サラリーマンの確定申告|年末調整をしていても確定申告必要な場合とは

公開日:2018年10月30日
最終更新日:2019年06月20日

目次

  1. 確定申告とは
    • サラリーマンは原則確定申告する必要ない
  2. サラリーマンで年末調整していても確定申告する必要がある人
    • ①副業の所得が20万円超えた人
    • ②不動産を売却した人
    • ③贈与を受けた人
    • ④相続した家を売却した人
    • ⑤株取引で特定口座を指定していない人
    • ⑥投資信託を売却した人
    • ⑦保険の満期金を受け取った人
  3. サラリーマンで年末調整していても確定申告したほうが良い人
    • 医療費が10万円以上かかった人(医療費控除)
    • 寄付を行った人(寄付金控除)
    • 災害や盗難にあった人(雑損控除)
    • 年末調整で控除の適用もれがあった場合
  4. サラリーマンでも年末調整が行われない人
    • 給与が2,000万円以上の人
    • 2カ所以上から給与をもらっている人
    • 再就職して年末調整しなかった人
    • 還付申告はいつからできる?
  5. まとめ
    • 税理士をお探しの方

サラリーマンの場合、通常は自分で所得税や住民税を納めることはありません。
会社が毎月給料から所得税を「源泉徴収」し、そして年末に「年末調整」を行うことで所得税の納税手続きが完了しているからです。つまり、納税のために必要な手続きは、原則として会社が行ってくれているのです。
但し、サラリーマンでも確定申告をしなければならない人もいます。確定申告をしなければならないのに確定申告をせず、所得税を納めなかった場合には、ペナルティがありますので注意が必要です。

確定申告とは

確定申告とは、1月1日から12月31日までの1年間の所得と所得税を計算して、税務署に申告し、所得税を納める手続きです。

確定申告が必要な人は、個人事業主やフリーランスなどの自営業者や、400万円を超える公的年金を受け取っている人、事業所得や不動産による収入を得ていて、所得税から配当控除を引いた額がプラスになる人などです。

確定申告のやり方とトクする書き方・相談方法

サラリーマンは原則確定申告する必要ない

サラリーマンは、勤務先の会社が従業員に代わって申告・納税を行ってくれるので、原則として自分自身で確定申告を行う必要はありません。
税金は、毎月給料から源泉徴収(天引き)され、勤務先が社員全員の税金を代わりに納めているのです。

サラリーマンで年末調整していても確定申告する必要がある人

ほとんどのサラリーマンは「給与は年末調整しているから、確定申告等必要ない」と考えていると思います。
しかし、年末調整をしていても、下記7通りに該当する人は、確定申告が必要となります。

①副業の所得が20万円超えた人

サラリーマンでも、副業で20万を超える所得があった場合には、確定申告をしなければなりません。
所得税は、1年間の合計金額に対して、累進課税で課税されるからです。
ただし、副業による収入が20万円以下の場合には、確定申告をする必要はありません。

確定申告をする際には、所得の種類ごとに収入を集計し、申告をします。
副業の所得が、給与所得なのか雑所得なのかなど、確認しておくようにしましょう。

サラリーマンの確定申告|副業で所得20万円を超えた人を読む

②不動産を売却した人

不動産を売って利益が出た人は、確定申告をしなければなりません。
その場合には、給与所得者で通常確定申告をしない人にも、税務署から申告書の用紙が送られてきます。
不動産の売却による所得は、譲渡所得に分類され分離課税となります。

分離課税とは:他の所得とは分離して税額を計算して納税する課税方式のこと

他の所得とは分離する必要があるので、売却したことで損が出ても損益通算(赤字の所得と黒字の所得を相殺すること)をすることはできません。
ただし、2つ以上の土地・建物を売却して1つには利益が出て1つには損が出た時には、利益と損失を相殺することはできます。

マイホームを売って利益が出た場合にも、確定申告をする必要があります。
ちなみに、売却した不動産がマイホームの場合には、譲渡益が3,000万円まで税金がかからないという特例があります。
また、損失が出た場合には、確定申告をすることで、損益通算することができます。不動産に強い税理士に相談しましょう。

「副業で不動産所得がある人の確定申告」を読む

▶不動産に強い税理士一覧

③贈与を受けた人

親などから110万円を超える贈与(生活費や教育費として提供された財産などは除く)を受けた人は、贈与税の申告が必要です。
贈与税は、個人から財産をもらったときにかかる税金で、基礎控除額である110万円を超える財産であった場合に課税される税金です。
※贈与税について、「贈与した人が払う税金」とイメージしている人がいますが、贈与税は「贈与を受けた人が払う税金」です。

なお、住宅を購入する頭金などで贈与を受けた場合には、「住宅取得等資金贈与の非課税の特例」を利用すると贈与税はかからず、基礎控除110万円と限度額700万円まで(省エネ住宅の場合は合計1310万円まで)が非課税となります。
また、相続時に贈与税を清算する「相続時精算課税制度」を利用すると、贈与時の税負担を抑えることができます。

「相続時精算課税制度と暦年課税の選択と利用法」を読む

④相続した家を売却した人

親などから相続したものの、空き家となっていた実家を売却した場合には、確定申告をする必要があります。

なお、平成28年の税制改正で「空き家に係る譲渡所得の特別控除の特例」が新設されたことで、平成28年4月1日から平成31年12月31日までに相続した空き家などを売却し一定の条件を満たしていれば、確定申告をすることによって3,000万円の特別控除を受けることができます。

「家(マイホーム)を売却した時の税金・特例・確定申告の方法」を読む

▶相続に強い税理士一覧を見る

⑤株取引で特定口座を指定していない人

株の売買や退職金などは、給与所得などのほかの所得と合算せず、その特定の所有に対して課税していく「分離課税」なので、サラリーマンも給料とは別に計算されます。

株取引の回数が多い人は、証券会社に特定口座を設けて株取引をしている人が多いでしょう。特定口座では、税金が源泉徴収される口座(源泉徴収選択口座)と源泉徴収されない口座(簡易申告口座)があります。
この時、特定口座(源泉徴収口座)で取引していれば、源泉分離課税によって課税しているので、確定申告する必要はありません。

「株取引の確定申告|税額・口座の種類による違い」を読む

⑥投資信託を売却した人

投資信託では、1つのファンドで株式や債券、不動産などさまざまな運用が行われるので、税金はその商品の内容によって異なります。
投資信託に関する税金は、ほとんどのケースで源泉徴収されるので、確定申告の必要はありません。
「株式型」の場合、売却、償還、解約に関わらず、利益が出た場合には20%(実際はこれに復興特別所得税が加算される)の税金がかかります。
いずれの場合も特定口座(源泉あり)を選んでない場合には、原則として確定申告をする必要があります。
ただし、「特別分配金」という非課税となる分配金もあります。

⑦保険の満期金を受け取った人

保険が満期になったり解約したりして受け取った保険金は「一時所得」となり、確定申告が必要です。
ただし、受け取った保険全額に課税されるわけではありません。また、「払い込んだ保険料より受け取った保険金の方が少なかった」など、損失が出た場合には申告は必要ありません。

サラリーマンで年末調整していても確定申告したほうが良い人

これまでは、サラリーマンでも確定申告しなければならない人についてご紹介してきましたが、確定申告を行う必要がない人でも、確定申告をすることで税金の還付を受けたり、税金を払わなくて済んだりする場合があります。
必ず申告をしなければならないわけではありませんが、申告をしないと還付の恩恵を受けることができませんので、しっかり確認しておきましょう。

会社員は、各種控除について会社が年末調整をしてくれるので、原則として確定申告をする必要はありませんが、①医療費控除、②寄付金控除、③雑損控除については、年末調整をしてくれないので、自分で確定申告をする必要があります。

医療費が10万円以上かかった人(医療費控除)

申告者自身や家族の医療費を10万円以上支払った人は、医療費控除の対象となることがあります。
この場合には、自分自身の医療費だけでなく、生計を一にする家族の分の医療費も対象となります。

「医療費控除|確定申告に必要な医療費控除の知識と還付を受けるために必要な手続き」を読む

寄付を行った人(寄付金控除)

ふるさと納税など、控除対象となっている寄付を行った場合には、寄付金控除の対象となります。寄付金控除は、会社で年末調整をしてくれないので、原則として自分で確定申告をする必要があります。
ただし、ふるさと納税については、平成27年度から「ふるさと納税ワンストップ特例制度」が導入されたため、サラリーマンなどの給与所得者で、ふるさと納税の納付先の自治体が1年間で5つまでの人であれば、確定申告をする必要はなくなりました。

なお、寄付金控除の対象となる団体は限定されていて、寄付をしても寄付金控除が受けられない場合もありますので、注意しましょう。

「ふるさと納税の確定申告|確定申告の方法と申告用紙の書き方まとめ」を読む

災害や盗難にあった人(雑損控除)

自然災害や火災などの被害に遭った場合や、盗難・横領などで被害を受けた時には、所定の金額から控除することができます。これを「雑損控除」といいますが、これも前述したように会社では年末調整をしてくれませんから、確定申告をする必要があります。
確定申告をする際には、災害による支出領収書や、警察署、消防署の証明が必要になる場合があります。

「雑損控除とは|確定申告の方法と必要書類」を読む

年末調整で控除の適用もれがあった場合

「扶養家族が増えた」「マイホームを取得した」「配偶者と死別または離婚した」など、納税者の個々の事情に合わせ、税額の負担を調整する作業が年末調整ですが、これらの事情があったにも関わらず、年末調整の際に書類を提出し忘れていた場合などは、確定申告をすることで、税金を取り戻すことができます。これを「還付申告」といいます。

サラリーマンでも年末調整が行われない人

すべてのサラリーマンが、会社で年末調整をしているわけではありません。
「給与が2,000万円以上の人」や「2カ所以上から給与をもらっている人」などは、自分で確定申告をする必要があります。

給与が2,000万円以上の人

給与収入が2,000万円を超えた場合には、会社で年末調整は行われないので、確定申告をしなければなりません。
つまり年末調整で行われる社会保険料控除や配偶者控除、扶養控除などについて、自分で確定申告をして所得控除を行います。
この場合には、給与以外の所得(20万円以下の副業の収入も)もすべて申告しなければなりません。
ただし、預金の利息や非上場株式の少額配当など、申告しなくてもいい所得もあります。

2カ所以上から給与をもらっている人

2カ所以上の複数の収入がある人は、合算して確定申告をしなければなりません。
ただし、「主たる給与以外の所得」が20万円以下の場合には、申告は不要です。
この場合には、勤務先で年末調整は住んでいるので、扶養控除などの所得控除の計算はする必要はありません。

再就職して年末調整しなかった人

年の途中で転職した場合には、2つの会社から給料が支払われることになります。
通常は、前の会社の源泉徴収票を提出すれば、今の会社で給料を合算して年末調整をしてもらえるので、確定申告は必要ありません。
けれども、前の会社の源泉徴収票を提出しないと年末調整は行われませんので、自分で確定申告をする必要があります。

なお、結婚や出産などで再就職しなかった場合にも年末調整はされていません。この場合には確定申告をすることで税金が戻るケースが多いようです。
ただ、再就職しないで家族の扶養親族になる場合、税法上の扶養親族は合計所得が38万円以下かどうかで判断するので、扶養控除の対象になる可能性もあります。

また、下記の記事では、確定申告に必要な手続きや申告方法といった基礎的な知識から、控除、節税方法などについてご紹介しています。併せてご覧ください。

「確定申告書のしくみ・種類・トクする書き方や相談方法」を読む

還付申告はいつからできる?

通常の確定申告は2月16日~3月15日までとなりますが、還付される方の場合は1月上旬から受け付けています。なおこの還付申告は、最長5年間可能です。

「確定申告してから還付金を受け取るまでのスケジュール」を読む

まとめ

以上、年末調整をしていても確定申告必要な場合について説明しました。併せて下記の記事では、サラリーマンでも活用できる8つの節税対策について、ご紹介します。
ここでご紹介する節税対策、確定申告が必要となりますが、申告に必要な書類も少なく手続きも簡単なケースが多いので、自身の状況に該当する場合には忘れずに申告して、節税対策を行いましょう。

「サラリーマンが実践できる8つの節税術」を読む

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