取引する上で円滑な関係を維持すべき相手から勧められた書籍の購入代金は経費にできないのでしょうか?
タイトルのとおりです。他サイトの似た質問では交際費にならないとされているのですが(https://www.zeiri4.com/c_1032/c_1035/q_115176/)、もう少し中身のある回答を頂きたいです。
勧められた本を実際に購入して読み、次に相手と話す際に感想を述べれば「この人は自分の話を聞いてくれているな、親身にやり取りしてくれているな」という信頼感に、ひいては次の仕事にもつながります。これは、「取引先に対する接待、供応、慰安、贈答その他これらに類する行為」に十分当たり、業務上の利益・必要性があると言えないのでしょうか?本当に経費計上する道は一切ないのか、多様なご意見を頂きたいです。
■ 取引先から勧められた本の購入費は交際費になるのか?
① 交際費の定義と基本的な考え方
交際費とは、「取引先等との関係を円滑にし、事業の発展に寄与することを目的として支出する接待・供応・慰安・贈答などの費用」 とされています(法人税法61条の4、所得税基本通達37-5)。
一般的な交際費の例として、以下のようなものが挙げられます。
✓ 接待の飲食代
✓ 贈答品や手土産の購入費
✓ 取引先を招待するゴルフ費用や旅行費
一方で、自己研鑽や業務上の必要性がある場合は、研修費、教育費、図書費 などに該当し、交際費にはならないと考えられます。
② 本の購入が交際費になりにくい理由
取引先から勧められた本を購入し、それを読んで相手と話すことは、取引関係の円滑化には役立つ かもしれませんが、税務上の「接待・供応・贈答」には該当しにくいです。
理由は以下のとおりです。
「接待・贈答」には、相手に対する支出が前提
交際費は、基本的に 相手に何かを提供する(飲食、贈答品など)ことが要件です。
本の購入は あくまで自己の支出 であり、相手に贈る場合を除けば「贈答」には当たりません。
自己の知識向上とみなされやすい
取引先との円滑なコミュニケーションのために本を読むことは、自己のスキルアップ(研修・教育費) に分類されやすいです。
取引先からの勧めであっても、その本を買って読むのは、最終的に自分の学習のため と判断される可能性が高いです。
税務調査で交際費と認められる可能性が低い
交際費として計上するには、「取引先に接待・供応・贈答等を行った」という明確な事実が必要です。
取引先と一緒に本を読んで勉強会を開いた、読書会を開催し、本を贈った などの具体的な形があれば、交際費に近づくかもしれませんが、単に自分が読んで感想を述べるだけでは交際費にはなりません。
③ 本当に経費計上できる道はないのか?
交際費として計上するのが難しい場合、他の勘定科目で経費処理する方法 を検討できます。
✓ 「研修費」または「教育研修費」
取引先との関係構築のために購入した本であっても、業務に関連する内容であれば、「研修費」「教育研修費」として経費計上 することが可能です。
例えば、「業界の動向に関する本」「マーケティング関連の本」「税務・会計の専門書」などは、業務上必要な知識と判断できます。
✓ 「図書費」「新聞図書費」
一般的な経費処理として、「新聞・雑誌・専門書の購入費」として「図書費」で処理するのが一般的です。
この場合、業務に関連する本であることを明確にするために、業務日報やメモに「○○社との商談のため、○○の本を購入・読了」と記録を残す とよいでしょう。
④ 税務調査でのリスク
交際費として計上した場合、税務調査で否認される可能性があります。
税務署側の視点では、「自己学習のための本ではないか?」 と疑われるため、経費の根拠を説明できるようにしておく必要があります。
✓ 税務調査時の対策
本の内容が業務に関連していることを示す(例えば、取引先の業界動向に関する本である)
購入理由を業務上の目的として説明できるようにする
取引先との商談記録に「本の内容をもとに商談を進めた」と記録する
■ 結論
取引先との関係を深めるために本を購入したとしても、交際費として認められる可能性は低い です。
しかし、「研修費」「教育研修費」「図書費」などの勘定科目で経費計上する方法は十分に可能 です。
税務調査の際には、業務上の必要性を説明できるよう、購入理由や使用目的を記録しておくことをおすすめします。
- 回答日:2025/01/29
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書籍購入費の経費計上について、結論から申し上げます。
原則として、書籍購入費は交際費には該当しません。 なぜなら、書籍の購入は直接的な接待、供応、慰安、贈答といった行為に当たらないためです。
しかし、書籍購入の目的が、単に書籍を読むことではなく、取引先との関係構築に寄与し、事業の円滑な遂行に繋がるという側面がある場合、経費計上の可能性は残されています。
具体的には、以下の3つのケースが考えられます。
1. 交際費に準ずるものとしての経費計上: 書籍購入が取引先との関係構築に不可欠であり、事業遂行上必要であったと説明できる場合、交際費に準ずるものとして一部経費計上できる可能性があります。ただし、書籍購入の目的、取引先との関係性、金額の妥当性を明確に説明する必要があります。
2. 図書費としての経費計上: 書籍の内容が事業に関連するものであり、事業の遂行に役立つ場合、図書費として経費計上できます。書籍の内容、事業との関連性、業務利用の証明が必要です。
3. その他の経費としての経費計上: 書籍の内容が事業戦略やマーケティング戦略の立案に役立つ場合、研究開発費や広告宣伝費として計上できる可能性があります。この場合も、書籍購入の目的や事業との関連性を明確に説明する必要があります。
重要なのは、書籍購入の目的や事業との関連性を明確に説明し、税務署が「事業遂行上必要であった」と認めることです。 経費計上の可否は最終的に税務署の判断に委ねられます。
ご質問のケースでは、書籍購入が取引先との関係構築に寄与するという側面を強調し、図書費やその他の経費として計上することを主張されたら良いと思います。
- 回答日:2025/01/26
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取引先との関係維持のために購入した書籍の費用は、一般的に交際費には該当しません。交際費は飲食や贈答など、相手に対する接待行為が中心となるため、自己使用の書籍購入は認められにくいです。ただし、業務に直接関連する書籍であれば「新聞図書費」や「研修費」として経費計上が可能です。例えば、取引先が専門書を勧め、それが業務遂行上必要であれば経費として認められる可能性があります。また、書籍を購入し、それを取引先に贈呈する場合は交際費として処理できる場合もあります。経費計上の妥当性は、業務関連性と合理的な説明が可能かどうかによります。税務調査時に合理的な理由を説明できるよう、購入目的や業務との関連性を明確に記録しておくことが重要です。
- 回答日:2025/02/19
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