サラリーマンが実践できる10の節税術

公開日:2018年11月06日
最終更新日:2020年02月06日

目次

  1. サラリーマンが実践できる8つの節税術
    • (1)ふるさと納税(寄付金控除)
    • (2)住宅ローン控除
    • (3)生命保険料控除・地震保険料控除
    • (4)医療費控除
    • (5)離婚または死別した時
    • (6)災害・盗難にあった時
    • (7)株取引で損をした時
    • (8)共働き夫婦は扶養控除のつけ方に注意する
    • (9)iDecoやNISAを始める
    • (10)税金の支払い方を変える
  2. まとめ
    • 税理士をお探しの方

この記事のポイント

  • 所得税は、収入が高くなるほど税率が高くなる。
  • 税金や社会保険料を減らせれば、「手取り」を増やすことができる。
  • サラリーマンも、ふるさと納税などを活用すれば税金を減らす(手取りを増やす)ことができる。

 

サラリーマンの場合は、普段会社が給料から税金と社会保険料を徴収し、その徴収した税金と社会保険料を会社から市区町村や年金事務所に納めています。
この時徴収される金額は、給料や通勤手当の金額、家族の数などの事情に基づいて、法律で決められています。
つまり、サラリーマンの税金の手続きは、従業員に代わって会社が行っているわけです。そのため「自ら納税する」という意識がなく、「節税する」という意識も希薄になりがちです。

しかし、サラリーマンでも確定申告をすることで、節税効果が期待できたり、税金が戻ってきたりすることがあります。
ここでは、「サラリーマンでもできる節税対策」について、ご紹介します。

サラリーマンが実践できる8つの節税術

サラリーマンの節税対策というと、「ふるさと納税」をイメージする人が多いようですが、ふるさと納税以外にも、確定申告をすることで節税効果が期待できたり、確定申告することで税金が戻ってきたりする可能性があります。
実際は、確定申告をすれば、得をする人は意外に多いのですが、そのことを知らないために確定申告をしない人が多いようです。

そこで、ここでは、サラリーマンでも活用できる8つの節税対策について、ご紹介します。
ここでご紹介する節税対策は、確定申告が必要となりますが、申告に必要な書類も少なく手続きも簡単なケースが多いので、自身の状況に該当する場合には忘れずに申告して、節税対策を行いましょう。

(1)ふるさと納税(寄付金控除)

ふるさと納税とは、全国各地の自治体から寄付先を選んで寄付することで、寄付金控除を受けることができる制度です。
制度の名前は「納税」ですが、取り扱いは「寄付」と同じです。地方自治体から寄付金のお礼として野菜やお肉といった返礼品を貰えることから近年人気を集めています。

ふるさと納税は、自己負担額の2,000円を除いた全額が控除の対象となり、所得税から還付(多く払いすぎた税金が返ってくる)を受けることができます。所得税の計算の際に寄付金額を所得額から差し引く(このことを所得控除と呼びます)ために支払わなければならない所得税額が低くなるのです。なお、所得控除の対象となる金額は2,000円を超える部分です。

自営業者やフリーランスの場合には、確定申告が必要ですが、サラリーマンなどの給与所得者で寄付先が年間5自治体以下の人は、「ふるさと納税ワンストップ特例制度」が適用され、確定申告が不要となります(※ただし、寄付を行った自治体に所定の申請書を提出する必要があります)。

この「ワンストップ特例制度」は、確定申告を行わないサラリーマンの方を対象とした制度で、控除額は変わりませんが、所得税分の還付はなく、所得税分も含めた控除額全額が、翌年度の住民税から控除されます。
ただし、6自治体以上に寄付をした場合には、給与所得者でも確定申告が必要になりますし、他の控除(医療費控除や住宅ローン控除)などを受けるためには、通常どおり確定申告をする必要がありますので、注意が必要です。

「ふるさと納税の確定申告|確定申告の方法と申告用紙の書き方まとめ」を読む

なお、日本赤十字やNPO法人など控除対象団体に寄付した人は、確定申告をする必要があり、確定申告の際には寄付した団体からの領収書が必要になります。

日本赤十字やNPO法人など控除対象団体への寄付のうち、認定NPO法人、公益社団法人、政治活動への寄付については、寄付金特別控除を選択することができます。寄付金特別控除は「税額控除」で税額から直接控除できることから、所得控除より節税効果が大きくなりますが、所得控除か税額控除はどちらか一方しか選ぶことはできません。どちらが得か判断できない場合には、税理士に相談するとよいでしょう。

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(2)住宅ローン控除

住宅ローン控除とは、住宅ローンを組んでマイホームを新築したり購入したりした人が、10年にわたって受けられる減税措置です。一戸建てでもマンションでも構いません。土地と建物の両方が対象となり、適用条件は異なりますが新築物件でも中古物件でも受けることができます。
サラリーマンがこの減税を受けるには、最初の年に確定申告が必要ですが、翌年以降は勤務先に必要書類を提出すれば、年末調整で手続きをすることができます。

住宅ローン減税は、「減税限度額」と「12月末時点のローン残高の1%の金額」と、自身の1年間の所得税の額」のいずれか少ない方となります。

この制度は、住宅ローンの年末時点での残高の1%が10年間、所得税(及び住民税)の額から控除され、最大控除額は10年間で400万円(1年で40万円)ですが、いつ入居したかによって控除される額は異なります。

対象となる住宅は新築住宅だけでなく、中古住宅や増築・リフォームも対象となりますが、対象となる要件については、それぞれ細かい規定があります。

たとえば、新築住宅の場合は、「取得した日から6カ月以内に居住していること」「ローンの返済期間が10年以上であること」「床面積が50平方メートル以上」などの要件がありますし、中古住宅の場合には、家屋が建築された日から取得までの期間が20年以内(マンションなど耐火建築物については、25年)または、一定の耐震基準を満たす耐震住宅であることが要件となります。
また、リフォームの場合は、新築住宅の条件に追加して「一定の省エネ・バリアフリー・耐震リフォームであること」「工事費用は100万円超であること」などが要件を満たす必要があります。

「住宅借入金等特別控除申告書とは?住宅ローン控除を受けるには」を読む

「住宅ローン控除の必要な手続き&記入例」を読む

(3)生命保険料控除・地震保険料控除

生命保険や地震保険を支払っている場合には、所得から一定額を控除することができます。
生命保険料控除・地震保険料控除は、ともに年末調整時に保険会社から送られてくる「証明書」を会社に提出すればOKです。
ただし、これらの控除は、全額控除になるわけではないという点に注意が必要です。

生命保険料控除制度には、大きく分けて「一般生命保険料控除」「介護保険料控除」「個人年金保険料控除」の3種類があります。
生命保険料の控除額は、契約の時期によって新契約と旧契約と分けて計算します。

※2012年に制度変更があり、旧制度での保険料控除と新制度での保険料控除が異なることになりました。
全体的には新制度の方が控除される金額が低くなっていますが、年間の払込保険料によっては変わらない場合もあります。

いずれにせよ保険に加入・契約した時期によって、新旧どちらの制度になるか、控除額が異なります。
複数の保険に加入している場合には、それぞれの合計の控除金額が、上限金額に達するまで控除することができます。

例:一般生命保険料で、年間払込保険料額が30,000円の時、旧制度では27,500円の所得税控除を受けることができますが、新制度では25,000円となります。

地震保険料控除は、地震保険料を支払った場合に、一定額まで所得控除を受けることができる制度です。所得税は最高50,000円、住民税が最高25,000円、課税所得金額(税額を決める際のベースになる所得額)から控除されます。

(4)医療費控除

自分や家族の医療費を10万円超支払った人の場合も、一定額まで控除されます。

サラリーマンの場合は、各種控除は会社が年末調整してくれるので、原則として控除を受けるために確定申告を行なう必要はありませんが、雑損控除、医療費控除、寄付金控除の3つについては、会社で年末調整が行われませんので、控除を受けたい場合には自分自身で確定申告を行なう必要がありますので、忘れずに確定申告を行なうようにしましょう。

人間ドッグや健康診断などは医療費控除の対象にはなりませんが、ケガや病気のための通院費(病院に行くまでの交通費も含む)は対象となります。
控除が認められる範囲は広く、そのほかにも下記があげられます。

・歯医者の治療費
・薬局で購入する処方箋のいらない市販の風邪薬
(ビタミン剤などの予防、健康増進のための医薬品は対象外)
・介護老人施設の費用
・妊婦の定期検診や検査、通院費

なお、医療費控除は、病院などに支払った費用の全額が控除対象となるわけではなく、「1年間に支払った医療費」-「保険金などの各種補てん金」-10万円を引いた額が控除されます(最高200万円まで)。
ただし、所得金額が200万円未満の人は、「1年間に支払った医療費」-「保険金などの各種補てん金」-「総所得金額の5%」の額が控除されます。

「確定申告に必要な医療費控除の知識と還付を受けるために必要な手続き」を読む

なお、2018年(平成30年)の税制改正で「セルフメディケーション税制」が医療費控除の特例として、適用されることになりました。
セルフメディケーション税制は、適用を受けるためには要件があり、医療費控除との選択適用なので、要件を確認して、よりお得になる方を選択するようにしましょう。

「セルフメディケーション税制とは」を読む

(5)離婚または死別した時

配偶者(妻もしくは夫)と離婚もしくは死別した場合であれば、寡婦控除(寡夫控除)によって節税することができます。
寡婦控除とは、シングルマザーやシングルファザーへの税金を安くするという制度です。「寡婦」とは、夫と死別や離婚のあと、再婚しておらず、親などの扶養親族や生計を一にする子がいる人です。
離別か死別か、性別や年収によって控除額が変わります。

女性の場合
離別か死別を問わず、扶養親族または合計所得38万以下の子どもがいる場合、または本人の合計金額が500万円以下での配偶者と死別した場合は、控除額は27万円となります。
特別寡婦控除は、配偶者と離別か死別か問わず所得が500万円以下、かつ扶養親族である子どもがいる場合に受けられる制度で、控除額は35万円です。
シングルマザーの場合には、合計所得金額が500万円以下になるケースが多いので「特定寡婦」に該当し、8万円上乗せされて好悪女学が35万円になるので、より節税効果が大きくなります。

男性の場合
離別か死別を問わず、扶養親族または合計所得38万以下の子どもがいる場合には、27万円の控除を受けることができます。
寡婦控除とは異なり、特定寡婦のような控除額の上乗せはありません。また、寡夫の場合には寡婦とは違って、生計を一にする総所得金額等が38万円以下の子がいることが控除を受けられる条件となります。

この寡婦控除(寡夫控除)は、はサラリーマンの方なら年末調整で受けることができますが、手続きを忘れた場合には確定申告をすることで控除を受けることができますので、忘れずに手続きをするようにしましょう。

(6)災害・盗難にあった時

災害や盗難などによって受けられる控除は「雑損控除」と「災害減免法による税金の軽減・免除」の2種類があります。前述したとおり、雑損控除、医療費控除、寄付金控除の3つについては、会社で年末調整が行われませんので、自分自身で確定申告を行なう必要がありますが、災害減免法による税金の軽減・免除を受ける場合にも確定申告が必要です。

雑損控除
控除対象は、住宅、家財、衣服など生活に必要な財産のみで、住宅の取り壊し費用など災害に関連してやむなく支出した費用があれば、「災害関連支出」として控除対象となります。確定申告時には、領収書の添付が必要です。

雑損控除を受けるためには、「被害に遭ったのが通常の生活に必要な財産」であり、損害の原因が「震災や火災、盗難、横領」などである必要があります。
したがって、自宅でなく別荘が被害にあった場合や、骨董品や貴金属などが被害にあった場合には、雑損控除には該当しません。
また、保険で賄われる分は対象となりませんが、保険金以上の損害が発生している場合には、利用することができます。
具体的には、下記A、Bのいずれか高い金額が雑損として控除できる金額となります。

A:{(損害金額+災害関連の支出−保険金)−総所得金額}×10%
B:災害関連の支出―5万円

災害減免法による税金の軽減・免除
災害で、住宅や家財の時価の2分の1以上の損失があると、直接税金を軽減・免除してもらうことができます。確定申告時には、損失額の明細書を自分で作成して申告書に添付する必要があります。

雑損控除と災害減免法のどちらを受けるかについては、自身で選択する必要がありますが、雑損控除と災害減免法のどちらが有利かについては、ケースによって異なります。

一方、災害減免法は所得金額の合計額が500万円以下なら税金が全額免除となりますが、その年しか受けることができません。したがって、損失額が大きくて今年だけでは引ききれないような場合には、原則として3年間繰り越して所得から差し引くことができる雑損控除の方が有利となります。

(7)株取引で損をした時

上場株式等の売買損失は、その年の配当所得と相殺することができます。
損益通算とは、文字の通りその年の株式取引における損失と配当利益とを足して、所得計算するということです。
この場合の「所得」は「株式など譲渡所得」となります。このため損失もきちんと計算に入れなければ、配当益にのみ税金がかかってしまい損をしてしまうことがありますので、注意が必要です。
なお、損益通算によって控除しきれない程の損失が発生している場合は、翌年から3年間は繰越で利益から控除することができます。

この制度を繰越控除といいますが、繰越控除を利用する場合にも、損益通算をする時と同じように確定申告をする必要があります。
過去に損失を出していたにもかかわらず確定申告をしていなかった場合でも、サラリーマンなど確定申告の義務がない人であれば、5年前までの損失なら遡って申告することができます。

「副業、株取引…会社員でも確定申告する必要がある人、確定申告しないと損する人」を読む

(8)共働き夫婦は扶養控除のつけ方に注意する

高校生以上の子供を扶養している場合には、所得税と住民税を計算する時に、扶養控除を受けることができるため、税金が安くなります。
しかし、共働き夫婦の場合には、収入の高い方に扶養控除を受けるようにしましょう。所得税は収入(所得)が高くなると、税率も高くなるからです。

なお、扶養控除は親と同居して家族全体の生活費を負担している場合に受けることもできます。親が65歳以上で年金生活を送っていて年金額がひとり158万円以下の場合には、扶養に入れることができます。
たとえば、年収600万円の方が60代後半の親を扶養にすれば、所得税と住民税が年間7万円も安くなります。親が70歳以上になると、扶養控除の金額が増えるので、さらに税金は10万円減ります。

(9)iDecoやNISAを始める

iDeco(イデコ)とは、個人型DCのことで、国の年金だけでは足りない老後資金を税金メリットのある仕組みを使って積み立てていく制度です。口座開設後に毎月自分で掛金を出して投資信託や預貯金などで運用していきます。

iDecoを使って老後のために積立をすると、毎月の掛金を支払う時には、その掛金が所得控除の対象となりますので、その年の所得税と翌年の住民税が安くなります。節税分は、所得税については年末調整に上乗せされ戻ってきます。住民税は戻ってくるわけではなく翌年5月から毎月給与天引きされる住民税が安くなります。

さらにiDecoは、運用している時にも、運用で増えた分に税金はかかりません。
また、受け取る時にも退職金や公的年金の税制が適用されるので、税金負担が軽減される場合があります。

NISA(ニーサ)とは、証券会社や銀行で専用口座をつくると、年間200万円5年間で最大1000万円までの投資額について非課税になる制度です。30年からは年間の上限40万円で20年間非課税になる「つみたてNISA」もスタートしました。通常、金融商品を運用して利益が出れば税金がかかります。しかし、NISAを使えばその投資による利益が5年間非課税となります。運用については確定申告も不要です。

iDecoやNISAは、両方を活用することで、大きな節税効果が期待できます。たとえば、iDecoは所得税と住民税を合わせ、最低でも15%のお金が戻ってきます。こうして戻ってきたお金を今度はNISAで投資します。そうすれば、NISAで生まれた利益についても税金はかかりません。この2つの制度を上手に活用すれば節税できるうえで資産形成をすることができます。

(10)税金の支払い方を変える

確定申告後の税金支払い方法をクレジットカードにすれば、クレジットカードのポイントを得ることができるのでその分得することができます。
各種地方税については、地方自治体によって異なるものの、これまでもクレジットカード支払いが認められるものがありましたが、2017年(平成29年)からは所得税などの国税においてもクレジットカード支払いが可能になっています。

まとめ

確定申告書類の提出方法としては、「税務署に直接持ち込む方法」「e-TAX(パソコンを利用)で提出する方法」「郵送する方法」の3種類がありますが、税務署は確定申告期間中大変込み合います。また、基本的には土日祝日開いていないため、サラリーマンの方にはe-TAXもしくは郵送がおすすめです。

年末調整と確定申告については、以下の記事でも詳しくご紹介していますので、あわせてご覧ください。

「サラリーマンの確定申告|年末調整をしていても確定申告必要な場合とは」を読む

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