使途不明金とは?使途秘匿金との違いは?税金はどうなる?

公開日:2024年03月25日
最終更新日:2024年03月25日

この記事のポイント

  • 使途不明金とは、交際費などの支出で使途が明らかでないもの。
  • 使途秘匿金とは、相手方の氏名や支出した事由が帳簿に記載されていないもの。
  • 使途不明金、使途秘匿金は、損金算入されない。

 

使途不明金と使途秘匿金は、税法上、違法・不当支出につながる可能性があることから、課税が強化されています。
とくに使途秘匿金の場合は、通常の法人税に加えて40%の追加課税が行われ、たとえ欠損会社が使途秘匿金を支出した場合でも、この40%は納税の義務を負うとされています。

使途不明金とは

使途不明金とは、法人が交際費、機密費、接待費などの名義で行った支出で、「その費途が明らかでないもの」です。
使途不明金は、損金の額に算入することができません。
また、支出の目的や内容、あるいは支出自体を税務調査で指摘され、明確に立証することができないものについても、税務上の使途不明金として損金に算入することができなくなります。

法人が費用として支出した金額について、費途が確認できない支出をそのまま税務上の資金として認めると、課税所得金額の正当性や客観性を検証することができなくなり、課税の公平が保たれなくなります。
そのため、法人が支出した費用を税務上損金とするためには、その支出内容、支出の相手方、支出の時期等が明確でなければなりません。

(1)使途不明金と使途秘匿金の違い

使途秘匿金とは、法人の支出のうち相当な理由がないのに、相手方の氏名や名称、住所や所在地、支出した理由を会社の帳簿書類に記載していないものです。判定は、事業年度終了の日の現況によって判断されます。
たとえば、公共工事受注の便宜を図ってもらうためのワイロや談合の裏金などが該当します。
使途秘匿金も使途不明金も、どちらも損金に算入することができない点は同じですが、使途秘匿金は、使途秘匿金の支出額に40%を乗じた額の法人税が追加課税されるという重い税負担を課せられる点が、使途不明金と異なります。
追加課税とは、所得金額に関係なく法人税を別途計算するものであり、赤字の会社で通常の法人税額が計算されない場合でも、この40%分は納税の義務を負うことになります。

使途不明金 使途秘匿金
明確内容 支出内容、支出の相手方、支出時期等の明確化 相手方の氏名または名称、住所または所在地、その事由
相当の理由 なし 許容される
除外規定 なし 相手方の氏名等を秘匿するためでないと認められるとき
判定の時期 なし 事業年度終了時か
申告書提出期限
質問検査権との関係 なし 影響を受けない

(2)使途秘匿金に該当しないもの

使途秘匿金は、受け取った人の氏名が公になっては困るものであり、資産の譲受やその他取引の対価の支出と明らかな場合は、使途秘匿金には含まれません。
また、相手方の氏名や名称の記載がないことが、相手方の氏名等を秘匿するためではないと認められる場合も、その支出は使途秘匿金には含めないことができます。

使途秘匿金に該当しないもの

①相手方の氏名等を帳簿書類に記載していないことに、相当な理由があるもの
②資産の譲り受けその他の取引の対価として支出されたもの(当該取引の対価として相当であると認められるものに限る)であることが明らかなもの

ここでいう「金銭の支出」とは、金銭を支払うことのほか、贈与、供与、その他これに類する目的のために行う金銭以外の資産の引渡しも含まれます。

①の「相当な理由」は法令上とくに明らかにされていないため、制度の趣旨と社会通念に照らして判断することになります。
たとえば、不特定多数の者との取引でその取引の性格上、相手方の住所や氏名が分からないもの、小口の金品の贈与あるいは不特定多数の顧客を相手とする事業者への支払いのように相手方の住所や氏名まで一々帳簿に記載しないことが通例となっている支出、災害による帳簿の紛失などが考えられます。

(3)使途秘匿金の追加課税

使途秘匿金は、税金の問題だけでなく社会的なモラルの問題でもあり、その額が一般的には多額で、違法、不当な支出の隠れみのになっているとして、時限的な措置として使途秘匿金の特別税率が設けられています。

使途秘匿金は、全額が損金不算入となり、使途秘匿金の支出額に応じて追加課税が行われます。税率は、使途秘匿金の支出の額に40%を乗じた金額です。
さらに法人住民税にも課税されることになります。

(4)重加算税が課される場合とは

使途不明の支出金に係る否認金につき、帳簿書類の破棄、隠匿、改ざん等があったり、取引の慣行、取引の形態等から勘案して通常その支出金の属する勘定科目として計上すべき勘定科目に計上されていなかったりすると、不正事実に該当し、重加算税を課される場合もあります。

参照:国税庁「法人税の重加算税の取扱いについて」

(5)税務調査で否認されるとどうなるか

使途不明金や使途秘匿金は、税務調査で否認されると損金として認められなくなります。さらに使途秘匿金には、追加課税までされます。
したがって、否認されないように取引先の氏名や名称、年月日、住所や所在地、その他参考になる事項は記録をしておきましょう。
なお税務調査では、調査後に調査結果の説明がされます。
否認の場合には、修正申告をするのか、更正決定(税務署側に金額を決めてもらう)するかが選択できます。基本的には、調査官が更正決定するのは手間がかかることから、修正申告を勧められます。
しかし、修正申告をすると修正申告に対する申立てができなくなります。
したがって、決定事項に納得したうえで修正申告をすることが大切です。
調査結果に納得できない場合には、税理士からしっかりと交渉してもらうようにしましょう。

まとめ

使途不明金と使途秘匿金の損金不算入に関する法的根拠は、使途不明金は法人税基本通達、使途秘匿金は租税特別措置法によります。
税務調査で指摘されれば、追徴される税金はすぐに納付しなければならず、納税者の負担はかなり重くなります。やむを得ない事情がある場合には分割での納付が認められることがありますが、分割での納付が認められるのはあくまでも特例です。
使途不明金や使途秘匿金の処理については、税務調査前に税理士に相談して適切な処理を行うようにしましょう。

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