総額表示義務とは|注意点は?特例はいつまで?

公開日:2019年11月25日
最終更新日:2019年11月25日

目次

  1. 総額表示義務とは
    • 総額表示義務はなぜ必要か
    • 総額表示義務の特例とは
  2. 総額表示義務のポイント
    • 個々に税抜価格と表示する場合
    • 一括して税抜表示とする場合
    • 一部商品で税抜価格とする場合
  3. まとめ
    • 税理士をお探しの方

この記事のポイント

  • 総額表示義務とは、消費税課税事業者に義務づけられたもの。
  • 総額表示は、消費者に配慮し分かりやすく表示しなければならない。
  • 令和3年(2021年)3月31日までの間は、「消費税転嫁対策特別措置法」の特例がある。

 

総額表示義務とは、消費税課税事業者に義務づけられたものです。
消費税額を含んだ総支払額がひと目で分かるようにするという目的から義務づけられました。
消費税が10%に引き上げられたことで、税込表示の問題点を解消するため、平成25年(2013年)10月1日から令和3年(2021年)3月31日までの間は、「消費税転嫁対策特別措置法」によって、総額表示をしなくてもよい特例が定められています。

総額表示義務とは

「総額表示」とは、消費者に商品の販売やサービスの提供を行う消費税課税事業者が、値札やチラシなどに、あらかじめ消費税額(地方消費税額を含みます。)を含めた価格を表示することをいいます。
総額表示義務とは、消費税課税事業者に対して義務づけられたものです。

国税庁のホームページによると、以下のような表示が「総額表示」に該当するとされています(消費税10%として例示)。

11,000円
11,000円(税込)
11,000円(税抜価格10,000円)
11,000円(うち消費税額等1,000円)
11,000円(税抜価格10,000円、消費税額等1,000円)

参照:国税庁「「総額表示」の義務づけ」

総額表示義務はなぜ必要か

もし税抜表示と税込表示が混在してしまうと、レジで総支払額がどの程度になるか分かりにくいケースがあります。そこで価格表示に対して税込価格を表示すること(総額表示)を義務づけて、消費税額を含んだ総支払額が、消費者にひと目で分かるようにするために、義務づけられました。

総額表示が義務づけられるのは、以下のような価格表示に対してです。

・値札、陳列棚、店内の価格表示
・新聞、雑誌、カタログなどの価格表示
・商品パッケージに対して印字する価格表示
・テレビ、ホームページなどの価格表示
・その他、消費税に対して行う小売段階の価格表示

総額表示義務の特例とは

消費税の引上げに伴い、平成25年(2013年)10月1日から令和3年(2021年)3月31日までの間は、「消費税転嫁対策特別措置法」によって、総額表示をしなくてもよい特例が定められています。
これは、消費税引上げに伴い総額表示を一貫して行うと、消費税課税事業者は必然的に短期間で何度も価格表示を変更しなければならなくなりコストや手間がかかるという理由からです。
この特例によって、令和3年(2021年)3月31日までは、「現に表示する価格が税込価格であると誤認されないための措置」を講じていれば税込価格を表示しなくてもよいとされています。

誤認されないための措置とは、「当店の商品は税抜き表示となっています」と説明を記載するなど、消費者が商品を選択する時に分かりやすく認識できる状態である必要があります。ただし、これはレジ周辺にだけ表示されているだけでは、認められません。また、商品に表示されていても字が小さくて消費者に読みにくければ、誤認されないための措置を講じているとは認められません。

つまりこの特例には、「消費者に十分配慮し、できるだけ速やかに税込表示に移行するべきである」という「努力義務規定」が盛り込まれているといえます。

総額表示義務に関する特例の趣旨及び概要
「消費税の円滑かつ適正な転嫁の確保のための消費税の転嫁を阻害する行為の是正等に関する特別措置法」(平成 25 年法律第 41 号。以下「本法」という。)第10 条第1項は、二度にわたる消費税率の引上げに際し、消費税の円滑かつ適正な転嫁の確保及び事業者による値札の貼り替え等の事務負担に配慮する観点から、本法の施行日(平成25年10月1日)から、本法が失効する平成33年3月31日までの間、消費税法(昭和 63 年法律第108号)第63条に規定する総額表示義務の特例として、税込価格を表示することを要しないものとしているが、消費者の利便性にも配慮する観点から、本特例の適用を受けるための要件として、「現に表示する価格が税込価格であると誤認されないための措置」(以下「誤認防止措置」という。)を講じることを求めている。
また、本法第 10 条第2項は、消費者の利便性に配慮する観点から、平成33年3月31日までの間であっても、本特例により税込価格を表示しない事業者は、できるだけ速やかに、税込価格を表示するよう努めなければならないと規定している。
参照:財務省「総額表示義務に関する特例の適用を受けるために必要となる誤認防止措置に関する考え方」

総額表示義務のポイント

前述したとおり、総額表示は、消費者に配慮し分かりやすく表示しなければなりません。総額表示は、個々の値札で表示するべきですが、それが困難である場合には、一括して税抜き価格であることを表示する方法も認められます。

個々に税抜価格と表示する場合

個々の値札で税抜価格を表示する場合には、消費者が商品を選択する際に「税抜価格である」ということが、すぐ判断できるように工夫する必要があります。

たとえば、値札、チラシ、ポスター、商品カタログ、インターネットのウェブページ等において、商品等の価格を「○○円(税抜)」「○○円(税別)」「○○円(税抜価格)」「○○円(本体価格)」「○○円+税」と明記しなければなりません。
また、それに加えて店内の消費者の目に付きやすい場所に、目立つように「当店の価格は全て税抜価格となっています。」といった掲示を行う必要があります。

引用:国税庁「「総額表示」の義務づけ」

一括して税抜表示とする場合

個々の値札で税抜価格であることを明示するのが困難なケースもあるでしょう。
その場合には、店内に「すべての商品について一括して税抜価格である」と掲示する方法も認められます。

ただし、この場合にも消費者に分かりやすく表示するよう工夫する必要があります。
レジやメニュー、カタログなど、目立つ場所に「当店の価格表示はすべて税抜表示となっています」「当店の価格表示はすべて税抜価格であり、レジで別途消費税が加算されます」といった注意書きを掲示する必要があります。

また、Webで商品を販売する際に一括して税抜表示とする場合には、個々の商品価格に税抜金額のみを表示して、あわせて消費者が商品等を選択する際にも分かりやすいように「本サイトの価格表示はすべて税抜表示となっています」などの表示を行う必要があります。
申し込みフォームまで遷移して初めてこういった表示を行うことは許されず、必ず商品を選択する時に明確に認識できる場所に表示しなければなりませんので、注意しましょう。

一部商品で税抜価格とする場合

消費税の新税率によって一部の商品について税抜価格を表示したい場合には、値札等に「税抜価格であること」を表示したうえで、「当店では税込表示の商品と税抜表示の商品があります。税抜価格の商品については、値札に「税抜」と表示させていただいております。」などの掲示を行う必要があります。
そのほか、税抜の商品と税込の商品の陳列棚を区分して「この棚の商品は、すべて税抜価格で表示しています」といった掲示を行う方法も認められます。

まとめ

以上、総額表示義務についてご紹介しました。
令和3年3月31日までの間は、「表示する価格が税込価格であると誤認されないための措置」を講じていれば税込価格を表示しないでもよいこととされていますが、これは明瞭に認識できる方法で行う必要があり、この特例は「消費者に十分配慮し、できるだけ速やかに税込表示に移行するべきである」という「努力義務規定」が盛り込まれているといえます。
したがって、早めに適切な措置に移行するようにしましょう。

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