EPS(1株当たり利益)とは|計算方法とPERとの関係

公開日:2019年11月08日
最終更新日:2021年08月19日

目次

  1. EPS(1株当たり利益)とは
    • (2)投資家がEPSを重視する理由
    • (3)EPSは「EPS成長率」も重視される
  2. EPSとPER(株価収益率)の関係
    • EPSが大きいとPERは小さくなる
  3. EPSから分かる「配当性向」とは
    • (1)配当性向が高い会社=配当重視の会社
    • (2)日本は配当性向が低い?
  4. まとめ
    • EPSについて相談できる税理士をさがす

この記事のポイント

  • 「EPS」とは「1株当たりの当期純利益」を計算するもの。
  • 「EPS」は、当期純利益を発行済株式総数で割って計算する。
  • 「EPS」で、株主が投資した株1株あたりで会社がどれだけの利益をあげているかを判断できる。

 

株式投資を行うには、その株式の置かれている市場全体を理解することも大切ですが、個別株式の判断材料として、1株当たりの利益を判断するための指標が大切です。

ここでは、EPSの意味や計算方法、EPSから分かるPER(株価収益率)や配当性向の意味や計算方法についてあわせてご紹介します。

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EPS(1株当たり利益)とは

EPSとは「1株当たりの当期純利益」を計算するものです。
「Earnings Per Share」の略で、直訳すると「1株当たりの収益」という意味です。
EPSは、当期純利益を発行済株式総数で割って計算します。

EPS(1株当たりの利益)=当期純利益÷発行済株式総数

EPSを計算することで、株主が投資した株1株あたりで会社がどれだけの利益をあげているかを判断することができます。

なぜ「当期純利益」で計算するのか
EPSは、当期純利益を発行済株式数で割ります。
なぜ経常利益や営業利益ではなく「当期純利益」で計算するかというと、当期純利益が株主への配当の原資となるからです。

なぜ発行済株式総数で割るのか
当期純利益が大きく伸びていれば、1株当たりの当期純利益が増えるということにはなりません。たとえば、増資で発行済株式総数が増えていたら、1株当たりの当期純利益(EPS)は増えないということになります。
そこで、1株当たりの当期純利益を見るために発行済株式総数で割る必要があるのです。

たとえば、同じ時期に1億円の当期純利益を出したA社とB社のEPSを計算してみましょう。

A社(発行済株式総数=10万)
A社のEPS=1億円÷10万=1,000円/1株

B社(発行済株式総数=20万)
B社のEPS=1億円÷20万=500円/1株

つまり、A社の発行済株式数はB社より少ないので、1株あたりの利益は高いということになります。

(2)投資家がEPSを重視する理由

ある会社が新たに株式を発行して、お金を調達して利益を増やした場合で考えてみましょう。
会社から見れば利益が増えたことはよいことですが、投資家の目線で見れば気になるのは配当の金額、つまり自分の取り分です。
会社の利益が増えたのであれば、配当の総額は大きくなりますが、新たに株式を発行すると、その分1人当たりの取り分が減ってしまいます。

そこで、株主にとって重要となるのが、1株当たりの当期純利益(EPS)です。
つまり、利益だけでなくEPSも上がれば、会社にとっても投資家にとっても、会社が成長しているということになるのです。

たとえば、以下の例では当期純利益もEPSとともに拡大しています。したがって、会社にとっても投資家にとっても会社が成長していると見ることができます。

発行株式数 当期純利益 EPS
前年度 500株 100万円 2,000円
当年度 800株 200万円 2,500円

(3)EPSは「EPS成長率」も重視される

EPSは、高ければ高いほどよいと判断することができますが、EPSはその数値だけでなく「成長率」も重視されます。
なぜなら、EPSが成長すれば将来株価が上がるということであり、今買っておけば将来株価が上がって、利益が出ることが期待できるからです。
EPS成長率の計算方法は、一般的には以下の式で計算します。

EPS成長率(%) = (当期EPS-前期EPS) / 前期EPS ×100

つまり、同じ会社のEPSを前期、前々期と期間比較してトレンドを見るということです。
EPS成長率を見ると、EPSの成長率が分かります。0%を超えれば成長していて、0%未満であれば後退していると判断することができます。
そして、このEPSの成長率は、株価を大きく左右するといわれています。

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EPSとPER(株価収益率)の関係

その時点での株価を、EPSで割るとPER(株価収益率)が分かります。
PERとは、株価が1株あたりの純利益の何倍になっているのかを見るための指標で、会社の収益力に着目しています。
EPSと株価を組み合わせることで、「今1株当たりの当期純利益の何倍で、株が買われているか」を判断することができます。

PER(株価収益率) = 株価(時価) ÷ EPS

一般的に、同業他社や過去の数値との比較で、PERが低いと株価は割安、高いと割高と判断されますが、投資家の評価が過大評価になっている可能性もあります。その場合には、過大評価なら株価は割高、過小評価なら割安と判断されます。
ですから、PERが高いと株価は割高で「売り」、低いと割安で「買い」と判断されます。
つまり、PERは、株価の割高度、割安度を測る指標ということもできます。

EPSが大きいとPERは小さくなる

PERは、株価をEPSで割るので、EPSが大きくなるほどPERは小さくなります。
このEPSの増加によってPERが下落する状況は一時的なものではありますが、PERの倍率が低い株は「買い」ということになります。そして、投資家がこの株を買うことによって株価が上昇します。

PERが高い企業は、株式投資先として人気の高い企業ということがいえますが、とはいえPERが高すぎる企業の株を買うのも問題があります。PERの倍率が高いということはそれだけ株主の期待が大きいことを意味しますが、このように株価が高い企業で何か不祥事が起きたりすると、株価が一気に下落しその場合の下げ幅が大きいからです。

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EPSから分かる「配当性向」とは

「配当性向」とは、会社が株主に対してどの程度の利益を還元しているかを示す指標です。
この配当性向もEPSをもとに計算することができます。

配当性向(%) = 1株当たりの配当 ÷ EPS × 100

(1)配当性向が高い会社=配当重視の会社

配当性向は、当期純利益のうちのどれだけを株主へ配当したかをあらわしています。
株主への配当は義務ではありませんが、配当を行わないとその会社の株を持ちたいという人が減ってしまうので、配当金は払うのが普通です。

配当に充てなかった分は、内部留保になるので、会社が株主に配当することと内部留保することのどちらを重視しているのかといった、会社の経営姿勢がわかるのです。
したがって、配当を重視する投資家にとっては重要な指標といえ、投資家が会社に投資するか否かを判断する時も、配当性向を重視します。
配当性向は、一般的には20~30%程度と言われています。

(2)日本は配当性向が低い?

配当性向が高い会社は、株主への配当を重視しており、配当性向が低い会社は内部留保を重視していると判断することができます。

ただし、配当性向は高ければよいというものではありません。配当しない部分、すなわち内部留保した金額は、企業が成長するために必要な経営資源の1つです。

そのため、成長過程の会社であれば、設備投資などをしてより成長するために、内部留保を潤沢に蓄えることが一般的だからです。
したがって、配当性向が低いからといって一概に株主への配当を軽視しているとも言い切れません。
欧米企業は株主還元を最重視する観点から、配当性向が重視される傾向がありますが、日本企業は安定性を重視することから、配当金額を一定として配当性向は毎期変動する傾向があります。また、日本企業は内部留保を重視しますので、一般的には欧米企業よりも配当性向は低くなります。
日本企業の内部留保は年々増加傾向にあり、その額は300兆円を超えているとも言われます。欧米企業と比較すると極めて高い数字ですが、内部留保が多ければ多いほど、企業としては安定した経営を行うことができるともいえます。

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まとめ

以上、EPSの意味や計算方法、EPSを使って計算できるPERや配当性向についてご紹介しました。
なお、株取引をして儲けが出ると、その儲けには20%の所得税がかかります。また、株の配当金にも同じ税率で税金がかかります。利益や配当金が年間で20万円以下なら申告不要ですが、利益が20万円以上出て、かつ証券会社の口座が特定口座で「源泉徴収なし」を選択している場合には、確定申告が必要です。
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