アライアンスとは?意味や種類を分かりやすく

公開日:2024年01月09日
最終更新日:2024年01月09日

この記事のポイント

  • アライアンスとは、複数の企業が経営資源を提供し合って事業を行うこと。
  • アライアンスは、事業の効率化、生産性の向上などのメリットがある。
  • アライアンスの種類としては、大きく資本提携と業務提携がある。

 

アライアンス(alliance 企業提携)とは、複数の企業が経営資源を提供し合って共同で事業を行うことです。
すでにある資源を活用することで、自社だけでその事業を行うよりも、スピーディに、かつ少ない資金で事業を行なえるというメリットがあります。
アライアンスの種類としては、技術提携、生産提携、販売提携などがあります。

 

アライアンスの豆知識

アライアンスのパートナー候補の探し方としては、イベントや展示会に参加したり、コンサルティング会社や仲介業者を活用したり、スタートアップに関する情報サービスを利用したりといった方法があります。なかには、顧問税理士から顧問先企業の紹介を受けたり人脈を持った会社や人に紹介を受けたりするケースもあります。紹介者がいると、アライアンスの交渉が進みやすくなるというメリットがあります。

アライアンスとは

アライアンスとは、複数の企業が各々、資金、技術、人材などの経営資源を提供し合って、共同で事業を行い、シナジーを得ることで、競争力の強化や新規事業のスタートを目指すことです。
その目的はさまざまで、一般的には、生産力や販売力の強化・補充、技術力、開発力の強化・補充、新規事業の進出などで、その目的を達成するためにある程度長期にわたって共働関係をもち事業を行います。
アライアンスは、ベンチャー企業同士のケースもあれば、ベンチャー企業と大企業、大企業同士のケースもあります。

なお、経営統合したり子会社化したりすると、それはアライアンスではなくM&Aとなります。

(1)アライアンスのメリット

アライアンスのメリットとしては、効率化や生産性の向上、リスク分散などを挙げることができます。

①事業の効率化
自社だけでは新規事業を行うための経営資源を持っていなくても、アライアンスによって事業展開の効率化を期待できます。
足りない経営資源を自社で補うよりも、すでにその経営資源を持っている企業とアライアンスによって補完する方が、事業の効率化につながります。

②生産性の向上
自社だけである事業を行うよりも、すでにその領域に知見をもつ企業とアライアンスすることで、各企業の得意なこと・苦手なことを互いに補完することができ、生産性の向上が期待できます。つまり、アライアンスは新規事業の立ち上げだけでなく、既存事業の売上アップにも活用できるということです。また、独立して個々に営業活動を行っていた場合に生み出せなかった利益をアライアンスによって実現できるケースがあります。

③リスク分散
自社だけで事業を行うということは、そのリスクも自社だけで負うことです。
アライアンスを活用すれば、このリスクもシェアリングすることができるようになります。

(2)アライアンスとM&Aとの違い

アライアンスとは、双方が立場的に独立している状態で相互補完し、資本提携や業務提携によって継続的な協力を行ない、双方が成果や利益を享受するものです。
2社が独立せずに経営統合したり子会社化したりすると、それはアライアンスではなくM&Aとなります。
したがって、株式取得、事業譲渡、合併は、一般的にはアライアンスではなくM&Aとなります。

さらに、アライアンスは一過性のものではなく継続性のある関係性にあることですから、一過性のやり取りはアライアンスではなく、一般的な取引ということになります。

(3)アライアンスの種類は大きく2つ

アライアンスの種類としては、大きく「資本提携」と「業務提携」に区分されます。

資本提携 資本提携とは、資本関係に基づく提携で、合弁会社の設立や株式持ち合いにより協力関係を築きます。単に契約を解除することで関係が解消する業務提携より、解消しにくいアライアンスといえます。
業務提携 業務提携契約は、アライアンスのなかでも最もシンプルな類型です。
業務提携の内容は、当事者のニーズに合わせて自由に設計することが可能で、内容は技術提携や販売提携、生産提携、ブランド提携など、個々の状況に応じて異なります。

(4)資本提携

資本提携とは、株式を持ち合って資本の関係をつくることで、資本参加・ジョイント・ベンチャー等があります。

資本参加
資本参加とは、他の業務提携との組み合わせで株式を持ち合います。出資先の株式を保有するだけで経営に発言権を持たない場合を、「少数資本参加」といいます。
議決権所有比率が20%(または15%以上で一定の支配を持つ場合)には、原則として持分法適用会社となり連結財務諸表に損益が記載されるため、一般的にはそれより少ない割合にしますが、あえて一定割合の議決権を得て、出資先の経営に一定程度関与するケースもあります。
資本参加の手法としては、株式譲渡によって発行済株式を取得する方法と、第三者割当増資を利用して新株を取得する方法があります。
株式譲渡の場合には、既存の株主が保有している発行済株式を第三者に譲渡する方法で、会社としては資金調達ができないため、資金調達が必要な場合には、第三者割当増資を利用するのが一般的です。

ジョイント・ベンチャー
ジョイント・ベンチャーとは、複数の企業が経営資源を提供し合って、新規に一定の事業を行うために設立する会社です。
ジョイント・ベンチャーは、それ以外のアライアンスと比べてシナジーが発揮されやすいというメリットがある一方で、意思決定に時間がかかることがあるなどのデメリットもあります。

▶ ジョイント・ベンチャー(合弁会社)の設立と基礎知識

(5)業務提携

業務提携とは、もっともシンプルなアライアンスで、技術・知的資源の業務提携や販売資源の業務提携、生産資源の業務提携などさまざまな類型があります。
当事者のニーズに応じて契約の内容を自由に設計できることから、使い勝手の良いアライアンスといえます。

販売提携
販売提携とは、アライアンス先が持つ販売チャネルや人材等を活用して販売力を強化し、新規顧客の獲得や売上向上につなげるアライアンスです。
販売提携では、一般的に販売店契約や代理店契約が締結されます。
販売店契約とは、販売店が商品等を仕入る形の契約で、販売価格等は自分で決定することができ、販売価格と仕入価格の差額が収益となります。
代理店契約とは、ベンダー等が顧客に対して直接販売する際の手数料を受領する契約です。

技術提携
技術提携とは、他社が持つ技術資源を自社の開発や製造などに活用する方法で、コストの削減、開発リスクの減少、技術革新等につながるメリットが期待できます。ただし一方で、自社がコア技術を持っている場合には、その技術の流出等のリスクもあります。
技術提携では、一般的にライセンス契約や共同研究開発契約などを締結します。
ライセンス契約とは、知的財産権の保有者が利用者に利用を許諾し、ロイヤルティを支払う契約です。
共同研究開発契約とは、特定の技術または製品の研究開発を分担・協力して行うための契約です。

生産提携
生産提携とは、委託者が自社の生産能力を補完するために、受託者に対して生産の一部や製造工程の一部を委託するアライアンスです。
製造業やソフトウェア開発などで、よく活用される方法です。
生産提携では、一般的に製造委託契約やOEM契約を締結します。
製造委託契約とは、委託者が特定の製品の製造を受託者に委託して、委託料を支払う契約です。
OEM契約とは、受託者(メーカー)が委託者(販売者)の商標で、製品の製造を受託する契約です。受託者は、委託者の商標を付けた商品を製造し、委託者がその商品を買い取って再販売します。

(6)アライアンスの進め方

アライアンスは、戦略を決定しそのうえでパートナーを選定して交渉を行い、契約締結を行うというステップで進めます。

①アライアンスの戦略策定
②パートナーの選定
③交渉
④契約締結
⑤プロジェクトの実施・管理

①アライアンスの戦略策定
まずは、アライアンスを経営資源の調達手段のひとつと捉え、何を目的としてアライアンスを実施するのか戦略を明確にします。

②パートナーの選定
アライアンスのパートナーを選定します。
パートナーの選定は、アライアンスを成功させるための重要な一歩ですから、パートナー企業の選定、調査は十分に行うことが大切です。
事業内容や会社概要はもちろん、経営資源の相互補完性なども確認します。

③交渉
アライアンスを活用して成果を上げるためには、適切な合意が不可欠です。まずは自社の状況や求めるものを整理し、それを踏まえて相手と交渉を行います。
最初からできるだけ実質的意思決定者に近い人に打診する方が、その後のプロセスがスムーズに進みます。

アライアンス交渉を進めるうえでは、必要な情報を互いに開示し合う前に秘密保持契約を締結します。販売提携であれば販売実績や製品情報、技術提携であれば技術内容、資本提携であれば事業内容や財務情報などが開示されることになりますから、開示された秘密情報を厳重に管理し、第三者に漏洩しないことを確認します。

その後、アライアンスの概要について合意したうえで基本合意書を締結し、双方の考え方や大まかな条件を確認します。
この基本合意書には法的拘束力を持たせないのが一般的ですが、独占交渉権に拘束力を持たせる場合もあります。
その後、デューディリジェンスを行い、技術力や実施能力、税務・財務状態などを中心に調査します。

④契約締結
アライアンスの手法や諸条件について確認し、法的拘束力のある最終契約を締結します。
契約書には、後日のトラブルを回避するために、ビジネス上の条件や各当事者の権利義務、契約の終了事由、競業避止条項等について記載します。
最終契約や自社に有利になるよう交渉を行いますが、一方的に有利な契約はかえってトラブルを招きますので注意が必要です。

⑤プロジェクトの実施・管理
アライアンスの内容に応じて、事業に必要な要素、制度設計、体制の整備を行い、プロジェクトを実施します。
制度設計や体制整備は、契約交渉と並行して準備を行い、契約締結後に速やかにプロジェクトの実施に着手できるようにしておくことが大切です。
また、具体的な目標や達成方法も決めて、その達成度をモニタリングすることも大切です。

(7)アライアンス契約のポイント

アライアンス契約においては、アライアンスの目的、意思決定方法や運営体制、目標、ネガティブケースへの対処方法、契約の解消方法などを明確にし、制約条件や競業禁止を設計します

目的や経営資源の明文化でトラブルを回避する
アライアンスの目的は、明文化することでプロジェクトの方向性が明確になります。また、後々「この経営資源が提供されるはずだった」「この経営資源は、ここまでの範囲のつもりだった」などのトラブルを回避するために、あわせて経営資源や経営資源の範囲についても明確化しておきます。

意思決定方法や運営体制の明確化
意思決定方法や運営体制の明確化は、独立した複数の企業が提携するうえで不可欠となります。
具体的には、運営委員会などの利害調整を行うチーム体制などについて検討します。

目標設定はSMARTの法則で
目標はプロジェクトの特性や属性に合わせて柔軟に見直す体制、達成できなかったときのペナルティも設けます。
アライアンスの目標は、SMARTの法則にしたがって設定するのが効果的です。
SMART(スマート)の法則とは、一定の基準に沿って行う目標設定手法のことで、具体的には以下の5つの要素を含む目標設定を行うと、良い結果をもたらすと言われています。

①Specific(目標が明確であること)
②Measurable(目標が測定可能であること)
③Assignable(目標達成のために権限の割当がされていること)
④Realistic(目標が実現可能であること)
⑤Time-related(目標に期限の設定が設けられていること)

(8)アライアンスパートナーの見つけ方

パートナー企業の見つけ方としては、展示会やピッチ・イベントに参加したり、プレスリリースに着目してコンタクトをしたりする方法もあります。
最近は、スタートアップに関する情報を提供するサービスを行っている会社もあります。費用はかかりますが、こういったサービスを利用するのもよいでしょう。

ただし、何も接点のないところから連絡するよりも、M&A仲介業者やマッチングプログラムを活用したり、税理士や公認会計士に顧問先の企業を紹介してもらったりして見つける方が、アライアンスの交渉が進みやすくなります。
日頃から顧問税理士や社外関係者とコミュニケーションを密にしておくことで、継続的にアライアンスのパートナー候補を紹介してもらうことも期待できます。

まとめ

変化が激しい現代においては消費者の行動スピードの変化も激しく、それまで成り立っていた事業がそのままでは難しくなったり、逆に新規事業が急激に成長したりします。
このような変化に柔軟かつ迅速に対応するためには、アライアンスの活用が非常に有効です。自社だけで変化に対応しようとすると、スピードやパワーが追いつかない場合でも、アライアンスを活用すれば成功確率が高くなります。
ただし、相手企業にメリットがあると思ってもらえないと組んでもらうことはできません。自社の強みを見つけ資産を提供することで、ギブ・アンド・テイクを実現できる要素も大切になります。

アライアンスについて相談する

freee税理士検索では、数多くの事務所の中から、アライアンスの検討やアライアンスのパートナー選びなどについて相談できる税理士を検索することができます。
また、コーディネーターによる「税理士紹介サービス」もあるので併せてご利用ください。

税理士の報酬は事務所によって違いますので、「税理士の費用・報酬相場と顧問料まとめ」で、税理士選びの金額の参考にしていただければと思います。
 

\ アライアンスについて相談できる税理士を検索 /

都道府県
業種

アライアンスの税理士相談Q&A・経験談を見る

・会社設立前の契約を結ぶことができるか
「来月中に会社設立し、資本業務提携契約を結ぶ予定なのですが、会社設立前に暫定として来年1月からの資本業務提携契約を前もって結ぶことは可能でしょうか。
・共同事業(業務提携)における仕入高の仕訳方法について
「法人間で業務提携契約を結び、共同事業を進める予定です。
・業務提携における消費税の取り扱いについて
「売上・経費折半の業務提携契約を結ぶ予定です。
売上は弊社で全額を受け取った後、提携先へ半額を支払います。
経費も同様に、弊社で全額を支払った後、提携先へ半額を請求します。

この記事の監修・関連記事

監修:「クラウド会計ソフト freee会計」

クラウド会計ソフトの「クラウド会計ソフト freee会計」が、税務や経理などで使えるお役立ち情報をご提供します。
「クラウド会計ソフト freee会計」は、毎日の経理作業を最小限で終わらせることができるクラウド型会計ソフトです。疑問点や不明点は、freee税理士検索で税理士を検索し、相談することができます。

PageTop