の損金とすることもできます。

(3)1セット10万円以上は「工具器具備品」となることも

専門書や百科事典のように複数の書籍をセットで使うものについては、合計額で計上します。
この時1セットの金額が10万円以上する場合には「工具器具備品」として「固定資産」に計上します。
※10万円以上のものであっても、税法上の特例が適用され全額を当期の費用にできる場合もあります。

新聞図書費のよくある仕訳例

新聞図書費の仕訳は、「新聞を現金で支払った」といったケースは分かりやすいのですが、定期購読する場合や金券ショップで購入した場合の処理、購入した図書券をプレゼントした場合の処理は、迷いやすいものです。
そこでここでは、新聞図書費のよくある仕訳例についてご紹介します。

(1)新聞を購入し現金で支払った

「参考書籍代1万円を、現金で支払った。」

借方 貸方
新聞図書費 10,000 現金 10,000

(2)定期購読する雑誌を支払った

「11月から月刊誌の年間購読を開始し、1年分の購読料3万円を現金で支払った(12月決算の場合)。」

借方 貸方
新聞図書費 5,000 現金 30,000
前払金 25,000

「翌期首、前払金2万5000円を『新聞図書費』に振り替えた。」

借方 貸方
新聞図書費 25,000 前払金 25,000

(3)金券ショップで安く図書券を購入した

「事業に関する雑誌や書籍を購入するために、図書カード10万円分を金券ショップにて9万7,000円で購入し、現金で支払った。」
額面との差額は認識せず、購入価格で計上します。

借方 貸方
新聞図書費 97,000 現金 97,000

(4)購入した図書券をプレゼントした

「購入時に『新聞図書費』で処理していた図書カード3万円分を、取引先にプレゼントした。」
図書カードをプレゼントする場合には、交際費や販売促進費で処理をします。新聞図書費で処理していた場合には、交際費や販売促進費に振り替える仕訳をします。

借方 貸方
交際費 30,000 新聞図書費 30,000

(5)専門書全集を10万円で購入した

「専門書全集1セットを10万円で購入し、現金で支払った。」
10万円以上の書籍を購入した場合には、「工具器具備品」として資産計上します(例外有)。

借方 貸方
工具器具備品 100,000 現金 100,000

まとめ

以上、新聞図書費の意味や該当する費用、よくある仕訳例についてご紹介しました。
新聞図書費は、新聞、書籍などを購入した時に処理する勘定科目ですが、定期購読して1年から数年分まとめて先に支払う場合には、未経過分は当期の経費とせず「前払金」に振り替える必要があります。また、10万円以上の書籍を購入した場合には「工具器具備品」として固定資産に計上する必要があるので、注意が必要です。

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監修:「クラウド会計ソフト freee会計」

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