所得税とは|所得の種類、税額計算、節税対策

公開日:2019年04月13日
最終更新日:2019年04月18日

目次

  1. 所得税とは
    • 個人の所得税の計算(原則)
    • 所得の種類によって課税方法が変わる
  2. サラリーマンは「給与所得」で「源泉徴収制度」
    • 所得税の源泉徴収とは
    • 給与所得の所得税額の計算方法
    • サラリーマンの経費といわれる「給与所得控除」
    • サラリーマンの必要経費が別に認められることも
    • 寄付控除、医療費控除、雑損控除は別途確定申告が必要
  3. 個人事業主は「事業所得」
    • 事業所得の所得税額の計算方法
    • 確定申告が必要
    • 「所得控除」で税負担を軽くする
    • 「税額控除」で税負担を軽くする
    • 確定申告の方法
  4. まとめ
    • 節税対策に強い税理士をお探しの方

この記事のポイント

  • 所得税とは、個人の所得に対して国がかける税金のこと
  • 所得税の税額は、儲けている人ほど税金が高くなる「累進課税」
  • 「復興特別所得税(基準所得税額×2.1%)」も課税される

 

所得税とは、個人の1月1日から12月31日の1年間の利益(所得)にかかる税金であり、法人税とともに最も基本的でシンプルな税金であるということができるでしょう。
所得税は、本来は個人の所得に対する税金ですが、法人の特定の所得についても課税されることがあります。
なお、所得税は、所得が多くなるにしたがって段階的に税率が高くなる「累進課税制度」で課税されます。また所得税は、建前として納税者が自分で納める税金の額を計算して申告し、納める「申告納税方式」をとっています。

所得税とは

税金には、国に治める「国税」や地方公共団体に納める「地方税」などがありますが、所得税とは、個人の1月1日から12月31日までの1年間の所得に対して課税される「国税」です。
この所得税は、本来は個人の所得に対して課される税金ですが、法人の場合も一定の場合(公債、社債および預金の利子や、法人から受ける剰余金の配当、利益の配当など)には源泉徴収の方法で所得税が課税されることがあります。
ここでは、個人の所得税の基礎知識について、ご紹介します。

個人の所得税の計算(原則)

所得税は、個人の1年のすべての所得から、各種の所得控除を差し引いた残りの金額(課税所得金額」に、所定の税率を適用して税額を決定します。
原則として、以下の計算式で税額を計算します。

参照:国税庁「所得税及び復興特別所得税のしくみ」
(1) 所得金額の計算
まず所得金額を計算します。
「所得」とは、働いて得た「収入」から「必要経費」を差し引いた金額です。

「収入」-「必要経費」=「所得」

(2) 課税される所得金額の計算
所得から「所得から差し引かれる金額(所得控除)」を差し引いて「課税所得金額」を求めます。この課税所得に応じて、課税するための税率が決まります。

「所得」-「所得控除」=「課税所得金額」

所得控除とは、税法上同じ所得金額であっても扶養家族の人数や災害に遭って損害が出た人など、個人的な事情に沿ってあらかじめ一定の金額を所得から差し引くことができる制度です(その分課税される所得の額を減らすことができます)。
所得控除は全部で14種類あり、適用される控除の種類によって控除額は異なりますが、適用される所得控除が多ければ多いほど、節税効果があります。

「損をしない!14種類ある所得控除の受けられる人と控除額」を読む

サラリーマンの場合には、会社で年末調整をしてくれるので所得控除について申告する必要はありませんが(ただし、医療費控除、寄付金控除、雑損控除を除く ※後述)、個人事業主など確定申告を行なう場合には、所得控除については原則として自分で申告しなければ所得控除の適用を受けることはできません。
適用できる控除があるのに申告しないままでいると、その分多く税金を支払ってしまうことになりますので、注意しましょう。

(3) 所得税額の計算
「課税所得金額」に「所得税率」を掛けて適用します。
この税率は、所得が多くなるにしたがって段階的に税率が高くなる「累進課税制度」で課税されます(つまり、儲けていれば儲けているほど税金が高くなります)。

「課税所得金額」×「税率」=「基準所得税額」

(4) 所得税額から差し引く税額控除の計算
「税額控除」を差し引いて「差引所得税額」を計算します。先程の所得控除とは別に、所得税から直接差し引けるのが「税額控除」です。
税額控除としては、いわゆる住宅ローン控除などがあります。

「税金が安くなる「税額控除」|所得控除との違いは?節税効果は?」を読む

(5) 所得税額・復興所特別所得税の計算
「所得税額から差し引かれる金額を差し引いた後の所得税額」が「基準所得税額」となります。
2037年までは、東日本大震災からの復興施策として復興特別所得税(基準所得税額×2.1%」が課税されます。この復興所特別所得税と基準所得税が、納めるべき所得税ということになります。

「納税額」×2.1%=復興所特別所得税

所得の種類によって課税方法が変わる

ひとくちに「所得」といっても、その種類は10種類あり、課税の方法が違ってきます。
所得税の課税方法は、大別すると総合課税と分離課税の2つに分かれます。
総合課税とは、給与所得(サラリーマンなど)や事業所得(個人事業主など)、不動産所得(土地や建物などの不動産の貸付けなど)などがあり、すべての所得を合算して計算します。
一方分離課税とは、他の所得とは合算しないでそれだけに独自の税率を掛けて税金の計算をする方法です。分離課税となる所得としては、不動産譲渡所得(土地建物の譲渡など)や山林所得(山林を伐採して譲渡したり、立木のままで譲渡したりしたことで得た所得)などがあります。

「所得税とは?所得10種類の税金のかかり方と計算方法!」を読む

サラリーマンは「給与所得」で「源泉徴収制度」

サラリーマンの給与は、10種類ある所得のなかで「給与所得」に該当します。
所得税は、原則として納税者自身が1年間の所得金額とそれに対する税額を計算して申告・納税する申告納税が原則ですが、サラリーマンの場合には、会社が源泉所得税を計算して、その所得税を差し引いて税務署に納付する「源泉徴収制度」が採用されています。

所得税の源泉徴収とは

「給与所得」では、その所得の支払者(会社など)が、支払う際に源泉所得税を徴収してこれを納付する「源泉徴収制度」が採用され、所定の方法で源泉所得税額が計算され、支払額からその「源泉所得税額」を差し引いて、これを税務署に納付しています。これを「源泉徴収制度」といいます。そして、この「源泉徴収制度」で源泉徴収された税額は、年末調整で過不足税額の清算と納付が行われ、年末調整で処理できなかった医療費控除や住宅ローン控除の還付申告は確定申告します。
「源泉徴収制度」は、給与所得のほかにも、利子、配当、報酬などを支払う際にも採用されています。

「住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)|必要な手続き&記入例」を読む

給与所得の所得税額の計算方法

これまで述べてきたように、所得税は「収入」に対して直接税金が課税されるわけではなく、給与所得や所得控除を差し引いた額に課税されます。

所得税額=(収入-給与所得控除※-所得控除)×税率-税額控除(該当する人だけ)

サラリーマンの経費といわれる「給与所得控除」

前述したとおり、「所得」とは、働いて得た「収入」から「必要経費」を差し引いた金額です。個人事業主の場合には、交際費や書籍代などが必要経費となりますが、サラリーマンにはこのような必要経費などが原則として認められません。
そこでこれらの事情を考慮して、サラリーマンにも必要経費に類するものとして「給与所得控除」という控除枠が設けられているのです。
このような事情から、「給与所得控除」をサラリーマンの必要経費と呼ばれることもあります。
この給与所得控除額は、1年間の収入によってその金額が変わってきます。
給与所得については、平成30(2018年)度年税制改正により、2020年分以降年収850万円を超えると195万円で固定されることとなりました。この改正は、2021年分以降から適用されます。

参照:国税庁「源泉所得税の改正のあらまし」

サラリーマンの必要経費が別に認められることも

先程、サラリーマンには原則として必要経費が認められず、それに類するものとして「給与所得控除」があると説明しましたが、特定の費用を支払った場合でその支払額が給与所得控除額を超える時には、その超える部分をさらに差し引くことができます。
特定の費用とは、通勤費や点拒否、研修費など、会社から証明されたものに限ります。また、会社などから補助された金額は除きます。

寄付控除、医療費控除、雑損控除は別途確定申告が必要

サラリーマンの場合には、会社が年末調整をしてくれるので、所得控除について新たに申告をする必要はありませんが、雑損控除、医療費控除、寄付金控除の3つについては、会社で年末調整をしてもらうことはできませんので、自分で確定申告をしないと損をしてしまいます。必ず申告をするようにしましょう。

(1) 雑損控除
自然災害や火災、盗難、横領などで損失があった人が受けられる控除です。控除額は以下のいずれか多い方となります。

正味の損失額-総所得金額等×10%
災害関連支出額-5万円

(2) 医療費控除
多額の医療費(10万円超)がかかった人が受けられる控除です。
控除額は以下のいずれか多い方となります。

正味の損失額-10万円
正味の損失額-総所得金額等×5%

「医療費控除の確定申告に必要な計算方法と還付を受けるための手続きとは」を読む

(3) 寄付金控除
国や公益法人など特定の寄付金を支払った人(ふるさと納税など)が受けられる控除です。
控除額は以下のいずれか少ない方となります。
※ふるさと納税のワンストップ特例制度を利用した人は、確定申告不要です。

特定寄付金の額-2,000円
(総所得金額等×40%)-2,000円

「ワンストップ特例制度(ふるさと納税)の2つのメリット・2つのデメリット」を読む

なお、サラリーマンが確定申告をしなければならないのは、雑損控除、医療費控除、寄付金控除の適用を受ける時だけではありません。
給与所得以外の副業による収入が20万以上ある人は、年末調整を受けていても確定申告を行なわなければなりませんし、マイホームを取得した場合、株取引で損をしてしまった人などは、確定申告をする方がお得なこともあります。

「副業、株取引…会社員でも確定申告する必要がある人、しないと損する人」を読む

「サラリーマンが実践できる8つの節税術」を読む

個人事業主は「事業所得」

10種類ある所得のなかで、サラリーマンの所得が「給与所得」であるのに対して、個人事業主の所得の多くは、「事業所得」に該当します。
例えば、カフェなどの飲食店を経営している個人事業主の場合には、その飲食店の売上が事業所得の対象となります。
なお、個人事業主でも土地や建物などの不動産を貸して得る所得は「事業所得」ではなく「不動産所得」となりますし、土地や建物、株式などの資産を売却した時の所得は「譲渡所得」、株の配当などは「配当所得」となりますので、何が「事業所得」となるかについては、注意しましょう。

事業所得の所得税額の計算方法

事業所得も給与所得と同様、総合課税で、所得が多くなるにしたがって段階的に税率が高くなる「累進課税制度」で課税されます。
税率は、最低5%から最高45%までの税率を乗じます。

所得税額=(収入-必要経費-所得控除)×税率-税額控除(該当する人だけ)

所得税速算表は以下の通りです。

参照:国税庁「所得税の税率」

確定申告が必要

サラリーマンの場合には、会社で年末調整を行って税額を調整してくれますが、個人事業主の場合には、確定申告を行なわなければなりません。
確定申告は、年の1度行われます。「平成○年分の所得税及び復興特別所得税の確定申告書」という書類に、必要事項を記入して、自分の住所を管轄する税務署に提出します。

「個人事業主の確定申告と必要経費とは」を読む

「確定申告書のしくみ・種類・トクする書き方や相談方法」を読む

「所得控除」で税負担を軽くする

前述したとおり、所得控除は適用される所得控除が多ければ多いほど、節税効果があります。
サラリーマンと違い、個人事業主の場合には自身でどの所得控除が適用されるか確認する必要があります。
所得控除は14種類あるので、自分が受けられる控除はもれなく受けて、税負担を軽くするようにしましょう。

「税額控除」で税負担を軽くする

「税額控除」は、所得税額から直接差し引ける控除得、節税効果は絶大です。
住宅ローンを組んで、マイホームを新築・購入・増改築した場合や、住宅の耐震改修をした人、外国所得税を納付した人などが受けることができます。
税額控除も、所得控除と同様、申告をしなければ適用されません。
該当する税額控除があれば、忘れずに記載するようにしましょう。

(1) 住宅ローン控除:控除額:最高40万
(2) 特定増改築等中宅借入金特別税額控除:控除額:最高12万5,000円
(3) 認定住宅新築等特別税額控除:控除額:最高65万円
(4) 住宅耐震改修特別控除:控除額:最高25万円
(5) 住宅特定改修特別税額控除:控除額:標準的な工事費用×10%
(6) 寄付金特別控除…控除額:{(支出した特定の寄付金の合計額)と(総所得の40%)のうち小さい方から-2,000円}×40%(政党等寄付金特別控除は30%)
寄付をした人は、寄付金特別控除か、所得控除の寄付金控除のどちらか有利な方を選択することができます。一般的には税額控除の方がお得です。
(7) 外国税額控除…控除額:その年の外国所得税額
(8) 災害減免額…控除額:所得金額の合計によって異なります。
(9) 配当控除:控除額:課税総所得1,000万円以下:配当所得×10%(一定の場合5%)
:課税総所得1,000万円超 :別の計算式
(10) 源泉徴収税額…支払い済の所得税と復興特別所得税

「税金が安くなる「税額控除」|所得控除との違いは?節税効果は?」を読む

確定申告の方法

確定申告を行なうためには、帳簿を作成してコツコツと記帳することが大切です。
帳簿づけと聞くと「簿記の知識が必要なのではないか」「面倒な作業をすることになるのか」と考える人もいますが、「会計ソフトfreee」なら難解な簿記知識を知らなくても、簡単に記帳作業を始めることができます。

「確定申告書のしくみ・種類・トクする書き方や相談方法」を読む

「確定申告してから還付金を受け取るまでのスケジュール 」を読む

まとめ

以上、所得税は、所得の種類や所得の額によって税率が変わること、節税効果のある所得控除や税額控除などについてご紹介してきました。
所得税の計算方法は難解ですし、何が適用できる控除なのかについてはさまざまな要件があり分かりづらい点も多々ありますが、税理士に相談してみるといいでしょう。

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