賃貸経営にかかるお金|税金は?経費は?

公開日:2019年12月10日
最終更新日:2020年01月11日

目次

  1. 賃貸経営にかかるお金
  2. 賃貸経営の経費
    • 敷金、保証金、礼金、更新料の扱い方
    • 税金は経費になるものとならないものがある
    • 保険料が経費となる場合
    • 借入金は「利息」のみが経費
    • 修繕費が経費にならないこともある
  3. 賃貸経営の税金
    • 印紙税
    • 登録免許税
    • 不動産取得税
    • 固定資産税
    • 所得税・住民税
    • 事業税がかかることも
  4. 賃貸経営の節税対策
    • 青色申告が絶対トク!
  5. まとめ
    • 税理士をお探しの方

この記事のポイント

  • アパートやマンションの賃貸経営には、さまざまな経費、税金がかかる。
  • 手元に残るお金の量を増やすためには、経費をもれなく計上して「所得」を抑えること。
  • ただし、経費にならないのに経費として計上してしまうと、税務署から問合せがくることもあるので注意が必要。

 

アパートやマンションの賃貸経営には、さまざまな経費、税金がかかります。
火災保険、建築費用、修繕費や、銀行から融資を受けた時の借入利息などの経費の他、所得税や不動産取得税などの税金がかかります。

この記事では、賃貸経営にかかるお金の基礎知識についてご紹介します。

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賃貸経営にかかるお金

アパートやマンションの賃貸経営においては、さまざまな経費を支払い、税金を納めていく必要があります。賃貸経営は長期間にわたりますので、経費や税金についての知識を持っているかどうかで、手元に残るお金の量が大きく変わることになります。

手元に残るお金の量を増やすためには、経費をもれなく計上して「所得」を抑えること、さらに青色申告の承認を受けることが大切です。
青色申告をするためには、帳簿をつける必要がありますが、クラウドの会計ソフトを活用すれば、日々の経理作業を大幅に削減することができます。

「会計ソフトって何?「クラウド会計ソフト」って何?」を読む

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賃貸経営の経費

賃貸経営をするうえでは、修繕費や保険料の支払いなど、さまざまな経費がかかりますが、なかには、経費とすることができないものも含まれます。
経費にならないのに経費として計上してしまうと、税務署から問合せがくることもあります。
そこで、何が収入となり、何が経費として計上できるのかをまずしっかり理解しておく必要があります。

敷金、保証金、礼金、更新料の扱い方

「敷金」「保証金」は、入居者にいずれ返すものとして預かっているものなので、収入にはなりません。ただし、敷金、保証金が「契約期間に応じて償却する」という契約になっている場合には、将来的に収入になることになります。契約期間中に返さない部分がある場合には、その返さない部分が期間中の収入となりますし、契約期間が終了した時に返さない部分が確定した時には、それが判明した時に収入となります。

一方、「礼金」や「更新料」は受け取っていずれ返すという性質のお金ではありませんので、通常の家賃収入と同じくその年の収入になります。不動産業者に入居者募集などを依頼している場合には、業者に対する手数料を差し引いた金額が収入となります。
なお、この時業者に支払う手数料は、必要経費になります。

税金は経費になるものとならないものがある

税金のうち、固定資産税や登録免許税などは必要経費になりますが、所得税や住民税などは確定申告の際の「所得」に対して発生するものであり、経費とすることはできません。また、国民健康保険税\料は経費にはなりませんが、収入から所得を計算する際の「所得控除」に該当しますので、結果として収入から控除することができます。

収入-必要経費=所得
所得-所得控除=課税所得金額

保険料が経費となる場合

火災保険や地震保険の保険料を経費とするためには、以下の3つのポイントをクリアする必要があります。

①その保険が、「物件」の損害を補償するための保険であること
ただし、人に対して支払った保険料は「所得控除」を受けることができます。

②加入した保険に「満期」があるか
掛捨てタイプなら、支払った保険料の全額が経費になりますが、満期がある場合には、払込金額のうちの「掛捨て部分」だけが経費となります。

③加入した保険の支払額は何年分か
本年中の期間にかかる保険料は経費とすることができますが、翌年以降の期間にかかる保険料は、本年中ではなく、翌年以降で経費とすることになります。

借入金は「利息」のみが経費

アパートやマンションを建設するうえでは、銀行から借入をすることが多いですが、この借りたお金を返す時には支払利息しか経費にすることはできません。
借りたお金を返すのは「支出」なので、借入金の元金を利息と合計して「支払利息」として経費として計上してしまうケースがありますが、経費とできるのは借りた時より余計に支払う「支払利息」の部分だけなので、注意しましょう。

修繕費が経費にならないこともある

賃貸物件は修繕することがよくありますが、修繕費は経費なる場合と資産になる場合があります。つまり、今までの状態に戻す「修繕」なのか、価値をアップさせる「資産」なのかという判断が必要になります。
物件の価値は、購入した時から下がっていくものですが、価値がアップするための修繕や使用期間を延長するための修繕費用は「資産」とみなされることになるのです。
そして、資産となる費用は一度に経費として計上するのではなく、減価償却期間を通じて経費化していくことになります。

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賃貸経営の税金

賃貸経営を行ううえでは、さまざまな税金がかかります。
アパート・マンションを建てる時には、契約を締結しますので「印紙税」がかかりますし、建物が完成した時には「登録免許税や「不動産取得税」がかかります。
また、家賃収入には「所得税」や「住民税」がかかりますし、建物を手放す時にも「所得税」や住民税」がかかります。建物を贈与すれば「贈与税」がかかりますし、相続が発生した場合には「相続税」がかかります。

印紙税

アパート・マンションを建てる時には、契約を締結しますが、この契約書を締結する時にかかるのが「印紙税」です。
印紙税は、郵便局などで印紙を購入して契約書に貼付することによって納税します。
契約書は通常は2通作成してそれぞれが1通ずつ所持しますが、この時1通だけ作成してコピーを持っておくようにすると、印紙税を節約することができます。

「印紙の金額と印紙を貼るべき文書・契約書」を読む

登録免許税

建物が完成して登記をする時にかかるのが「登録免許税」です。

なお、他人から不動産を手に入れて登記をすることを「所有権の移転登記」といい、自分が持っている土地に建物を建てる場合の登記を「所有権の保存登記」といいます。
また、銀行から建築資金の一部を借入れる時には、建築する建物と敷地を担保として提供することになります。これが、銀行が「万が一借入金が返済できなくなったら、土地と建物を処分して借金を回収する」ということで、この時行われる登記を「抵当権の設定登記」といいます。

登録免許税の税率は、「所有権の移転登記」「所有権の保存登記」抵当権の設定登記」の種類によって、以下のように異なります。

「登録免許税の税額・マイホームの場合の軽減税率」を読む

参照:国税庁「登録免許税の税額表」

不動産取得税

建物が完成するとかかるのが「不動産取得税」です。
なお、不動産取得税は、無料で不動産をもらった場合にも課税されますので、贈与や交換などで不動産を手に入れた場合にも課税されます。
ただし、相続によって取得した場合には不動産取得税は課税されません。
不動産取得税は、不動産を取得した人が都道府県の県税事務所に報告しなければならないことになっていますが、現実には不動産取得をわざわざ報告する人が少ないことから、都道府県で不動産取得の事実を所有権の移転登記などで把握し、納税通知書が郵送されてくることになります。

不動産取得税の税率は、令和3年3月31日までに宅地等(宅地及び宅地評価された土地)を取得した場合は、取得した不動産の価格×1/2を課税標準額とされます。

参照:東京都主税局「不動産取得税」

固定資産税

固定資産税とは、毎年1月1日現在において土地や建物の所有者として固定資産課税台帳に登録されている人に対して課税される市町村民税です。
アパートやマンションを新築した場合には、その年の翌年から固定資産税が課税されることになります。
固定資産税の税額は、「固定資産税評価額」の1.4%が標準税率ですが、市町村によって税率は多少異なります。

所得税・住民税

家賃収入を得るようになると、所得税が課税されます。
所得税は、毎年3月15日までに確定申告をして所得税を納めなければなりません。
住民税については、所得税の確定申告を提出している場合には住民税の申告もしたことになりますので、特に提出する必要はありません。

事業税がかかることも

アパート・マンション経営を「事業的規模」で行っていると認定されると「事業税」が課税されます。つまり、事業規模と判定されるかどうかで事業税が課税されるかどうかが決まる訳です。事業規模の判定は、10室以上ある場合や住宅の敷地を貸付けている場合などですが、これらのケースに該当しない場合でも都道府県が事業的規模と認定すると事業税が課税されることになります。

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賃貸経営の節税対策

アパート・マンションなどの不動産の賃貸経営をするうえでは、節税対策をするか否かで手元に残るお金の額が変わります。節税対策の方法についてはさまざまですが、まず必ず行いたいのが「青色申告の承認を受けること」です。

青色申告が絶対トク!

アパート・マンションなどの不動産の賃貸経営を行っている人は、原則として2月16日から3月15日までに税務署に前年1年間の稼ぎを申告する必要があります。
これを「確定申告」といいますが、確定申告には「白色申告」と「青色申告」の2種類があります。
青色申告は、白色申告と比較すると、最大65万円の控除(税金を減らすことができる)など、さまざまな特典が用意されていて節税効果は絶大です。
青色申告をするためには、事前に税務署に「所得税の青色申告の承認申請書」を提出しなければならず、また帳簿をつける必要があります。
この帳簿は、複式簿記で行わなければならないため、ハードルが高いと感じる人も多いようですが、会計ソフトを活用すれば、複雑な複式簿記も簡単に行うことができます。したがって、青色申告のために必要な帳簿づけも白色申告に必要な帳簿づけと変わらずに楽に行うことができますので、ぜひ青色申告にチャレンジするようにしましょう。

たとえば、電車、タクシー、駐車場料金などの交通費を毎日手入力するのは大変な作業ですが、「クラウド会計ソフトfreee」にクレジットカードを同期させれば、交通費の支払いはすべて帳簿に自動で仕訳をされますので、毎日入力作業をする必要はありません。
青色申告を行なうために必要な複式簿記はもちろん、経費がいくらかかっているのか、収入はどれくらいかなどもさまざまなレポート機能ですぐに確認することができます。

会計ソフトfreee「不動産オーナーにピッタリの会計ソフト」

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まとめ

以上、賃貸経営にかかる税金や経費の取扱いについてご紹介しました。
アパート・マンションなどの不動産の賃貸経営は、家賃収入=不労所得というイメージを持つ人も多いのですが、建物を維持するためには修繕費などの費用がかかりますし、建物を建てる時、完成した時、建築工事の請負契約を締結した時、とさまざまな場面で税金がかかります。
これらの支出を把握し、少しでも税金を安くすることが、不動産の賃貸経営を成功させるためのコツです。ここでご紹介した以外にも、節税対策の方法は多々あります。
どの節税対策を行うのが適切かは、個々の状況によって異なりますので、早めに不動産経営に詳しい税理士に相談することをおすすめします。

税理士をお探しの方

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また、コーディネーターによる「税理士紹介サービス」もあるので併せてご利用ください。

税理士の報酬は事務所によって違いますので、「税理士の費用・報酬相場と顧問料まとめ」で、税理士選びの金額の参考にしていただければと思います。

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