仮払金とは|立替金との違いは?処理の方法は?

公開日:2019年11月23日
最終更新日:2022年04月20日

この記事のポイント

  • 「仮払金」とは、使途が不明・金額が確定していない時に一時的に使用する勘定科目。
  • 使途や金額がはっきりしたら、正しい勘定科目や金額に振り替える。
  • 仮払金残高は早めにチェックし、正しい勘定科目と金額に振り替える。

 

仮払金とは、会社が従業員に事前に経費を前払いする時などに、一時的に使用する勘定科目です。

仮払金は、時間が経つにつれて使途や金額が分からなくなることが多いので、速やかに処理することが大切です。

この記事では、仮払金の意味や処理の方法、立替金や仮受金との違いなどについてご紹介します。

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仮払金とは

交通費や交際費などの経費について、会社が事前に従業員にお金を支払うことがあります。このように、事前に経費についてのお金を支払うことを「仮払い」といいます。

そして、交通費なのか交際費なのかといった使途や、最終的にかかった金額がはっきりしない費用を概算で支払った時に「仮払金」という勘定科目を使って処理をします。

なお、仮払金はあくまでも一時的に使用する勘定科目です。長期間内容を確認せずに本来の科目に振り替えないでおくと、時間が経つほど実際の取引内容が分からなくなってしまいます。

「仮払金」は、文字どおり一時的に仮に使用する勘定科目です。

使途や金額がはっきりしたら、「交際費」「交通費」などの正しい勘定科目や金額に振り替える処理をする必要があるということに注意しましょう。

(1)仮払金の活用方法

仕訳作業は、通帳などを見ながら仕訳を入力していきますが、その際すぐに内容が分からないことがあります。そのような時に1つひとつ資料を見返していると、時間ばかりかかってしまいます。そこで、ひとまず「仮払金」で処理をしておき、後でまとめて内容を確認して適切な科目に修正した方が、効率よく作業を進めることができます。

(2)仮払金と立替金との違い

仮払金と間違えやすい勘定科目に「立替金」があります。

立替金は、本来従業員が負担すべきものを、会社が一時的に立て替えて支払う時に使用する勘定科目です。
仮払金は、会社が負担すべき費用を事前に渡しておくものであり、「誰が最終的に負担すべき費用か」という点で異なります。

たとえば、従業員が負担するべき生命保険料1万円を現金で支払って、その立て替えた1万円を差し引いて残額を給料として現金で支払った場合には、「立替金」で処理をします。

(3)仮払金と仮受金との違い

仮受金は、仮払金とはちょうど反対の概念にあたる勘定科目です。
入金があったものの何に対しての入金なのか分からない時に、入金の理由が分かるまで「仮受金」として処理をしておきます。

たとえば「取引先から普通預金に20万円の入金があったが、理由が不明である」などのケースです。
このようなケースでは、理由が分かるまで仮受金で処理をしておいて、その後入金の理由が分かった時点で、正しい勘定科目に振り替えます。

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仮払金の処理

仮払金は、一時的に使用する勘定科目ですから、正しい勘定科目や金額が決まったら、すみやかにその勘定科目や金額に振り替えることが大切です。

従業員に仮払いをして清算した結果、実際の費用より足りなかった場合には、従業員に不足分を渡し、実際の費用より多かった場合には超過分を返してもらい、正しい勘定科目に振り分けます。

(1)仮払いの金額が実際より少なかった時

仮払いをした金額が、実際にかかった費用より少なかった場合には、従業員に不足分を補てんして、以下のように仕訳をします。

「取引先の接待のために、概算で9万円を現金で仮払いした。その後、交通費5万円、交際費3万円であった旨の報告を受けて、清算した。」

・仮払いした時

借方 貸方
仮払金 90,000 現金 90,000

・清算した時

借方 貸方
交通費 50,000 仮払金 90,000
交際費 30,000
現金 10,000

(2)仮払いの金額が実際より多かった時

仮払をした金額が、実際にかかった費用より多かった場合には、従業員などが立て替えている費用の不足分を補てんして、以下のように仕訳をします。

「取引先の接待のために、概算で現金7万円を仮払いしたが、実際は8万円かかった。」

・仮払いした時

借方 貸方
仮払金 70,000 現金 70,000

・清算した時

借方 貸方
交際費 80,000 仮払金 70,000
現金 10,000

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会計ソフトの活用

仮払金の処理は、すでに仮払いをしているにも関わらず、従業員が立て替えたものと誤って清算したり、重複して従業員に支払ったりしてしまうケースがあります。
したがって、常に仮払金の残高などを見て、正しい勘定科目と金額に振り替えられているかについて、チェックする必要があります。
会計ソフトを活用すれば、仮払金の残高の確認や、振り分ける処理を簡単に行うことができます。

取引を仮払金で決済する時

「クラウド会計ソフトfreee会計」では、一度該当の取引を未決済で登録したあと、その取引の編集画面を開き「+更新」ボタンをクリックするだけで、未払金、未払費用を「預り金」「仮払金」に更新して、決済登録を完了することができます。

クラウド会計ソフトfreee会計「取引を預り金や仮払金で決済するには、どうすればいいですか? 」

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まとめ

以上、仮払金の意味や立替金、仮受金との違い、仮払金の処理の方法などについてご紹介しました。
仮払金の処理のポイントは、「正しい勘定科目と金額がはっきりしたら、すぐに振り返る処理を行う」という点です。
また、仮払いの精算の際にはミスが起こりがちなので、仮払いの際には必ず「仮払申請書」を作成してその申請書と引き換えに現金を渡すなどの対策も必要です。
「クラウド会計ソフトfreee会計」を活用すれば、適切かつ効率的に仮払金の処理を行うことができます。

さらに、従業員の立替経費の申請、承認、集計までを管理する機能も備えていて、その集計結果を仕訳伝票として自動生成までできる機能もあります。
申請内容が承認されれば、管理者画面で各申請内容を確認することができる他、申請入力や集計処理を行えば、自動的に連携して仕訳処理まで行います。

「クラウド会計ソフトfreee会計」を活用することで、仮払金の処理だけでなく、経理作業全体を効率化することができるようになります。
また、「クラウド会計ソフトfreee会計」の認定アドバイザーに導入から操作までサポートを受けることもできます。

税理士をお探しの方

freee税理士検索では数多くの事務所の中から、仮払金の処理や会計ソフトの導入、経理の自計化などについて相談できる税理士を検索することができます。
また、コーディネーターによる「税理士紹介サービス」もあるので併せてご利用ください。

税理士の報酬は事務所によって違いますので、「税理士の費用・報酬相場と顧問料まとめ」で、税理士選びの金額の参考にしていただければと思います。
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監修:「クラウド会計ソフト freee会計」

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