小規模企業共済とは|5つのメリットと3つのデメリット

公開日:2019年09月03日
最終更新日:2020年02月26日

目次

  1. 小規模企業共済とは
    • 加入資格
    • 加入プラン
  2. 小規模企業共済のメリット
    • ①全額が所得控除できる
    • ②掛金は増減可能
    • ③共済金は、一括・分割の選択可能
    • ④退職金代わりになる
    • ⑤貸付制度が利用できる
  3. 小規模企業共済のデメリット
    • ①12カ月未満の掛捨てリスク
    • ②加入期間20年未満は元本割れ
    • ③受取時には課税される
  4. 小規模企業共済加入の手続き
  5. まとめ
    • 税理士をおさがしの方

小規模企業共済は、1年間に支払った掛金の全額を控除額にすることができるため、その分所得をおさえて節税することができるメリットのある制度です。
しかし、加入期間が20年以下だと元本割れするなどのデメリットもありますので、加入する際にはこれらのメリット・デメリットを理解してから手続きを行なうようにしましょう。

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小規模企業共済とは

小規模企業共済とは、小規模企業共済法に基づいて昭和40年に発足した制度です。
現在は、国の機関である独立行政法人中小企業基盤整備機構によって運営されていて、常時使用する従業員の数が20人以下の個人事業主または会社等の役員が加入することができます。
平成30年(2018年)3月末時点での加入者は、138.1万人となっています。

参照:国税庁「独立行政法人 中小企業基盤整備機構「現況」」

なお、小規模企業共済掛金控除を受けられるものとしては、他に個人型年金加入者掛金(いわゆるiDeco)があります。
どの制度に加入するかは、事業内容・状況によって異なりますので、税理士に相談するとよいでしょう。

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加入資格

小規模企業共済制度には、個人事業主や小規模企業の経営者または役員が加入できる制度で、次のいずれかに該当する時に加入することができますが、配偶者等の事業専従者や学業を本業とする全日制高校生、生命保険外務員などは加入することができません。

①建設業、製造業、運輸業、サービス業(宿泊業・娯楽業に限る)、不動産業、農業などを営む場合は、常時使用する従業員の数が20人以下の個人事業主または会社等の役員

②商業(卸売業・小売業)、サービス業(宿泊業・娯楽業を除く)を営む場合は、常時使用する従業員の数が5人以下の個人事業主または会社等の役員

③事業に従事する組合員の数が20人以下の企業組合の役員、常時使用する従業員の数が20人以下の協業組合の役員

④常時使用する従業員の数が20人以下であって、農業の経営を主として行っている農事組合法人の役員

⑤常時使用する従業員の数が5人以下の弁護士法人、税理士法人等の士業法人の社員

参照:国税庁「独立行政法人 中小企業基盤整備機構「加入資格」

加入プラン

掛金月額は、1,000円から7万円までの範囲内(500円単位)で自由に選択することができます。支払った掛金の全額が所得控除の対象となりますので、たとえば掛金7万円であれば、最高84万円の控除を受けることができます。また、前払いした掛金についても向こう1年以内のものであれば控除することができるので、最高で168万円の所得控除を受けることができます。

小規模企業共済のメリット

小規模企業共済の最大のメリットは、全額が所得控除の対象となるという点ですが、掛金の範囲内で貸付を受けることができるなどのメリットもあります。

①全額が所得控除できる

小規模企業共済に加入して掛金を支払えば、確定申告の際にその全額を課税対象所得から控除することができ、高い節税効果があります。

所得が高ければ高いほど節税効果が期待でき、たとえば課税される所得金額が200万円である場合、掛金月額が7万円であれば、129,400円も節税することができます。

参照:国税庁「独立行政法人 中小企業基盤整備機構「掛金の全額所得控除による節税額一覧表」」

②掛金は増減可能

掛金は、1,000円から7万円までの範囲内(500円単位)で自由に選択することができ、加入後も自由に増額・減額ができます。
また、掛金が支払えない場合には一時期的に支払いを止める「掛け止め」もできます。

③共済金は、一括・分割の選択可能

共済金は、退職・廃業時に受け取ることができます。
満期や満額というしくみはありません。共済金の受取は「一括」「分割」「一括と分割の併用」から選択することができます。
一括受取を選択すると「退職所得」扱いになり、分割受取を選択すると「雑所得」扱いになります。「事業所得」などに比べて税負担が大幅に軽くなります。

④退職金代わりになる

6カ月以上積み立てると、廃業した場合に共済金を受け取ることができます。
また、12カ月以上積み立てると、解約手当金を受け取ることもできます。

共済金を受け取るためには、個人事業の廃業届、印鑑登録証明書(発行後3カ月以内の原本)、マイナンバー確認書類などのほか、共済金等請求書、退職所得申告書、預金口座振替解約申出書兼委託団体払解約申出書などの書類が必要です。

参照:独立行政法人 中小企業基盤整備機構「廃業して、共済金を受け取る場合」

⑤貸付制度が利用できる

加入者は、掛金の範囲内で事業資金の貸付制度を低金利で利用することができます。
即日貸付けも可能、さまざまな種類の貸付けがあります。

・一般貸付け(事業資金)
・緊急経営安定貸付け
・傷病災害時貸付け(病気の時など)
・福祉対応貸付け
・創業転業時・新規事業展開等貸付け
・事業承継貸付け
・廃業準備貸付け

一般貸付けを利用する場合には、以下の書類が必要です。

①印鑑登録証明書(発行後3カ月以内の原本)
②本人確認書類(運転免許証、健康保険証など)提示書類
③貸付金額に応じた収入印紙
④共済契約者本人の実印
⑤貸付金借入申込書
⑥「貸付限度額のお知らせ」「借入資格取得通知書」「ご返済期日到来の案内」または「共済手帳」など

参照:独立行政法人 中小企業基盤整備機構「事業資金の借入れ」

小規模企業共済のデメリット

節税効果の高い小規模企業共済ですが、いくつかの注意点もあります。
加入を検討する際には、このような注意点を理解しておきましょう。

①12カ月未満の掛捨てリスク

共済金は、個人事業主を廃業したり法人が解散したり解約したりした時に受け取ることができますが、掛金納付月数が6カ月未満の場合は、一部の共済金、共済金は受け取ることができ、12カ月未満の場合は、準共済金(法人の解散、病気、怪我以外の理由により、または65歳未満で役員を退任した場合)、解約手当金(任意解約や、掛金を12カ月以上滞納した時の機構解約)の場合には受け取ることができません。

ただし、災害など契約者の責任ではない理由(やむを得ない理由)により生じた掛金の滞納については、共済契約を継続することができます。

②加入期間20年未満は元本割れ

掛金納付月数が、240カ月(20年)未満で任意解約をした場合は、掛金合計額を下回ってしまい、元本割れしてしまいます。
また、加入期間が240カ月以上でも、途中で掛金を増額したり減額したりした場合で掛金区分ごとの掛金納付月数が240カ月を下回ったときは、任意解約した場合に受け取れる解約手当金が掛金合計額を下回ってしまうこともあります。

20年以上加入しなければ、かえって損してしまうこともあるので、目先の節税効果にとらわれずに、加入する際には十分な検討が必要です。

参照:独立行政法人 中小企業基盤整備機構「共済金(解約手当金)について」

③受取時には課税される

積立時の掛金は全額が控除額にできるので節税することができますが、受取時には退職所得または雑所得として課税されることになります。
つまり小規模企業共済は、「課税を先送りにする制度」だということもできます。
ただし、退職所得はほかの所得と分離されて計算され、税制上重税とならないよう特別の軽減を図ることになっています。

具体的には、「(退職金-控除額)×1/2」が所得となり、この所得に応じて納税額を計算します。一定額が控除されるほか、1/2となるので、その分税負担が軽減されます。

小規模企業共済加入の手続き

小規模企業共済への加入手続きは、加入する方の立場などによって手続きが異なりますが、加入手続き自体は、中小機構が業務委託契約を結んでいる団体または金融機関の窓口で行なうことができます。

個人事業主の場合には、確定申告書の控えが必要であり、法人(株式会社など)の役員の場合の場合には、履歴事項全部証明書(商業・法人登記簿謄本)など役員登記がされていることが確認できる書類が必要となるので、あらかじめ用意しておきましょう。

参照:独立行政法人 中小企業基盤整備機構「加入手続き」

まとめ

  • 法人成りのタイミングは、所得400万円以上または売上高1,000万円が目安
  • 家族に給料を支払うなら、法人成りした方がよいことが多い
  • 会社を設立するためには、定款の作成・認証、出資の実行、登記申請などが必要

以上、小規模企業共済についてご紹介しました。
老後の蓄えができ、節税メリットもある小規模企業共済制度ですが、12カ月未満の場合の場合には、掛捨てとなってしまいますし加入期間20年未満は元本割れとなってしまうなどのデメリットもありますので、加入する際には20年以上掛金を払うことができるかについて、税理士などに相談して慎重に検討することをおすすめします。

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なお、会計ソフトfreeeで各項目を入力すれば、支払った小規模企業共済等の掛金の合計額が確定申告書B 第一表・第二表の「小規模企業共済等掛金控除」欄に自動で反映されますので、簡単に確定申告書を作成することができます。

会計ソフトfreee「小規模企業共済等掛金控除の内容を記入する」

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