個人事業主の青色申告|決算から申告まで

公開日:2019年07月05日
最終更新日:2019年12月02日

目次

  1. 個人事業主の青色申告
    • 青色申告のメリット
    • 青色申告に関する届出
  2. 個人事業主の決算
    • 決算の目的
    • 決算作業の流れ
  3. 個人事業主の確定申告の流れ
    • 所得控除を使って所得税額を抑える
    • 確定申告に必要な書類
  4. まとめ
    • 税理士をお探しのかた

この記事のポイント

  • 確定申告を青色申告で行うと、所得税を安くすることができる。
  • 事前に「所得税の青色申告承認申請書」を税務署に届出る必要がある。
  • 会計ソフトfreeeなら、青色申告に必要な帳簿づけも楽に行うことができる。

 

確定申告には、青色申告と白色申告の2種類があります。
個人事業主は、どちらかを選択することができますが、青色申告の方が所得税を安くすることができます。
ただし、個人事業主なら誰でも青色申告ができるわけではなく、青色申告が認められるためには、いくつかの条件が必要です。

▶ 会社設立・起業について相談できる税理士を探す

個人事業主の青色申告

個人事業主になり、一定の所得を得た人は、それに見合ったか税金を納めなければなりません。個人事業主の場合には、自分で1年の所得を計算し、確定申告をすることによって税金を納めなければならないのです。

確定申告には青色申告と白色申告があり、個人事業主はどちらかを選択することができますが、青色申告の方が有利な取り扱いを受けられ、税金を軽くすることができます。

白色申告は「簡易簿記」で帳簿づけを行わなければならず、青色申告の帳簿づけは「複式簿記」で行わなければなりません。
以前までは、青色申告に必要な「複式簿記」で帳簿づけを行うためには、簿記の知識を身につけたうえで複数の簿記を書き写すなど手間がかかる作業が必要でしたが、今は会計ソフトを使えば、簿記の知識がなくても面倒な計算は自動的にソフトが行ってくれます。

したがって、帳簿づけという点では白色申告も青色申告も、ほぼ作業量は変わらないということになり、白色申告のメリットはほぼゼロです。

青色申告のメリット

青色申告の節税メリットは多々ありますが、最大のメリットが「青色申告特別控除」です。
青色申告を行なうだけで、65万円(内容によっては55万円・10万円の場合あり)を所得から差し引くことができるのです。

その他、家族が事業を手伝う時にその給与を経費にできる「青色事業者専従者給与」や、赤字になった時に赤字金額を翌年3年間黒字と相殺できる「純損失の繰越控除」などの特典もあります。

住民税や国民健康保険料は、この青色申告の結果をもとにして算出されるので、さらに節税効果はアップします。

※平成30年度の税制改正で65万円、55万円、10万円の3種類に分かれることが決まりました。

参照:国税庁「個人所得課税の見直し

(7) 青色申告特別控除(措法25の2)について、取引を正規の簿記の原則に従って記録している者に係る青色申告特別控除の控除額を 55 万円(改正前:65 万円)に引き下げる一方、取引を正規の簿記の原則に従って記録している者であって、次に掲げる要件のいずれかを満たすものに係る青色申告特別控除の控除額を65万円とすることとされました(措法25の2③④、措規9の6②~⑤)。 ① その年分の事業に係る仕訳帳及び総勘定元帳について、電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書類の保存方法等の特例に関する法律に定めるところにより「電磁的記録の備付け及び保存」又は「電磁的記録の備付け及びその電磁的記録の電子計算機出力マイクロフィルムによる保存」(以下これらを「電磁的記録の備付け等」という。)を行っていること。 ② その年分の所得税の確定申告書、貸借対照表及び損益計算書等の提出を、その提出期限までに電子情報処理組織(e-Tax)を使用して行うこと。

「青色申告のメリット・デメリット・確定申告スケジュール」を読む

青色申告に関する届出

青色申告をするためには、事前に「所得税の青色申告承認申請書」を税務署に届出ることが必要です。
また、個人事業主を始める時には、「個人事業の開業・廃業等届出書」を提出する必要がありますし、家族を青色事業専従者にして給与を支払うためには「青色事業者専従者給与に関する届出書」の提出が必要です。

個人事業主の青色申告のために必要な届出

・個人事業の開業・廃業等届出書
事業を開始する時に税務署に提出する届出です。
開業してから1カ月以内に提出する必要があります。

個人事業の開業・廃業等届出書|提出先・記入例など

・所得税の青色申告承認申請書
青色申告を始める時に税務署に提出します。
開業してから2カ月以内に提出する必要があります。

所得税の青色申告承認申請書|提出先・記入例など

・青色事業者専従者給与に関する届出書
家族を青色事業者専従者として給与を支払う場合に必要です。
開業してから2カ月以内に提出する必要があります。

「青色事業専従者給与」とは|認められるための条件、必要な届出、記入方法など

・給与支払事務所等の開設届出書
はじめて人を雇って給与を支払う時に必要です。

給与支払事務所等の開設届出書とは|提出期限、記入方法など

・源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書
毎月納めるべき給与から源泉徴収した所得税の納付を、年に2回にできます。

個人事業主の決算

個人事業主の事業年度は、1月1日から12月31日と決められていて、この事業年度の成果をまとめるのが、「決算」です。
決算は、1年間の事業の締めくくりであり、具体的には青色決算書(損益計算書と賃借対照表)を作成することになります。

決算作業のベースとなるのは、言うまでもなく毎日の帳簿づけです。
それぞれの帳簿の内容にミスがないかをチェックし、翌年にいれる売掛金や貝脚気金、前受金などを処理し、年末に残った在庫を帳簿に反映させるなどして、集計しましょう。

決算の目的

決算の目的は、大きく2つあります。
まずは、確定申告です。
決算書は、所得税や事業税、住民税などを計算するもとになるからです。

そして、もう1つの目的が、事業の実績を確認することです。
決算書は、1年間の経営状態を客観的な数字で表したものですから、決算書を確認することで、経営状況を把握することができ、改善点を明確にすることもできます。
具体的な問題点や課題を抽出し、その解決策を検討したうえで、計画的に改善活動を実行していくためには、決算書を活用することが重要なのです。

決算作業の流れ

決算作業は主に以下の流れで進めます。

①帳簿の記帳もれやミスのチェック
領収書や請求書の金額と、帳簿の金額と合っているかを確認します。
そして、収入と支出を勘定科目に整理します。
特に経費は、プライベートの支出が混同していることがありますので、注意しましょう。
なお、これらの作業は、日頃から会計ソフトで帳簿づけを行っていれば、ほとんど必要ありません。

②棚卸
今年仕入れた商品や材料の仕入値は、すべてを経費に計上するのではなく、年末までに売れた分の仕入値だけ、今年の経費に計上します。
そのため、商品の在庫(売れ残った在庫)を数える必要があるのです。この作業を「棚卸」といい、今年度の経費に計上できる仕入値を「売上原価」といいます。
正しい売上原価を把握するためには、年度のはじめと年度末の在庫個数を比較する必要があります。
棚卸の額を評価して、1年間の仕入値の合計額と年度初めと年度末の棚卸資産の額から、売上原価を計算します。

③減価償却
事業に使う固定資産のうち、時間の経過とともに価値が下がる資産を「減価償却資産」といいます。
減価償却法は、毎年同額ずつ償却する「定額法」と。毎年同率で償却する「定率法」の2種類あります。
個人事業主の場合には、定率法を選択した方が、初年度の税負担を軽くすることができます。定率法を適用する場合には、「減価償却資産の償却方法の届出書」を税務署に提出する必要があります。

個人事業主の確定申告の流れ

個人事業主が払う主な税金は、所得税・事業税・住民税・消費税の4つです。
このうち、所得税は自分で申告・納税するために確定申告をしますが、住民税と事業税は、それぞれの自治体によって税額が計算されるので、原則として手続きは必要ありません。消費税は、基本的に前々年度の課税売上高が1,000万円超の時に納税します。

所得控除を使って所得税額を抑える

所得税は、以下の流れで計算します。

収入金額-必要経費=所得金額

所得金額-各種所得控除=課税所得

課税所得に税率をかけて税率を計算

つまり、所得税を安くするためには、所得控除が多ければ多いほど納める税金は少なくなるということになります。
所得控除は、さまざまな種類がありそれぞれ条件や証明書が必要となりますが、適用できる所得控除がある場合にはもれなく適用するようにしましょう。

税額を減らす!14種類ある所得控除を受けられる人と控除額

確定申告に必要な書類

青色申告に必要な書類は、確定申告書Bと青色申告決算書です。
確定申告書はAとBがありますが、確定申告書Aは、一般にサラリーマンや年金受給者が使用します。

会計ソフトfreeeでは、1年間の収入とそれに関わる経費、必要な情報を登録したら、freeeからの質問に「はい」か「いいえ」で答えるだけで完了することができます。

所得控除についても、「病気や怪我で病院に行きましたか?(医療費控除」「ふるさと納税などの寄附をしましたか?(寄附金控除)」「養っている配偶者はいますか?(配偶者控除」など、所得控除の知識がなくても分かりやすく回答できるよう工夫されていて、1時間もかからずに確定申告書類が完成します。

まとめ

以上、個人事業主の確定申告に必要な、決算作業から申告書の作成までの流れについて、ご紹介しました。
なお申告書には記載されませんが、会計ソフトfreeeでは、確定申告後に1年間の経営状況をグラフ化することができます。大きな変化があった月や収支の状態を見ることで、1年間の振り返りをすることができます。

「会計ソフトfreee」

税理士をお探しのかた

税理士検索freeeでは2,000以上の事務所の中から「融資・資金調達に強い」「ITに強い」「決算コンサルティングが可能」「女性が担当」などの様々な条件で希望に合う税理士・会計士・社労士の認定アドバイザーを検索することができます。
また、コーディネーターによる「税理士紹介サービス」もあるので併せてご利用ください。

税理士の報酬は事務所によって違いますので、「税理士の費用・報酬相場と顧問料まとめ」で、税理士選びの金額の参考にしていただければと思います。

確定申告のみ対応にノウハウを持つ税理士を探す

地域から確定申告のみ対応に実績がある税理士を探す

より細かいカテゴリから税理士を探す

人気記事

タグ一覧

業種

その他

PageTop