仮受金とは|預り金・前受金との違い(仕訳例付き)

公開日:2019年11月23日
最終更新日:2023年07月25日

この記事のポイント

  • 仮受金とは、何に対しての入金なのか不明な時に一時的に使用する勘定科目である。
  • 正しい勘定科目と金額が分かった時点で、振替処理を行う必要がある。
  • 仮受金と似た勘定科目に、「預り金」「前受金」がある。

 

仮受金(かりうけきん)は、何に対しての入金なのか不明な時や、金額が確定していない時に一時的に使用する勘定科目です。
仮受金と似た勘定科目に「預り金」「前受金」があります。
この記事では、仮受金の意味や預り金、前受金との違い、仮受金の処理や仕訳例についてご紹介します。

仮受金とは

仮受金とは、入金された理由が不明であったり、最終的な金額が未確定な入金があったりした場合に、一時的に使用する勘定科目です。正しい勘定科目と金額が分かった時点で、振替処理を行います。
たとえば、普通預金に取引先から入金があったものの、「何に対しての入金なのか不明」といった場合に、入金理由が分かるまでの間「仮受金」として処理をしておきます。

通帳などを見ながら仕訳を入力する際に、内容がすぐに分からない時があります。その都度資料を調べて入力していると、時間がかかってしまいます。そこで、そのような時にはひとまず「仮受金」で処理をしておき、後からまとめて内容を確認して適切な科目に修正した方が、スムーズに作業を行うことができます。

(1)仮受金の処理の基本

仮受金は、一時的に使用する勘定科目なので、正しい勘定科目と金額が判明したら、その時点ですみやかに振替処理を行います。

たとえば、取引先から普通預金に10万円の入金があったが理由が不明であったが、後日に入金の理由が「掛けで売り上げた商品の代金」であることが判明した場合には、以下のように処理をします。

仮受金は、長期間内容を確認せずにいると、時間が経てば経つほど実際の取引内容が分からなくなってしまいます。また、長期間動きのないものについては、税務上精査の対象となることがありますので、注意が必要です。
仮受金は、その文字どおり、あくまで一時的に仮に使用する勘定科目であるということに注意しましょう。

また、仮受金残高については、定期的に残高明細を作成し、不明な残高や適切な勘定への振替もれがないことを確認する必要があります。

freee会計では、「出力する」をクリックし、作成項目を表示させ、「試算表を確認する」をクリックすると、別ウィンドウで試算表が表示されますので、作成時に参照しながら、内訳書を作成することができます。

▶ 【法人】仮受金・預り金の内訳書 を作成する

(2)仮受金と預り金との違い

仮受金と似た勘定科目に、「預り金(あずかりきん)」があります。
預り金とは、一時的に従業員や取引先等から預かった金銭で、本人に返還するか、もしくは本人に代わって第三者に支払うものを計上する時に使用します。たとえば、税務署に納付するために給料から差し引く源泉所得税、住民税などです。

預り金も、仮受金と同じく一時的な入金ですが、預り金は返還の予定があるものであるのに対して、仮受金は、返還の予定がない、という点で異なります。

(3)仮受金と前受金との違い

「前受金(まえうけきん)」も、仮受金と混同しがちな勘定科目です。
前受金とは、商品や材料を販売する場合に、商品の一部または全部を前もって受け取った場合に使用する勘定科目です。商品を納入したら、「売上高」に振り替えます。

前受金は、取引の理由が確定している場合に使用しますが、仮受金は取引の理由が不明である場合に使用するという点で異なります。

仮受金のよくある仕訳

仮受金は、何に対しての入金なのか不明な場合に一時的に使用し、入金の理由が分かったら、確定した勘定科目や金額に振替処理を行う必要があります。
ここでは、よくある仮受金の仕訳方法についてご紹介します。

(1)仮受金のよくある仕訳①

何に対しての入金なのか理由が分かるまで「仮受金」として処理をし、入金の理由が分かったら、振替処理を行います。

入金時
「取引先から普通預金に25万円の入金があった。入金理由は不明であった。」

借方 貸方
普通預金 250,000 仮受金 250,000

振替時
「後日、入金の理由が、掛けで売り上げた商品の代金であることが判明した。」

借方 貸方
仮受金 250,000 売掛金 250,000

(2)仮受金のよくある仕訳②

仮受金で処理をしていたものの、取引先のミスで金額が間違ったことが判明した場合には、間違っていた分を返金する処理を行う必要があります。

「普通預金に取引先から理由の分からない入金があった。後日、掛けで売り上げた代金10万円を取引先が間違えて11万円振り込んだことが判明した。そこで、振込手数料500円を取引先負担としてもらったうえで、返金をした。」

入金時

借方 貸方
普通預金 110,000 仮受金 110,000

振替時

借方 貸方
仮受金 100,000 売掛金 100,000
借方 貸方
仮受金 10,000 普通預金 95,000
支払手数料 5,000

まとめ

以上、仮受金の意味や、預り金、前受金との違い、仮受金のよくある仕訳例についてご紹介しました。
仮受金は、入金の理由が分かったら速やかに確定した勘定科目に振替ないと、あとで何の入金か分からなくなってしまいます。
正しい勘定科目が分かったらすぐに処理を行うようにしましょう。
1年を超えて支払予定のないものについては、固定負債に振り替えることも必要です。

仮受金の処理や内訳書の作成はもちろん、「クラウド会計ソフト freee会計」の導入方法や初期設定などについて不明点等ある場合には、freee会計の認定アドバイザーにお気軽にお問い合わせください。

仮受金の処理について相談する

freee税理士検索では数多くの事務所の中から法人決算についてサポートしてくれる税理士を検索することができます。
また、コーディネーターによる「税理士紹介サービス」もあるので併せてご利用ください。

税理士の報酬は事務所によって違いますので、「税理士の費用・報酬相場と顧問料まとめ」で、税理士選びの金額の参考にしていただければと思います。

 

\ 仮受金について相談できる税理士を検索 /

都道府県
業種

この記事の監修・関連記事

監修:「クラウド会計ソフト freee会計」

クラウド会計ソフトの「クラウド会計ソフト freee会計」が、税務や経理などで使えるお役立ち情報をご提供します。
「クラウド会計ソフト freee会計」は、毎日の経理作業を最小限で終わらせることができるクラウド型会計ソフトです。疑問点や不明点は、freee税理士検索で税理士を検索し、相談することができます。

クラウド会計ソフト freee会計



クラウド会計ソフト freee会計



クラウド会計ソフト freee会計なら会計帳簿作成はもちろん、日々の経理業務から経営状況の把握まで効率的に行なうことができます。ぜひお試しください!




PageTop