個人事業主として開業するには?必要な届出・起業資金・確定申告

公開日:2019年07月05日
最終更新日:2020年01月24日

目次

  1. 個人事業主とは
    • 個人事業主は開業したてが有利
    • 主な業種
  2. 開業する際に必要な届出
    • 個人事業の開廃業届出書
    • 所得税の青色申告承認申請書
    • 事業開始等申告書
    • 青色事業専従者給与に関する届出書
    • その他
  3. 個人事業主の資金調達
    • 日本政策金融公庫
    • 自治体の制度融資
  4. 個人事業主の経理
    • 個人事業主が払う税金
    • 会計ソフトで帳簿づけ
  5. まとめ
    • 税理士をお探しの方

個人事業主は法人を設立するのと比較すると、開業手続きも簡単で費用もかからず、また税務申告も比較的簡単であるというメリットがあります。
ここでは、個人事業主の開業に必要な手続きや、活用したい資金調達の方法、税務申告のために必要な経理作業などについてご紹介します。

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個人事業主とは

個人事業主とは、個人で事業を行う人のことを言います。
逆に、株式会社などの団体的な組織として事業を行うものは「法人」と呼ばれます。

法人は、開業する際に定款(会社の根本規範を示した文書)の作成が必要で、定款認証手数料や登録免許税などの費用がかかります。
たとえば、株式会社を設立する場合には、設立の際に費用が25万ほどかかります。
また、税務申告も個人事業主の申告と比較すると、非常に面倒です。

一方、個人事業主の開業手続きは税務署に必要な書類を提出するだけで、ほとんど費用がかかりません。法人と違い定款を作成するなどの面倒に感じる手続きも不要です。
「開業freee」なら、個人事業主の開業に必要な書類が無料で一括作成できます。

ただ、業種によっては法人化した方が取引が有利になることもありますし、利益が増えてくれば個人事業主より税負担が軽くなるなどのメリットもあります。
したがって、個人事業主として開業するか、会社を設立するか、個人事業主として開業して後々法人化を目指すかは、やりたい事業形態に沿って、検討する必要があります。

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個人事業主は開業したてが有利

会社を設立した場合は、法人の利益に対して法人税を納めます。
法人税の税率は2段階に区分され、利益が少ない場合でも一定の税率がかかる仕組みとなっています。
一方、個人事業主は1年間の所得に対して所得税を納めます。
税率は所得額に応じて段階的に決められますので、利益が少なければ税額をおさえることができます。
したがって、開業したばかりでは利益がそれほど見込めないという場合には会社を設立するよりも個人事業主の方が有利です。

ただし、法人の方が節税対策はしやすく、利益が上がってくると個人事業主より税負担は軽くなります。
まずは個人事業主から始め、後々法人化についても検討してみましょう。

「独立・起業するなら、個人事業主と法人、どちらがお得か」を読む

主な業種

ひとくちに「個人事業主」といっても、その業態はさまざまです。
チェーン店に加入して営業するフランチャイズや、商品を仕入れて販売する「小売業」、技術を活かしてサービスを提供する「サービス業」などは、個人事業主として開業が可能ですし、飲食業を個人事業主で開業しているケースもあります。

・ライター・デザイナー・翻訳家など
顧客のニーズに合わせて、経験やアイディアを活かし、物を作って提供します。

・サービス業(美容師・コンサルタント・民泊など)
技術力やアイディアを活かして、サービスを提供します。
コミュニケーション能力が必要です。

・小売業(雑貨店・文房具店・書店など)
商品を仕入れて販売します。仕入をする際の目利きや陳列方法などが、売上を大きく左右することがあります。

・ネットショップ(ネット上で取引し、商品を販売する)
Webページを開設したり、サイバーモールなどを利用したりして商品を販売します。最近は、趣味の手作り商品を販売するケースが増えています。

・フランチャイズ(ラーメン店・コンビニ・カフェなど)
チェーン店に加盟して営業します。
加盟店とロイヤルティーを支払う必要がありますが、営業ノウハウを活用することができます。

・飲食業(カフェ・バー・レストランなど)
味の良さはもちろん、接客態度や店舗の居心地、飽きさせないメニューの工夫なども必要です。キッチンカーや屋台で移動販売するケースも増えています。

飲食業や小売業の場合には、実店舗を持つケースが多いですが、ネットショップやデザイナーであれば、自宅で開業することも十分に可能です。
店舗や事務所を構えるかどうかで初期費用は大きく変わりますので、事業が軌道に乗るまでは、自宅で起業することも検討しましょう。

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開業する際に必要な届出

会社を設立する場合と比較すれば、個人事業主の開業届はそれほど複雑ではありません。しかし、免許や資格がないと開業できない業種もあります。
たとえば飲食店業を開業する場合には、食品衛生責任者と防火責任者の資格が必要で、保健所から発行される営業許可書が必要です。
また、酒類の販売をするためには、酒類販売免許という免許が必要となります。
これらの資格や取得を未取得のまま営業を開始すると、営業停止処分や罰金などの処分を課せられます。自分が行う事業では、どのような許認可免許や資格が必要なのか、事前に確認するようにしましょう。

個人事業の開廃業届出書

個人事業主が開業する際には、まず「開業届(個人事業の開業・廃業等届出書)」を納税地の税務署に提出しなければなりません。提出期限は、事業の開始した日から1カ月です。

「個人事業の開業・廃業等届出書|提出先・記入例など 」を読む

所得税の青色申告承認申請書

所得税の青色申告承認申請書」とは、確定申告を青色申告で行うための書類です。
確定申告の方法には青色申告と白色申告があります。青色申告は、青色申告特別控除、青色事業専従者給与、純損失の3年繰越など、節税につながる特例がたくさんありますので、ぜひ青色申告を選択するようにしましょう。

「所得税の青色申告承認申請書|提出先・記入例など」を読む

事業開始等申告書

自治体に対して、個人事業を開業したことを証明するために、都道府県と市区町村に「事業開始等申告書」を提出します。これは、地方税(事業税・住民税)を納付するために必要となります。通常は、税務署に提出する開業届(前述)と同じものを都道府県と市区町村に提出しますが、東京都など様式が異なる場合もありますので、事前に確認するようにしましょう。

「事業開始等申告書|提出先・記入例など」を読む

青色事業専従者給与に関する届出書

確定申告を青色申告で行うと、家族従業員に対する給与を経費として認めてもらうことができます。白色申告だと、専従者控除」として一定額(配偶者で86万円、その他の親族は50万円)の控除を受けられるだけです。

「「青色事業専従者給与」とは|認められるための条件、必要な届出、記入方法など」を読む

その他

1年目の税負担を減らしたい人は、「所得税の棚卸資産の評価法」「減価償却資産の償却方法の届出書」の届出の提出も検討しましょう。
これは、例外的な評価方法や償却方法を選ぶための届出です。

土地や建物、パソコンなどの固定資産のうち、時間の経過とともに価値が下がる資産を「減価償却資産」といいますが、この減価償却資産の取得でかかった金額は、使い続ける期間(耐用年数)にわたって経費に計上します。
そして減価償却には主に「定額法」と「定率法」の2つの方法があり、個人事業の場合には、原則定額法となっていますが、定率法の方が、取得した年に多くの金額を経費に計上するために、初年度の税負担が軽くなるというメリットもあります。

「個人事業主の節税|経費を増やして税金を減らす11の方法」を読む

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個人事業主の資金調達

事業を開始するために自己資金が足りない、でも家族や知人からの借入も頼めない…ということもあるでしょう。
そのような時には、個人事業主でも利用できる融資制度について検討しましょう。

日本政策金融公庫

個人事業主で最も借りやすいのが「日本政策金融公庫」です。
日本政策金融公庫とは、国が100%の株式を所有する政府系銀行で、中小企業や個人事業主を支援するために設立・運営されています。利息も低く、返済期間が長く設定されていて、融資の条件も、民間の金融機関と比較するとゆるやかに設定されています。

「日本政策金融公庫から融資を受けるための手続きと必要書類」を読む

自治体の制度融資

都道府県や市区町村などで運営されている制度融資は、自治体と信用保証協会、金融機関の三者が連携して行われる融資制度です。
信用保証協会に保証料を支払い、一定の条件を満たすと融資を受けることができます。
銀行や信用金庫は、開業したばかりの個人事業主に対して融資を行うことはまずないので、まずはこのような公的な融資制度を利用することから始めましょう。

「融資・補助金・出資の相談|税理士の活用法」を読む

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個人事業主の経理

これまでサラリーマンだった人は、毎月の給料や賞与からあらかじめ税金が天引きされ、年末には会社が年末調整を行っていました。つまり会社が納税手続きをしてくれていたので、自分で確定申告をする必要がありませんでした。
しかし、個人事業主として開業すると、自分で税額を確定させ、納税をしなければなりません。

「個人事業主の経理と税金|知っておくべき経理の基礎と帳簿づけ」を読む

個人事業主が払う税金

個人事業主に関係する主な税金は、所得税・事業税・住民税・消費税で、税金の種類によって、申告・納税方法は違います。
所得税や消費税は、自分で税額を計算して税務署に申告し、納税しますが、住民税や事業税は、自治体で税額が計算され、納付書が郵送されてくるので、その納付書にしたがって納税します。

所得税
その年の所得の合計額から、経費・各種所得控除額を差し引いた額に課税されます。
自分で申告・納税します。

消費税
預かった消費税と支払った消費税を清算します。
基本的に、前々年度の課税売上高が1000万円を超えた場合に納税します。

事業税
指定された事業ごとに、一定の税率でかかる税金です。
事業所得(青色申告特別控除前)が290万円を超えた場合に課税されます。
都道府県税事務所から通知が来た時に、納税します。

住民税
住民税には、都道府県民税と市区町村民税があり、一定の所得がある人が対象です。
市区町村から郵送される通知にしたがって、納税します。

「個人事業主・フリーランスが納める税金」を読む

会計ソフトで帳簿づけ

確定申告を行なうためには、日々の帳簿づけがかかせません。
そんな時に活用したいのが、「クラウド会計ソフト」です。
特に、「会計ソフトfreee」は、2012年に登場して以来、多くのスモールビジネスを営む個人事業主に利用されているクラウド会計ソフトです。
いつでもどこでもインターネット環境があれば利用することができ、ちょっとした空き時間にも経理作業を行うことができますので、開業したばかりの忙しい時期に効率的に経理作業をこなすことができます。
さらに、銀行口座と連携すれば、毎月の支払や入金も自動で記帳することができ、さらに効率的です。
従来のように通帳や領収書をひとつひとつ確認しながら、書類作成を行うことなく、あっという間に確定申告用書類一式を完成させることができます。
もちろん、すべてのデータを金融機関レベルの厳重なセキュリティで保存されているので、安心です。

「クラウド会計freeeで行う個人事業主の確定申告」を読む

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まとめ

  • 個人事業主の開業手続きは税務署に必要な書類を提出するだけで、費用もほとんどかからない。
  • 業種によっては法人化した方が取引が有利になることがある。
  • 個人事業主を開業する時には個人事業の開廃業届出書などが必要となる。

以上、個人事業主の開業のために必要な手続きや届出、活用したい融資制度や会計ソフトなどについてご紹介しました。
個人事業主は、やりたいビジネスに自由に挑戦し、事業も予算も自由に決めることができる大変魅力のあるチャレンジです。

開業直後は、責任や仕事は増えますし、税務申告なども自分で行わなければなりません。経済的に厳しい状況が続くこともありますが、その分物やサービスが売れたり契約が取れたりした時の喜びもひとしおです。
喜びや苦しみを1人で背負って立つというのも、個人事業の醍醐味といえるかもしれません。
とはいうものの、事業を拡大させていくためには、便利な制度やツールはフルに活用し、積極的に税理士や中小企業診断士などのアドバイスやサポートを受けることが大切です。

税理士をお探しの方

税理士検索freeeでは2,000以上の事務所の中から個人事業主の開業や、個人事業主の法人成りについてサポートをしてくれる税理士を検索することができます。
また、コーディネーターによる「税理士紹介サービス」もあるので併せてご利用ください。

税理士の報酬は事務所によって違いますので、「税理士の費用・報酬相場と顧問料まとめ」で、税理士選びの金額の参考にしていただければと思います。

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