起業・開業したら必要な会計・経理業務

公開日:2018年08月01日
最終更新日:2019年05月22日

目次

  1. 起業したら必要になる経理
    • 事業に関する主な税金
    • 青色申告とは
    • 日々必要な経理業務
    • 仕訳の基本ルール
    • 主な勘定科目
    • 会計ソフトのすすめ
    • 税理士と連携するメリット
    • 月次決算の必要性
    • 給与の支給
    • 決算書の作成・申告
    • 年末調整の手続き
  2. まとめ
    • クラウドに精通している税理士の探し方

事業を経営するうえで大切なのは、物やサービスを製造したり営業したりといったことだけではありません。事業を経営するうえで大切なものの1つとして忘れてはならないのが「資金繰り」です。そして、この資金繰りを把握するために欠かせないのが、会計・経理業務です。

会計・経理業務とは、お金の出入りを管理する業務や給与支払い、税金の申告・納付などといった、お金に関する事務全般のことをいいます。

ここでは、起業・開業したら必ず行わなければならない、会計・経理業務の基礎知識についてご紹介します。

起業したら必要になる経理

起業・開業したら、製品やサービスに力を注ぎ、営業に時間をかけたいと思う人も多いのではないでしょうか。しかし、起業・開業したら経理・会計の業務は避けては通れない問題です。
お金を数えて、税金を納めるという目的のためだけあれば、日常の経理業務はすべて税理士に任せてしまうこともできます。しかし、経理にはもっと大切な目的・役割があります。それは「経営状況を正確に把握すること」そして「分析したデータから、経営者が正しい経営判断を下せるようになること」です。
ここでは、会社の経理業務の中から、主に税金に関する業務と帳簿の記帳に関する業務の概要をご紹介します。

事業に関する主な税金

まずは、会社が払う税金について知っておきましょう。法人には主に以下の税金が課税されます。

・法人税(法人の所得に対して課税される税)
・法人住民税(自治体が住民サービスなどを目的として課税する税)
・法人事業税(すべての事業者が負担する税)
・消費税(地方消費税も含む)

このほか、個人と同様に固定資産税や自動車に関する税金なども課税されます。法人では土地や建物のほか、機械などの資産についても固定資産税(償却資産税)が課税されます。

法人が納める税金は種類が多いため、申告や納税は税理士にサポートしてもらうなどして、間違えないように手続きをしましょう。

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青色申告とは

青色申告とは、一定以上のレベルで帳簿をつけることを前提に、税制上の優遇が受けられる制度です。欠損金(赤字)を翌年以降に繰り越すことができるほか、少額の資産の取得費を一括で経費にできるなど税制上の優遇が受けられます。

もし、まだ白色申告のままだという場合には、今すぐ管轄している税務署で承認を受けておきましょう。
青色申告の承認を受けるには、青色申告の承認申請書を入手し、会社がある住所地を管轄する税務署に提出するだけです。

申請の期日は、設立した年度から青色申告の適用を受けたい場合は、設立の日以後、3カ月を経過した日の前日までに行う必要があります。
ただし、設立後3カ月を経過した日より前に会計年度終了の日が到来する場合は、会計年度終了の日の前日までに行なえばよいとされています。「青色申告の取消を受けた」などの特段の事情がない限りは、基本的には自動的に承認されます。

なお前述したとおり、青色申告を行なうことになると、複式簿記で帳簿づけを行うこと、帳簿などを最低7年間保存するなどの義務があります。

日々必要な経理業務

経理とは、事業に必要なお金や物の出入りを記録したうえで、経営状況を客観的な数値で表すことをさします。会社では、一定期間の業績を決算という形で報告しなければならず、その決算を行うための元になる作業が、日々の会計データの記録作業なのです。
この会計上の取引を記録するための手段を「簿記」といいます。簿記は、複数の帳簿といくつかの手続きによって構成されています。
企業の経理では、特に「複式簿記」と呼ばれる方法に沿って取引を記録します。税務申告を青色申告で行う場合は、複式簿記での記帳が必須になります(※後述)。

仕訳の基本ルール

複式簿記で取引を分類して記録することを仕訳といいます。取引を原因と結果に分類して、それぞれの増減に応じて「借方(左側)」と「貸方(右側)」に記録します。

どちらを借方・貸方に記録するかは、以下のルールに従います。

・資産(事業に必要なお金や物、権利など)
増加すれば「借方」、減少すれば「貸方」

・負債(事業のために外部から借りたお金など)
増加すれば「貸方」、減少すれば「借方」

・純資産(事業の元手、利益の蓄積)
増加すれば「貸方」、減少すれば「借方」

・収益(事業で得たお金)
増加すれば「貸方」、減少すれば「借方」

・費用(収益を得るためにかかったお金)
増加すれば「借方」、減少すれば「貸方」

例えば、売上の代金100円を現金で受け取ったときは、仕訳は以下のようにします。

(借方)現金 100円 /(貸方)売上 100円

現金は資産なので100円増えたことを借方に記録します。売上は収益なので100円増えたことを貸方に記録します。

主な勘定科目

複式簿記で仕訳を行うときは、取引の原因や結果を「勘定科目」という見出しに基づいて分類します。ある程度共通した勘定科目を使うことで、誰が見ても取引内容がわかるしくみになっています。

主な勘定科目は以下のとおりです。

・資産
現金、普通預金、当座預金、売掛金、繰越商品、貸付金、未収入金、前払費用、建物、器具備品、土地 など

・負債
買掛金、借入金、未払金、未払費用、貸倒引当金 など

・純資産
資本金、資本剰余金、利益剰余金

・収益
売上、受取利息、雑収入 など

・費用
仕入、給与、法定福利費、地代家賃、交際費、水道光熱費、消耗品費、租税公課、減価償却費、支払利息 など

どの勘定科目を使うかは会社ごとに自由に決めることができますが、取引の実態に見合ったものを使う必要があります。また、同じような取引については一貫して同じ勘定科目を使わなければなりません。勘定科目頻繁に変わると過去との比較ができなくなり、経営の分析の妨げになります。
どの勘定科目に仕訳ればいいのか分からない時には、税理士のサポートを受けるようにしましょう。

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会計ソフトのすすめ

複式簿記で経理を行うには、会計ソフトの導入が欠かせません。会計ソフトは大きく分けて二つの種類があり、ソフトを購入して自社のパソコンにインストールして使用するインストール型と、インターネット上のサーバーにデータを保存するクラウド型があります。

クラウド型の会計ソフトには、金融機関とデータ連携することで仕訳の入力がほぼ自動化できるメリットがあります。また、経費精算、請求業務、給与計算などの機能を組み合わせることで、事務作業が効率化できます。

「会計ソフトって何?「クラウド会計ソフト」って何?」を読む
「クラウド会計の導入手順と導入するメリット」を読む

税理士と連携するメリット

税法に従って所得と税額を正しく計算するためにも、効果的に節税対策を行うためにも、税制に精通した税理士のアドバイス・サポートを受けることは非常に重要です。

クラウド会計を導入すれば、離れた拠点からでも同じデータを見ることができるため、即時に税理士に仕訳内容を確認してもらうことができます。また、試算表(貸借対照表、損益計算書)などの帳票も税理士側で出力でき、財務内容についてのアドバイスを受けることができるため、「この問題を今解決するためには、どのような対応を取るべきか」などについて、タイムリーにアドバイスをもらうことができます。

従来のインストール型の会計ソフトでは、税理士に来社してもらうかデータを税理士のもとに転送するなどしなければ、仕訳内容のチェックを受けることができなかったことと比較すると、税理士との連携は格段に行いやすくなったといえます。

月次決算の必要性

会社の経営状況を客観的な数値で把握するために、月次決算をすることをおすすめします。年間に1回の決算だけでは年度の途中で損益を正確に把握することができず、業績が悪化したときの対策が後手に回ってしまいます。

クラウド会計では記帳などの事務作業にかかる手間が省ける分、より簡単に月次決算ができ、こまめに経営状況がチェックすることができます。

・「月次決算とは|月次決算が業績アップにつながる理由」を読む

給与の支給

従業員を雇っていれば、毎月1回定められた日に給与を支給しなければなりません。残業代の計算のほか、税金や社会保険料の計算と天引きも必要になるため、給与計算は非常に複雑で、税理士や社労士などに依頼するケースもあります。

クラウド給与計算ソフトを使えば、これらの複雑な給与計算が簡単に行うことができるだけでなく、計算結果が会計ソフトに転送され仕訳が起票されます。金融機関の振込データを作成する機能もあり、従業員への支払もスムーズになります。

「給与計算とは|5つのステップと6つの注意点」を読む

決算書の作成・申告

1年の事業が終わると、決算書を作成し、法人税等の確定申告を行います。決算書は本来、株主や債権者などの利害関係者に経営状況を報告するためのものです。ただし、経営者自身が株主である中小企業では、税務申告が主な目的といってもよいでしょう。

会計ソフトや税務申告ソフトを使用すると決算書や申告書は自動的に出力されますが、、決算書や申告書の内容チェックは、税理士に依頼することをおすすめします。

法人税は原則として事業年度が終了してから2か月以内に申告・納税することになっています。申告が遅れた場合や、申告をしなかった場合は税額が加算されることになるため注意しましょう。

年末調整の手続き

役員・従業員の毎月の給与から天引きしている所得税は概算であり、年間の合計が本来納めるべき税額になるとは限りません。年末調整では、従業員ごとに所得控除を適用して本来の納税額を計算し、天引きした金額との過不足を調整します。不足があれば役員・従業員から集め、余りがあれば返金します。

年末調整が終わると、役員・従業員に源泉徴収票を発行するほか、税務署に源泉徴収票を、市区町村には給与支払報告書を提出します。市区町村に提出する給与支払報告書は翌年6月以降の住民税に反映されます。

まとめ

以上、経理業務にはさまざまなものがあり、これらをもれなく実行しなければなりません。クラウド会計では効率的に経理業務ができるため、開業したての企業にもおすすめできます。税務については税理士の関与が欠かせませんが、クラウド会計には税理士との意思疎通がスムーズにできるメリットもあります。

クラウドに精通している税理士の探し方

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