法人(中小企業)の節税対策チェックリスト26

公開日:2018年08月01日
最終更新日:2019年04月03日

目次

  1. 法人(中小企業)の節税対策
    • (1) 固定資産の除却
    • (2)回収不能な不良債権はないか確認する
    • (3)不良在庫の処分を検討する
    • (4)同族会社の損金不算入対策
    • (5)減資の検討
    • (6)不要資産の売却
    • (7)売上計上基準の変更
    • (8)事業年度の変更
    • (9)社会保険料の未払い計上
    • (10)労働保険料の未払い計上
    • (11)固定資産税の未払い計上
    • (12)従業員の給料の締切日以降の計上
    • (13)少額減価償却資産の特例の適用
    • (14)中古車などの購入
    • (15)税額控除の対象となるリース契約等の検討
    • (16)固定資産の修繕
    • (17)役員退職金の支給
    • (18)役員や従業員の自宅を社宅にできないか
    • (19)社員旅行の実施
    • (20)出張旅費や日当を払うための旅費規程の作成
    • (21)中小企業退職金共済への加入
    • (22)中小企業倒産防止共済への加入
    • (23)生命保険の年払い
    • (24)地代家賃の年払い
    • (25)広告宣伝費
    • (26)人材採用費
  2. まとめ

この記事のポイント

  • 節対策を行うことで、納税額が大きく変わることがある。
  • 税務署のチェックが厳しい節税方法もあるので、安易に行うのはNG。
  • 税理士のアドバイスを受けながら、賢く節税対策を行うことが大切。

 

会社を経営するうえでは、節税対策が重要なのは言うまでもありません。有意義な節税対策を実行することで、会社の資金繰りを改善できることもあります。

しかし、自社にとって必要な節税対策は何なのか、何をどの順番で行えばよいのかは分かりにくいのではないでしょうか。

ここでは、法人(中小企業)にぜひとも検討してほしい、26個の節税対策をご紹介します。自社の事情に合致したものがあれば、税理士に相談したうえで、1つでも多く実行するようにしましょう。

法人(中小企業)の節税対策

中小企業においては、節税対策といっても今まで実施したことがないというケースもあり、節税対策を行っているケースでも、「黒字になりそうな時だけ」というケースも多いようです。
しかし、中小企業が行うことができる節税対策は、たくさんあります。そして、対策を行うか否かで、納税額が大きく変わることがあります。
ここでご紹介する節税対策のうち、自社で行えそうな対策があれば、税理士に相談して早めに実行することをおすすめします。

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(1) 固定資産の除却

固定資産の除却とは、現在、中小企業で持っている固定資産のうち不要なものを廃棄することです。固定資産は、除却するときに減価償却を行っていない部分の残存価額が残っていれば、除却した年度の経費とすることができますし、償却資産税を抑えることができるので、節税につながるのです。
また、不要なものを廃棄することは、使うことのできる事業スペースが広がりその固定資産の管理費用を節約することもできます。

(2)回収不能な不良債権はないか確認する

売掛金や貸付金のうち、回収できない不良債権がないかどうかをチェックしましょう。
売掛金や貸付金は資産として計上されますが、そのうち回収できない不良債権がある場合には、その分を経費とすることができるからです。
具体的には、こちらから内容証明郵便でその不良債権の相手先に「債権放棄」を通知します。これが税務上認められると、「貸倒損失」として、経費計上することができるようになります。
不良債権のうちいくらを経費とすることができるのかは、その不良債権の内容や採用する税務処理方法によって異なります。

例えば、債権放棄の手続きを行えば全額を損失とすることができますが、回収できる可能性があるときには不良債権の一部しか経費とすることはできません。詳細な処理方法については、税理士に相談することをおすすめします。

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(3)不良在庫の処分を検討する

不良在庫がたくさんあるということは、仕入れたものが売れ残っている状態になっているということであり、いずれ経営を圧迫することになりかねません。
そこで、このような不良在庫は処分することを検討しましょう。
不良在庫を処分すれば、その分を損失にできるので節税することができますし、さらに在庫管理費用を節約することもできます。
ただし、不良在庫の処分理由が適切かどうか、不良在庫の処分が適切に行われているかどうか、不良在庫を業者に売却した場合は収入に計上されているかどうかなど、不良在庫の税務処理で気をつけなければならないなど、注意すべき点が多いので、必ず事前に税理士に相談するようにしましょう。

(4)同族会社の損金不算入対策

中小企業の場合は、代表取締役である社長の家族が取締役になっているケースが多いのですが、同族会社の場合、役員に対する報酬は原則として経費にできません。しかし、定期同額給与など一定の場合には、経費にすることが認められています。

そこで、経費にすることができる役員に支払われている報酬がないかどうかをチェックし、経費にできる報酬があれば、その報酬の支払いを行うことで、大幅に経費にできる金額が変わり、経費として増えた額の分節税につながります。

(5)減資の検討

資本金が多い企業は、資本金を減らすことで節税になることがあります。資本金の金額によって、法人住民税の均等割りや税率が変わってくるからです。
例えば、会社設立時に資本金が1,000万円未満であれば、設立後の2年間(2事業年度)は消費税が免税になりますし、法人住民税の均等割税金の額にも差が出ます。
また、資本金が3,000万円以下の法人または個人事業主は、「中小企業投資促進税制」の税額控除の適用があります。

参照:中小企業庁「中小企業投資促進税制」

このように、資本金の額は1,000万円以下、3,000万円以下、5,000万円以下、1億円以下などのラインで、さまざまな特典があります。資本金が多いことで税金が高くなっている場合には、減資を検討することも節税対策の1つの方法ということになります。

(6)不要資産の売却

節税対策を検討するときには、不要な資産がないかどうかチェックしてみましょう。
不要な資産を売却して売却損が出れば、その損失の分だけ節税をすることができますし、併せて不要な資産の管理費用も節約することができます。
ただし資産を売却した場合には、消費税がかかる場合があります。金額によっては消費税の負担が大きくなってしまうこともありますので、この対策を実行する場合には、事前に税理士に相談して、売却をすべきか否かについて確認するようにしましょう。

(7)売上計上基準の変更

売上を計上するタイミングは、税務上いくつかの方法が認められています。売上計上基準は原則として、「商品や製品を引き渡した日やサービス完了の日」です。
しかし販売形態によっては、「相手方が商品や製品について検収完了した日」や「相手方が、商品や製品を使用したりサービスを受けたりすることができるようになった日」に、売上を計上することができます。
節税対策を考えると、なるべく売上の計上時期は遅らせた方が有利です。
そこで、例えば20日締めの得意先の場合21日から末日までの売上を計上しなければならないところを、継続適用という前提で21日日以降の売上を来期回しにすることができるわけです。
ただし、売上の計上については税務署のチェックが厳しいため、その年度に計上しなければならない売上かどうかは税理士に相談することをおすすめします。

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(8)事業年度の変更

一時期に売上が集中し、急に大幅な利益の増加が見込まれることがあります。
例えばある会社が決算の3~4カ月前になって、急に利益が上がることが分かったとしても、その時点でできる節税対策は限られてしまうことがあります。
このような時には、決算時期を早める「事業年度の変更」を検討するのもひとつの手です。

通常は、一度事業年度を決定したら、通常はずっと同じ事業年度で決算を行いますが、きちんとした手続きをすることで事業年度を変更することができます。

事業年度を変更すると、その年度の期間が短くなることから、その年度の利益を抑えることができるので、節税することができるということになります。
しかし、決算日を早くするということは、納税時期が早まるということでもあります。
したがって、納税資金を確保できるかどうかについてもあわせて検討するようにしましょう。

(9)社会保険料の未払い計上

従業員の雇用が増えれば増えるほど、社会保険料の負担は大きくなります。
社会保険の費用が増えれば、その分利益が減少するので、支払う税金が減るということでもあります。
社会保険料の支払時期は、通常は翌月です。その年度に負担すべき社会保険料が支払時期の関係で未払いになっている場合や、資金的な事情で社会保険料の支払いが遅れている場合には、社会保険料の未払分を経費とすることで節税をすることができます。
実際に支払いが済んでいなくても、「債務が確定」していれば、未払いとして費用計上できるのです。
例えば、12月決算の会社の場合であれば、12月末に支払う社会保険料は、通常11月分です。つまり12月分の社会保険料は未払いということになります。そして、最低1カ月分の社会保険料が未払い計上できるということになります。

(10)労働保険料の未払い計上

労働保険も、前述した社会保険料と同様に、未払い計上すれば、支払う税金を減らすことができます。
労働保険料は、6月1日から7月10日までに翌年度分(当年4月1日~翌年3月31日)を一括または3期に分割して前払いします。
例えば、12月決算の会社で3期に分割している会社であれば、3期目支払額のうち、会社負担額を未払い計上することができます。

(11)固定資産税の未払い計上

固定資産税は、その年の1月1日に固定資産を所有している人に対して課税されます。通常は、納付した時に経費とすることが多いのですが、まだ納付をしていなくても賦課決定されて納税通知書が届いている分については、未払いでも経費とすることができます。
例えば、12月決算の会社で4期に分割している会社であれば、4月目支払額を未払い計上することができます。

(12)従業員の給料の締切日以降の計上

従業員に給料を支払っている場合、給料の締日と支払日が異なることがあります。
いわゆる「締め日後」の給料については、費用計上が可能になります。
また、従業員に対する賞与は、支給した時に経費に計上する緒が原則ですが、決算賞与については、以下の条件を満たしていれば、未払い賞与を計上して当期の費用とすることができます。

① 事業年度終了日までに、すべての使用人に対して各人別に支給額を通知していること
② 事業年度終了日の翌日から1カ月以内に支払っていること。

(13)少額減価償却資産の特例の適用

通常資産は、10万円未満のものしかその年度の経費とすることができません。
10万円以上の資産については、資産計上をして減価償却を行い経費としていきます。

しかし中小企業で青色申告をしている場合には、30万円未満の資産についてその年度の経費とすることができます。この制度を「少額減価償却資産の特例」といいます。
ただし、適用を受けるためには、いくつかの要件を満たす必要がありますし、限度額についても注意する必要があります。詳細は、税理士に相談することをおすすめします。

(14)中古車などの購入

車を購入するとき新車を購入すると、減価償却によって経費に計上しなければならず、購入金額をすぐに経費にすることができません。しかし、中古車を購入すると新車より減価償却期間が短くなり、早い時期に経費とすることができます。
俗に言う「中古のベンツは節税に使える」というのは、このことを指しています。
通常ベンツの償却年数は6年ですが、これが4年落ちの中古のベンツになれば、償却年数が短くなり、2年とすることができるからです。

また、前述した「30万円未満の資産の少額減価償却資産の特例」は中古資産も対象なので、中古資産は新品より安く購入できて、新品より早く費用にできることになります。

さらに、車両を購入すると消費税の課税方法が一般課税であれば、車両を購入した分の消費税を消費税の控除金額とすることができます。車両の購入を検討している場合には、これらの税金がどのように課税されるのか考慮しながら、購入を検討するとよいでしょう。

(15)税額控除の対象となるリース契約等の検討

機械や設備などをリースで導入する場合、リースを開始した年度の法人税額のうち一定金額が控除できる制度があります。これらの制度を適用するには、事業者の規模や対象となる資産の要件を満たす必要があります。リース契約を行うときには、税額控除等の制度が適用できるかどうか、税理士に確認してから契約するようにしましょう。

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(16)固定資産の修繕

固定資産の修繕が多額になると、それが固定資産の価値を高めるものであるのか、固定資産の現状を維持するために必要なものなのかで経費とできるかどうかが変わってきます
「固定資産の価値を高める修繕」であれば、減価償却を行うことで複数年度をかけて経費としていかなければなりません。
一方で、それ以外の修繕の場合は、修繕を行った年に経費とすることができます。固定資産の修繕が、経費とできるものなのかどうかを検討し、その年度の経費にできるものは経費とすることで節税対策をすることができます。

(17)役員退職金の支給

役員退職金を支給して、それを経費に計上することで、大きな節税が期待できます。

役員に退職金を支給するときには、それまでの報酬や勤続年数によっていくらの退職金を設定するのかに注意を払わなければなりません。金額が過大の場合には、その分は経費に計上できないこともありますので、注意が必要です。
また、役員が完全に退職する前であっても、非常勤になったり退職に近い形で職務を変更したりした場合には、退職金を支給することができます。

中小企業の場合には、役員が自社から退職金をもらうことに躊躇する人もいますが、後々事業承継で多額の相続税を支払うことを考えれば、経営陣の個人資金を確保しておくことは必要なので、堂々と支給を受けてください。

(18)役員や従業員の自宅を社宅にできないか

役員や従業員の自宅が賃貸である場合、会社名義で借りることで、その費用が社宅と認められる場合があります。
ただし、家賃のうち全額を費用とできるわけではありません。通常は、会社負担分と個人負担分があり一般的には50%相当分が会社負担分として認められることが多くなっています。また、物件価格や内装からみて、あまりに豪華な社宅にあたる場合には、経費とすることができません。自宅が社宅とできるかどうかは、税理士に相談することをおすすめします。

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(19)社員旅行の実施

社員旅行を行うと、その旅行が福利厚生にあたる場合には経費として計上することができます。
ただし、「4泊5日以上」「1人当たり10万円程度」「50%以上が参加」などの要件を満たす必要があり、要件を満たさないと、福利厚生費として処理できずに課税対象となる可能性がありますので、注意しましょう。

(20)出張旅費や日当を払うための旅費規程の作成

出張の多い会社は、出張旅費規程を作成して節税しましょう。
出張に行くと、旅費や宿泊費以外にも、外食費などの費用がかかります。
このように出張が多い会社では、出張した人に営業手当が給料に上乗せして支給されることが多いでしょう。しかし、給料に上乗せして支給すると、所得税や住民税の課税対象となってしまいます。
そこで、出張旅費規程を作成して出張手当を支給するのです。出張手当を支給することにすれば、当然にその全額を会社の費用に計上することができますし、その出張手当は会社の消費税を計算する際に税額控除が可能となります。
なお、旅費規程を作成するためには、同規模の会社と比べて支給額が高額すぎないかどうかなどに注意をする必要があります。

(21)中小企業退職金共済への加入

中小企業退職金共済とは、従業員などの退職に備えて加入する共済です。退職金は通常は、支払時に経費としますが、中小企業退職金共済に加入することでその掛金を経費とすることができます。節税効果だけでなく、従業員などの退職に備えることができるという2つのメリットがあります。

(22)中小企業倒産防止共済への加入

中小企業倒産防止共済は、セーフティ共済ともよばれる制度で、取引先が倒産して売掛金などが回収できない場合などに備える共済です。
加入すると掛金は全額損金とすることができるうえに、掛金を40カ月以上支払うと、解約手当金が100%戻ってきます(※ただし、返戻金を受け取ったときには収益に計上しなければなりません)。

(23)生命保険の年払い

生命保険を年払いで1年分を前払いすることで、1年分の生命保険を一括して経費とすることができます。生命保険を月払いしている場合には、その月ごとに経費に計上していくために、月払いより年払いのほうが経費に計上できる金額が大きくなり、節税効果が高まります。

(24)地代家賃の年払い

地代や家賃を支払っている場合には、年払いで1年分を前払いすると、1年分の地代家賃を一括して経費とできる場合があります。
地代家賃を月払いしている場合にはその月ごとに経費に計上していくために、月払いより年払いのほうが経費に計上できる金額が大きくなり、節税効果が高まります。

(25)広告宣伝費

経費が少なく利益が大きくなってしまって節税をする必要がある場合には、広告宣伝をすることを検討してみましょう。
広告宣伝費は経費とすることができますので、利益が少ないときにはできないWeb広告や業界紙や雑誌などへの掲載を行うことで将来の売上アップを期待することができます。

(26)人材採用費

節税の対策をしなければならない時期は、業績が順調で利益が大きくなっている時期であることが多いのではないでしょうか。
業績が順調で、節税対策を行わなければならないということは、すなわち従業員の増員が必要になる時期が近づいていると考えることもできます。
そこで、来期以降の人材採用費を前倒しして、人材採用のための広告を行ったり従業員採用や福利厚生についての経費を支払ったりすれば、節税することができます。

まとめ

以上、中小企業が取り得る節税対策を挙げてみました。
ここで挙げた対策のうち、自社の事情に合致し実行できそうな対策があれば、ぜひ実行してみましょう。また、ここで挙げた以外でも、有効な節税対策はいくつもあります。
時には、納税額に何十万、何百万という差が出ることもあるのです。
税理士のアドバイスを受けながら、賢く節税対策を行い、会社の資金繰りを固めていきましょう。

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