競馬にかかる税金はいくらから?ハズレ馬券は経費になる?

公開日:2019年12月04日
最終更新日:2021年07月05日

目次

  1. 競馬の税金
    • 競馬の利益は確定申告が必要
    • 一時所得の所得税額の計算
  2. 競馬の外れ馬券は経費か
    • 2017年最高裁は「外れ馬券は必要経費である」と認めた
    • 2015年にも「外れ馬券は必要経費である」と認めた裁判例も
    • 外れ馬券が経費となる条件
  3. まとめ
    • 税理士をお探しの方

この記事のポイント

  • 一時所得とは、懸賞金や拾ったお金の謝礼金などの臨時収入による所得のこと。
  • 満期保険や配当金、競馬投票券の払い戻しも一時所得となり、原則として経費は認められない。
  • 外れ馬券が経費となる判例が2017年に下された。

 

競馬や競輪などのギャンブルで得た利益は、「一時所得」として年間50万円を超えていれば確定申告が必要となります。
しかし、競馬や競輪などで得た利益が、「一時所得」ではなく「雑所得」と認められる判例が、2017年に下されました。

「一時所得」か「雑所得」かによって、所得税額の計算方法が変わってきますし、必要経費の認められ方も大きく変わることから、この判例は大変注目されました。

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競馬の税金

所得税法では、所得の種類を10種類に分類していて、それぞれ計算方法が異なります。
サラリーマンなどが得る給与や賃金は「給与所得」であり、個人事業主などが得る利益は「事業所得」となります。
そして、競馬などギャンブルで得た利益は、通常は「一時所得」となります。

競馬の利益は確定申告が必要

一時所得の課税所得額(※税額の計算の対象となるもの)は、「総収入金額-収入を得るために要した費用-50万円)×2分の1」で計算します。

一時所得の金額={収入金額-収入を得るための費用-特別控除額(50万円)×1/2

一時所得に区分される所得は、競馬や競輪などのギャンブルで得た利益のほか、生命保険や養老保険の保険金、懸賞の賞金、福引の当選金品などがあります。

「一時所得とは|確定申告が必要な場合とは?」を読む

そして、一時所得の課税所得は「総収入金額-収入を得るために要した費用」が年間50万円を超えていれば特別控除である50万円を超えることになりますので、確定申告が必要となります。
一方、「総収入金額-収入を得るために要した費用」が年間50万円を超えていなければ、確定申告は必要ありません。

総収入金額-収入を得るために要した費用>年間50万円:確定申告が必要
総収入金額-収入を得るために要した費用<年間50万円:確定申告が不要

なぜ年間50万円を超えていなければ確定申告が必要ないかというと、一時所得の特別控除額が認められるからです。
一時所得の特別控除額は、
総収入金額-支出した金額が50万円未満の場合は、その全額
総収入金額-支出した金額が50万円以上の場合は、50万円

となります。

なお、この時の「収入を得るために要した費用」とは、生命保険や養老保険の保険金の場合には、必要経費となる払込保険料などが該当しますが、たまに競馬を楽しむ人の場合の外れ馬券は経費とならず、当たり馬券の購入代金は必要経費として認められます。

一時所得の所得税額の計算

先ほどご紹介したように、たまに楽しむ程度の競馬の払戻金は、「一時所得」に該当します。
一時所得は、事業ではないことから原則として必要経費は認められず、課税所得額は以下のように計算します。

①(総収入金額-収入を得るために要した費用-50万円)×2分の1…課税所得金額

②(課税対象の金額 x 税率 - 控除額) x 1.021(復興特別所得税)=所得税額
※税率、控除額は、所得金額によって異なります

たとえば、年間の馬券の払戻金合計が200万円だった場合で、1年間にその当たり馬券を購入した合計額が100万円だった場合には、以下のように計算します。

①200万円(総収入金額)-100万円(当たり馬券購入費)-50万円(特別控除)×1/2=25万円…課税所得額

② (25万円×5%-0)×1.021=12,700円(所得税・復興特別所得税額)
※課税される所得金額が195万円以下の場合、所得税の税率は5%で控除額はゼロ

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競馬の外れ馬券は経費か

一時所得は、事業ではないとして原則的に必要経費は認められません。
なぜなら、仮に外れ馬券が経費になれば、勝つまで馬券を買い続けることができることになってしまいます。
そのため、ギャンブルで得た収入は事業ではなく必要経費とは認められないとされていますが、2017年に、「競馬を事業として行っている場合には、外れ馬券は経費である」という判決が最高裁で確定されました。
この裁判は、競馬の外れ馬券が経費であるか争われた裁判で、最高裁判所では、外れ馬券を経費であると認めたのです。

2017年最高裁は「外れ馬券は必要経費である」と認めた

札幌に住んでいる原告の男性は、平成22年までの6年間、インターネットで計72億円の馬券を購入し、合計約5億7,000万円の収入を得ていました。
男性は、競馬を事業として行っており、馬券で得た収入は「雑所得」であるとして、外れ馬券を経費に算入して申告していました。しかし、札幌国税局は外れ馬券の購入代金を経費と認めず、約1億9,000万円の追徴課税をしていました。
ところが、最高裁判決では男性の訴えが認められ、外れ馬券を経費と認めたため、課税処分が取り消されることになったのです。
(※収入より経費の方が多くなり赤字であるため)

前述したとおり、競馬が単なる趣味であり一時所得と判断される場合、事業ではないとして外れ馬券は経費と認められませんが、この裁判では、「馬券の購入が、この男性の経済的な活動であり、事業としての実態がある」と認定され、外れ馬券が経費と認められることになりました。

2015年にも「外れ馬券は必要経費である」と認めた裁判例も

外れ馬券を経費と認めた判例は、他にもあります。
2015年3月10日、最高裁は自動購入ソフトを使ってネットで大量の馬券を購入していた大阪の男性の行為は「営利目的の継続的行為」であるとして、払戻金は雑所得であり外れ馬券は経費と認める判断を下しました。

営利を目的とする継続的行為から生じた雑所得に当たるか否かは、行為の期間、回数、頻度その他の態様、利益発生の規模、期間、その他の状況等を総合考慮して判断するのが相当である。一連の馬券の購入が一体の経済活動の実態を有するといえるなどの事実関係の下では、払戻金は雑所得に当たる。

外れ馬券が経費となる条件

競馬は通常事業、経済的な活動ではないとされますが、競馬を事業として行っていた場合には、「雑所得」として外れ馬券が必要経費となります。

つまり、「事業としての実態がある」ことが、雑所得となる条件であり、雑所得と認定された場合には、外れ馬券が必要経費と認められることになります。

国税庁では、これらの判決を受けて、一時所得について以下のような通達を出しています。

次に掲げるようなものに係る所得は、一時所得に該当する。

(1) 懸賞の賞金品、福引の当選金品等(業務に関して受けるものを除く。)

(2) 競馬の馬券の払戻金、競輪の車券の払戻金等(営利を目的とする継続的行為から生じたものを除く。)

(注)
1 馬券を自動的に購入するソフトウエアを使用して定めた独自の条件設定と計算式に基づき、又は予想の確度の高低と予想が的中した際の配当率の大小の組合せにより定めた購入パターンに従って、偶然性の影響を減殺するために、年間を通じてほぼ全てのレースで馬券を購入するなど、年間を通じての収支で利益が得られるように工夫しながら多数の馬券を購入し続けることにより、年間を通じての収支で多額の利益を上げ、これらの事実により、回収率が馬券の当該購入行為の期間総体として100%を超えるように馬券を購入し続けてきたことが客観的に明らかな場合の競馬の馬券の払戻金に係る所得は、営利を目的とする継続的行為から生じた所得として雑所得に該当する。
2 上記(注)1以外の場合の競馬の馬券の払戻金に係る所得は、一時所得に該当することに留意する。
3 競輪の車券の払戻金等に係る所得についても、競馬の馬券の払戻金に準じて取り扱うことに留意する。

参照:国税庁「法第34条《一時所得》関係」

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まとめ

以上、競馬にかかる税金についてご紹介しました。
競馬による利益は、一時所得か雑所得かで必要経費に認められる範囲が異なり、税額が大きく変わってきます。
もし、競馬で得た収入が事業、経済活動であり「営利目的の継続行為である」と認められた場合には、雑所得となり、外れ馬券も必要経費とすることができます。
また、外れ馬券以外にも、競馬に関する書籍などが必要経費と認められる可能性もあります。
競馬を事業として行っていて、「営利目的の継続行為」として行っている場合には、早めに税理士に相談して節税対策等についてアドバイスを受けることをおすすめします。

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