消費税の計算・仕訳・申告の方法は?

公開日:2019年03月26日
最終更新日:2019年10月04日

目次

  1. 消費税とは
    • 消費税の負担と納付の流れ
    • 納税義務者とは
  2. 消費税の対象となる取引
    • 国内取引
    • 輸入取引
  3. 消費税の計算・税込と税抜の仕訳方法
    • 原則課税方式と簡易課税方式による計算方法
    • 税抜・税込の仕訳方式
  4. まとめ
    • 税理士をお探しの方

消費税は、商品やサービスなどを消費するという行動に対して課される税金です。

消費税の課税事業者になると、売上で消費者から受け取った消費税から仕入などの費用を支払う時にかかった消費税を差し引いて、消費税を納付する必要があります。

消費税の計算方法は原則課税方式と簡易課税方式の2種類があり、どの計算方式を採用するかで税額が変わってきます。また、税抜か税込で仕訳するかによって事務作業の手間が変わります。

消費税とは

消費税とは、「消費をする」という行為に税を負担することとした税金で、商品やサービスの販売などの商取引に対して一律に課される税金のことをいいます。
消費税を負担するのは、法人・個人に関わらず消費行為をした消費者です。事業者は原則として消費税等を負担せず、消費税等を預かり計算し申告して納付する義務を負っているということになります。

消費者=消費税の負担者
事業者=納税義務者
(消費者から消費税を預かって、納めるべき消費税を計算、申告、納付する)

なお、このように納税の義務がある人と税金を負担する人(担税者)が異なる税金のことを「間接税」といいます。
ちなみに「直接税」とは、税金を納める義務がある人と税金を負担する人が同じである税金のことをいいます。

直接税と間接税の基礎知識や、税金の種類については、以下の記事をあわせてご覧ください。

「税金の種類と仕組み」を読む

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消費税の負担と納付の流れ

製品は、生産・製造されて消費者のもとに届けられるまで、各取引時に消費税が課せられます。しかし、卸売業者や小売業者などさまざまな業者を経由するので、そのまま二重三重に課税されると、消費税は雪だるま式に膨れ上がってしまいます。

そこで、消費税の負担は前段階の消費税を調整(控除)され、消費税が累積しないよう工夫されています。


参照:国税庁「消費税のあらまし」

納税義務者とは

消費税の申告が必要な納税義務者は「課税事業者」だけです。
以下の2点のいずれかに当てはまれば、課税事業者となります。

(1)前々事業年度(基準期間)の課税売上高が1,000万円超
(2)前事業年度の開始から6カ月間(特定期間)の課税売上が1,000万円を超えた
(3)資本金1,000万以上の事業者

※基準期間:納税義務の判定の基準となる期間 課税期間の2年前
※特定期間:個人事業主の場合は、その年の前年の1月1日から6月30日まで。法人の場合は、原則として、その事業年度の前事業年度開始の日以後6カ月の期間
※課税売上高と:国内で、商品の販売やサービスの提供、事業資産の売却、貸付などを行った時の税抜きの売上高のことです。

消費税の課税事業者になった場合には、「消費税課税事業者届出書」を税務署に提出する必要があります。
消費税の課税事業者の要件、届出の記載方法などについては、以下の記事もあわせれご覧ください。

「消費税の課税事業者とは?届出は必要か」を読む

▶消費税の節税について相談できる税理士を探す

消費税と地方消費税の申告と納付
消費税の税率は令和元年(2019年)からは、税率が引き上げられ消費税10%(内訳は国税7.8%、地方税2.2%)となりました。

消費税と地方消費税は一緒に税務署に申告して、税額を所轄税務署または金融機関などで納付します。
消費税の申告・納付の期限は、個人事業主の場合には翌年の3月末日、法人の場合は、課税期間の末日の翌日から2カ月以内となっています。

消費税の対象となる取引

消費税の対象となる取引(課税取引)は、国内取引と輸入取引に限られ、国外で行われる取引は対象外です。

国内取引

国内取引とは、以下の4つの要件すべてに該当する取引のことをいいます。
要件のうち、1つでも該当しないものがあれば「消費税等の課税対象外取引」となります。

(1) 国内において行われるもの
(2) 事業者が事業として行うもの
(3) 対価を得て行うもの
(4) 資産の譲渡・貸付・役務の提供であること

非課税取引とは、国内取引、輸入取引に当てはまる取引であっても、消費税等の課税対象としてなじまないものや社会政策的な観点から課税することが適当ではない取引のことです。

輸入取引

輸出入手続きを行う場所(保税地域)から引き取られる外国貨物(外国から国内に到着した貨物で、輸入許可前のもの及び輸出許可を受けた貨物)が、消費税等の課税対象となります。

消費税の計算・税込と税抜の仕訳方法

消費税の計算方法には、原則課税方式と簡易課税方式があります。
また、消費税の仕訳の方法には、課税取引を仕訳する際に消費税額を区別する(税抜経理方式)か、区別しない(税込経理方式)かの2通りがあります。

消費税の申告は、法人税などと違って延長できないので、早めに消費税の計算方法や仕訳の方法を検討し、準備しておきましょう。

原則課税方式と簡易課税方式による計算方法

消費税の計算方法には、原則課税方式と簡易課税方式があります。

「原則課税方式」は、預かった消費税から支払った消費税を差し引いた額に、税率を掛けて計算します。正確な消費税額が分かるというメリットがありますが、1つ1つの取引について課税取引か非課税取引か確認しなければなりませんし、消費税を計算する事務量が大きいというデメリットがあります。

「課税売上高」×8%-課税仕入高×8%

「簡易課税方式」は、預かった消費税に業種別に定められた「みなし仕入率」を掛けて、支払った消費税とみなすものです。

「課税売上高」×8%-(課税仕入高×8%×みなし仕入率)

みなし仕入率

第1種事業(卸売業)…90%
第2種事業(小売業)…80%
第3種事業(製造業等)農林・漁業、建築業、製造業など…70%
第4種事業(その他)飲食店業など…60%
第5種事業(サービス業等)運輸・通信業、金融・保険業、サービス業…50%
第6種事業(不動産業)…40%

参照:国税庁「簡易課税制度」

簡易課税方式は、中小企業の計算する事務量負担を軽くするために、特例で設定された方式なので、前々年度の課税売上高が5,000万円以下の会社に限られます。また、適用する場合には、適用する事業年度開始前に税務署に対して「消費税簡易課税制度選択届出」の提出が必要です。

計算方法の一例
原則課税方式で計算するか、簡易課税方式で計算するかについては、例えば以下のようなケースで消費税額について差が出ることになります。

Aさん(課税事業者で原則課税方式を採用)
Bさん(課税事業者で簡易課税方式を採用)
Cさん(免税事業者)事例:「駐車場の賃料を1万円(消費税込)として、貸駐車場業を営んでいる」Aさん
課税売上高9259円(10000円÷1.08)×8%=740円
Bさん
課税売上高9259円(10000円÷1.08)×8%×みなし仕入率50%=370円
Cさん
免税事業者なので、消費税は0円

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税抜・税込の仕訳方式

消費税の仕訳方法は、課税取引を仕訳する際に、消費税額を区別する「税抜経理方式」か、区別しない「税込経理方式」かの2通りがあります。

免税事業者(消費税の課税事業者でない事業者)は、税込経理方式で仕訳をしますが、課税事業者は、どちらの仕訳方式で行うか選ぶことができます。
また、売上は税抜処理、経費は税込処理というように、異なった方式を選択することも認められています。

税抜経理方式

「税抜経理方式」とは、消費税額を除いて売上、仕入などを計上する方法です。
この方式で計算すると、消費税が費用や収入としてまったく発生しないことになり、損益には無関係で計算することになります。

税込経理方式

税込経理方式は、売上や仕入、経費などの価格に消費税を乗せて計上する方法です。
消費税額は会社の経費として損金になり、租税公課として計上しなければなりません。

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まとめ

  • 消費税は、商品やサービスなどを消費するという行動に対して課される税金。
  • 消費税の計算方法は原則課税方式と簡易課税方式の2種類があり、どの計算方式を採用するかで税額が変わる。
  • 消費税は、国外で行われる取引は原則として対象外となる。

以上、消費税の計算方法や、仕訳方法についてご紹介してきました。
消費税の計算方法は、一般的には簡易課税方式の方が有利とされますが、簡易課税方式は中小企業に限られていますし、利用する場合には「消費税簡易課税制度選択届出」が必要です。

また、一般的には、税抜経理方式の方が有利とされています。
なぜなら、税務では仕訳(計上)した金額を基準とするのがほとんどだからです。
ただし、税抜経理方式は手間がかかるので、簡易課税を採用する中小企業の場合には、税込経理方式をすることも多いです。

ただし、どちらのメリットをとるかは、会社のそれぞれの事情によりますので、顧問税理士と相談して細かく検討するのがおすすめです。

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