生活保護受給中の確定申告についてのご質問
生活保護受給中ですが、個人事業主として開業しました、毎月収入認定をしたうえで過払い分は返納しています。そこでケースワーカーにおかしなことを言われて質問しています。
『確定申告した経費は、ダブル控除になるから生活保護には経費は計上できない。』と言われたのですが、どうでしょうか?そもそも、収入認定の時に申告した『経費』と、確定申告時の『経費』って同じ扱いなんでしょうか?そこがいまいち分かりません。
『ダブル控除』ってなにという気持ちもあります。そもそも、今年の確定申告まだなんですけど、、、今までは収入から経費を差し引いた額を収入認定して差額分を返納してきました。
知りたいのは、その場合来年の三月の確定申告に経費を計上してもいいのかどうか?です、どうかご回答よろしくお願いします。
整理すると、ケースワーカーの言う「ダブル控除」というのは、生活保護の収入認定時にすでに経費を差し引いているのに、確定申告でも経費を差し引くと「同じ控除を2回しているように見える」という意味だと思われます。
ただし、これは生活保護の制度と税法の制度が混同されているために生じる誤解です。
1. 生活保護の収入認定と税務上の経費は別制度
• 生活保護の収入認定
自営業者の場合、「売上 − 必要経費 = 事業収入」として、その金額を生活保護の収入として認定し、保護費から差し引きます。
ここでいう経費は、生活保護法に基づくもので、自治体の運用基準に沿った「最低限の必要経費」に限定されます。
• 税務上の経費(確定申告)
所得税法上の必要経費で、「売上 − 必要経費 = 課税所得」として税金計算に使うもの。
範囲は生活保護の経費より広いこともあれば、逆に生活保護では認められても税法上は認められないものもあります。
2. 「ダブル控除」にはならない理由
• 生活保護で経費を差し引くのは、保護費計算のため
• 確定申告で経費を差し引くのは、税額計算のため
• 計算の目的も制度も別なので、同じ支出を両方で経費として扱っても問題ありません。
これは、会社員が社会保険料を給与計算で控除されても、確定申告で「社会保険料控除」を申告できるのと同じ考え方です。
3. 実務上のポイント
• 生活保護の収入申告で提出した経費資料と、確定申告で使う帳簿や領収書は同じものでOK(両方で使える)。
• ただし、生活保護側で認められなかった経費でも、税務上は認められる場合があります(逆もあり)。
• 確定申告時には、税法に沿って必要経費を計上して問題ありません。
4. 注意点
• 確定申告後、その内容を生活保護課が照会し、経費や売上の差異を確認することがあります。
• 特に、確定申告上の売上や経費が収入申告と大きく違うと説明を求められることがありますので、帳簿と領収書をしっかり揃えておくことが大切です。
結論
来年3月の確定申告で、今年の事業の必要経費を税法に従って計上して構いません。
生活保護での経費控除と、税務での経費控除は別制度なので、「ダブル控除」にはなりません。
- 回答日:2025/08/15
- この回答が役にたった:1
迅速な回答ありがとうございます、わかりやすいのですごく理解できました、ありがとうございました。
投稿日:2025/08/16
生活保護制度における「収入認定」と税務上の「確定申告」は別制度であり、経費の考え方も独立しています。
生活保護では、事業収入から必要経費を差し引いた「純収入額」を毎月申告し、その額に応じて保護費が減額・返納されます。確定申告では、1年間の総収入から必要経費を控除し所得を算出し、税額を決定します。
ケースワーカーの言う「ダブル控除」は、「生活保護で経費控除したうえに、税務でも同じ経費を控除するのは二重優遇だ」という趣旨と思われますが、これは誤解です。生活保護の経費控除は保護費算定上の調整であり、税務上の必要経費とは別概念です。同じ支出でも、双方で適正に控除して構いません。
したがって、これまで通り生活保護の収入認定時に経費を差し引き、翌年の確定申告でも同じ経費を計上して差し支えありません。念のため、領収書や帳簿を保存し、生活保護側にも税務側にも同一根拠で説明できるようにしておくことが重要です。
- 回答日:2025/08/15
- この回答が役にたった:1
早速の回答ありがとうございます、本当に数分で回答が来てびっくりです、めちゃくちゃいいサービスだと思いました。
対応してくださった先生ありがとうございました。投稿日:2025/08/15