決算書とは|見方・読み方の基本ルール

公開日:2019年04月18日
最終更新日:2019年05月07日

目次

  1. 決算書とは
    • 決算書は帳簿の集大成
    • 決算書で重要なのは3つ
  2. 貸借対照表(B/S)の読み方
    • 「資産の部」
    • 「負債の部」「純資産の部」
    • 貸借対照表の基本は「純資産の部」を見ること
  3. 損益計算書(P/L)の読み方
    • 損益計算書の5つの利益
    • 売上高との割合で比較する
    • 前年と比較する
  4. キャッシュフロー計算書(C/F)の読み方
    • 営業活動によるキャッシュフロー
    • 投資活動によるキャッシュフロー
    • 財務活動によるキャッシュフロー
  5. まとめ
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この記事のポイント

  • 決算書の中でも重要なのは、貸借対照表、損益計算書、キャッシュフロー計算書の3つ。
  • 貸借対照表とは期末時点の会社の財政状態をあらわす決算書である。
  • 損益計算書とは会社の一事業年度における収益と費用をあらわした会社の成績表である。

 

決算書とは、会社のその時点での状況を把握するための書類です。
決算書には「貸借対照表」「損益計算書」「株主資本等変動計算書」「個別注記表」の4つで構成されていますが、最近はこれに「キャッシュフロー計算書」が加えられるようになりました。

ここでは、これらの決算書の役割、仕組みや、見方・読み方の基本的なルールをご紹介します。

決算書とは

「決算書」とは、どのくらい儲けが出たのかそれとも損失が出たのか、また会社が今どのような財政状態にあるのかといった、会社の状況を報告するための書類です。
決算書を読めるようになると、自社の経営状態はもちろん、取引先などの会社の状況まで分かるようになります。

数年分の決算書を比較することで、会社の業績の推移を把握することができますし、同業他社の決算書と比較すればそれぞれの会社の強みや弱みをつかむことができるようになります。

なお「決算書」という言葉は、実は法律用語ではなく、正確な名称は提出する目的によって変わります。
会社法では「計算書類」と呼ばれ、金融商品取引法では「財務諸表」と呼ばれています。

○会社法では「計算書類」
貸借対照表(B/S)
損益計算書(P/L)
株主資本等変動計算書
個別注記表

○金融商品取引法では「財務諸表」
貸借対照表(B/S)
損益計算書(P/L)
株主資本等変動計算書
キャッシュフロー計算書(C/F)
附属明細表

決算書は帳簿の集大成

会社は原則として、1年に1度決算書を作成します。
これは、その会社が1年間の営みによっていくら儲け(または損失)を出し、財産がどう変化したかを明らかにするためです。

そして決算書の作成は、日々の取引を記録していくことから始まります。
会社の取引は、一定のルールに従って正確に記録・集計・整理する必要がありますが、これらの一連の作業のことを「簿記」といいます。
つまり、決算書は「簿記という技術を使って日常取引を記録した帳簿の集大成」ということになります。

簿記の主な流れをあらわすと、以下のようになります。

(1) 取引を仕訳をして勘定科目に振り分け伝票に記入する
(2) 総勘定元帳に転記する
(3) 試算表を作成する
(4) 決算書を作成する

決算書で重要なのは3つ

前述したとおり、会社が作成すべき決算書は、その目的に応じていくつかの種類に分かれますが、なかでもっとも重要なのは「貸借対照表」「損益計算書」「キャッシュフロー計算書」です。したがって、まずはこの重要な3つの決算書を押さえるようにしましょう。

・貸借対照表(B/S)
 一定時期の財政状態を示すもので、会社の健全性が分かります。

・損益計算書(P/L)
 一定期間の業績を示すもので、会社がどうやって利益(損失)を上げてきたのかが分かります。

・キャッシュフロー計算書(C/F)
 一事業期間のお金の出入りを示すもので、会社の資金を稼ぐ力が分かります。

貸借対照表(B/S)の読み方

貸借対照表とは、期末時点の会社の財政状態をあらわす決算書です。
期末決算日時点で会社が保有している「資産」と「負債」、その差額である「純資産」が記載されています。

向かって左側には、資産の一覧が並んでいて、反対側には負債の一覧が並んでいます。
さらに、負債の下には、資産と負債の差額である「純資産」が並んでいます。

「資産」とは、現金や預金など返さなくてもいい自分の元手のことで、「負債」は、いずれ返さなければならない借入金などのことです。そして「純資産」は資本金、過去に蓄積した利益などが該当します。

会社は資本をさまざまな資産として運用しながら経営活動を行っていきますので、資本の調達と運用は表裏の関係にあります。したがって、貸借対照表の右と左の額は必ず一致します。

貸借対照表は「B/S」と略されることがありますが、これは左右の合計額が必ず一致するという性質を持つことから別名「バランスシート(Balance Sheet)」と呼ばれるからです。

「資産の部」

資産の部は、「流動資産」「固定資産」「繰延資産」に分かれます。

流動資産とは、流動しやすい資産という意味でつまり現金化しやすい資産のことをいいます。代表的な勘定科目としては、現金、預金、受取手形、前払費用、短期貸付金などがあります。

固定資産とは、現金化するのに時間がかかる資産のことをいいます。
代表的な勘定科目としては、土地や建物、車両などがあります。

繰延資産とは、流動資産にも固定資産にも属さない資産で、過去に支出した費用のうち来期以降にも影響があると考えられる資産のことをいいます。
例えば、会社の設立費用や土地、建物の賃借料、広告宣伝費などがあります。

会社を経営するうえで最も大事な資産は、やはり現金ですから、「流動資産」が多い方がベストな状態といえるでしょう。

「負債の部」「純資産の部」

貸借対照表の右側にある「負債の部」は、将来支払う債務が記載されています。会社が他人から調達した資金であるため、「他人資本」と呼ばれます。

負債の部も、資産の部と同様に「流動負債」と「固定負債」に分かれます。
流動か固定かの区別は、返済期限が1年以内のものが「流動負債」、1年超のものを「固定負債」として区分します。

一方「純資産」とは、原則として返す必要にない株主からの出資や事業を通じて得た利益の蓄積等をあらわしたものです。

貸借対照表の右側に「負債」と「純資産」が分かれているのは、事業に使用する資産を入手するためにどのような方法で資金を調達したかをあらわすためです。

返さなければならないお金と返さなくてもいいお金とでは、財政状態に与える影響が大きく異なります。したがって、返さなくていい資本(純資産)の比率が高い方が安全な経営状況ということができます。

貸借対照表の基本は「純資産の部」を見ること

貸借対照表を読むときには、まず「純資産の部」に着目しましょう。
純資産の部には、資本金や株主からの出資や事業を通じて得た利益の蓄積等に分かれていますが、純資産の部の合計がマイナスだった場合には、負債の部の合計額の方が大きいことになり、会社が負債に頼って経営している、つまり他人から借りたお金でなんとか会社を継続させている状態ということになります。
ただし、純資産の部がプラスだったとしても、そのプラスの金額が資本金の金額より小さい場合には、資本金を食いつぶしながら何とか会社を継続しているということになります。いずれにせよ、貸借対照表ではまず「純資産の部」の金額に着目すると大まかな状態を把握することができます。

「貸借対照表(B/S)とは|構造・ルール・見方・ポイントまとめ」を読む

損益計算書(P/L)の読み方

損益計算書とは、会社の一事業年度における収益と費用をあらわしたもので、いわばその会社の成績表のようなものです。
英語で「profit and loss statement」といい、「P/L」と略されます。
株式会社では、資本家は自分のお金を経営の専門家に託して利益を上げてもらい、その分配を受け取る仕組みになっています。
そして、資本家は自分が投資したお金がどのように使われて、いくら儲けた(損失が出た)のかを知る必要があります。
そのために、経営者は経営成績を決算書にまとめて資本家に報告するのです。
なお損益計算書は、最終的な利益を出すまでのプロセスについても詳しく表示される仕組みとなっています。

損益計算書の5つの利益

損益計算書の特徴は、会社の業績を「売上総利益」「営業利益」「経常利益」「税引前当期純利益」「当期純利益」の5つの利益に分けて「段階的に」示すことにあります。
そこで、損益計算書を読むためにはこの5つの利益の意味を理解する必要があります。

・売上総利益
 売上総利益とは、当期中に売り上げた商品の売上高から売上原価を差し引いた1年の粗利益の集計です。

・営業利益
 営業利益とは、「売上総利益-販売管理費及び一般管理費」で計算される利益です。
 本業で稼いだ利益であり、事業の収益性を見ることができます。

・経常利益
 経常利益とは「営業利益+(営業外利益-営業外費用)で計算される利益です。
 経常的な企業活動の結果稼いだ利益であり、会社の実をあらわしています。

・税引前当期純利益
 税引前当期利益とは「経常利益+(特別利益-特別損失)」で計算される利益です。
 営業と直接関係ない臨時的な損益も計算した最終的な利益です。

・当期純利益
 当期純利益とは、「税引前当期純利益-税金」で計算される利益です。
 会社が支払う法人税等を差し引いた最終的なパフォーマンスを示します。
 分配可能な利益であり、出資者に対する利益分配の源泉となります。

売上高との割合で比較する

損益計算書の分析としてもっともおなじみの指標が「売上高総利益率」でしょう。
売上高総利益率は「粗利」ともいわれるもので、以下の計算式で算出します。

売上高総利益率(%)=売上総利益÷売上高=100

売上高総利益率が高ければ、それだけその会社が収益性の高い商品やサービスを提供しているということができます。ただし、この指標は業種によってかなり差がありますので、単純に他社の売上高総利益率と比較することはできませんので、その点については注意が必要です。

前年と比較する

損益計算書の勘定科目の数値を自社の前年の数値と比較することで、会社の異常値を見つけ出すことができます。
例えば売上高であれば、前年同期の何%アップした、という具合に比較して使うことができます。

「損益計算書(P/L)とは|構造・ルール・見方・ポイントまとめ」を読む

キャッシュフロー計算書(C/F)の読み方

キャッシュフロー計算書とは、現金の流れをあらわした決算書で、どこに現金を使い、どのように現金を増やしたのかが分かる仕組みになっています。
現金は、本来事業の成果に伴い増加しなければなりません。しかし、会社が利益を出しているのに現金が残っていない状態であるとすれば、それは現金の流れに何かしらの問題があるということになります。儲かっているように見えても、実際に使えるお金がないということも考えられます。
そこでどこに現金を使いどのように現金を増やしたのかという現金の流れ(キャッシュフロー」を明らかにする必要があります。

何にどれだけ使ったのかあらわすという点では損益計算書と同じですが、損益計算書にあらわされるのは収益と費用であり、現金の増減ではありません。
したがって、キャッシュフロー計算書は、損益計算書を補完する役割を果たしているともいえます。

キャッシュフロー計算書(C/F)は、3つの活動別に区分されます。


・ 営業活動によるキャッシュフロー

 会社が通常の事業活動で稼いだお金をあらわします。

・ 投資活動によるキャッシュフロー
 会社が株の売買などを行った場合のお金の動きをあらわします。

・ 財務活動によるキャッシュフロー
 会社が銀行から借りたお金や返済したお金の出入りをあらわします(借入金の残高ではありません)。

営業活動によるキャッシュフロー

3つのキャッシュフローのうち、最も重要なのが「営業活動によるキャッシュフロー」です。本業によるキャッシュフローなので、「営業活動によるキャッシュフロー」はプラスであるのが基本です。
もし営業活動によるキャッシュフローが赤字であれば、営業活動がうまくいっておらず、経営状態は非常に厳しいということになります。

投資活動によるキャッシュフロー

投資活動によるキャッシュフローは、その文字のとおり、資金を投じる活動におけるキャッシュフローで、工場建設や機械購入などの投資を示す情報が記載されています。
営業活動によるキャッシュフローが、会社の本業によるプラスのキャッシュフローであるのに対して、投資活動によるキャッシュフローは、会社が事業を維持発展させるために費やしたマイナスのキャッシュフローということができます。
例えば、営業車を購入したり、機械を購入したりと販売数量を伸ばすために投資をします。これらの部分をチョイスしたのが投資のキャッシュフローです。支出する項目が中心であるため、通常、投資活動によるキャッシュフローはマイナスです。

財務活動によるキャッシュフロー

「財務活動によるキャッシュフロー」は、資金調達に関するキャッシュフローです。会社の営業活動や投資活動を支える止めにどのような資金を調達して返済しているかを示す情報が記載されます。
「財務活動によるキャッシュフロー」を見ることで、足りないキャッシュをどのような手段で補充したのかを把握することができます。
フリーキャッシュフローがマイナスの場合には、財務活動により資金を調達して諸経費を支払ったり、借入金を返済したりしないと事業を存続することができないということになります。

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まとめ

以上、決算書の見方・読み方の基本ルールについてご紹介しました。
決算書は、税務署のために作成するものではなく、自らの会社や取引先の会社の状況を把握するためにも大変重要な書類です。

決算書は、日常取引を記録した帳簿の集大成ともいえる書類ですから、日常の取引記録をきちんと記帳している場合には、決算書は比較的簡単に作成することができます。

「会計ソフトfreee」なら、簿記の知識があまりなくても日々の取引を記帳しているだけで簡単に決算書を作成することができます。不明点等あれば、専門家である税理士のサポートを受けることもできますので、効率よく決算書を作成することができます。

税理士をお探しの方

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