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古物商法人成り

    古物商を営んでいますが、法人成りを検討しています。
    海外売上がメインで、仕入れはメルカリなどのフリマサイトで国内で行います。

    ご質問
    ①消費税還付を想定しています。
    インボイス対応しないと2割特例は適用できないですが、小売なので課税事業者選択届でもいいでしょうか

    ②個人からの在庫引き継ぎ
    個人の方では、インボイス対応していません。
    この場合、法人に在庫を譲渡したら、法人の方では古物商の特例により、仕入税額控除が100%(経過措置80%ではなく)できるのでしょうか?
    売却価格は、時価の70%です。

    古物商法人成りに関するご質問への回答
    ご質問① 消費税還付と課税事業者選択届について
    回答:小売業であっても、課税事業者選択届出書を提出することで消費税の還付を受けることは可能です。
    インボイス制度が導入された現在、消費税の還付を受けるためには原則としてインボイス(適格請求書)の発行事業者となる必要があります。しかし、ご質問のケースは海外売上がメインであり、海外売上は消費税が免税(輸出免税)となります。
    * 輸出取引と消費税還付の仕組み: 海外売上は輸出免税取引に該当するため、売上にかかる消費税は発生しません。一方で、国内での仕入れには消費税がかかります。この「仕入れにかかった消費税」が、「売上にかかる消費税」を上回るため、その差額が還付されることになります。
    * 課税事業者選択届出書: 個人事業主が免税事業者である場合、消費税の還付を受けるためには「消費税課税事業者選択届出書」を税務署に提出し、課税事業者となる必要があります。これにより、仕入れにかかる消費税の還付を受けることが可能になります。
    * 2割特例との関係: 2割特例は、インボイス発行事業者の登録を受けた免税事業者が、インボイス制度開始に伴う納税負担を軽減するための特例です。しかし、貴社のように消費税還付を目的とする場合は、課税事業者として還付申告を行うことが目的であり、2割特例の適用対象とはなりません(2割特例は納税額を計算する特例のため)。
    * 小売の場合の注意点: 小売業であっても、輸出免税取引がある場合は還付を受けることができます。国内のフリマサイトからの仕入れは、売上とは異なり課税仕入れとなります。
    ご質問② 個人からの在庫引き継ぎと仕入税額控除について
    回答:古物商特例を適用した場合、法人は仕入れ時の課税仕入れとみなされ、仕入税額控除の対象となります。ただし、その「仕入れ」が税法上の「課税仕入れ」に該当するかどうかが重要です。
    1.古物商の特例(インボイス制度下における少額特例)
    インボイス制度導入後も、古物商が適格請求書発行事業者ではない者から棚卸資産を買い取る場合について、帳簿に一定の事項を記載し、かつ「棚卸資産の買入れに係る対価の額」が1万円未満である場合には、その買入れにかかる仕入れについては適格請求書の保存を要しないとする特例(少額特例)があります。しかし、これは仕入れが継続的に発生する通常の営業活動における特例です。
    2.個人から法人への在庫引き継ぎ
    今回のケースは「個人からの在庫引き継ぎ」という特殊な取引です。
    * 消費税の課税仕入れに該当するか: 個人事業主から法人への在庫の引き継ぎ(譲渡)は、消費税の課税対象となる取引です。ただし、個人事業主が免税事業者であれば、その譲渡には消費税は課税されません。
    * 法人の仕入税額控除: 法人側がこの在庫を引き継ぐ際、個人事業主が免税事業者であるため、消費税が課税されていない仕入れとなります。この場合、原則として法人側で仕入税額控除はできません。仕入税額控除は、消費税が課された仕入れに対して認められるためです。
    * 売却価格の70%について: 売却価格が時価の70%であることは、法人設立時の現物出資や売買契約の内容に関わりますが、仕入税額控除の可否には直接影響しません。重要なのは、消費税が課された取引であるかどうかです。
    結論として、個人事業主が免税事業者である場合、法人に在庫を譲渡しても、法人側でその譲渡にかかる仕入税額控除を受けることはできません。
    * 考えられる例外(限定的):
    * もし個人事業主が課税事業者であり、かつインボイス発行事業者であった場合、適格請求書の発行を受けることで法人側で仕入税額控除は可能です。しかし、ご質問では「個人の方では、インボイス対応していません」とのことですので、このケースには該当しません。
    * 「古物商の特例により、仕入税額控除が100%」という記述は、通常の営業取引で仕入れる場合の話であり、個人事業主から法人への事業承継・在庫引き継ぎの場合には直接適用されません。
    補足事項
    * 法人設立時の注意点: 法人設立時に、個人事業主から法人へ事業用資産(在庫を含む)を譲渡する際は、その取引が税務上どのように取り扱われるか(売買、現物出資など)によって、課税関係が異なります。税務署への届出や契約内容も重要になります。

    • 回答日:2025/07/20
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    • 認定アドバイザー評価ランク3
    • 愛知県

    税理士(登録番号: 100068), 社労士(登録番号: 13210457), 行政書士(登録番号: 16192456), 中小企業診断士(登録番号: 414204), その他

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