当座比率|意味・計算方法・流動比率との違い(初心者向け)

公開日:2019年12月22日
最終更新日:2019年12月22日

目次

  1. 当座比率とは
    • 流動比率との違い
  2. その他のさまざまな安全性分析
    • 固定比率
    • 固定長期適合率
  3. 経営分析の活用法
    • 収益性を見る
    • 成長性を見る
  4. まとめ
    • 税理士をお探しの方

この記事のポイント

  • 当座比率とは、当座資産を流動負債で割って計算し、会社の安全性を見る指標。
  • 当座資産とは、流動資産のうち「現金及び預金」「受取手形」「売掛金」などのこと。
  • 現金化されやすい当座資産にだけ着目して、短期の支払い能力を判断することができる。

 

当座比率とは、当座資産を流動負債で割って計算し、会社の安全性を見る指標です。
現金化されやすい当座資産にだけ着目して、短期の支払い能力を判断することができます。同じように短期の支払い能力を判断する指標としては、流動比率がありますが、当座比率は、流動比率よりさらにシビアに短期の支払い能力を判断するための指標ということができます。

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当座比率とは

当座比率とは、財務分析指標の1つで、流動負債に対して当座資産がどの程度保有されているかを示す指標です。貸借対照表の流動資産を同じく貸借対照表の流動負債で割ることで求められます。

当座比率=当座資産/流動負債×100

当座資産とは、流動資産のうち「現金及び預金」「受取手形」「売掛金」などのことをいいます。

この比率は、短期の債務返済能力に関する財務安全性を示すものです。
当座比率が100%以上あれば、短期債務返済能力は十分あるものと判断することができるので、「財務安全性が高い」ということになります。逆に100%未満だと、短期債務返済能力が十分ではないということになります。

流動比率との違い

支払い能力という視点から会社の安全性を見る指標としては、当座比率のほかにも「流動比率」があります。
流動比率は、貸借対照表の流動資産を貸借対照表の流動負債で割ることで求められます。

流動比率=流動資産/流動負債×100

流動資産は、短期的に現金化される資産で、当座資産(現金・預金、売掛金など)のほか、棚卸資産(商品、原材料など)、その他の流動資産(短期貸付金、仮払金、立替金など)も含まれます。

棚卸資産は、売れないと現金化されないので、流動性という意味ではやや不確実な部分もあります。その点、当座比率は、確実に現金化される当座資産のみで見る指標なので、流動比率より、よりシビアに判断する指標ということができます。

ただし、確かに当座比率は、現金化されるか分からない棚卸資産は除かれて計算しますから、流動比率と違って売れない不良在庫の心配はありませんが、売上債権は含めて計算されます。売上債権とは、売掛金や受取手形のことで、これらが回収不能になると、当座比率の数字もあてにならないものになってしまいます。
したがって、当座資産の中身をしっかりチェックすることが重要といえます。

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その他のさまざまな安全性分析

当座比率や流動比率が短期的な指標であるのに対して、長期的な視点で会社の安全性を分析する指標もあります。たとえば、固定比率は、長期的な視点で会社の安全性を分析する指標で、「固定長期適合率」は、会社の成長に必要な投資を推進する時に見る指標です。

固定比率

固定比率とは、自己資本に対する固定資産の比率です。
長期的な視点で会社の安全性を分析する指標で、資金の運用と調達がバランスよく行われているかを判断することができます。
固定比率は、固定資産を純資産で割って計算します。

固定比率=固定資産/純資産

いったん固定資産に資金が投下されると、その資金は拘束されてしまうので、資金の調達もとは返済義務のある負債(他人資本)ではなく、自己資本であることが安全性の視点からは望ましいことになります。
そのため、固定資産を自己資本で割って求められる固定比率が低ければ、企業の長期的な安全性は高いと判断することができます。
この比率が100%以下であれば、会社が長期的に保有する固定資産が、借入金等の他人資本に依存していないということになり、自己資本をもとに資金調達されているということを表します。つまり、会社が健全な状態にあることを示していることになります。

固定長期適合率

会社の成長に必要な投資を推進する時に見るのが「固定長期適合率」です。この指標は、固定資産における純資産+固定負債という安定した調達資金の割合を示すもので、この数値は100%以下を目指す必要があります。

固定長期適合率=(自己資本+固定負債)/固定資産×100

固定負債は、返済期日が1年以内に到来しないものなので、自己資本に近い安定した資金といえます。そこで自己資本と同じように固定資産を調達する原資としてもよいという考え方ができるのです。

固定長期適合率が100%を超えていれば、固定資産を自己資本と固定負債という安定した資金でまかなえていることになります。分子に固定負債を+している分、固定比率よりは楽観的に見ることができるため、固定長期適合率が100%を切るようになるようだと、長期の支払い能力が危険であるということになります。

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経営分析の活用法

会社の決算書を活用して経営分析をすることによって、これまでご紹介したような「安全性」のほかに、会社が本当に儲かっているかという「収益力」や、会社がもっと成長できるかといった「成長性」などを判断することができます。

収益性を見る

収益性とは、会社がどの程度儲ける力を持っているかということです。
収益性が高ければ高いほど、利益を上げる力が津用途いうことになります。したがって、収益性が高いと投資家からの信頼感が高まりお金を集めやすいともいえます。

収益性を判断するうえで最も分かりやすい指標が、売上高利益率というもので、売上高に占める利益の割合を見ることができます。
損益計算書には、売上総利益、営業利益、経常利益、税引き前当期純利益、当期純利益の5段階の利益があるので、5つの売上高利益率を計算することができますが、なかでも重要なのは、本業の利益率を示す営業利益率です。

営業利益率=営業利益/売上高×100

義営業利益率の目安は業種ごとによって平均値が異なりますが、5%以上であれば、収益性が高い会社といえます。

会社を経営するうえでは、売上のみを追い求めるのではなく、いかに効率よく利益を残すかも重要な経営課題です。したがって、営業利益率が低い場合には、販売単価を上げたり仕入単価を下げたりするなどの対策が必要となります。

成長性を見る

成長性とは、これまで会社が成長してきているか、そしてこれからも成長していくことができるかどうかを表すものです。つまり、売上高や利益が順調に伸びてさらに稼いだ利益をもとに商品開発や新規の設備導入などに投資を行っていくことができるかを判断することができます。

成長性を分析する際の基本は、過去の決算書との比較です。まずは単純にどの項目が増えてどの項目が減ったのかを見てみましょう。
たとえば、売上高は下がったけれど営業利益が上がった場合には、売上に対する売上原価の割合が低下したか販売費及び一般管理費が減少したことが理由として考えられます。つぎにどの項目が具体的に下がったのかを細かく見ていきます。
このように、まず全体を比較してから、徐々に細かい項目に絞って分析するのが、成長性分析のポイントです。

同業他社の成長性と比較する際には、売上高伸び率や営業利益伸び率、経常利益伸び率の3つの指標で判断することができます。

①売上高伸び率
売上高は、会社の商品やサービスの販売総額と、商品やサービスがどれだけ評価されたのかを示します。売上高が伸びている会社は、商品・サービス力のある会社ということができます。

売上高伸び率=(当期売上高-前期売上高)/前期売上高

②営業利益伸び率
営業利益は、会社が本業をより稼ぐ力を示します。本業の力を表す営業利益が伸びてこそ、成長性のある会社です。つまり成長基調にあるうえで、さらにコスト面でも管理が徹底している会社と判断することができます。

営業利益伸び率=(当期営業利益-前期営業利益)/前期営業利益

③経常利益伸び率
経常利益は、営業利益に金融取引や投資活動から生じた受取利息や支払利息などの損益を加減さんすることで計算します。
経常利益は、会社本来の力を表す利益なので、営業利益の伸び率とともに経常利益伸び率を見ることも大切です。

経常利益伸び率=(当期経常利益-前期経常利益)/前期経常利益

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まとめ

以上、当座比率の意味や流動比率との違い、経営分析のさまざまな指標についてご紹介しました。
決算書の分析のためには、必ず押さえておくべきポイントとして、収益性、安全性、成長性の3つがあります。
そして、当座比率とはこのうちの安全性を判断するための比率です。
経営分析するうえでは、当座比率だけでなく、複数の指標を見ることによってより深い比較分析ができるようになります。そして、どこに強みがあるのか課題にあるのかもとらえやすくなります。また、指標をただ計算するのではなく、そこから読み取れる意味まで理解し、課題が見つかった場合には必要な対策を講じるところまで落とし込むことが大切です。

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