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消費税納税額について

    納めた消費税(期間特例)の合計額よりも、仮受消費税と仮払消費税の差額合計(貸方)が少ないのですが、考えられる原因と修正の仕方がありましたら、ご教示頂けると助かります。

    よくある原因は

    1.課税・非課税・不課税の区分誤り
     ・仕訳登録時に「課税対象外」や「不課税」で処理している支出が、実際は課税取引(10%または軽減8%)である場合、仮払消費税が計上されずズレます。
     → 特に通信費・光熱費・事務用品費などで起こりやすいです。

    2.税込・税抜処理の混在
     ・一部の取引を税込で登録し、他を税抜で処理していると、消費税の集計額がずれます。
     → 税抜経理方式であれば、全て税抜+仮受/仮払を分ける必要があります。

    3.前期・翌期分の仮受仮払の期ズレ
     ・前期末や翌期首の未払・未収に関して、消費税をどちらの期に含めたかで差が出ます。
     → 特に決算時の「未払費用」「未収入金」仕訳の消費税区分に注意。

    4.消費税申告書上の加減算(端数処理・地方消費税)との混同
     ・申告書で納める税額には、地方消費税分(22/78)や端数処理も含まれます。
     → 帳簿上の仮受-仮払は「国税部分のみ」なので、申告書上の合計額とは一致しません。

    5.課税仕入れの控除対象外部分
     ・交際費、非課税売上対応分(例:保険料収入や住宅貸付)、社宅などは控除対象外であり、
      仮払消費税として集計されていても、申告上は控除できないため差が生じます。

    確認の手順は

    1.会計ソフトで「税区分別残高一覧表」を出力
     → 各税率(10%、8%、非課税、不課税など)ごとの金額をチェック。

    2.売上側(課税売上・免税・非課税)と仕入側(課税仕入・非課税)を突き合わせる
     → 「課税取引なのに区分が不課税」などの誤りを特定。

    3.決算整理仕訳の確認
     → 「仮受消費税」「仮払消費税」「未払消費税」「未収消費税」の残高が正しく期末整理されているか。

    修正方法は

    1.区分誤りや税込処理を修正する
     → 該当する仕訳を税抜・課税扱いに直す(ソフトによっては税区分変更機能あり)。

    2.決算整理仕訳で整合させる
     → 正しい仮受-仮払差額を求め、未払消費税を次のように調整します。

     例)正しい納付額が30,000円、帳簿差額が27,000円の場合
       (借)租税公課 3,000 / (貸)未払消費税 3,000  
     → このように帳簿側で差額を補正します。

    3.地方消費税分を分けて確認する
     → 「納付税額=国税(78/100)+地方税(22/100)」なので、
      仮受-仮払の差は国税部分と一致しているかを確認します。

    • 回答日:2025/10/10
    • この回答が役にたった:1
    • 早々にご回答下さり、大変ありがとうございました。

      投稿日:2025/10/10

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    回答した税理士

    新宿パートナーズ税理士事務所

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    • 東京都

    税理士(登録番号: 156732)

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