雑給とは?給与との違いは?源泉徴収はするか?

公開日:2023年03月28日
最終更新日:2023年03月29日

この記事のポイント

  • 雑給とは、アルバイトなどに支給する給料などを処理するときに使う勘定科目。
  • 雑給は、正社員の給料と区別するために使われる。
  • 雑給は、源泉徴収をして処理をする。

 

雑給とは、アルバイトやパートなどに支払われる給料を処理する時に使う勘定科目です。正社員の給料と区別するために使われます。
雑給は、支払の際に源泉所得税を差し引いて支払います。

雑給とは

会社の業務に従事している従業員に対して、その労務の対価として支払われるものは、「給料」「給与」として処理しますが、アルバイトやパートなどに支払われる給料は、正社員への給料と区別して「雑給」として処理する場合があります。

(1)雑給に該当するもの

雑給に該当する主な支払いは、以下のとおりです。

アルバイト給与
パートタイム給与
定時社員給与
契約社員給与
臨時社員給与
インターンシップ(職業体験)給与
アシスタント給与(日給、時給)

(2)雑給と給料・外注費との違い

「給料」という勘定科目は、正社員に対する給料、各種手当(住宅手当、残業手当など)の支払いを処理する時に使う勘定科目です。

個人事業主が青色事業専従者(家族など)に支給する給料や賞与の支払いについては、「専従者給与」という勘定科目を使います。

会社の取締役、監査役などの役員に対する定期的な報酬(賞与、退職金以外)の支払いについては「役員報酬」という勘定科目を使います。

他の業者に業務の一部を依頼した時の支払いについては、「外注費」「外注加工費」という勘定科目を使います。

(3)雑給は源泉徴収する

雑給をアルバイトやパートに支給する場合には、源泉徴収をします。1カ月、半月ごとに支払う場合には、源泉徴収税額表の月額表、毎日または週ごとに支払う場合には、日額表を使用します。

源泉徴収税額を確認するためには、国税庁が発表している源泉徴収税額表を確認します。源泉徴収税額表は、甲・乙・丙欄に区分されています。

アルバイトやパートに「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」を提出させている場合には「甲欄」を使用し、提出させていない場合は「乙欄」を使用します。

参照:国税庁「令和4年分源泉徴収税額表」

「展示会のためにアルバイトを雇い、アルバイト料2万円を現金で支払った。その際、源泉所得税2,000円を差し引いて支払った。」

借方 貸方
雑給 20,000 現金 18,000
預り金(源泉所得税) 2,000

(4)雑給と昼食代(まかない)の処理

従業員に食事を提供する場合に「福利厚生費」で処理するためには、以下の条件をすべて満たす必要があります。

①従業員の負担額が50%以上であること
②会社負担額が1カ月あたり3,500円(税抜き)以下であること

上記の条件を1つでも満たさない場合には、食事の価額と徴収した金額との差額を従業員の「給料」とします。この時の食事の価額とは、飲食店のまかないなどのお店で調理する場合には、材料など直接かかった経費であり、仕出弁当などを購入する場合には、その購入価額となります。

「アルバイトに、バイト料10万円から源泉所得税等1000円と今月のまかない分3500円を差し引いて、普通預金から振り込んだ。」

借方 貸方
雑給 100,000 普通預金 95,500
預り金(源泉所得税) 1,000
売上高 3,500
「アルバイトに、バイト料8万5,000円を支払う際に、今月の昼食代1万円のうち、本人負担分5,000円と源泉所得税等230円を差し引いて、現金で支払った。」

借方 貸方
雑給 90,000 普通預金 79,770
福利厚生費(天引分) 5,000
福利厚生費(会社負担分) 5,000
預り金(源泉所得税等) 230

昼食代の会社負担額が3,500円(税抜き)を超える場合、従業員が半分負担していても会社負担分(1万円-5,000円=5,000円)は、給与となります。

(5)商品を値引き販売する場合

従業員に商品を値引販売する場合に「福利厚生費」で処理するためには、以下の条件をすべて満たす必要があります。

①商品の通常の販売価額×70%≦値引販売価額
②商品の取得価額≦値引販売価額
③値引率が全従業員で同一、もしくは地位や勤続年数などによって合理的なバランスの範囲内で格差があること(特定の従業員を特別扱いしないこと)
④値引販売する数量が、一般消費者が通常使用する程度であること(転売などしないことが前提)

まとめ

雑給は、アルバイトやパートなどに支給する給料や諸手当の支払いを処理する時の勘定科目です。正社員に支給する給料と区別して処理する時に使います。
賄い費や昼食代の支給については、一定の範囲内であれば福利厚生費とすることができます。
要件等については税理士に確認し、適切な処理を行うことが大切です。

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金額は、20万、15万、15万を現金で渡したのですが、雑給として計上していいのでしょうか?
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「年末調整書類作成のために、家内に8万円で手伝ってもらいました。家内は役員でも従業員でもありません。表題の内訳書に計上する必要があるのでしょうか。また計上する場合は、従業員として計上するのでしょうか。ちなみに勘定科目は「雑給」で計上しています。

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