営業利益とは|売上総利益・経常利益との関係

公開日:2019年08月05日
最終更新日:2019年09月27日

目次

  1. 営業利益とは
    • 損益計算書の「営業利益」の表示
    • 損益計算書の5つの「利益」の意味
    • 営業利益は売上総利益-販売費及び一般管理費
  2. 営業利益と経常利益の関係
    • 営業利益は「経営力」
    • 経常利益は「会社の実力」
  3. 実際の損益計算書を見てみよう
    • 資生堂の連結損益計算書
  4. まとめ
    • 税理士をお探しの方
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営業利益は、売上総利益から「販売費及び一般管理費」を差し引いたものです。損益計算書にある5つの利益のなかでもっとも注目される利益は「経常利益」ですが、営業利益も経常利益とともに重視される利益で、経営者の経営力が一番問われる利益ということができます。

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営業利益とは

営業利益とは、売上総利益(売上高から売上原価を引いたもの)から、「販売費及び一般管理費」を差し引いた利益です。

損益計算書の「営業利益」の表示

損益計算書を見ると、「利益」と名のつく項目がいくつもあることが分かります。
損益計算書は、収益と費用を段階的に区分して表示することで、会社がどのように稼いだかが分かるようになっています。

営業利益は、売上総利益から「販売費及び一般管理費」を差し引いたもので、5つの利益のうち2番目に表示されています。

営業利益は、企業の営業活動による成果を示すもので、5つの利益のなかでも、経常利益とともに最も注目される利益です。

損益計算書の5つの「利益」の意味

損益計算書は、発生原因別に5つの利益に区分されていて、営業利益の他にも、売上総利益、経常利益、税引前当期純利益、当期純利益があります。
損益計算書を見る場合には、営業利益だけ見るのではなく、この5つの利益を段階的に見る必要があります。

① 売上総利益
当期中に売り上げた商品の売上高から売上原価を差し引いたものです。
売上原価とは、販売された商品などの原価のことで、一般的に粗利(あらり)と呼ばれます。

売上総利益=売上高-売上原価

なお、売上原価は、当期に販売された商品の仕入原価であり、売れ残った在庫分は売上原価とすることはできません。
例えば、700円の商品を10個仕入れて、1,000円で8個売ると、売上は8,000円となります。この時の売上原価は、700円×10個=7,000円ではなく、売れた商品分の700円×8個=5,600円となります。2個は売れずに残ったので、売上原価とはなりません。

② 営業利益
次に、売上総利益から「販売費及び一般管理費」を差し引いたものが「営業利益」です
「販売費及び一般管理費」とは、販売部門や管理部門などで発生したコストのことで、広告宣伝費や販売手数料、人件費、家賃、減価償却費などがその代表例です。
したがって、この営業利益は、本業で稼いだ利益(会社の営業活動によってもたらされた利益)ということができます。

営業利益=売上総利益-販売費及び一般管理費

③ 経常利益
次に、毎期経常的に発生する受取利息や支払利息といった営業外損益をプラスマイナスしたものが「経常利益」です。
「経常」とは繰り返すという意味なので、企業が本業を含めて普段行っている継続的な活動から得られる利益であり、会社の実力を示す利益です。

経常利益=営業利益+営業外収益-営業外費用

④ 税引前当期純利益
次に税引前当期純利益ですが、これは経常利益に臨時的な損益である特別損益をプラスマイナスした利益です。特別利益、特別損失とは、例えば土地を売却した際の利益や、工場が火災で焼失した際の損失など、臨時的に発生した損益のことをいいます。

税引前当期純利益=経常利益+特別利益—特別損失

⑤ 当期純利益
最後に当期純利益とは、税引前当期純利益から法人税や住民税、事業税を差し引いたものです。つまり、企業の最終的な利益ということになります。

当期純利益=税引前当期純利益-税金(法人税・住民税・事業税)

このように、損益計算書は、段階ごとにいろいろな利益を示すことによって、会社がどのように稼いだか、どれだけ稼いだかといった経営成績を明らかにしています。

営業利益は売上総利益-販売費及び一般管理費

これまで述べてきたように、営業利益は、「売上総利益-販売費及び一般管理費」です。それでは、「販売費及び一般管理費」とは何を意味するのでしょうか。
販売費及び一般管理費とは要するに「経費」のことで本来の営業活動から生じた費用で、人件費や水道光熱費、通信費などが含まれます。

販売費:
広告宣伝費、発送配達費、販売促進費、接待交際費

人件費:
給与、雑給、法定福利費、賞与、退職金

事務経費:
消耗品費、通信費、水道光熱費、支払手数料

管理費:
地代家賃、減価償却費、修繕費

その他:
租税公課、顧問料

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営業利益と経常利益の関係

営業利益と経常利益は、5つの利益のなかでも、もっとも重視される利益です。
ここでは、営業利益と経常利益の関係などについてご紹介します。

営業利益は「経営力」

営業利益は、売上総利益から販売費及び一般管理費を差し引いたもので、会社が本業でいくら儲けたのかを示すものなので、この本業の実力があらわれる利益ということになります。
さらに、営業利益を見る時には、販売費及び一般管理費を売上総利益や売上高と関連づけて分析することも大切です。
たとえば、前年度の売上高や売上総利益は変わらないのに、人件費が増加すれば営業利益は下がることになります。これを見た時に、「将来への先行投資として人員を増員させたが、当期はその結果が出なかった」と見ることもできますが、その人員増員の結果がいつ出るのかという点は、ひとつの判断ポイントとなります。
また、営業利益が上がっていてもそれは単に経費削減したからに過ぎないということがあります。この時、本来かけなければならない経費まで削ったとすれば、一時的に営業利益を確保したに過ぎないといえるので、この課題をどのように判断するのかはひとつのポイントとなります。

このように、営業利益は経営者の経営力が一番問われる利益ということができるのです。

経常利益は「会社の実力」

経常利益は、「営業収益」に「営業外収益」と「営業外費用」をプラスマイナスして計算します。
「営業外収益」の代表例は、受取利息や支払利息があります。企業活動の中では、余剰資金を株式や債券に投資して運用することがありますが、この運用の成果は本業で稼いだわけではないので、営業外収益に計上されます。

一方、「営業外費用」の代表例は支払利息です。必要な資金を借入れた場合には必ず金利が発生します。このような財務活動の結果生じた金融費用などを営業外費用として計上するのです。

そして、これらの損益を加味して計算した経常利益は、会社が継続的に利益を上げることができるかを示します。
たとえ営業利益が黒字でも、支払利息などの多額の費用があり、経常利益が赤字となっている会社は、事業がうまくいっているとはいえません。

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実際の損益計算書を見てみよう

ここまでは、損益計算書の5つの利益の見方や、経常利益、営業利益の判断ポイントについてご紹介してきました。
ここでは、これまでの知識を踏まえ、実際の損益計算書を見ていきましょう。

資生堂の連結損益計算書

下記の損益計算書は、2017年1月1日から2017年12月31日までの、株式会社資生堂の連結損益計算書です。

資生堂連結損益計算書

①売上高
売上高は、1兆円を超えていることが分かります。

②売上原価
化粧品等の製品を製造するための売上原価は2,313億円程度で、コストはそれほどかかっていないことが分かります。

③売上総利益
売上原価がそれほどかからないので、売上総利益は、7,737億円も計上されています。

④営業利益
人件費や広告宣伝費で構成される販売費及び一般管理費は、6,932億円となっています。これを差し引くと、資生堂が本業で稼ぎだした営業利益が804億円であることが分かります。
ここまで見ていくと、資生堂の化粧品の製造コストはそれほどかかっていないものの、多額の広告宣伝費をかけて高い価格で販売するという、化粧品ビジネスの特徴が表れていることが分かります。

⑤経常利益
経常利益は803億円となっていますので、営業外収益や営業外費用には何があるかを見ていきます。営業外収益には、受取利息8億円や受取配当金5億円が計上されています。一方、営業外費用は支払利息9億円が計上されています。

⑥特別損益
この資生堂の損益計算書では、特別損失のなかの「減損損失」の709億円にも注目すべきです。これは、ある事業の将来の見通しが立たなくなった場合に、関連する資産の損失処理を行うものです。資生堂の有価証券報告書を見ると、この709億円は、米州事、欧州における事業に関連して計上された損失であるようです。

⑦当期純利益
上記の結果から、法人税等を差し引いた最終的な利益は227億円と示されています。

このように損益計算書は、段階的に示される利益を見ることで、経営分析をすることができます。

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まとめ

  • 「営業利益」は、損益計算書に段階的に表示される「利益」の中の1つ。
  • 「営業利益」は、売上総利益から、「販売費及び一般管理費」を差し引いたもの。
  • 営業利益は、経常利益とともに最も注目される利益である。

以上、営業利益の意味や、売上総利益・経常利益との関係、損益計算書のチェックポイントなどについてご紹介しました。
損益計算書からは、企業活動ごとの利益を把握することができますが、実際の経営分析は、損益計算書だけでなく、賃借対照表やキャッシュフロー計算書とつなげて分析することが大切です。
経営コンサルに力を入れている税理士に相談すれば、損益計算書の見方、それぞれの利益の考え方、問題点などをアドバイスしてもらうことができます。

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