健康診断の費用を福利厚生費にする際の金額について
通常行っている健康診断(協会けんぽの生活習慣病予防健診8,000円程度)に加えて、がん等のリスク検査を全従業員を対象に実施することを検討しています。福利厚生費と出来る要件に著しく高額な検診・検査費用でないことという項目があると思いますが、具体的にはどの程度の金額まで許されるものなのでしょうか?
ちなみに、近所のクリニックでのリスク検査の金額は乳がん26,400円、すい臓がん・アルツハイマー49,500円、3種類のがんを選べる検査だと90,000円とのことです。この中から各自気になる項目1つを選んで検査を行う予定です。
毎年ではなく、2~3年に一度の検査を予定していますが、福利厚生費として認められそうでしょうか?
荒井会計事務所
- 認定アドバイザー
- 群馬県
税理士(登録番号: 63578), 公認会計士(登録番号: 35025), 社労士(登録番号: 13120156), 行政書士(登録番号: 16140764), 中小企業診断士(登録番号: 421403)
はじめまして。
質問者の方のケースでは、一律従業員(労働者性を持つ方も含む)全員が対象としており、かつ過去の裁決事例等の金額から総合的に考え、福利厚生費に参入していただいて差し支えないと考えらます。
また、検査のタイミングが2から3年のスパンということですが、こちらもこのスパンごとに一律での対応で同上のような要件を満たす場合には、福利厚生費の扱いについては変わらず処理いただいて差し支えないと考えられます。
ただし、質問者の方が懸念されているように高額である場合には、給与課税の対象とするという点については、上記の回答だけでは回答していることになりませんので、具体的にいくらからが高額かについて過去の裁決事例を例に以下で検討していこうと思います。
●まず原則論ですが、以下のように人間ドックの費用を負担することは、役員または使用人の給与所得に該当することが原則であると判示しています。しかし、労働安全衛生法及び労働安全衛生規則で健康診断を事業所に義務付けていることの延長であり、かつ金額が高額ではないものについては、上記の原則である給与課税として扱わなくて差し支えないと判示されています。
また、この裁決では、一般従業員(労働者)が18,522円であるのに対し、役員は346,500円と高額の検診を受診していることは、社会通念上から鑑みても高額であるかであるかという点で判示されています。
したがって、労働安全衛生法で定める健康診断の延長にあり、かつ上記の考え方及び社会通念上高額でないと考えられる範囲については、福利厚生費として扱うことができると考えられます。
また労働者性を持つ従業員の方がいらっしゃらないような場合には別の解釈も存在しますので、労働者性を持つ従業員の方含め全員に検査機会を提供いただき、かつ社会通念上において高額であるかを十分に検討いただくことをおすすめいたします。
"所得税法第28条第1項及び第36条第1項は、使用者が役員又は使用人の人間ドックの費用を負担することは、役員又は使用人がその費用相当分の経済的利益を受けたことになるから、その役員又は使用人に対する給与等に該当し、その利益相当分は給与所得の収入金額とされるのが原則である。/役員又は使用人の健康管理の必要から、使用者に対し、労働安全衛生法第66条及び労働安全衛生規則第44条に基づき、健康診断の実施が義務付けられていることに鑑みて、一定年齢以上の希望者は全て人間ドックを受けることができ、かつ、健診を受けた者の全てを対象としてその費用を負担するような場合で著しく多額でないものについては、給与所得として課税する必要まではないと解される。(H28-09-20)"
"健康診断を受診したものの、その一人当たりの費用の最大額は18,522円(税込)であり、成人病健診の一人当たりの費用346,500円又は356,400円(税込)とは大きな差があること(H28-09-20)"
https://www.nta.go.jp/law/shitsugi/gensen/03/03.htm
(人間ドックの費用負担 国税庁)
- 回答日:2021/09/21
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詳しいご回答ありがとうございます。
追加で1点、確認なのですが、全従業員を対象にしていても、本人が希望しなかったため検査を受けない者がいた場合でも福利厚生費として問題ないでしょうか?
全員が検査を受ける必要があるかをお聞きしたいです。投稿日:2021/09/21
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荒井会計事務所
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回答へのコメントありがとうございます。
追加のご質問に回答いたします。
労働者性をもつ従業員を含む全員に公平に機会を提供したにも関わらず、一部の社員が望まず利用しなかった場合においても、福利厚生費に参入いただくことは差し支えないと考えられます。
しかし、給与ではなく、福利厚生として損金に参入するという納税者有利の選択をしていることから、機会は提供したがというところを明確に記録保全するために、”希望しないに○をつけた申請書類やデータなどを保管いただく”などの工夫をいただくと、さらに税務調査時などには挙証責任を果たしやすくなると考えられます。
- 回答日:2021/09/21
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ご質問ありがとうございます!
健康診断や人間ドッグの費用が会社の経費として認められるには、
・特定の地位の者(役員など)のみでなく、全社員が対象となっている
・著しく高額なものではない
という要件が挙げられております。
この「著しく高額な」という部分の線引きが難しいのですが、
国税庁HPで「2日間の人間ドッグ」が例に上がっておりますので
ここから数万円程度は許容範囲だということが伺えるかと思います。
(参考)人間ドッグの費用負担 国税庁HP
https://www.nta.go.jp/law/shitsugi/gensen/03/03.htm
ご質問にございますリスク検査について
全従業員を対象に、数年に一度定期的に実施していただくのであれば
トータルで数万円の範囲内であれば福利厚生費として認められるかと思われます!
ただ、選べる項目に大きな金額差がございますと
オプション部分が給与課税とみなされる可能性がございますので、ご注意ください。
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- 回答日:2021/09/22
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全従業員が、一律に受けるものは、福利厚生費で処理できますね。
3種類の中から気になる一種類を全社員が受けるのであれば、すべて福利厚生費でよいと思います。
特定の誰かだけが、受けられるとか、役員だけとか、そうなってしまうと給与扱いになってしまいますね。
- 回答日:2021/09/21
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福利厚生費として健康診断・検査費用を計上するには、全従業員が対象であり、社会通念上妥当な範囲の金額であることが求められます。協会けんぽの8,000円程度の健診に加え、がんリスク検査を2~3年に一度実施する場合、金額が高額すぎると判断される可能性があります。一般的な企業のがん検診補助額は数万円程度が多く、26,400円の乳がん検査は比較的妥当ですが、49,500円や90,000円の検査は税務上否認されるリスクがあります。費用を抑えた選択肢を検討し、全員が平等に受けられる形を整えることで、福利厚生費として認められる可能性が高まります。
- 回答日:2025/02/17
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福利厚生費として認められる検診・検査費用の金額の目安は明確な基準がありませんが、一般的な企業が実施する健康診断の範囲を超えず、社会通念上妥当な範囲であることが求められます。
福利厚生費として認められる条件
全従業員を対象とすること(役員のみや一部の従業員だけでは不可)
社会通念上、妥当な範囲の金額であること
会社の業務と関連があり、従業員の健康管理を目的としていること
個人的な治療・診療目的ではないこと
過度に高額でないこと(通常の健康診断と比較)
金額の目安
健康診断:企業が負担する一般的な健診費用は1万円~3万円程度(協会けんぽの生活習慣病予防健診8,000円+オプション検査を追加するケースが多い)
がん検診:企業が負担するがん検診の相場は1万円~5万円程度(全額負担の場合)
高額検査(10万円以上)は、個人の診療費や役員報酬とみなされる可能性がある
今回のケースの判断
✅ 26,400円(乳がん)、49,500円(すい臓がん・アルツハイマー)→ 妥当な範囲
🔺 90,000円の3種類選択→ 高額すぎるため、福利厚生費として認められない可能性がある
💡 結論:
上限はおおむね50,000円程度までなら福利厚生費として認められる可能性が高い
90,000円の検査は過度に高額と判断される可能性があるため、一部会社負担・一部自己負担とするのが妥当
2~3年に一度の実施であれば、定期的な健康診断の延長として認められやすい
→ 福利厚生費として認められそうな案
✅ 50,000円以内の検査を1つ選ばせ、全額会社負担とする
✅ 90,000円の検査は、会社負担上限を設け(例:50,000円)、超過分は個人負担とする
この方法であれば、税務調査でも福利厚生費として認められやすくなると考えられます。
- 回答日:2025/02/10
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