利益剰余金とは|決算書での区分、仕訳など

公開日:2019年07月09日
最終更新日:2019年09月05日

目次

  1. 利益剰余金とは
    • 利益準備金・繰越利益剰余金との関係
  2. 決算書で見る「利益剰余金」
    • 決算書の5つの区分とは
    • 利益剰余金は「純資産(資本)」に区分
    • 利益剰余金は決算書でどう読むか
  3. 利益剰余金の仕訳例
  4. まとめ
    • 経営分析を税理士に相談

利益剰余金とは

利益剰余金とは、簡単にいうと「会社の利益の積み重ね」のことをいい、企業が生み出した利益を積み立て会社内部に蓄積されているものを指します。
株主は資本金を提供するかわりに、会社が利益を上げた時には配当を受けることができますが、利益剰余金とは、各期の利益の類型額からこの株主への配当などを控除した金額ということになります。

利益準備金・繰越利益剰余金との関係

利益剰余金は「利益準備金」と「その他の利益剰余金」で構成され、「その他の利益剰余金」はさらに「任意積立金」と「繰越利益剰余金」に区分します。

「利益準備金」とは、資産としての現金や預金のことではなく、蓄積すべき利益(内部留保)として規定されている金額をいいます。剰余金の配当をする時には、株式会社は分配した剰余金の額に10分の1を掛けて得た額を資本準備金または利益準備金として、資本金の4分の1に達するまで計上しなければならないことになっています。

「その他利益剰余金」は、「任意積立金」と「繰越利益剰余金」に区分されます。
「任意積立金」は、株主総会または取締役会の決議に基づき設定される項目なので、その内容を示す項目で区分します。そして各期の利益の類型から株主への配当等を控除した金額は「繰越利益剰余金」に区分されます。

決算書で見る「利益剰余金」

決算書は、「資産」「負債」「純資産」「収益」「費用」の5つの要素で構成されています。
貸借対照表は「資産」「負債」「純資産」で構成され、損益計算書は「収益」「費用」で構成されます。

利益剰余金は、このうち貸借対照表の「純資産」の部に区分されます。

決算書の5つの区分とは

前述したとおり、決算書は「資産」「負債」「純資産」「収益」「費用」の5つの要素で構成されます。
貸借対照表における「資産」の部と、「負債」「純資産」の部はちょうど表裏の関係になることから「バランスシート(Balance sheet、略称B/S)」と呼ばれます。
貸借対照表は、決算日時点での会社の財政状態をあらわします。

損益計算書は、会社の一定期間の経営成績を「収益」「費用」に区分されて表示したものです。損益計算書を見れば、その会社がその事業年度で儲かったかどうかが分かるようになっています。

利益剰余金は「純資産(資本)」に区分

利益は、純資産に区分される勘定科目でした。
そこで、ここでは、「資産」「負債」「純資産」「収益」「費用」という5つの区分の意味や代表的な勘定科目についてあわせてみていきましょう。
どの勘定科目がそれぞれ決算書にどう区分されているのかを、イメージすることができます。

資産:
会社が所有している資産を表示します。
(現金、当座預金、普通預金、受取手形、売掛金、建物、土地)

負債:
他人から借りたもの、今後支払うものを表示します。
(支払手形、買掛金、預り金、借入金、未払金)

純資産:
株主からの出資や、会社の利益の積み重ねを表示します。
(資本金、資本剰余金、利益剰余金、任意積立金)

費用:
収益を確保するために要した費用・損失を表示します。
(仕入、給料、支払利息、地代家賃、旅費交通費、交際費)

収益:
会社が生み出した収益を表示します。
(売上、受取利息、受取手数料)

利益剰余金は決算書でどう読むか

自己資本の多い会社は財政が安定している会社ということができるので、純資産の部は、多い方がベストです。自己資本を増やす方法としては資本金を増額するか利益剰余金を増やすかのどちらかということになります。
しかし、いくら資本を追加投入したとしても本業の経営がうまくいっていなければ、その場しのぎにしかなりません。会社の純利益から配当や役員賞与などを差し引いた金額は内部留保として利益剰余金に計上されますので、本業が順調であれば、利益剰余金は年々増え続けるはずです。
自己資本、純資産が多い状態に持っていくためには、経営体質そのものを見直して本業で収益力をつける努力をすることが大切だといえるでしょう。

利益剰余金の仕訳例

それでは、利益剰余金の仕訳についての一例を見ていきましょう。

例えば、ある会社が営業活動を行い、利益を生み出した場合、繰越利益剰余金として計上するとします。
この繰越利益剰余金は、利益準備金、株主配当金、任意積立金などに処分されます。

「繰越利益剰余金87万円について、利益準備金7万、株主配当金80万と処分した」

繰越利益剰余金という純資産が87万減少し、未払配当金80万という負債が増加し、利益準備金7万という純資産が増加したことになります。
利益剰余金は、配当を行った場合、一定額を資本準備金や利益準備金に計上しなければなりません。

「定時株主総会で、繰越利益剰余金110,000円について、100,000円の配当を行った。なお、利益準備金を10%積み立てる。」

まとめ

  • 利益剰余金とは、「会社の利益の積み重ね」のこと。
  • 利益剰余金は、貸借対照表の「純資産」の部に区分される。
  • 利益剰余金をどう処理するかは、今後の事業計画にも大きく影響を与える。

以上、利益剰余金の意味や区分、決算書での表示、仕訳方法などについてご紹介しました。
利益剰余金をどのように処理するかは、事業の根幹にかかわるものであり、今後の事業計画にも大きく影響を及ぼします。
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