非適格合併における会計・税務処理について、合併法人と被合併法人それぞれの視点から説明いたします。
被合併法人(消滅会社)の処理
会計処理
合併前日を最終日として会計処理を実施
資産・負債は適正な会計処理による簿価で処理
合併により全ての資産・負債が移転するため、B/Sの逆仕訳により全科目残高をゼロにする
税務処理
みなし事業年度末に資産・負債を時価で合併法人に移転
時価と帳簿価額との差額について譲渡損益を認識
最終事業年度の確定申告が必要
合併法人(存続会社)の処理
資産・負債の受入れ
被合併法人の資産・負債を時価で受け入れる
技術力や知財などの無形資産も公正価値で評価して計上
賞与引当金は税務上引き継ぐことができない
のれんの処理
被合併企業の純資産(資産-負債)より株式交付による資本金計上額が多い場合、のれんが発生
逆に少ない場合は負ののれんとして処理
資本金等の処理
合併対価が株式の場合、その時価分だけ資本金等の額を増加
貸借差額は資産調整勘定または差額負債調整勘定として処理
税務上の特徴
被合併法人の資産・負債は時価で移転し、譲渡損益が発生
合併消滅法人の残存利益や欠損金は引き継がれない
譲渡益に対して租税債務(負債)が発生
資産の譲渡に対して法人税が課税される
注意点
合併前の法人の資産や負債は時価評価が基準となる
非適格合併後は消滅した合併消滅法人の欠損金は引き継げない
資産評価や負債評価の差額は合併利益として計上
税務処理と会計処理の差異は税務調整が必要
- 回答日:2024/10/28
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