青色申告特別控除とは?控除額10万円・55万円・65万円の違いは

公開日:2023年06月14日
最終更新日:2024年02月17日

この記事のポイント

  • 青色申告特別控除とは、最大65万円を所得から差し引いて税額計算できる制度。
  • 支出がなく所得から差し引いて税額計算できるので、節税メリットは大変大きい。
  • 最大65万円の控除を受けるためには、複式簿記による帳簿の作成・電子申告等の要件がある。

 

所得税の確定申告には、青色申告と白色申告の2つの申告の種類があります。
青色申告特別控除とは青色申告だけに認められる特別控除で、計算した儲け(所得)から、最大で65万円を差し引いたうえで納税額を計算することができます。
つまり、この青色申告特別控除があるかないかで、納める税額は大きく変わりますので、確定申告はぜひ青色申告で行うことをおすすめします。
 

青色申告特別控除の豆知識

青色申告は、3通りの申告方法があります(2020年から)。
帳簿の付け方や申告方法で、10万円控除か55万円控除を選択します。さらにe-Taxによる申告または電子帳簿保存をすれば、最大の65万円控除が受けられます。
これらの特別控除分が差し引かれれば、その額だけ税金の対象となる所得が減るので、当然65万円の控除を受ける方がおトクです。
青色申告には、このような税制上の優遇措置がたくさんあるので確定申告は青色申告を選択すべきです。
青色申告で最大65万円の控除を受けるためには、複式簿記による帳簿づけとそれに基づいて損益計算書や貸借対照表を作成しなければなりません。
青色申告というと相当難しいとイメージをする人も多いですが、「freee会計」を使えば、収入や経費を入力すればそれが複式簿記の仕訳に変換して記帳され、損益計算書や貸借対照表は自動で作成できます。

青色申告特別控除とは

青色申告特別控除とは、青色申告の一番のメリットともいわれる制度です。
売上-必要経費=所得(儲け)から、さらに最大で65万円を差し引いたうえで税金を計算することができるとうもので、この65万円の控除を「青色申告特別控除」といいます。
お金の支出(経費など)がなく、儲けから最大で65万円を差し引くことができるのですから、大変節税メリットの大きい制度といえます。
この65万円の特別控除があるかないかだけでも、納税額は大きく変わることになります。

(1)そもそも「青色申告」とは?

所得税の確定申告には、青色申告と白色申告があります。
青色申告は、白色申告と比較すると税金面で多くの優遇を受けることができるので、節税を考えるうえでは基本中の基本といえます。

まず、基本的な所得税の計算方法は、青色申告と白色申告で変わりはなく、原則として「売上高-仕入費用や必要経費=所得」に対して税額を計算します。

しかし青色申告の場合には、計算した所得からさらに特別な控除額を引くことが認められているのです(青色申告特別控除)。

青色申告のメリットは、この青色申告特別控除だけではありません。
事業を手伝っている家族への給与を必要経費にすることができる、赤字を3年間繰越せるなど多くのメリットがあり、細かいものまで数えると50以上あると言われています。
青色申告の手続きは、承認申請書を税務署に提出するだけで済みますので、確定申告はぜひ青色申告で行い節税メリットを享受することをおすすめします。

承認申請書の提出期限は、原則として青色申告の適用を受けたい年の3月15日までです。ただし新規開業の場合には、開業した日から2カ月以内に提出すればOKです。

青色申告承認申請書の書き方や提出先については、以下の記事でくわしくご紹介しています。

▶ 所得税の青色申告承認申請書とは?書き方・提出先・期限【まとめ】

(2)青色申告特別控除のメリットは?

青色申告特別控除とは、儲けから最大で65万円を差し引いたうえで税金を計算することができるという大きなメリットがある制度で、この65万円の特別控除の有無で、納税額は大きく変わります。

たとえば、経費や基礎控除を差し引いた後の所得が400万円のケースで考えてみます。
所得税・住民税の税率は10%とした場合、65万円の特別控除を差し引くと、課税所得金額は335万円になり、所得税+住民税は約58万円です。
一方白色申告は、特別控除額を差し引くことができないので課税所得金額はそのまま変わらず400万円で、所得税+住民税は約78万円です。
つまり、合計で20万円も節税することができるわけです。

(3)青色申告特別控除のデメリットは?

多くのメリットがある青色申告特別控除ですが、最大65万円の特別控除を受けるためには、複式簿記という方法で会計帳簿を作成し、その帳簿から作成された貸借対照表を確定申告書に添付すること、そして確定申告を電子申告で行うことなどが必要となります(※要件については、次項で詳しくご紹介します。

複式簿記で帳簿を作成するためには、専門知識が必要であり難解なイメージを持つ人も多く、青色申告のデメリットと感じる人は多いようです。
ただ、この点に関しても「freee会計」を使えば、簡単に帳簿を作成することができます。
「freee会計」なら、月額1,980円(税抜)から利用でき、自動でお支払いが発生することはありません。
月額1,980円で、20万円の税金が節税できるのなら(所得400万円の場合の一例)、非常に効率のよい投資と言えるのではないでしょうか。

(4)青色申告特別控除10万円・55万円・65万円の違いは?

青色申告特別控除の最大65万円の特別控除を受けるためには、①複式簿記で帳簿を作成すること、②帳簿を基に作成された貸借対照表を申告書に添付すること、③確定申告を電子申告で提出すること(または総勘定元帳等を電子帳簿保存すること)という要件を満たす必要があり、③を満たさない場合には特別控除額は55万円となります。
また、複式簿記で作成しない簡易な帳簿の場合には、貸借対照表を作成することができないことから、特別控除額は10万円となります。

青色申告 白色申告
65万円控除 55万円控除 10万円控除 特別控除
なし
55万円控除の要件に加え、e-Taxによる申告(電子申告)または電子帳簿保存を行う。 複式簿記による記帳を行い、貸借対照表と損益計算書を確定申告書に添付する。 単式簿記による記帳を行い、損益計算書を確定申告に添付する。

(5)青色申告をラクに行うためには?

多くの節税メリットのある青色申告だけど、手間がかかりそうと考える方もいるでしょう。
けれども、安心してください。「freee会計」なら、日々の収支を入力するだけで、自動的に青色申告書を作成することができます。
銀行口座やクレジットカードと同期すれば、経費が自動で入力されます。日付や金額だけでなく、勘定科目を推測して自動入力する機能も備わっていますので、大幅に手間を省くことができます。

現金で支払いを行った場合にも、「freee会計」なら、「いつ・どこで・何を使ったか」を入力すれば、自動的に複式簿記に対応してくれるので、難解な簿記を習得する必要なく、作業を進めることができます。

さらに、日々の入力項目は自動的に様々なレポートに反映されるので、「売上の見込みはどれくらいか」「何にいくら必要な」といった、資金繰りを考える経営感覚も身につきます。

また、データはリアルタイムで税理士に共有することができるので、不明点や疑問点は、税理士と同じデータを見ながら確認することができます。

まとめ

青色申告特別控除は、青色申告に認められた優遇措置で、その年の所得から最大65万円を差し引いて税額を計算することができるというものです。白色申告と比較すると、納税額が大きく下がるのは言うまでもありません。
確かに、青色申告は白色申告と比較すると申告内容が専門的で、多くの情報を記入する必要がありますが、「freee会計」を使えば、手間は白色申告とそれほど変わりません。

青色申告を選択するためには、事前に青色申告承認申請書を税務署に提出しなければなりません。期限を過ぎると自動的に白色申告になってしまうので、できれば開業届と同時に提出しておくことをおすすめします。

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また、コーディネーターによる「税理士紹介サービス」もあるので併せてご利用ください。

税理士の報酬は事務所によって違いますので、「税理士の費用・報酬相場と顧問料まとめ」で、税理士選びの金額の参考にしていただければと思います。
 

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・青色申告承認申請書、開業届が出せていなかった場合の確定申告
「2023年1月に個人事業を開始しました。今年度の確定申告を青色申告で行いたかったため、3月半ばに青色申告承認申請書と開業届を提出したつもりでいたのですが、手違いにより提出できておりませんでした。
5月に確実に提出をすることが出来たのですが、もう今年度は青色申告は諦めるしかないのでしょうか?
・個人事業税について
「開業届を出しており、青色申告で年利益290万円を超えています。
職種はYouTuberです。4年ほどやっているのですが、個人事業税の通知が届いたことがありません。
・青色専従者の手続きについて
「個人事業主と結婚し、青色専従者になろうとしている者です。
青色専従者に関連する手続きがいくつかあると思うのですが、
マイナンバーカードや免許証の名義変更等より先に手続きしてしまっても問題ないでしょうか?

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監修:「クラウド会計ソフト freee会計」

 

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