公開日:2019年11月01日
最終更新日:2022年06月29日
会社は、年末に「年末調整」を行い、源泉徴収した税金の過不足を精算する義務があります。年末調整では、源泉徴収された額と実際の年税額の過不足を調整する必要がありますが、年の途中で扶養親族の異動があった場合には再計算しなければならないので、作業は非常に煩雑です。
この記事では、年末調整の意味や必要な手続き、年末調整を税理士に依頼するメリットなどについてご紹介します。
年末調整とは、毎年1月1日から12月31日までに支払った給与や賞与から控除された源泉所得税を精算する手続きのことです。
サラリーマンは、毎月の給与から所得税が天引きされていますが、この時源泉徴収された税金は、源泉徴収をした人(所得の支払者)が、国に納めています。つまり会社は源泉徴収を行う義務を負っているのです。
この天引きされた源泉所得税の1年間の合計額と、年収に対する税金は、一致しないケースが多々あります。
なぜなら、月々の給与計算においては配偶者特別控除や生命保険料控除などを考慮しないで計算していたり、年の途中で扶養親族などに異動があっても、わざわざさかのぼって修正したりしないからです。
そこで、この過不足を何らかの方法で精算する必要があります。この精算する作業を「年末調整」といいます。そして、この年末調整を行うのも会社の義務です。
年末調整では、平均値で計算されていた源泉徴収税額の合計額と、実際の年税額との差の調整や、年の途中で扶養親族の異動(結婚した・子どもが産まれたなど)があった場合の再計算をします。
年末調整は、主に以下の流れで行います。
①給与総額を集計する 1月から12月の1年間に支払った給与と賞与の総額を計算します。この時、非課税の給与(通勤手当など)については差し引きます。 ↓ ②給与所得控除後の給与額を集計する 総支給額から給与所得控除額を計算します。給与所得控除額は、総支給額によって異なります。 ↓ ③課税給与所得を計算する 配偶者控除、扶養控除、保険料控除などの各種所得控除額を集計します。 ↓ ④算出年税額(税額控除前の所得税額)を計算する 税率を確認し、課税給与所得に税率を掛けて、税額控除前の所得税額を計算します。税率は、課税給与所得額によって異なります。 ↓ ⑤年調所得税額(その年の所得税額)を計算する 控除利用が2年目の住宅ローン控除を受ける従業員のみ、差し引く計算をします。 ↓ ⑥年調年税額を確定する 2037年までは、復興特別所得税も課税されるので、プラスするのを忘れないように注意します。 ↓ ⑦所得税の過不足を精算する その年すでに納めた源泉所得税と年調年税額の差額を計算し、その年最後の給与支給で精算します。 不足分は追加徴収し、過払い分はその従業員に戻します。 ↓ ⑧正しい所得税額を納付する 上記⑦で精算した所得税の過不足分を、1月10日までに納付します。 |
年末調整では、毎月の源泉徴収で考慮されていない各種控除や扶養親族の異動等を反映させる必要があります。そして、これらの情報は各従業員から提出してもらう申告書によって確認します。早めに各従業員に申告書等の提出物を案内し、回収するようにしましょう。
従業員が会社に提出するのは、主に以下の書類です。
①給与所得者の扶養控除等(異動)申告書 毎月1月の給与の支払いまでに提出を受けていますが、12月までに扶養親族等に変動があった場合には訂正して提出してもらいます。 ②給与所得者の基礎控除申告書兼給与所得者の配偶者控除等申告書兼所得金額調整控除申告書 ③給与所得者の保険料控除申告書 ④住宅借入金等特別控除申告書(該当者のみ) |
なお、申告書には、各種控除を受けるために以下の書類を添付する必要があります。
①保険料控除証明書(生命保険・地震保険) ②国民年金保険料の控除証明書 ③小規模企業共済掛金払込証明書 ④住宅ローン残高証明書 |
これまでご紹介したように、従業員を雇っている場合には、会社側が従業員の年末調整を行わなければなりません。
しかし、年末調整書に必要な書類を回収しチェックする作業は、想像以上に煩雑です。しかも、ただでさえ多忙な年末にこの煩雑な年末調整業務を行わなければならずに本業に支障が出ることもあります。
このような年末調整の作業を税理士に依頼することで、年末調整にかける時間を大幅に削減できるなどのメリットがあります。
税理士に依頼すれば、年末調整にかかる煩雑な作業を全て任せることができます。経理担当者が年末の忙しい時期に残業する必要もなく人件費を削減することも可能です。
税理士には、役員や社員から回収された扶養控除等申告書、保険料控除証明書などの書類や1年間の賃金台帳を送るだけでOKです。
税理士は、それらのデータをもとに年末調整データを作成し、源泉徴収票の作成してくれます。
年末調整を行う前には、税制改正などについて確認する必要があります。そして、その年の従業員の所得税の精算作業をおこない、原則として翌年1月10日までに、正しい所得税額を税務署に納付しなければいけません。
また、年末調整の対象となる従業員の確認作業なども行う必要があります。
税額に関わる作業ですから当然ミスは許されませんが、年末の多忙な時期のなかでは、やはりミスが生じるリスクがあります。
しかしこの点、税理士は税務のプロですから、当然ミスもありません。
さらに、税理士に相談すれば、単なる業務代行にとどまらず会計や税務・労務の面からさまざまなアドバイスを受けることもできます。
年末調整を行うための担当者を新たに雇用するより、税理士に依頼した方がコストを抑えることができます。
従業員が何百人もいる場合は別ですが、100人以下の企業であれば、10万円以内で収まるケースもあります。
多忙な年末にこの煩雑な年末調整業務を行うこともありませんし、税務のプロである税理士に依頼すればミスもありません。人件費だけでなく十分な費用対効果があるといえるでしょう。
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以上、年末調整の意味や手続き・必要書類、年末調整を税理士に依頼するメリットなどについてご紹介しました。
年末調整に関わる作業は、毎年11月から1月にかけて行われますが、手続きの流れや必要書類、対象者を確認する作業もあり、これが大きな負担となるケースは多いものです。
これらの作業負担を軽減し、他の業務にかける時間を確保するためにも、税理士を活用することを検討されてはいかがでしょうか。
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税理士の報酬は事務所によって違いますので、「税理士の費用・報酬相場と顧問料まとめ」で、税理士選びの金額の参考にしていただければと思います。
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