賃貸しているアパートの1室を自己の新規事業の事務所とした場合の減価償却等について
アパート経営を行い不動産所得の確定申告を行っていますが、年の途中6月末で全5室のうちの1室の募集を停止し、1か月間清掃・備品購入を行った上で、8月1日から新規事業を開業しその事務所として使用しています。
この場合の8月以降の事業所得にかかる減価償却についての質問です。
なお、このアパートは30年前に建築し、旧定率法で償却中です。
1 不動産所得の減価償却は6月末でストップし、1か月分の清掃費等は事業所得の開業費として繰延資産の対象になると考えてよろしいでしょうか。
2 8月から始まる事業所得の減価償却は旧定率法が維持されますか、それとも定額法になるのでしょうか。
3 2の場合の償却の基礎となる価格は、旧定率法となると6月末時点の未償却残高になりますか、もし定額法となるとどう考えればいいのでしょうか。
4 7月1か月の清掃等の期間がなく、7月1日から直ちに新規事業を開業したとすると、上記2、3の考え方に影響は生じるのでしょうか。
以上、よろしくお願いいたします。
1室を事業用に転用した場合、6月末で不動産所得にかかる減価償却は終了し、以降は事業所得として扱われます。7月の清掃・備品購入費用は、事業開始前の支出であるため、原則として「開業費」として繰延資産に計上可能です。
減価償却については、旧定率法で償却中の資産を事業用に用途変更した場合でも、引き続き旧定率法で償却を継続することが認められます(なお平成10年4月1日以後に取得した建物の償却方法は、旧定額法または定額法のみとなり、平成28年4月1日以後に取得した建物附属設備および構築物の償却方法は定額法となります。)。従って、償却方法は変更不要で、償却基礎額も6月末時点の未償却残高となります。
なお、仮に7月から直ちに事業を開始していたとしても、上記の償却方法や未償却残高の扱いには基本的に影響はありません。ただし、開業費の範囲や事業開始日によって細部の取扱いに差が出る可能性があるため、実態に応じた処理が必要です。
- 回答日:2025/07/08
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お礼が遅くなって申し訳ありませんでした。大変よくわかりました。ありがとうございました。
投稿日:2025/07/31