決算・申告業務(年次決算)とは|自計化を目指すための基礎知識③

公開日:2018年11月07日
最終更新日:2018年11月07日

目次

  1. 経理の仕事とは
    • 毎日行う経理業務
    • 毎月行う経理業務
    • 年に1度行う経理業務
  2. 決算業務と確定申告(年次の経理業務)
    • 決算業務の具体的な手順
    • 棚卸
    • 売掛金と買掛金の確定
    • 現預金・借入金の確定
    • 費用・収益の期間対応
    • 固定資産の調査
    • 減価償却費の計算
    • 株主総会の開催
    • 法人税などの納付
  3. まとめ

決算・申告業務は、経理業務担当者にとって年に1度のメインイベントです。

具体的には、1年間に会社が稼いだお金を計算して、会社の財政状態や経営成績を決算書にまとめます。
ここでいう決算書とは株主や税務署などの外部の利害関係者に対して提出する報告書のことで、主な決算書としては、賃借対照表や損益計算書などがあります。

ここでは、決算業務の具体的な内容について、ご紹介します。

経理の仕事とは

経理の業務とは、会社のお金の管理を行い、そのデータを作成・分析するなどして、会社の経営に関わる指標を提示する業務のことをいいます。
具体的には、日々の入出金の管理や給与の支払いのほか、月次決算・年次決算を行い、経営管理や資金繰りについて税理士や会計士と協力し、会社の課題を見つけたりその課題の解決に取り組んだりすることが求められます。

経理の仕事は、大きく「毎日行う業務」「月次で行う業務」「年次で行う業務」の3種類に分けることができます。

毎日行う経理業務

毎日行う経理業務としては、売上による入金や経費の支払いなどの入出金管理を行います。具体的には、会計ソフトに会計データを記帳し、入出金の資料作成などを行います。
これらの日々の作業が積み重なって、最終的には賃借対照表、損益計算書といった決算書を作成することにつながります。

「日次で行う経理事務とは|自計化を目指すための基礎知識①」を読む

毎月行う経理業務

毎月行う業務としては、帳簿を締め切って月次決算を行ったり、資金繰り表を作成したりする業務があります。給与計算や請求書の作成なども、月次で行う経理業務のうちの1つです。

「月次経理業務とは|自計化を目指すための基礎知識②」を読む

年に1度行う経理業務

年に1度の決算・申告業務は、経理業務担当者にとって、年に1度のメインイベントです。
月次決算業務と年次決算業務の違いですが、「月次決算業務」は経営者が会社の経営状態をタイムリーに把握するために行われる業務であり、法律で義務付けられている業務ではありませんし、外部に公表する必要もありません。

これに対して年次決算業務は、株主や税務署などの利害関係者に対して提出する書類を作成する業務で、法律で義務付けられている業務です。
具体的には、資産および負債の残高を確定することが、業務の中心となります。

決算業務と確定申告(年次の経理業務)

決算とは、会社の1年間の稼ぎを計算し、期末日時点の財産や負債を確定することをいいます。
主な業務は、各種帳簿を締めて集計し試算表を作成し財産・債務の実地調査を行い、決算書にまとめる作業となります。

決算業務の具体的な手順

決算業務の具体的な手順については、会計ソフトを導入しているか否かで変わりますし、個々の会社の事業の内容によって、別途特殊な作業が必要となる場合もあります。

したがって決算作業を始める前には、税理士と事前に打ち合わせをし、注意点や段取りを確認する必要があります。

ここでは、一般的な会社で行われる決算業務の流れについてご紹介します。

①:各種帳簿を締める
総勘定元帳の各勘定科目の合計、残高を集計します。
仕訳ミス、記帳ミスなどがないか、確認します。

②:試算表の作成
①の合計や残高をもとに試算表を作成します。

③:財産・債務の実地調査
財産や債務を確定させるために、現預金や売掛金、買掛金、未収入金、未払金などのチェックを行います。
商品の棚卸、消耗品などの実地調査も行います。

④決算整理事項のまとめ
実地調査に基づいて、決算の作業内容を確認します。
具体的には、売上原価の計算、棚卸試案の計上、各種引当金の設定、固定資産の減価償却などの作業があります。

⑤清算表・決算書の作成
清算表を作成し、賃借対照表・損益計算書などの決算書にまとめます。

棚卸

在庫を持っている小売業・卸売業では、棚卸を行います。
棚卸とは、在倉庫や店舗にある在庫を全部数えて、売上原価を把握する作業のことをいいます。この時に数えた在庫(仕入た商品の売れ残り)のことを棚卸資産といい、「棚卸資産」として計上します。

決算では、会計年度に売れた商品に対する仕入代金や製造原価のみを売上原価として計上します。そして、売れ残った商品や使わなかった材料費用は、棚卸資産とります。

棚卸資産を確定すると売上原価が分かり、残りが棚卸資産となることになります。

売上原価を求める計算式は、以下のようになります。

・販売業
「売上原価」=「期首商品棚卸高」+「当期商品仕入高」-「期末商品棚卸高」

・製造業
「売上原価」=「期首製品棚卸高」+「当期製品製造原価」-「期末商品棚卸高」

会計ソフトfreee」では、棚卸商品の設定などを非常にシンプルに行うことができます。
決算時に実際に棚卸商品のチェックを行ったら、メインメニューの決算から「在庫棚卸」をクリックし、期末棚卸高を記入すれば、あとは自動で売上原価が計算されます。
freeeヘルプセンター「棚卸資産の残高を登録する」を読む

売掛金と買掛金の確定

売掛金・買掛金は、毎月締め日ごとに集計して、その請求書を発行し受領しています。
すべての取引先や仕入先の締め日が同じであれば、作業はシンプルですが、通常は「A社の締め日は15日」「B社の締め日は25日」など、バラバラになります。
そこで、締め日から決算日までの売掛金・買掛金を追加計上する必要があるのです。

取引先が倒産して、取りはぐれた売掛金があれば、「貸倒金」として処理し、売掛金を必要経費とします。

会計ソフトfreee」では、まだ対価の支払・回収が完了していない場合、取引の決済ステータスを「未決済」として登録します。そし未決済取引の支払・回収が完了したら、決済を登録します。
freeeヘルプセンター「未決済の取引を登録する・消し込む(売掛金・買掛金など) 」を読む

現預金・借入金の確定

現金、預金、借入金は、決算の初期の段階で確定させます。
これらの勘定残高が確定していると、他の勘定科目の残高を確定させやすくなるからです。

①現金の残高確定
現金の残高は、現金出納帳の正しさを検証するために行います。
実際に現金を数える作業です。

②預金の残高確定
預金通帳の記帳して、残高を確定します。
必ず、決算日の翌日以降の入出金記録が印字されるようにしましょう。

③借入金の残高確定
借入金の実残高は、銀行などから送付される「ローン残高とご返済明細のお知らせ」などの書類を参照し、決算日現在の残高を確認します。

④帳簿残高の把握
総勘定元帳または補助元帳を見て、帳簿残高を把握します。
預金と借入金は、補助科目を設定している場合が多いので、補助元帳か補助科目残高一覧表を見ることになるでしょう。

帳簿残高と実残高にズレがある場合には、そのズレを調整することになります。原因となっている箇所が見つかったら、仕訳を追加したり修正したりして一致させます。

会計ソフトfreee」で「口座を同期」の機能を利用している場合は、口座の詳細画面にある「タイムライン」機能を活用することで、いつ、どのように、ズレが発生したのかを簡単に確認することができます。
freeeヘルプセンター「銀行口座の残高ズレを解消する」を読む

費用・収益の期間対応

「費用・収益の期間対応」とは、費用・収益を会計期間に対応させ、未払・未収などを計上する作業をいいます。
例えば、支払家賃や受取利息などの費用・収益を会計期間に対応させる作業です。

①前払費用
未払家賃や広告宣伝費などのうち、1カ月以上先の費用に対応している部分があれば「前払費用」に計上します。


②未払費用
賃借料や広告宣伝費などのうち、サービスの提供は既に受けていても、支払が決算日以降に行われる予定であれば、「未払費用」に計上します。

③未払金
水道光熱費など、サービスの提供期間のすべてが登記に含まれていても、支払が翌期になるものは「未払金」に計上します。


④未払収益
受取利息や雑収入など、サービスを提供していても代金の受取が決算後に行われるものは、未収収益に計上します。

⑤前受収益
サービスの提供はまだしてはいないものの、代金の受取は決算日前に行われたものは、「前受収益」に計上します。

会計ソフトfreee」では、 前受金の処理や前渡金(前払金)の処理について、更新ボタンをクリックするだけで、簡単に収益や費用、資産勘定などに振替えることができますので、決算時のこれらの作業が非常に効率化されます。
freeeヘルプセンター「手付金(前払金・前受金など)がある取引を登録する 」を読む

固定資産の調査

固定資産の調査とは、固定資産台帳を見ながら、実物が本当にあるのかを確認する作業です。固定資産台帳に記載されていても、実際には廃品回収に出していて既に実在しない場合もあります。
その場合には、会計データから削除するなどの作業が必要になるからです。

会計ソフトfreee」では、固定資産の詳細から[資産の除却]などを選択するだけで、これらの作業を行うことができます。
freeeヘルプセンター「固定資産を除却する」を読む

減価償却費の計算

減価償却とは、固定資産の取得価額を取得時の費用としないで、決められた耐用年数の期間に合わせて、少しずつ費用とすることをいいます。
①取得価額が10万円に満たないもので、②使用できる期間が1年に満たない資産は、少額資産として、取得した年度で一括して費用に計上することができます。

会計ソフトfreee」では、購入した金額、資産分類、取得日、耐用年数、償却方法、期首残高の6点について確認して登録すれば、後は自動計算するので、決算で特別な作業は必要ありません。

freeeヘルプセンター「固定資産の減価償却について」を読む

株主総会の開催

株主総会とは、会社の最高意思決定機関のことで、決算日から3カ月以内に、株主総会を開催しなければならないと定めています。
具体的には、株主総会議事録を作成し、取締役・監査役などが署名、押印します。
以下のような株主総会議事録を作成したら、決算書と一緒に各取締役・監査役に送付し、署名・押印をして返送するよう依頼します。

法人税などの納付

決算書が完成したら、顧問税理士にチェックを依頼します。
税理士のチェックが終了したら、法人税申告書作成作業を行います。

法人税申告機能は「会計ソフトfreee」と連携しているので、法人名・法人番号等、申告に必要な基本的な情報を入力したり、地方税に必要な事業所(本社・支店)の情報を入力したりすれば、簡単に申告書を作成することができます。
freeeヘルプセンター「法人税申告機能のメニュー構成」を読む

まとめ

以上、「決算・申告業務(年次決算)とは|自計化を目指すための基礎知識③」についてご紹介しました。「会計ソフトfreee」を使った説明になりましたが、会計は複雑で慣れるまで時間がかかると思いますので、税理士にアウトソーシングするのもおすすめです。下記の記事では経理のアウトソーシングによるメリットなどの紹介をしています。併せてご覧ください。

「経理のアウトソーシングが会社を成長させる理由」を読む

また、無料で使える「税理士検索freee」では、「会計ソフトfreee」を使える2000以上の事務所の中から記帳代行や税務調査、会計顧問等に対応できる税理士・会計士の事務所を検索できます。経歴や実績等も確認でき、エリア別、認定アドバイザー、ITや女性等の様々な条件であなたのニーズに沿ったアドバイザーに出会うことができます。また、コーディネーターによる「紹介」サービスもあるので併せてご利用ください。

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