会社の税金|法人3 税(法人税・法人住民税・法人事業税)まとめ

公開日:2019年12月22日
最終更新日:2021年08月07日

目次

  1. 会社が納める「法人3税」とは
    • 会社が納めるその他の主な税金
  2. 「法人税」は、会社の所得にかかる国税
    • 法人税の計算方法
    • 法人税は会社が申告書を提出して納める(申告納税制度)
    • 中小企業の法人税率の特例(令和5年3月31日まで延長)
  3. 「法人住民税」は、道府県民税と市町村民税がある
    • 法人住民税の均等割と法人税割とは
    • 法人住民税も申告納税制度
  4. 「法人事業税」は、行政サービスの経費を負担する税
    • 法人事業税は法人の区分に応じて税額を算定する
    • 法人事業税も申告納税制度
  5. 会社が納める税金「法人3税」のまとめ
    • 会社が納める税金「法人3税」について相談できる税理士を探す

この記事のポイント

  • 会社が毎年支払う税金には、法人税、法人事業税、地方法人税、消費税、償却資産税などがある。
  • 法人税、法人住民税、法人事業税は「法人3税」と呼ばれる。
  • 中小企業の法人税率の特例が延長された(令和5年3月31日まで)。

 

会社にはいくつか支払わなければいけない税金が存在します、
それらの中で特に「法人税等」と呼ばれるのは、「法人税」「法人住民税」「法人事業税」で、法人3税と呼ばれています。
この記事では、会社が納める税金の内容や、法人3税の計算方法、申告・納税の方法などについてご紹介します。

▶ 法人決算を税理士に依頼したい方はこちら

会社が納める「法人3税」とは

会社は、実に多くの税金を納めなければなりません。
土地や建物を所有していれば固定資産税を払いますし、契約や登記をすれば印紙税や登録免許税を支払います。
これらの税金のほとんどは、決算書でいうと「租税公課」という項目に分類され、会社の必要経費となります。
しかし、一般に租税公課として分類されない税金もあり、その代表は「法人3税」と呼ばれる法人税・法人住民税・法人事業税などです。この3つは、決算書の損益計算書でも「法人税等」と他の税金と区別されて表記されます。

この法人3税は、会社の儲け(所得)に対して課税されるもので、赤字の場合にはその部分は納めなくてもよいので、ほかの税金と少し異なる性質を持つといえます。

法人税
法人の所得税のようなもの。
ただし、その所得の計算方法や税額を計算する方法は、所得税と大きく異なる。

法人住民税
個人と同じように会社も住民税を払う。
道府県民税と市町村税がある。

法人事業税
会社が利用する都道府県の行政サービスの経費を分担する税金。
資本金が1億円以下かどうかで課税方法が異なる。

会社が納めるその他の主な税金

法人3税以外にも、会社が納める税金は数多くあります。

消費税
資本金が1,000万円以下会社の場合には、原則として設立後2期は免税されます。
期日以降は2期前の売上高が1,000万円を超えると課税されます。

不動産取得税
土地や建物を買ったり建物を建築したりした場合に、その取得したものに対して課税されます。取得した不動産の価格に税率を掛けて求めます。

固定資産税
固定資産(土地、建物、償却資産)を所有している場合には、賦課期日における固定資産の価格で固定資産課税台帳に登録されている固定資産に固定資産税が課されます。

事業所税
東京都の特別区、所定都市などに事業所等を設けている場合には、事業所税が課されます。

「法人税」は、会社の所得にかかる国税

法人税とは、法人の利益に課されるもので、個人の場合の所得税のような税金です。
法人税は、その事業年度の利益に税率を掛けて計算しますが、この利益がそのまま会計上の損益の金額となるわけではありません。
たとえば、交通違反の反則金などは、仕事に関連して課されたものであっても、経費にはなりません。
このように経費になるもの、ならないものを計算し、利益から経費になるものを差し引いた所得金額がプラスの場合には、法人税がかかります。

法人税法では法人を9つに分類していて、法人の種類によって課税される所得の範囲が異なります。
たとえば、公共法人(地方公共団体、独立行政法人の一部など)は非課税で、公益法人等(学校法人、宗教法人等)は収益事業から生じた所得に課税されます。

法人税の計算方法

法人税は、大まかに言えば、各事業年度の所得に法人税率を掛けて計算しますが、個人の所得税とは全く異なる計算方法で税額を算出します。

ここでまず、法人税の計算をする際に知っておかなければならない用語についてご紹介します。

・益金
基本的には、収益の額(売上高、受取利息など)ですが、この収益の額に法人税法の目的に応じた一定の調整を加えた金額が、益金となります。
たとえば、売上高のほかにも資産を無償で取得した場合(メーカー側の負担で、販売コーナーを設置してもらうなど)の収益なども含まれます。

・損金
基本的には、原価、費用、損失の額などが損金となりますが、益金と同じように法人税法の目的に応じた一定の調整を加えた金額が、損金となります。
たとえば、棚卸資産の販売、請負などの益金に対応する原価は損金の額に算入します。

・課税所得
課税所得は、その事業年度の益金からその事業年度の損金を差し引いた金額です。
ほとんどの場合には収益と同じになりますが、必ずしも同じではないケースもあります。したがって、ここでは「収益≒益金」という点は覚えておきましょう。具体的には、損益計算書に記載されている当期利益に一定の税務調整を加えたものに、法人税の申告書の別表四を使って所得金額を計算します。

・税務調整
税務調整とは、企業会計で計算した収益、費用、利益に、修正を加えることで、収益、費用、利益には入れるが、益金、損金、所得からは除外するなどの修正が加えられます。
たとえば、オーナー企業などが会社の家族役員に多額の賞与を払ったとします。これは、会社の利益を家族に渡したものと考えられるので、税法上は損金扱いにすることはできません。

まず所得金額は以下の計算式で算出しますが、まずは「所得=益金-損金」と理解しておけばOKです。

所得金額=(収益額+益金算入額-益金不算入額)-(費用額+損金算入額-損金不算入額)
=当期純利益+益金算入額-益金不算入額-損金算入額+損金不算入額

法人の決算利益に税務調整を行った結果の所得金額から、さらに一定の所得控除を行うことができます。そして、この所得控除を控除した残額は、各事業年度の所得金額となります。

各事業年度の所得金額=税務調整後の所得金額-所得控除

この所得控除後の所得金額に法人税率を適用して、算出税額を計算します。

算出税額=所得控除後の所得金額×法定税率

この算出税額は、そのまま納付税額となるわけではありません。ここからさらに各種の税額控除が差し引かれ、最終的な法人税額が算定されます。

法人税額=算出税額-税額控除

法人税の具体的な税率は、法人の種類や資本金の規模および所得金額によって決められています。
税率は、普通法人は一律23.2%ですが、期末資本金が1億円以下の中小企業については、特例として一部に軽減税率が適用されます(※後述)。

参照:国税庁「法人税の税率」

法人税は会社が申告書を提出して納める(申告納税制度)

法人税は、会社が自ら計算を行って、申告と納税を行います。
株式会社の場合には、企業会計原則等の会計基準に基づいて決算を行い、作成した貸借対照表や損益計算書などの決算書について、株主総会において承認を受けます。

そして、損益計算書に記載されている「当期利益」をもとに法人税の課税対象となる利益(所得金額)と法人税額を計算して、法人税の申告書等を作成します。

法人税の申告書の提出期限は、事業年度終了の日の翌日から2カ月以内です。なお、納税も同じ事業年度終了の日の翌日から2カ月以内に行います。

▶ 法人決算を税理士に依頼したい方はこちら

中小企業の法人税率の特例(令和5年3月31日まで延長)

法人税は、資本金または出資金の額が1億円以下である中小法人および人格のない社団などについて、年800万円以下の所得金額の部分には軽減税率が適用されます。

この租税特別措置法に規定された中小法人の法人税の軽減税率の特例は、適用期限が「令和3年3月31日までに開始される各事業年度」とされていましたが、令和3年の税制改正によって2年間延長されることになりました。

したがって、令和5年3月31日までに開始する各事業年度において適用されることとなります(※再び延長の可能性あり)。

区分 税率
資本金1億円以下の法人など 年800万円以下の部分 下記以外の法人 15%
適用除外事業者 19%
年800万円超の部分 23.2%
上記以外の普通法人

「法人住民税」は、道府県民税と市町村民税がある

法人住民税は、会社が納める住民税です。
個人の住民税と同じように、都道府県民税と市区町村民税があります。

法人
住民税
道府県民税 均等割 資本金・従業員数などに応じて課税される
法人税割 法人税額を基礎として課税される
市町村民税 均等割 資本金・従業員数などに応じて課税される
法人税割 法人税額を基礎として課税される

法人住民税の均等割と法人税割とは

法人住民税は、赤字の会社であっても均等割とよばれる定額部分が課税されます。
これは、社会への参加費用のようなもので、会社が存在しているというだけで課されるものです。定額部分は、資本金と従業員数によって異なります。

①均等割
法人の所得が黒字か赤字かを問わずに資本金や従業員の数などに応じて課税される定額部分です。
法人住民税の均等割は、資本金の額に応じて算定されます。
資本金の額等が1,000万円以下の普通法人(および一般社団法人など)は年額2万円、1,000万円超1億円以下の普通法人は年額5万円、1億円超10億円以下の普通法人は年額13万円となっています。

②法人税割
法人税額を基礎として課税される部分です。
法人住民税の標準税率は1%ですが、地方公共団体は条例によって2%の制限税率を設けることもできます。

法人住民税も申告納税制度

法人住民税は、原則として都道府県・市区町村に事務所、事業所がある会社が納める税金です。
法人税と同様に申告納税制度なので、確定申告書を作成して提出しなければなりません。
複数の都道府県や市区町村に営業所がある場合には、当期の法人税額を描く営業所の従業員野数で按分し、それに各地方公共団体の税率を掛けて計算します。

申告納付期限は、法人税と同じく各事業年度終了の日の翌日から2カ月以内です。

「法人事業税」は、行政サービスの経費を負担する税

法人事業税は、地方公共団体の行政サービスを受けている個人、法人の事業に対して、所得税または収入金額を課税標準として、都道府県に納税する地方税です。
法人がその事業活動を行うためには、都道府県の各種行政サービスを受けていることから、その必要経費を分担すべきであるという考えに基づいて会社に課税されます。

法人事業税は法人の区分に応じて税額を算定する

資本金または出資金の額が1億円を超える普通法人については、各事業年度の付加価値額に基づく付加価値割、各事業年度の資本金等に基づく資本金割、各事業年度の所得金額にもとづく所得割を合計して外形標準課税が行われています。
ただし、資本金または出資金の額が1億円以下である中小法人等については、各事業年度の所得(所得割)を課税標準として課税されます。

標準税率は、各事業年度の所得に応じて次のように決められています。
資本金1億円以下の会社の法人事業税の標準税率

所得金額 標準税率
400万円以下の金額 3.5%
400万円超800万円以下の金額 5.3%
800万円超の金額 7.0%

資本金1億円以下の会社の特別法人事業税の標準税率

所得金額 標準税率
上記の法人事業税 37%

資本金1億円超の会社の法人事業税

課税標準 課税対象額 標準税率
所得割 400万円以下の金額 0.4%
400万円超800万円以下の金額 0.7%
800万円超の金額 1.0%
付加価値割 当期利益+収益分配額
(※収益分配額=報酬給与+総支払利子+純支払賃借料)
1.2%
資本割 資本金等の額 0.5%

資本金1億円超の会社の特別法人事業税の標準税率

課税対象額 標準税率
上記の所得割額 260%

法人事業税も申告納税制度

人事業税も、法人税と同じく申告納税制度なので、確定申告をしなければなりません。申告納付期限は、法人税、法人住民税と同じく各事業年度終了の日の翌日から2カ月以内です。
都道府県税事務所・支庁に、地方法人特別税・法人の都民税と併せて申告して納めます。

会社が納める税金「法人3税」のまとめ

以上、「法人税」「法人住民税」「法人事業税」を中心に、会社が納める税金についてご紹介しました。
税金の申告は、売上にそれほど大きな動きがない場合には、会計ソフトを使えば自分で作成することができます。
ただし、会社の規模が大きくなると、税額の計算がかなり複雑になります。
また、会社に適用される特例がある場合には、その特例の適用を受けなければ納める税額がどんどん高額になってしまいます。
したがって、税金を正しく納め、税額を減らす特例の適用を受けるためにも、税理士に依頼して申告することをおすすめします。

会社が納める税金「法人3税」について相談できる税理士を探す

freee税理士検索では2,000以上の事務所の中から、法人税・法人住民税・法人事業税の節税対策について相談できる税理士を検索することができます。
また、コーディネーターによる「税理士紹介サービス」もあるので併せてご利用ください。

税理士の報酬は事務所によって違いますので、「税理士の費用・報酬相場と顧問料まとめ」で、税理士選びの金額の参考にしていただければと思います。
法人決算を税理士に依頼したい方はこちら

M&Aにノウハウを持つ税理士を探す

地域から税理士を探す

人気記事

タグ一覧

業種

その他

PageTop