端数処理について
当社宛の請求書で複数枚請求書と合計請求書がきました。端数処理が四捨五入で複数枚数請求書はそれぞれ各取引先の立替金のインボイスです。合計請求書でも四捨五入で端数処理されているので複数枚数請求書の消費税額合計と合計請求書の消費税額が合いません。
取引先に立替金として請求してもよいのでしょうか?
1. 消費税の端数処理
消費税法上、消費税の端数処理は、一の課税期間における課税標準額に対する消費税額の計算につき、原則として一回行うこととされています(消費税法28条、消費税法施行令59条)。ただし、インボイス(適格請求書)においては、1つのインボイスにつき税率ごとに区分した消費税額を記載する必要があり、その端数処理はインボイスごとに行うことが認められています。
2. 今回のケースの問題点
ご質問のケースでは、以下の点が問題となります。
複数枚のインボイス(立替金): 個々のインボイスで四捨五入による端数処理が行われている。
合計請求書: 合計請求書でも四捨五入による端数処理が行われているため、個々のインボイスの消費税額の合計と、合計請求書の消費税額が一致しない。
3. 立替金の請求について
結論として、立替金として請求すること自体は可能です。ただし、以下の点に注意が必要です。
合計請求書に記載する消費税額: 合計請求書に記載する消費税額は、原則として、個々のインボイスに記載された消費税額の合計額と一致させる必要があります。今回のケースでは、合計請求書で再度端数処理を行っているため、この原則から外れています。
取引先への説明: 個々のインボイスと合計請求書で消費税額が一致しない理由(端数処理の方法の違い)を、事前に取引先へ説明しておくことが重要です。
4. 具体的な対応
以下のいずれかの方法で対応することが考えられます。
合計請求書の修正: 合計請求書の消費税額を、個々のインボイスの消費税額の合計額と一致するように修正する。
立替金の請求金額の調整: 個々のインボイスの消費税額の合計額に基づいて立替金を計算し、合計請求書との差額を調整する(例えば、立替金に含める事務手数料などで調整するなど)。この場合、事前に取引先と合意しておく必要があります。
端数処理方法の見直し: 今後の請求について、端数処理の方法を統一する(例えば、切り捨て、切り上げなど)。この場合、事前に取引先と合意しておく必要があります。
5. インボイスの記載要件
インボイスには、以下の事項を記載する必要があります(インボイスの記載事項については、消費税法57条の4、消費税法施行規則26条)。
適格請求書発行事業者の氏名又は名称及び登録番号
課税仕入れを行った相手方の氏名又は名称
課税仕入れを行った年月日
課税仕入れに係る資産又は役務の内容
税率ごとに区分して合計した対価の額(税抜き又は税込み)及び適用税率
消費税額
今回のケースでは、個々のインボイスと合計請求書で消費税額が異なる場合、インボイスの記載要件を満たさない可能性があります。
- 回答日:2025/05/13
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ご回答ありがとうございます。
各取引先には立替金として請求出来るが取引先は仕入れ税額控除出来ないということでしょうか?
合計請求書は当社の支払いのみに使用していますがやはりご回答のように取引先に迷惑を掛けてしまいますでしょうか?投稿日:2025/05/15
何度もすみません。
当社が合計請求書で支払いをした際に値増し、値引きで調整は問題ありますでしょうか?投稿日:2025/05/16